pdrisechkリアルタイムSANレプリケーションの構成確認

機能

リアルタイムSANレプリケーションを適用するために必要なシステム定義の内容と,HiRDBファイルに対応したペア論理ボリュームグループのペア属性,ペアステータス,及びフェンスレベルの整合性をチェックします。

なお,このコマンドを実行する前に,RAID Managerが稼働中であるかどうかを確認してください。

実行者

HiRDB管理者が実行できます。

形式

 pdrisechk 〔-d {all|db|sys}〕 〔{-u ユニット識別子|-s サーバ名}〕 〔-l〔-n〕〕 〔-r〕

オプション

チェックするファイルの区分を指定します。

all:RDエリア及びシステムファイル

db:RDエリア

sys:システムファイル

チェックするユニットのユニット識別子を指定します。-u,及び-sオプションを共に省略した場合,HiRDB全体をチェック対象とします。

チェックするサーバのサーバ名を指定します。

ログ同期方式の場合に,ログ適用サイトのシステム構成が正しいかどうかをチェックします。

副ステータスファイルの状態をチェックしない場合に指定します。-nオプションは,-lオプションを指定している場合に指定できます。

ログ同期方式の場合に,ペア論理ボリュームグループに対してシステムログ適用化を実行できるシステム構成かどうかをチェックします。

規則

  1. pdrisechkコマンドは,HiRDBの稼働に関係なく実行できます。
  2. pdrisechkコマンドは,$PDCONFPATH/pdsysのHORCMINSTオペランドに指定したRAID Managerのインスタンスが,pdrisechkコマンドを実行したサイトですべて稼働中の場合に実行できます。
  3. pdrisechkコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
  4. pdrisechkコマンドは,$PDCONFPATH下のシステム定義ファイルの内容をチェックします。
    なお,$PDCONFPATHは,ユニット制御情報定義ファイルのPDCONFPATHオペランドに指定した値です(指定がない場合は$PDDIR/conf)。
  5. pdrisechkコマンドは,システム共通定義のHORCMINSTに指定したRAID Managerのインスタンスに問い合わせます。システム共通定義にHORCMINSTオペランドを指定しないでpdrisechkコマンドを実行した場合,環境変数HORCMINSTの値をRAID Managerのインスタンス番号と仮定して動作します。
  6. 全同期方式,ハイブリット方式,及びログ同期方式の場合の,チェック対象となるファイル区分と-dオプションの関係について次の表に示します。なお,全非同期方式の場合は,-dオプションの指定値に関係なくすべてのファイル区分について構成を確認します。

    表2-20 チェック対象となるファイル区分と-dオプションの関係

    ファイル区分対象となるペア論理ボリュームグループ名-dオプションの指定値
    all又は省略sysdb
    DBaaaa_bb....bb_DB×
    LOGaaaa_bb....bb_LOG×
    SPDaaaa_bb....bb_SPD×
    USTSaaaa_cccc_USTS×
    SSTSaaaa_bb....bb_SSTS×
    (凡例)
    aaaa:HiRDB識別子
    bb....bb:サーバ名
    cccc:ユニット識別子
    ○:チェックします。
    ×:チェックしません。
  7. pdrisechkコマンドのチェック項目とリアルタイムSANレプリケーションの処理方式との関係を次の表に示します。

    表2-21 pdrisechkコマンドのチェック項目とリアルタイムSANレプリケーションの処理方式との関係

    項番チェック項目リアルタイムSANレプリケーションの処理方式
    全同期方式全非同期方式ハイブリット方式ログ同期方式
    1リアルタイムSANレプリケーションを使用する場合に必要なオペランドを指定しているか
    2付加PPについて,リアルタイムSANレプリケーションを使用するときにセットアップが必要な付加PPをセットアップしているか×
    3サイト状態が次に示す状態であるか
    -lオプション指定時:
    「ログ適用」又は「準備」
    -lオプション省略時:
    「業務」又は「準備」
    ×※1
    4更新コピーが必要なペア論理ボリュームグループがすべてそろっているか
    5項番4のペア論理ボリュームグループのボリューム属性について,pdrisechkコマンドを実行したサイト側が表2-22,及び表2-23に示すボリューム属性か
    6項番4のペア論理ボリュームグループのペアステータスについて,pdrisechkコマンドを実行したサイト側が表2-24に示すペアステータスか
    7項番4のペア論理ボリュームグループのフェンスレベルについて,表2-25に示すフェンスレベルか
    8すべての副ステータスファイルが初期状態になっていないか×※2
    (凡例)
    ○:チェックします。
    ×:チェックしません。
    注※1
    系切り替え機能を適用したHiRDBで,予備系でpdrisechkコマンドを実行した場合,サイト状態を特定できないため,サイト状態はチェックされません。KFPS04692-Wメッセージが表示され,処理が続行されます。
    注※2
    チェック対象となるペア論理ボリュームグループは,-d,-u,-sオプションの指定によって決まります。

    表2-22 pdrisechkコマンドがチェックするボリューム属性一覧(-lオプションあり)

    ペア論理ボリュームグループ名リアルタイムSANレプリケーションの処理方式
    全同期方式,又はハイブリット方式全非同期方式ログ同期方式
    -rオプションあり-rオプションなし
    aaaa_bb....bb_DBS-VOLS-VOLSMPL
    aaaa_bb....bb_LOGS-VOL
    aaaa_bb....bb_SPD
    aaaa_cccc_USTS
    aaaa_bb....bb_SSTS
    aaaa_ALLS-VOL
    (凡例)
    aaaa:HiRDB識別子
    bb....bb:サーバ名
    cccc:ユニット識別子
    -:該当しません。

    表2-23 pdrisechkコマンドがチェックするボリューム属性一覧(-lオプションなし)

    ペア論理ボリュームグループ名リアルタイムSANレプリケーションの処理方式
    全同期方式,又はハイブリット方式全非同期方式ログ同期方式
    -rオプションあり-rオプションなし
    aaaa_bb....bb_DBP-VOLP-VOLSMPL
    aaaa_bb....bb_LOGP-VOL
    aaaa_bb....bb_SPD
    aaaa_cccc_USTS
    aaaa_bb....bb_SSTS
    aaaa_ALLP-VOL
    (凡例)
    aaaa:HiRDB識別子
    bb....bb:サーバ名
    cccc:ユニット識別子
    -:該当しません。

    表2-24 pdrisechkコマンドがチェックするペアステータス一覧

    ペア論理ボリュームグループ名リアルタイムSANレプリケーションの処理方式
    全同期方式,又はハイブリット方式全非同期方式ログ同期方式
    -rオプションあり-rオプションなし
    aaaa_bb....bb_DBPAIRPAIR
    aaaa_bb....bb_LOGPAIR
    aaaa_bb....bb_SPD
    aaaa_cccc_USTS
    aaaa_bb....bb_SSTS
    aaaa_ALLPAIR
    (凡例)
    aaaa:HiRDB識別子
    bb....bb:サーバ名
    cccc:ユニット識別子
    -:該当しません。

    表2-25 pdrisechkコマンドがチェックするフェンスレベル一覧

    ペア論理ボリュームグループ名リアルタイムSANレプリケーションの処理方式
    全同期方式ハイブリット方式ログ同期方式
    保護モード=data保護モード=never保護モード=data保護モード=never保護モード=data保護モード=never
    -rオプションあり-rオプションなし-rオプションあり-rオプションなし
    aaaa_bb....bb_DBdataneverasyncasyncdatanever
    aaaa_bb....bb_LOGdatadatadatanever
    aaaa_bb....bb_SPD
    aaaa_cccc_USTS
    aaaa_bb....bb_SSTS
    (凡例)
    aaaa:HiRDB識別子
    bb....bb:サーバ名
    cccc:ユニット識別子
    -:該当しません。
    注※
    全非同期方式の場合は,aaaa_ALLに対して,asncとなります。
  8. 副ステータスファイルは初期状態かどうかチェックされます。チェックの有無は,リアルタイムSANレプリケーションの処理方式,及びオプションの指定の有無によって異なります。副ステータスファイルの初期状態をチェックする条件を次の表に示します。

    表2-26 副ステータスファイルの初期状態をチェックする条件

    リアルタイムSANレプリケーションの処理方式オプションの指定副ステータスファイルのチェック
    -d-l-r又は-n-sユニット用副ステータスファイルサーバ用副ステータスファイル
    ログ同期方式ALL,SYS,又は指定なし指定あり指定あり××
    指定なし指定なし
    指定あり×
    指定なし××
    DB
    ログ同期方式以外
    (凡例)
    ○:チェックしません。
    ×:チェックします。
    -:該当しません。

注意事項

  1. pdrisechkコマンドのリターンコードは,0の場合は正常終了,8の場合は異常終了となります。8の場合は,その前に出力されているメッセージを参照してエラー要因を取り除いてください。
  2. pdrisechkコマンドの結果は,KFPS05815-Iメッセージで表示されます。
  3. pdrisechkコマンドは,KFPS05815-Iメッセージで表示されるコマンド終了コード(end code)がOKになるまで,出力されたエラーメッセージに従って対策し,再実行してください。
  4. 検知したエラーによっては,検知時点でチェックを中止します。出力されたエラーメッセージに対して適切な対策をして,再度コマンドを実行した場合でも,新たなエラーメッセージを出力することがあります。
  5. 系切り替え機能を適用したHiRDBの場合,pdrisechkコマンドは,常に現用系のシステム定義を基にリアルタイムSANレプリケーションの構成確認をします。したがって,ユニット及びサーバが現用系以外で稼働している状態で,pdrisechkコマンドを実行したときの実行結果は保証できません。HiRDBが稼働中の場合は,すべてのユニット及びサーバが,現用系で稼働しているときにpdrisechkコマンドを実行してください。
  6. チェック対象にフロータブルサーバが含まれる場合,KFPS01896-E及びKFPS04680-Eを出力することがありますが,無視してください。フロータブルサーバに対応するペア論理ボリュームグループについてだけチェックをしたい場合は,-dオプションにsysを指定してください。
  7. ログ同期方式以外で-rオプションを指定した場合,及びログ同期方式でログ適用状態以外で-rオプションを指定した場合はエラーになります。システムログ適用化については,マニュアル「HiRDB Version 8 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド」を参照してください。