スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)

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1.4.2 ユティリティで使用できるファイルの形態

HiRDBの各ユティリティの入出力ファイルは,特に明記しないかぎり通常ファイルを対象とし,その形態は「シングルファイル・シングルボリューム」となります

ユティリティによっては「シングルファイル・シングルボリューム」以外の形態のファイルを扱えます。通常ファイル「シングルファイル・シングルボリューム」以外の入出力ができるユティリティの一覧を次の表に示します。

表1-3 通常ファイル「シングルファイル・シングルボリューム」以外の入出力ができるユティリティ一覧

ユティリティ名 ファイル種別 通常ファイルシングルファイルマルチボリューム テープ装置※1 EasyMT JP1/OmniBack II HiRDBファイル
シングルファイル マルチファイル
データベース作成ユティリティ(pdload) 入力データファイル,LOB入力ファイル,列単位LOB入力ファイル ※2 ※3
-f easymt
※3
-f easymt
× ×
データベース再編成ユティリティ(pdrorg) アンロードデータファイル,LOBデータのアンロードファイル ×
-f hirdb
データベース複写ユティリティ(pdcopy) バックアップファイル
-k m
又は
-k e※3
×
-k o

-k i
データベース回復ユティリティ(pdrstr)
ディクショナリ搬出入ユティリティ(pdexp) 搬出ファイル × × × × ×

(凡例)

○:
使用できます。コマンドラインでの指定が必要な場合は,○の下にオプションフラグを記述してあります。その場合,このコマンドオプション以外にも各ファイルに固有の情報の指定が必要となります。詳細は,各コマンドの該当オプションフラグの説明を参照してください。

△:
可変長ブロックモードは使用できます,固定長ブロックモードではDAT形式が使用できます(拡張DAT形式は不可)。バイナリ形式は使用できません。詳細は,「付録E データベース作成ユティリティの入力データファイルの作成方法」を参照してください。

×:
未対応です。

注※1
Linux版の場合,pdload,pdcopy,pdrstr,及びpdrorgでは固定長ブロックテープは使用できません。

注※2
pdrorg,pdcopyで通常ファイル・シングルファイルマルチボリュームとして複数のファイルに出力する場合,NFSファイルを使用しないでください。また,pdrorg,pdcopyで通常ファイル・シングルファイルマルチボリュームに出力する場合,各ボリュームには容量が2ギガバイトを超えないファイルシステム上のファイルを指定してください。

注※3
Mtguideがインストールされて使用できる状態であれば,シングルボリュームの場合だけ,Mtguideを用いてボリュームが管理されます。Mtguideを用いてボリュームを管理しない場合には,次の指定をしてください。
  • pdload又はpdrorg:制御情報ファイル内でmtguide nouseを指定
  • pdcopy又はpdrstr:コマンドラインで-k eを指定
<この項の構成>
(1) テープ装置
(2) EasyMT,MTguide
(3) HiRDBファイル

(1) テープ装置

ユティリティで使用できるテープ装置を次の表に示します。

表1-4 ユティリティで使用できるテープ装置

装置名称 ユティリティでの直接入出力
CMT ×
DAT
OMT ×
CGMT ×
8mm
DLT
LTO

(凡例)
○:使用できます。
×:使用できません。

注 
EasyMT,又はJP1/OmniBack IIを利用する場合,使用できるテープ装置については次のマニュアルを参照してください。
  • EasyMTの場合
    「磁気テープ運用支援 JP1/Magnetic Tape Access」,又は「磁気テープ簡易アクセス法 EasyMT」
  • JP1/OmniBack IIの場合
    「JP1 Version5 分散システムバックアップ機能 JP1/OmniBack II 管理者ガイド」

 

ユティリティがテープ装置に対して直接入出力をする場合,シングルボリュームとして扱うため,装置タイプは単体のTape Driveとしてアクセスします。AutoloaderやTape Libraryの制御はしません。

テープ装置では可変長ブロックモードで使用することをお勧めします。

固定長ブロックモードでは512バイト単位で入出力をしますが,可変長ブロックモードでは32キロバイト単位で入出力をするため,入出力回数が削減できます。固定長ブロックモードを使用する場合は,ブロックサイズが512バイトであることを確認してください。

各テープ装置については,OSのマニュアルを参照してください。

pdrorg,pdload,又はpdrstrでテープ装置を使用する場合,デバイスドライバのマイナー番号に,クローズ時に巻き戻さない指定はしないでください。巻き戻しをしないでユティリティを実行した場合,ユティリティ終了後にmtコマンド(磁気テープ操作プログラム)などでテープを巻き戻す必要があります。

一つの媒体に複数のバックアップを保存したい場合は,いったんユティリティでバックアップをファイルに出力して,それからtarコマンドなどで一つの媒体へコピーするなどしてください。

(2) EasyMTMTguide

関連プログラムプロダクトのEasyMTをインストールして,表1-3のオプションフラグを指定すれば,テープ装置の可変長ブロックモードでラベルを付けた形の磁気テープを扱えます。また,HITAC Mシリーズで作成したテープを扱えます。

HiRDBのユティリティとEasyMTの組み合わせで,テープ装置を次の形態で扱います(シングルボリュームへの対応)。

EasyMTとMTguideについては,次のマニュアルを参照してください。

(3) HiRDBファイル

HiRDBユティリティは,入出力ファイルとして直接ハードディスク装置のキャラクタ型スペシャルファイルを扱えませんが,それをHiRDBファイルシステム領域とすることで扱えます。

また,通常ファイルでもHiRDBファイルシステムとして初期化すれば,HiRDBファイルとして扱えます。

入出力ファイルとしてHiRDBファイルを使用する場合は,事前にpdfmkfsコマンドで-k UTLを指定して,HiRDBファイルシステムを作成し,HiRDBユティリティ実行時に表1-3のオプションを指定する必要があります。

HiRDBユティリティはHiRDBファイルを次の形態で使用します。

HiRDBファイルについては,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。