スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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pdprgrenew修正版HiRDBの入れ替え

機能

稼働中のHiRDBを,修正版HiRDB(あらかじめpdprgcopyコマンドでコピーしておいた入れ替え用ディレクトリ($PDDIR/renew)のHiRDB)に入れ替えます。修正版HiRDBへの入れ替えについては,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

稼働中のHiRDBの,次のHiRDB運用ディレクトリのファイルを入れ替えます。

ディレクトリ 内容
$PDDIR/renew/bin HiRDBの運用コマンド及びユティリティ
$PDDIR/renew/lib HiRDBのライブラリ,メッセージテキストファイル,及びシステム定義の定義解析用ファイル
$PDDIR/renew/client HiRDBクライアントのライブラリ,運用コマンド,及びユティリティ
$PDDIR/renew/include UAP作成時に使用するヘッダ情報

実行者

HiRDB管理者が実行できます。

形式

 
 修正版HiRDBのインストールディレクトリ/bin/pdprgrenew
 
      〔-b〕 HiRDB運用ディレクトリ
 

オプション

pdprgrenewコマンドがKFPS04646-I(リターンコード=12)で異常終了した場合など,pdprgrenewコマンド実行前の状態にHiRDBを戻すときに指定します。

コマンド引数

   〜<パス名>((Linux版:1〜27,Linux版以外:1〜128))

修正版HiRDBに入れ替えるHiRDBの,HiRDB運用ディレクトリを指定します。

規則

  1. pdprgrenewコマンドは,HiRDBが稼働中のときだけ実行できます。
  2. pdprgrenewコマンドは,シングルサーバ又はシステムマネジャがあるサーバマシンで実行してください。
  3. pdprgrenewを実行する場合,あらかじめpdprgcopyコマンドで入れ替え用ディレクトリ($PDDIR/renew)を作成しておく必要があります。作成していない場合は実行できません。なお,入れ替え用ディレクトリ($PDDIR/renew)は,pdprgrenewコマンドが正常終了したときに削除されます。

注意事項

  1. pdprgrenewコマンドは,バックアップ用ディレクトリ($PDDIR/renew_bak)を作成するため,同一名称のディレクトリがある場合は,あらかじめ別のディレクトリ名に変更しておいてください。
  2. pdprgrenewコマンドを実行すると,システムログファイルが切り替わります。そのため,pdprgrenewコマンドを実行する前に,入れ替え後のHiRDBで稼働するための容量が,システムログファイルにあるかどうかを確認してから実行してください。スワップ先にできるシステムログファイルがない状態でpdprgrenewコマンドを実行すると,KFPS01256−Eメッセージを出力し,HiRDBは停止します(アボートコードPsjnf07又はPsjn381を出力)。HiRDBが停止した場合,スワップ先にできるシステムログファイルを準備してから,HiRDBを開始してください。スワップ先にできるシステムログファイルがない場合,システムログファイルを追加する必要があります。スワップ先にできるファイルがない場合の対処方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
  3. pdprgrenewコマンドを実行すると,メッセージログファイルが切り替わります。ただし,メッセージログファイルの切り替えを示すメッセージは出力されません。そのため,メッセージログファイルのメッセージログが必要な場合は,pdprgrenewコマンドを実行する前にメッセージログファイルのバックアップを取得してください。
  4. 稼働中のHiRDBが次の状態の場合,HiRDBの入れ替えができないことがあります。
    • HiRDB/パラレルサーバの場合,一部のサーバ又はユニットが停止しているとき(縮退起動によって開始していないユニットも含む)
    • HiRDB/パラレルサーバの場合,ユニット間のネットワークに通信障害が発生しているとき
    • pdprgrenewコマンド実行後,15分間以上トランザクション,又はユティリティが動作している場合
    • 更新可能なオンライン再編成を実行中の場合
    • インメモリRDエリアがある場合
    • pdrplstopコマンドを実行中の場合
    • HiRDB Datareplicatorのデータ抽出機能を使用している場合に,pd_rpl_init_startオペランドの指定と実際のデータ抽出モードが次のように異なっているとき
      (i)pd_rpl_init_start=Yを指定している場合に,pdrplstopコマンドを実行してデータ抽出機能を停止している場合
      (ii)pd_rpl_init_start=Nを指定している場合に,pdrplstartコマンドを実行してデータ抽出機能を開始している場合
  5. pdprgrenewコマンド実行中は,次の運用に制限が生じます。
    • UAPのレスポンスが,pdprgrenewコマンドの実行時間だけ遅くなります。
    • 運用コマンド,及びユティリティを実行した場合,pdprgrenewコマンドの実行が失敗したり,HiRDBが停止している旨のエラーメッセージを表示したりすることがあります。
  6. 系切り替え機能を使用しているHiRDBの入れ替えをする場合,実行系,及び待機系をそれぞれ入れ替える必要があります。
  7. HiRDB運用ディレクトリ下のファイルは,HiRDB運用ディレクトリと同じHiRDBファイルシステム領域になければなりません。
  8. HiRDBサーバに接続しているUAPが使用するクライアントライブラリは,バージョン07-00以降のものを使用してください。バージョン07-00より前のライブラリを使用していると,接続中のHiRDBクライアントが切断されます。
  9. pdprgrenewコマンドの結果は,コマンド実行時のリターンコードで確認できます。コマンド実行時のリターンコードが0の場合は正常終了,8の場合は異常終了(入れ替え前のHiRDBの状態),12の場合は異常終了(HiRDBが終了)です。
  10. pdprgrenewコマンド実行中,HiRDBの開始,終了に伴うエラーメッセージ及びアボートコードが出力されることがあります。この場合,入れ替え後のHiRDBを開始するために必要とするリソース不足など,環境に問題があることがあります。エラーメッセージ,及びアボートコードの対処方法に従って対処してください。
  11. ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーションを適用している場合,業務サイトでpdprgrenewコマンドを実行してHiRDBを入れ替えたときは,ログ適用サイトのHiRDBも入れ換えた上で,システムログ適用化を実行してください。システムログ適用化の詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 ディザスタリカバリシステム 構築・運用ガイド」を参照してください。