スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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8.9.9 lobunld文(LOBデータのアンロードファイルの情報の記述)

LOB列がある表を再編成する場合,LOBデータのアンロードファイルの情報を指定します。

<適用基準>
LOB列がある表を再編成する場合に指定します。
ただし,次のどちらかに該当する場合は指定しないでください。
  • -jオプションを指定している場合
  • LOB列構成基表だけを再編成する場合

<規則>
  1. lobunld文は,次の数だけ指定できます。
    【HiRDB/シングルサーバの場合】
    再編成の単位(表,又はRDエリア)に関係なく,lobunld文は一つだけ指定してください。
    【HiRDB/パラレルサーバの場合】
    横分割表の場合でLOB列だけを再編成するとき,lobunld文はLOB列を格納したRDエリアがあるサーバ数分指定してください。RDエリア単位の再編成,又は分割していない表の再編成の場合には,lobunld文は一つだけ指定してください。
    また,-gオプションを指定して一つのLOBデータのアンロードファイルにアンロードする場合は,lobunld文は一つだけ指定してください。
  2. 同期点を指定した再編成又はリロードの場合,lobunld文は指定できません。
<この項の構成>
(1) 形式
(2) 説明

(1) 形式

 
 lobunld 〔{サーバ名:|ホスト名:}〕
 
      LOBデータのアンロードファイル名
 
        〔,LOBデータのアンロードファイル名〕
 
     〔EasyMT情報|HiRDBファイル情報〕
 

(2) 説明

(a) サーバ名

   〜<識別子>((1〜8))

LOBデータのアンロードファイルを作成するサーバの名称を指定します。

【HiRDB/シングルサーバの場合】
HiRDB/シングルサーバの場合は指定しないでください。

【HiRDB/パラレルサーバの場合】
横分割表の場合で複数のLOB列を再編成するとき,LOBデータのアンロードファイルを作成するサーバの名称を指定します。横分割表のRDエリア単位の再編成,又は横分割していない表の場合には,指定する必要はありません。
-gオプションを指定して一つのLOBデータのアンロードファイルにアンロードする場合には,LOBデータのアンロードファイルを作成するサーバの名称を指定してください。
(b) ホスト名

   〜<識別子>((1〜32))

LOBデータのアンロードファイルを作成するホストの名称を指定します。

【HiRDB/シングルサーバの場合】
LOBデータのアンロードファイルをユティリティ専用ユニットに作成する場合は,そのホスト名を指定してください。省略した場合,LOBデータのアンロードファイルはシングルサーバのあるユニットに作成します。

【HiRDB/パラレルサーバの場合】
HiRDB/パラレルサーバの場合は指定しないでください。
(c) LOBデータのアンロードファイル名

LOBデータのアンロードファイルの名称を絶対パス名で指定します。

LOBデータのアンロードファイルとして,次に示すファイルを使用できます。

-fオプションでLOBデータのアンロードファイル種別を指定した場合は,次のように指定してください。

LOBデータのアンロードファイルがEasyMTの場合:
LOBデータのアンロードファイルは二つまで指定できます。
また,MTguideを使用する場合は,MTguideが管理する装置記号名,又は装置グループ名も指定できます。

LOBデータのアンロードファイルがHiRDBファイルの場合:
  • LOBデータのアンロードファイル名は,167文字以内で指定してください。
  • HiRDBファイルを使用するには,あらかじめpdfmkfsコマンドで,HiRDBファイルシステム領域を作成しておく必要があります。この場合,-kオプションにはUTLを指定してください。
  • pdfmkfsコマンドで,-kオプションにUTL以外を指定して作成したHiRDBファイルシステム領域上に作成したHiRDBファイルを指定した場合は,エラーとなります。
  • 指定したLOBデータのアンロードファイル名がHiRDBファイルシステム領域上にない場合,HiRDBが新規にLOBデータのアンロードファイルを作成します。既存のLOBデータのアンロードファイル名を指定した場合は,上書きされます。

<LOBデータのアンロードファイルに関する注意事項>
  1. 表のデータが一つのLOBデータのアンロードファイルに入りきらない場合は,複数のファイルを指定できます。
  2. LOBデータのアンロードファイルの入出力処理で使用するバッファサイズは,システム定義のpd_utl_file_buff_sizeオペランドで変更できます。
  3. LOBデータのアンロードファイルを複数指定する場合,次のことに注意してください。
    • NFSファイルは使用できません。
    • EasyMTを使用しないで直接テープ装置は使用できません。
    また,次のようにファイル属性は同一である必要があります。
    • EasyMTの場合
      すべてEMTVOL_EL(EasyMTラベル付きボリューム)として初期化しておく必要があります。
    • HiRDBファイルの場合
      通常ファイルとキャラクタ型スペシャルファイルの混在はできません。必ずどちらかに統一してください。
(d) EasyMT情報

〔file=ファイル名〕

〔{,vol=ボリューム名|,vol=(ボリューム名〔,ボリューム名〕…)}〕

〔,bufno=バッファ面数〕

〔,fileno={ファイル順序番号|ADD}〕

LOBデータのアンロードファイルがEasyMTの場合に指定します。

ファイル名,及びボリューム名を指定すると,ファイル,及びボリュームの名称が,ここで指定した名称と一致しているかどうかチェックできます。ファイル名及びボリューム名のチェックをしない場合には,省略できます。

ファイル名を省略する場合は,先頭になった項目のコンマ(,)は指定しないでください。

file=ファイル名 〜<英数字>((1〜17))
ファイルの名称を指定します。

{,vol=ボリューム名|,vol=(ボリューム名〔,ボリューム名〕…)}
   〜<英数字>((1〜6))
ファイルのボリューム名を指定します。ボリューム名は1行で記述できる範囲で255個まで指定できます。

bufno=バッファ面数 〜<符号なし整数>((1〜256))《10》
EasyMTで使用するバッファの面数を指定します。

fileno={ファイル順序番号|ADD}
MT内のLOBデータのアンロードファイルの作成位置を指定します。
ファイル順序番号 〜<符号なし整数>((1〜199))《1》
-k rorg,又は-k unldの場合は,指定した位置にファイルを作成します。このとき,指定した位置以降のファイルは削除されます。
-k reldの場合は,指定した位置のファイルを読み込みます(filenoを省略した場合,次のファイルを読み込みます)。
ADD
-k rorg,又は-k unldの場合は,ボリュームの最後にファイルを作成します。
-k reldの場合,ADDは指定できません。
(e) HiRDBファイル情報

〔init={初期割り当て領域サイズ

    |(初期割り当て領域サイズ〔,初期割り当て領域サイズ〕…)}〕

〔,incr={増分割り当て領域サイズ

     |(増分割り当て領域サイズ〔,増分割り当て領域サイズ〕…)}〕

LOBデータのアンロードファイルがHiRDBファイルの場合に指定します。HiRDBファイル情報は,必ず1行で指定してください。

initを省略した場合,incrの前のコンマ(,)は指定しないでください。

init={初期割り当て領域サイズ|(初期割り当て領域サイズ〔,初期割り当て領域サイズ〕…)}
   〜<符号なし整数>((1〜1048574))《100》
HiRDBファイルへの書き込み時に割り当てる容量をメガバイト単位で指定します。
<見積もり式>
初期割り当て領域サイズの計算方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」のデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)実行時のファイルの容量を参照してください。そこでLOBデータのアンロードファイルのバイト数を求め,次の式で計算します。
 
初期割り当て領域サイズ
=↑(LOBデータのアンロードファイルのバイト数+1024)
 ÷(1024×1024)↑
 (単位:メガバイト)
 
<規則>
  1. 初期割り当てサイズは,pdfmkfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域作成時,-nオプションで指定した値より小さくなければなりません(システムが管理用に使用する領域が必要なため)。
  2. pdfmkfsコマンドに-eオプションを指定しなかったり,-eオプションに0を指定したりすると,増分割り当てができないので,必ず指定してください。
  3. どの程度の大きさの初期割り当てサイズが使用できるかは,pdfstatfsコマンドで確認してください。
  4. 割り当て領域サイズの指定は,lobunld文で指定したファイル名の数分指定します。両者に不一致があった場合,次のように解釈します。
    関係 動作
    ファイル数<指定 ファイル数分,指定を有効にして後は無視します。
    ファイル数=指定 ファイルごとに指定を有効にします。
    ファイル数>指定 指定の最後の領域サイズを足りない指定分繰り返します。

incr={増分割り当て領域サイズ|(増分割り当て領域サイズ〔,増分割り当て領域サイズ〕…)}
   〜<符号なし整数>((1〜1048574))《10》
HiRDBファイル書き込み時に,初期割り当て領域サイズで容量が不足した場合,拡張する割り当て領域の大きさを指定します。
次の場合にはHiRDBファイルの拡張ができません。
  • 該当するHiRDBファイルシステム領域の増分回数指定を超えて拡張しようとしたとき
  • 該当するHiRDBファイルが,個々のHiRDBファイルの増分回数の上限(23回固定)を超えて拡張しようとしたとき
したがって,実際の容量が見積もり容量を超える場合は,上記2項目の制限に掛からないように,増分割り当てサイズを指定する必要があります。増分割り当てサイズの制限を次の図に示します。図中のnの値は,上記2項目の制限を超えないようにしてください。

図8-23 増分割り当てサイズの制限(lobunld文)

[図データ]
HiRDBファイルシステム領域の増分回数は,新規にHiRDBファイルシステムを作成する場合,pdfmkfsコマンドの-eオプション指定で設定します。また,既存のHiRDBファイルシステム領域の状態を見る場合,pdfstatfsコマンドの出力結果の「available expand count」の値によって参照できます。