スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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1.5.2 運用コマンド,ユティリティでのRDエリアの指定

運用コマンド,ユティリティでのRDエリアの指定について説明します。

<この項の構成>
(1) RDエリアの指定
(2) RDエリアを指定する場合の規則
(3) 注意事項

(1) RDエリアの指定

運用コマンド,及びユティリティでRDエリアを指定する場合,次の方法が選択できます。

(a) RDエリア名を指定する(直接指定)

RDエリア名をコマンドラインで直接指定できます。

(b) 複数のRDエリアをグループ化して指定する(一括指定)

運用コマンドで指定するRDエリアは,次の方法で一括指定できます。これによって,複数のRDエリアをグループ化して指定できます。

表1-5 RDエリアを一括指定する方法

項目 パターン文字列の例 意味 指定例
前方一致 nnn* 先頭部分がnnnのRDエリアが対象となります。 RDUSER*
(RDUSERで始まるRDエリアが対象となります)
nnn*mmm* 先頭部分がnnn,任意の部分にmmmを含むRDエリアが対象となります。 RD*USER*
(RDで始まり,USERを含むRDエリアが対象となります)
nnn*mmm 先頭部分がnnn,最後の部分がmmmのRDエリアが対象となります。 RD*USER
(RDで始まり,USERで終わるRDエリアが対象となります)
中間一致 *nnn* 任意の部分にnnnを含むRDエリアが対象となります。 *RDUSER*
(RDUSERを含むRDエリアが対象となります)
*nnn*mmm* 任意の部分にnnnとmmmを含むRDエリアが対象となります。 *RD*USER*
(RDとUSERを含むRDエリアが対象となります)
後方一致 *nnn 最後の部分がnnnのRDエリアが対象となります。 *RDUSER
(RDUSERで終わるRDエリアが対象となります)
*mmm*nnn 任意の部分にmmmを含み,最後の部分がnnnのRDエリアが対象となります。 *RD*USER
(RDを含み,USERで終わるRDエリアが対象となります)
.nnn .の後がnnnで終わるRDエリアが対象となります。pdcopy及びpdrstrの場合だけ指定できます。 ..RDUSER
(任意の2文字の後がRDUSERで終わる8文字のRDエリアが対象となります)
(c) 運用コマンド又はユティリティの引数にALLを指定する(ALL指定)

ALLを指定すると,すべてのRDエリアに対して処理を実行します。

ALLは,引数の先頭に記載してください。また,ALLを指定したときは,同時に直接指定と一括指定を指定することはできません。

(2) RDエリアを指定する場合の規則

  1. 運用コマンド,又はユティリティによって,直接指定,一括指定,ALL指定の指定可否が異なります。直接指定,一括指定,ALL指定の指定可否を次の表に示します。

    表1-6 直接指定,一括指定,ALL指定の指定可否

    運用コマンド,及びユティリティ名 指定方法
    直接指定 一括指定 ALL指定
    pdhold
    pdrels
    pdopen
    pdclose
    pddbls
    pddbchg
    pddbfrz
    pdmemdb
    pdbufmod × ×
    pdorbegin ×
    pdorcheck
    pdrdrefls
    pdorcreate × ×
    pdrorg × ×
    pdreclaim × ×
    pdpgbfon × ×
    pddbst 再編成時期予測 × ×
    状態解析結果蓄積
    RDエリア論理解析
    RDエリア物理解析
    pdcopy ×
    pdrstr ×

    (凡例)
    ○:指定できます。
    ×:指定できません。

  2. RDエリアを指定する場合,文字列長の上限は,OSやシェルスクリプト指定文字列長の制限に従います。その値を超えるとエラーとなり,運用コマンド及びユティリティは実行されません。
  3. RDエリア名を重複して指定した場合,重複排除して処理されます。ただし,次の運用コマンド又はユティリティを指定した場合は,重複排除しないでエラーとなります。
    • pdorcreate -o
    • pdrorg
    • pdreclaim
    • pdpgbfon
  4. 指定できるRDエリアの上限値を次の表に示します。ここで示す上限値は,重複排除された結果の値です。なお,上限値を超えるとエラーとなります。

    表1-7 指定できるRDエリアの上限値

    運用コマンド,及びユティリティ名 上限値
    pdhold 4,096
    pdrels 4,096
    pdopen 4,096
    pdclose 4,096
    pddbls 4,096
    pddbchg 4,096
    pddbfrz 4,096
    pdmemdb 4,096
    pdbufmod 4,096
    pdorbegin 4,096
    pdorcheck 上限なし
    pdrdrefls 上限なし
    pdorcreate -o指定の場合:1
    -r指定の場合:1,023
    pdrorg 1
    pdreclaim 1
    pdpgbfon 1
    pddbst 再編成時期予測 1
    状態解析結果蓄積 4,096
    RDエリア論理解析 4,096
    RDエリア物理解析 4,096
    pdcopy 上限なし
    pdrstr 上限なし

(3) 注意事項

  1. パターン文字列中に指定する「*」及び「.」についての注意事項を示します。
    • pdcopy,及びpdrstrの場合
      パターン文字列中に指定する「*」及び「.」は,任意の位置で任意の個数指定できます。ただし,「*」だけのパターン文字列,「.」だけのパターン文字列,及び「*」と「.」だけのパターン文字列は指定しないでください。
    • pdcopy,及びpdrstr以外の場合
      パターン文字列中に指定する「*」は,任意の位置で任意の個数指定できます。ただし,「*」だけのパターン文字列は指定しないでください。
  2. パターン文字列中には,「%」を含めないでください。
  3. RDエリア名,及びパターン文字列中の英字の大文字と小文字を区別する場合,全体を引用符(")で囲んでください。引用符で囲まない場合はすべて大文字として扱われます。また,空白を含む場合も引用符で囲んでください。なお,sh(Bourneシェル),csh(Cシェル),及びksh(Kシェル)の場合は,全体をアポストロフィ(’)で囲む必要があります。
    ただし,pdcopy,及びpdrstrにパターン文字列を指定した場合は,引用符の有無に関係なく,文字を大文字と小文字に区別します。
  4. 一括指定でグループ化されたRDエリアと,ほかのRDエリア名の指定(ほかの一括指定でグループ化されたRDエリア名も含む)が重複した場合,複数回処理をするかどうかについては運用コマンド及びユティリティによって異なります。RDエリア名が重複した場合の運用コマンド及びユティリティの処理方法を次に示します。

    表1-8 RDエリア名が重複した場合の運用コマンド及びユティリティの処理方法

    運用コマンド,及びユティリティ名 重複した場合の処理
    pdhold
    • -s指定の場合:
      重複排除します。
    • -s以外の指定の場合:
      重複排除しないで複数回処理を実行します。
    pdrels 重複排除しないで複数回処理を実行します。
    pdopen
    pdclose
    pddbls
    pddbchg 重複排除します。
    pddbfrz 重複排除しないで複数回処理を実行します。
    pdmemdb 重複排除します。
    pdbufmod 該当しません。
    pdorbegin 重複排除します。
    pdorcheck
    pdrdrefls 重複排除します。
    pdorcreate 該当しません。
    pdrorg 該当しません。
    pdreclaim
    pdpgbfon
    pddbst 再編成時期予測
    状態解析結果蓄積 重複排除します。
    RDエリア論理解析
    RDエリア物理解析
    pdcopy
    pdrstr
  5. 指定するパターン文字列の文字数の合計が指定可能なRDエリア名称の長さ(30文字)を超えないようにしてください。