1.3 各処理方式の特徴

リアルタイムSANレプリケーションの処理方式を全同期方式,全非同期方式,ハイブリッド方式,またはログ同期方式のどれにするかを検討してください。各処理方式の特徴を次の表に示します。

表1-6 全同期方式,全非同期方式,ハイブリッド方式,およびログ同期方式の特徴

大分類小分類リアルタイムSANレプリケーションの処理方式
全同期方式全非同期方式ハイブリッド方式ログ同期方式
HiRDBファイルの配置同期ペアボリュームに配置するファイルありなしありあり
非同期ペアボリュームに配置するファイルなしありありなし
SMPLペアボリュームに配置するファイルなしなしなしあり
データ欠損※1なしありなしなし
トランザクション処理性能更新コピー待ち合わせ時間による性能劣化ありなしありあり
性能比較※2441008888
コスト初期導入やや高い高い高い低い
運用高い高い高い低い
ほかの機能との組み合わせ同時に実行できない機能なしなしなしあり※4
ログレスモード,または更新前ログ取得モードでのUAP,SQL実行時の影響なしなしトランザクション性能が劣化※3システムログ適用化が必要
運用災害対策用のサイトのHiRDB運用災害時だけ稼働災害時だけ稼働災害時だけ稼働常に稼働
運用手順簡単簡単やや複雑複雑
注※1
障害や,HiRDB管理者の操作の誤りによって,リモートサイトへの反映が正しく行われなかった場合,データ欠損が発生するか,またはリモートサイトでHiRDBが再開始できないことがあります。
注※2
サイト間伝送距離1500km,通信速度1ギガbpsの環境下で,リアルタイムSANレプリケーションを使用しないときのトランザクション性能を100とした場合の,おおよその相対値です。なお,相対値はメインサイトとリモートサイト間の減衰率に依存します。
注※3
詳細については,「4.2 運用時の注意事項(ハイブリッド方式限定)」を参照してください。
注※4
詳細については,「16. ほかの機能との関連」を参照してください。