スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)
検査保留状態の強制変更機能は,参照制約又は検査制約の整合性を検査しないで,検査保留状態を強制的に変更する機能です。検査保留状態の強制変更機能には,検査保留状態の強制設定,又は強制解除の二つがあります。
検査保留状態の強制変更は,表に定義された参照制約及び検査制約のすべての制約を更新対象とする「表単位」,又は一つの制約だけを更新対象とする「制約単位」に実行できます。なお,インナレプリカ機能を使用して表単位に実行する場合,オリジナルRDエリア及びレプリカRDエリアを作成したすべての世代を対象とする「全世代単位」,一つの世代だけを対象とする「世代単位」,及びカレントRDエリアの世代を対象とする「カレントRDエリアの世代単位」に実行できます。なお,制約単位で実行する場合は,全世代単位で実行します。
検査保留状態の強制変更を実行すると,ディクショナリ表の検査保留状態の情報が変更されます。ディクショナリ表の検査保留状態の変更箇所を表13-21及び表13-22に示します。
表13-21 ディクショナリ表の検査保留状態の変更箇所(インナレプリカ機能を使用しない場合)
実行単位 | -cオプションの指定 | 表の制約 | ディクショナリ表の検査保留状態の変更箇所 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
参照制約 | 検査制約 | SQL_TABLES表 | SQL_REFERENTIAL_CONSTRAINTS表 | SQL_CHEKS表 | |||
CHECK_PEND列 | CHECK_PEND2列 | CHECK_PEND列 | CHECK_PEND2列 | ||||
表単位 | 該当しません | なし | あり | − | ○ | − | ○※1 |
あり | なし | ○ | − | ○※1 | − | ||
あり | あり | ○ | ○ | ○※1 | ○※1 | ||
制約単位 | 参照制約 | あり | なし | ○ | − | ○※2 | − |
あり | あり | ○ | − | ○※2 | − | ||
検査制約 | なし | あり | − | ○ | − | ○※2 | |
あり | あり | − | ○ | − | ○※2 |
表13-22 ディクショナリ表の検査保留状態の変更箇所(インナレプリカ機能を使用する場合)
実行単位 | -cオプションの指定 | 表の制約 | ディクショナリ表の検査保留状態の変更箇所 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
参照制約 | 検査制約 | SQL_TABLES表 | SQL_REFERENTIAL_CONSTRAINTS表 | SQL_CHEKS表 | |||
CHECK_PEND列 | CHECK_PEND2列 | CHECK_PEND列 | CHECK_PEND2列 | ||||
全世代単位,世代単位,又はカレントRDエリアの世代単位 | 該当しません | なし | あり | − | ○ | − | ○※1 |
あり | なし | ○ | − | ○※1 | − | ||
あり | あり | ○ | ○ | ○※1 | ○※1 | ||
制約単位 | 参照制約 | あり | なし | ○ | − | ○※2 | − |
あり | あり | ○ | − | ○※2 | − | ||
検査制約 | なし | あり | − | ○ | − | ○※2 | |
あり | あり | − | ○ | − | ○※2 |
RDエリア中の表情報の検査保留状態の変更箇所を表13-23及び表13-24に示します。
表13-23 RDエリア中の表情報の検査保留状態の変更箇所(インナレプリカ機能を使用しない場合)
実行単位 | -cオプションの指定 | 表の制約 | RDエリア中の表情報の検査保留状態の変更箇所 | ||
---|---|---|---|---|---|
参照制約 | 検査制約 | 参照制約の状態 | 検査制約の状態 | ||
表単位 | 該当しません | なし | あり | − | ○ |
あり | なし | ○ | − | ||
あり | あり | ○ | ○ | ||
制約単位 | 参照制約 | あり | なし | ○ | − |
あり | あり | ○ | − | ||
検査制約 | なし | あり | − | ○ | |
あり | あり | − | ○ |
表13-24 RDエリア中の表情報の検査保留状態の変更箇所(インナレプリカ機能を使用する場合)
実行単位 | -cオプション指定制約 | 表の制約 | RDエリア中の表情報の検査保留状態の変更箇所※2 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
参照制約 | 検査制約 | 世代0(オリジナルRDエリア) | 世代1(レプリカRDエリア) | 世代n(レプリカRDエリア) | |||||
参照制約の状態 | 検査制約の状態 | 参照制約の状態 | 検査制約の状態 | 参照制約の状態 | 検査制約の状態 | ||||
全世代単位 | 該当しません | なし | あり | − | ○ | − | ○ | − | ○ |
あり | なし | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ||
あり | あり | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
世代単位※1 | 該当しません | なし | あり | − | − | − | ○ | − | − |
あり | なし | − | − | ○ | − | − | − | ||
あり | あり | − | − | ○ | ○ | − | − | ||
カレントRDエリアの世代 | 該当しません | なし | あり | − | − | − | − | − | ○ |
あり | なし | − | − | − | − | ○ | − | ||
あり | あり | − | − | − | − | ○ | ○ | ||
制約単位 | 参照制約 | あり | なし | ○ | − | ○ | − | ○ | − |
あり | あり | ○ | − | ○ | − | ○ | − | ||
検査制約 | なし | あり | − | ○ | − | ○ | − | ○ | |
あり | あり | − | ○ | − | ○ | − | ○ |
表単位の場合,定義された参照制約又は検査制約のすべてを変更対象とします。表単位で実行する場合は,-tオプションを指定します。
表単位は次の場合に適用します。
インナレプリカ機能使用時に表単位で実行する場合は,更に次の単位でも実行できます。
表に定義された参照制約又は検査制約のうち,一つの制約だけ変更対象とします。制約単位に実行する場合,-cオプションを指定します。また,インナレプリカ機能を使用している場合,表を格納するオリジナルRDエリア及びレプリカRDエリアを作成したすべての世代を変更対象とします。
制約単位は,個々の制約について検査保留状態を変更する場合に適用します。
表の検査保留状態,制約の検査保留状態,及びRDエリアの検査保留状態を検査保留状態に設定します。
表の検査保留状態,制約の検査保留状態,及びRDエリアの検査保留状態を非検査保留状態に設定します。なお,pdconstckの実行単位,表の検査保留状態,制約の検査保留状態,及びRDエリアの検査保留状態によって,設定内容(解除可否)が変わります。実行単位ごとの説明を次に示します。
表13-25 制約単位での検査保留状態の遷移(検査保留状態の強制解除)
条件 | 検査保留状態(表及びRDエリア) | |
---|---|---|
-cオプションに指定した制約以外の制約が定義されている場合 | 検査保留状態の制約があるとき | 遷移なし |
すべての制約が非検査保留状態のとき | 非検査保留状態 | |
-cオプションに指定した制約だけ表に定義されている場合 | 非検査保留状態 |
表13-26 世代単位又はカレントRDエリアの世代単位の検査保留状態の遷移(検査保留状態の強制解除)
条件 | 検査保留状態の遷移 | |
---|---|---|
-qオプションに指定した世代以外のRDエリアの検査保留状態 | 表の検査保留状態 | 制約の検査保留状態 |
検査保留状態の世代あり | 遷移なし | 遷移なし |
すべての世代が非検査保留状態 | 非検査保留状態 | 非検査保留状態 |
All Rights Reserved. Copyright (C) 2006, 2016, Hitachi, Ltd.