スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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7.9.3 制御文(alter rdarea文

alter rdarea文のオペランドについて説明します。なお,表中の項番は,各オペランドの番号と対応しています。

項番 オペランド
1
alter rdarea RDエリア名
2
      〔rename rdarea to 変更後のRDエリア名〕
3
      〔open attribute {INITIAL|DEFER|SCHEDULE}〕
4
      〔extension {use 増分セグメント数 segments|nouse}〕
 ;
<この項の構成>
(1) RDエリア名
(2) rename rdarea to 変更後のRDエリア名
(3) open attribute {INITIAL|DEFER|SCHEDULE}
(4) extension {use 増分セグメント数 segments|nouse}

(1) RDエリア名

   〜<識別子>((1〜30))

属性を変更するRDエリアの名称を指定します。

RDエリア名にALLは指定できません。RDエリア名を引用符(")で囲んだ場合は,英字の大文字と小文字が区別されますが,引用符で囲まない場合はすべて大文字として扱われます。また,RDエリア名に空白が含まれる場合は,引用符で囲んでください。

インメモリRDエリアの属性は変更できません。いったんインメモリ化を解除してからRDエリアの属性を変更してください。

(2) rename rdarea to 変更後のRDエリア名

   〜<識別子>((1〜30))

変更後のRDエリアの名称を指定します。

変更後のRDエリア名にALLは指定できません。RDエリア名を引用符(")で囲んだ場合は,英字の大文字と小文字が区別されますが,引用符で囲まない場合はすべて大文字として扱われます。なお,変更後のRDエリア名に空白が含まれる場合は,引用符で囲んでください。

RDエリアの名称を変更する手順については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

<規則>
このオペランドはユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,リスト用RDエリア,データディクショナリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,データディクショナリLOB用RDエリア,レジストリ用RDエリア,及びレジストリLOB用RDエリアの場合に指定できます。

<注意事項>
  1. 変更後のRDエリアの名称に,既に存在するRDエリアの名称を指定した場合はエラーとなります。
  2. RDエリア名を変更したときに警告メッセージが出力された場合の対処については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

(3) open attribute {INITIAL|DEFER|SCHEDULE}

RDエリアのオープン契機を指定します。

<適用基準>
特殊な運用形態でない場合は,通常INITIALを指定してください。
RDエリア数が多いためにHiRDBの開始に時間が掛かるなどの不都合を回避したい場合は,DEFERを指定してください。

<規則>
  1. このオペランドは,システム共通定義のpd_rdarea_open_attribute_useオペランドにYを指定しているときだけ有効となります。
  2. このオペランドはユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,及びリスト用RDエリアの場合に指定できます。ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,及びリスト用RDエリア以外のRDエリアに対してこのオペランドを指定しても,無視されます(ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,及びリスト用RDエリア以外のRDエリアは,INITIAL固定です)。
  3. このオペランドを省略した場合,RDエリアの属性変更実行前の指定値を引き継ぎます。
  4. このオペランドの指定値は,HiRDBの開始モードに関係なく次回起動後から有効となります。
  5. 該当するRDエリアに割り当てたHiRDBファイルシステム領域が,ほかのRDエリアに共有される場合,共有するRDエリアのオープン契機はすべて同じにする必要があります。同じでない場合,HiRDBファイルシステム領域を共有するRDエリアは,期待通りの効果が得られないことがあります。

INITIAL:
HiRDB開始時にHiRDBファイルシステム領域をオープンして,RDエリア情報をメモリ上に常駐させるので,最初のSQLから高速な運用ができます。
<規則>
  1. HiRDB開始時のRDエリアの初期状態はオープンで,それ以降は障害閉塞への遷移を除いて,運用コマンドを実行しないかぎりRDエリアの状態は遷移しません。
  2. INITIALの場合,クローズ状態のRDエリアはアクセスできません。

DEFER:
HiRDB開始時にHiRDBファイルシステム領域をオープンしないで,RDエリアを最初にアクセスするときにHiRDBファイルシステム領域をオープンします。そのときにRDエリア情報をメモリ上に常駐させるので,2回目以降のアクセスから高速な運用ができます。
<規則>
  1. HiRDB開始時のRDエリアの初期状態はクローズで,各RDエリアに対して最初にアクセスするときに,該当するRDエリアをオープンします。以降は障害閉塞への遷移を除いて,運用コマンドを実行しないかぎりRDエリアの状態は遷移しません。
  2. DEFERの場合,クローズ状態のRDエリアでもアクセスできます。

SCHEDULE:
HiRDB開始時にHiRDBファイルシステム領域をオープンしないで,HiRDB開始後,各トランザクション内でRDエリアに対して最初にアクセスするときに,HiRDBファイルシステム領域をオープンします。そのときにRDエリア情報をメモリ上に常駐させます。ただし,トランザクション終了時にそのトランザクション内でオープンしたHiRDBファイルシステム領域をクローズするため,2回目以降のアクセス時でもオープン以降の処理をして,トランザクションに掛かる負荷は増加します。
<規則>
  1. HiRDB開始時のRDエリアの初期状態はクローズで,アクセスしたRDエリアをトランザクション内でだけオープンし,トランザクション終了時にトランザクション内でオープンしたすべてのRDエリアをクローズします。また,pdopenコマンドを実行することで,閉塞クローズ状態になるまでの間はオープン状態にできます。そのほかの運用コマンドを使用すれば,RDエリアの状態を任意に遷移させることもできます。なお,障害事象を検知した場合には,障害閉塞となります。
  2. SCHEDULEの場合,クローズ状態のRDエリアでもアクセスできます。

(4) extension {use 増分セグメント数 segments|nouse}

属性変更をするRDエリアに自動増分を適用するかどうかを指定します。このオペランドを省略した場合,属性変更をする前の指定を引き継ぎます。

RDエリアの自動増分については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

<前提条件>
RDエリアがあるHiRDBファイルシステム領域に-eオプション又は-aオプションが指定されている必要があります。

use 増分セグメント数 segments:
RDエリアの自動増分を適用します。
RDエリアの自動増分は,データディクショナリ用RDエリア,データディクショナリLOB用RDエリア,ユーザ用RDエリア,ユーザLOB用RDエリア,レジストリ用RDエリア,及びレジストリLOB用RDエリアの場合に有効となります。ほかのRDエリアにuseを指定しても,nouseが仮定されます。
自動増分の契機は,RDエリア内の空きセグメント数が自動増分契機に達したときです。pd_rdarea_extension_timingオペランドで指定できます。
増分セグメント数 〜<符号なし整数>((1〜64000))
増分セグメント数を指定します。
  • pdfmkfs -eを指定したHiRDBファイルシステム領域の場合
    HiRDBファイルのエクステント数は最大24で,これを超えるとエラーとなります。また,HiRDBファイルシステム領域の空きが不足したり,使用する領域がHiRDBファイルサイズの上限を超えたりすると,エラーとなります。
    HiRDBファイルシステム領域当たりの最大増分回数は,HiRDBファイルシステム領域作成時の指定値で決まるため,HiRDBファイルシステム領域内のファイル数,増分頻度を考慮し最大増分回数を定義しておく必要があります。
  • pdfmkfs -aを指定したHiRDBファイルシステム領域の場合
    HiRDBファイルを格納しているディスクに,必要なHiRDBファイルシステム領域を確保する容量が不足していたり,使用する領域がHiRDBファイルサイズの上限を超えたりすると,エラーとなります。

nouse:
RDエリアの自動増分機能を適用しません。

<注意事項>
  1. HiRDBファイルシステム領域の容量不足によって,未使用セグメントを確保できない場合,RDエリアの拡張又は再初期化をするか,データベース再編成ユティリティで表の再編成をしてください。
  2. エクステントの数が上限値を超えた場合は,RDエリアがあるHiRDBファイルシステム領域のエクステントを統合するか,又はRDエリアに別のHiRDBファイルシステム領域のHiRDBファイルを追加してください。
    エクステントを統合するには,pdfbkupでバックアップを取得し,pdfmkfsでHiRDBファイルシステム領域の初期設定をし,pdfrstrでバックアップから回復します。
  3. RDエリア自動増分処理の開始から終了までの間,最終ファイルに対して排他が掛かります。