1.4.7 HiRDBを旧バージョンに戻す場合
HiRDBのバージョンアップに成功した後にバージョンダウンを行う場合(例えば,テストなどで一度HiRDBをバージョンアップした後に,バージョンダウンして元の運用に戻したい場合など)は,旧バージョンで再構築する必要があります。
- 〈この項の構成〉
(1) 前提条件
旧バージョンで再構築する場合には,バージョンアップ前にすべてのRDエリアのバックアップ,及びシステム定義ファイルのバックアップを取得しておく必要があります。バックアップは,データベース複写ユティリティ(pdcopy)で取得します。
(2) 再構築の手順
再構築の手順は,最初にHiRDBをインストール及び環境設定する手順と基本的に同じです。旧バージョンで再構築する場合の手順を次に示します。
-
HiRDBを停止します(pdstopコマンド)。
-
新バージョンのHiRDBをOSから削除します(pdsetup -dコマンドを実行し,Yを応答)
-
新バージョンのHiRDBをアンインストールします。※1
-
旧バージョンをインストールします。
-
旧バージョンのHiRDBをOSに登録します(pdsetupコマンドを実行)
-
旧バージョンの環境設定を行います。
HiRDBファイルシステム領域を作成します(pdfmkfsコマンドを実行)。※2
HiRDBファイルシステム領域に,システムファイル(システムログファイル,シンクポイントダンプファイル,ステータスファイル)を作成します(pdloginitコマンド,及びpdstsinitコマンドを実行)。
なお,新バージョンのHiRDBでシステム定義を変更した場合,バージョンアップ前に取得した旧バージョンのシステム定義ファイルに変更する(旧バージョンのHiRDBのシステム定義に戻す)必要があります。
-
データベース回復ユティリティ(pdrstr)を起動するため,pdstart -rコマンドでHiRDBを開始します。
-
データベース回復ユティリティ(pdrstr)で,バージョンアップ前に取得したバックアップファイルからデータベースを回復します(全RDエリアのリストア)。このとき,バージョンアップ後のHiRDBで更新したログを含むアンロードログファイルは使用しないでください。
-
HiRDBを停止します(pdstopコマンド)。
-
HiRDBを開始します(pdstartコマンド)。
- 注※1
-
マルチHiRDBの構成で複数のHiRDBシステムを運用している場合は,HiRDBをアンインストールすると,サーバマシン内のすべてのHiRDBが削除されます。そのため,新バージョンのHiRDBをアンインストールしないで,新バージョンのHiRDBに旧バージョンのHiRDBを上書きインストールしてください。
- 注※2
-
新バージョンのHiRDBでpdfmkfsコマンドを実行していない場合,旧バージョンでのHiRDBファイルシステム領域の作成は不要です。
(3) 注意事項
旧バージョンに戻す場合の注意事項を次に示します。
-
系切り替え機能を使用している場合
現用系,予備系ともに旧バージョンに戻してください。
-
付加P.P.をセットアップしている場合
旧バージョンに戻すことで,付加P.P.の前提バージョンを満たさなくなった場合,旧バージョンのHiRDBに対応した付加P.P.に変更してください。
-
リアルタイムSANレプリケーションを使用している場合
すべてのデータ反映方式で,メインサイト,リモートサイトを同時に旧バージョンに戻してください。また,ログ同期方式のときは,再構築の手順9.の後でシステムログ適用化を実行する必要があります。
-
セキュリティ監査機能を使用している場合
再構築の手順5.で,システムファイルを作成するとき,監査証跡ファイルも作成してください。
-
HiRDB Datareplicatorとのデータ連動機能を適用している場合
-
再構築の手順1.〜4.の間にHiRDB Datareplicatorも同時に旧バージョンに戻す必要があります。
-
再構築の手順9.の後にHiRDB,HiRDB Datareplicator連動環境を再初期化する必要があります。
-