2.2.23 RDエリアに関するオペランド

118) pd_max_rdarea_no = RDエリアの最大数
~<符号なし整数>((5~8388592))《200》
RDエリアの最大数を指定します。RDエリアの合計数がこのオペランドの値を超えている場合,HiRDBを正常開始できません。なお,ここでいうRDエリアには,マスタディレクトリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,及びデータディクショナリ用RDエリアも含まれます。
《指定値の目安》
  • RDエリアの合計数以上の値を指定してください(ある程度余裕をもたせてください)。RDエリアの合計数はpddblsコマンドで確認できます。なお,RDエリアを追加する予定がある場合は,その数を加算した値を指定してください。
  • HiRDB/パラレルサーバの場合,このオペランドの値はバックエンドサーバごとに適用されます。例えば,このオペランドに100を指定した場合,各バックエンドサーバに最大100個のRDエリアを作成できます。したがって,RDエリア数が最も多いバックエンドサーバを目安にしてこのオペランドを指定してください。
  • インナレプリカ機能を使用している場合,レプリカRDエリアの数も加算してください。
  • 共用RDエリアを使用している場合,参照専用バックエンドサーバで使用する共用RDエリアの数も加算してください。
《注意事項》
  • このオペランドには,必要以上に大きな値を指定しないでください。このオペランドの指定値を大きくすると,HiRDBが使用する共用メモリが増加します。これによって,共用メモリが不足しHiRDBを開始できないことがあります。
  • ユティリティ専用ユニットの場合は,このオペランドを指定しないでください。

 

119) pd_max_file_no = RDエリアを構成するHiRDBファイルの最大数
~<符号なし整数>((5~134217728))《400》
RDエリアを構成するHiRDBファイルの最大数を指定します。HiRDBファイルの合計数がこのオペランドの値を超えている場合,HiRDBを正常開始できません。なお,ここでいうRDエリアを構成するHiRDBファイルには,マスタディレクトリ用RDエリア,データディレクトリ用RDエリア,及びデータディクショナリ用RDエリアのHiRDBファイルも含まれます。
《指定値の目安》
  • RDエリアを構成するHiRDBファイルの合計数以上の値を指定してください(ある程度余裕をもたせてください)。各HiRDBファイルシステム領域内のHiRDBファイルの数はpdfstatfsコマンドで確認できます。なお,HiRDBファイルを追加する予定がある場合は,その数を加算した値を指定してください。RDエリアの追加,RDエリアの再初期化,及びRDエリアの拡張時にHiRDBファイルを追加します。
  • HiRDB/パラレルサーバの場合,このオペランドの値はバックエンドサーバごとに適用されます。例えば,このオペランドに100を指定した場合,各バックエンドサーバに最大100個のHiRDBファイルを作成できます。したがって,HiRDBファイル数が最も多いバックエンドサーバを目安にしてこのオペランドを指定してください。
  • インナレプリカ機能を使用している場合,レプリカRDエリアを構成するHiRDBファイルの数も加算してください。
  • 共用RDエリアを使用している場合,参照専用バックエンドサーバで使用する共用RDエリアを構成するHiRDBファイルの数も加算してください。
《注意事項》
  • このオペランドには,必要以上に大きな値を指定しないでください。このオペランドの指定値を大きくすると,HiRDBが使用する共用メモリが増加します。これによって,共用メモリが不足しHiRDBを開始できないことがあります。
  • ユティリティ専用ユニットの場合は,このオペランドを指定しないでください。

 

120) pd_rdarea_warning_point = セグメント使用比率1〔,セグメント使用比率2〔,セグメント使用比率3〕〕
~<符号なし整数>((0~100))(単位:%)
RDエリアのセグメント使用率通知メッセージ(KFPH00211-I,又はKFPA12300-I),又は増分するHiRDBファイルの領域使用率通知メッセージ(KFPH22037-W)の出力契機を指定します。
RDエリアの自動増分を適用しない場合
セグメント使用率通知メッセージ(KFPH00211-I,又はKFPA12300-I)が出力されます。
このオペランドの指定の有無,及び対象となるRDエリア種別ごとのセグメント使用率通知メッセージの内容を次に示します。
対象となるRDエリアpd_rdarea_warning_point省略時pd_rdarea_warning_point指定時
  • マスタディレクトリ用RDエリア
  • データディレクトリ用RDエリア
メッセージを出力しません。対象となるRDエリアの全体のセグメントのうち,指定された使用率のセグメントの使用を開始しました。
  • データディクショナリ用RDエリア
  • ユーザ用RDエリア
対象となるRDエリアの最終ファイルのセグメントのうち,相対位置で80,90,100%のどれかのセグメントの使用を開始しました。対象となるRDエリアの全体のセグメントのうち,指定された使用率のセグメントの使用を開始しました。
  • LOB用RDエリア
対象となるRDエリアの最終ファイルのセグメントのうち,相対位置で80,90,100%のどれかのセグメントの使用を開始しました。対象となるRDエリアの全体のセグメントのうち,指定された使用率のセグメントの使用を開始しました。
 
RDエリアの自動増分を適用する場合
自動増分するHiRDBファイルの領域使用率通知メッセージ(KFPH22037-W)が出力されます。
RDエリアの自動増分を適用する場合,このオペランドの指定の有無と出力するメッセージの内容を次に示します。
オペランドの指定値pd_rdarea_warning_point省略時pd_rdarea_warning_point指定時
メッセージの出力条件増分したHiRDBファイルの領域は,使用率80,90,100%のどれかの比率以上に領域を割り当てました。増分したHiRDBファイルの領域は,指定された使用率以上に領域を割り当てました。
 
自動増分するHiRDBファイルの領域使用率は,増分できる最大容量に対する使用率です。次の計算式で求めます。
自動増分するHiRDBファイルの領域使用率(単位:%)=A÷B×100
  • pdfmkfs -eコマンド指定のHiRDBファイルシステム領域,又はpdfmkfs -a指定のキャラクタ型スペシャルファイル上のHiRDBファイルシステム領域の場合
    A:自動増分するHiRDBファイルの容量
    B:自動増分できる最大容量=min{(A+C),64GB}
    C:自動増分するHiRDBファイルがあるHiRDBファイルシステム領域の空き容量
  • pdfmkfs -aコマンド指定の通常ファイルのHiRDBファイルシステム領域の場合
    A:自動増分するHiRDBファイルの容量
    B:自動増分できる最大容量=min{(A+C),64GB}
    C:自動増分するHiRDBファイルがあるHiRDBファイルシステム領域の空き容量+自動増分するHiRDBファイルがあるHiRDBファイルシステム領域が存在するディスクの空き容量
また,自動増分したHiRDBファイルの使用エクステントが,20,22,24以上のどれかになった場合,自動増分するHiRDBファイルの使用エクステント数の通知メッセージ(KFPH22038-W)が表示されます。
 
このオペランドの指定例を次に示します。
メッセージの出力条件オペランドの指定値
対象となるRDエリアのRDエリア全体のセグメントのうち,80,90,100%分の使用を開始した,それぞれの時点でメッセージを出力する場合pd_rdarea_warning_point = 80,90,100
対象となるRDエリアのRDエリア全体のセグメントのうち,50,90%分の使用を開始した,それぞれの時点でメッセージを出力する場合pd_rdarea_warning_point = 50,90
セグメント使用率通知メッセージを出力しない場合pd_rdarea_warning_point = 0
《オペランドの規則》
  • この指定値は,三つまで指定できます。
  • 同じ値を複数指定した場合には,その値に対して1回だけメッセージが出力されます。
  • セグメント使用比率1~3に0だけを指定した場合には,セグメント使用率通知メッセージが出力されません。
  • 0と0以外の数値が混在している場合には,指定された0以外の数値をメッセージの出力契機とします。
《注意事項》
このオペランドの指定は,データベース初期設定ユティリティ(pdinitコマンド),データベース回復ユティリティ(pdrstrコマンド)に対しては無効になります。このオペランドの指定の有無に関係なく,未指定時のメッセージの内容になります。
 
121) pd_rdarea_warning_point_msgout = Y | N
RDエリアのセグメント使用率通知メッセージ(KFPH00211-I,又はKFPA12300-I)を出力するかどうかを指定します。
Y:pd_rdarea_warning_pointの指定値に従って,RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力します。
N:RDエリアのセグメント使用率通知メッセージを出力しません。
《指定値の目安》
RDエリアのセグメント使用率通知メッセージの指定値の目安については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」の「空き領域の再利用機能」の「環境設定」を参照してください。
《注意事項》
次の場合には,このオペランドにNを指定してもセグメント使用率通知メッセージを出力します。
  • データベース作成ユティリティ(pdload),又はデータベース再編成ユティリティ(pdrorg)でデータを格納する場合
  • 空き領域の再利用機能を適用していない表にデータを格納する場合
  • インデクスにデータを格納する場合
  • 空き領域の再利用機能を適用している表の構成列に可変長の列を含み,データ長を長くする更新を頻繁に行う場合
  • 表の定義数がpd_assurance_table_noオペランドの指定値を超えたため,空き領域の再利用機能が使用できなくなっている場合
《ほかのオペランドとの関連》
このオペランドは,次に示すオペランドと関連があります。
  • pd_rdarea_warning_point
  • pd_assurance_table_no

 

122) pd_rdarea_expand_format = Y | N
以下のHiRDBファイルシステム領域を通常ファイルで作成し,その領域を使用しているRDエリアがRDエリアの自動増分機能を使用している場合,増分領域がスパースファイルになる可能性があります。
(i)-iオプション指定なしのpdfmkfsコマンドで作成したHiRDBファイルシステム領域
(ii)-iオプションと-aオプションを指定したpdfmkfsコマンドで作成したHiRDBファイルシステム領域
RDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域がスパースファイルになると,グローバルバッファからのページ書き込み契機(デファードライト処理)で書き込みエラーが発生し,障害閉塞することがあります。
本オペランドの指定値にYを指定すると,RDエリアの自動増分が発生したときに増分領域を初期化し,HiRDBファイルシステム領域がスパースファイルになるのを防ぐことができます。
なお,初期化する対象は,ファイルの種類が通常ファイルで,-aオプションを指定したpdfmkfsコマンドで作成したHiRDBファイルシステム領域です。
Y:増分領域の初期化を行います
N:増分領域の初期化を行いません
《指定値の目安》
RDエリアの自動増分機能を使用するシステムでは,通常下記のリソース容量が満杯にならない運用(容量監視や定期的なデータベースの再編成の実施)を行ってください。この場合は本オペランドの指定値をNにすることを推奨します。
  • RDエリア
  • HiRDBファイルシステム領域
  • HiRDBファイルシステム領域を配置しているディスク
容量監視ができないシステムの場合は本オペランドの指定値をYにしてください。詳細はマニュアル「HiRDB Version 8 運用ガイド」を参照してください。
《注意事項》
本オペランドの指定値をYにする場合,以下の点に注意してください。
(a)自動増分が発生しているRDエリアをアクセスする更新トランザクションの実行時間が延びるため,次の要因でトランザクションがキャンセルされることがあります。
  • 排他待ち限界経過時間を超過
  • HiRDBクライアントの最大待ち時間を超過
  • ユティリティの最大実行時間を超過
《他パラメタとの関連》に示すパラメタについて,以下に示すRDエリアの構成情報と,HiRDBファイルシステム領域を配置しているディスクのI/O性能を考慮して,見積もりしてください
  • ページサイズ
  • セグメントサイズ
  • 増分セグメント数
注※ 増分領域の初期化にかかる処理時間(目安)[秒]
 
  • 自動増分に掛かる処理時間の目安
    ページサイズ[byte]×(セグメントサイズ×増分セグメント数 + α)
    ÷HiRDBファイルシステム領域を配置しているディスクのI/O性能 [byte/秒]
     
    α:増分時に作成するディレクトリページ数
  • データディクショナリ用RDエリア・ユーザ用RDエリア・レジストリ用RDエリアの場合
    ↑d÷b↑+↑d÷f↑
     
    d:増分セグメント数
    b:↓(P - 20)÷(↑d÷32↑×8 + 56)↓
    f:↓(125×P)÷(16×b)↓×b
    P:ページサイズ
    S:セグメントサイズ
  • LOB用RDエリアの場合
    ↑S÷64000↑×96
     
    S:セグメントサイズ
(b)本オペランドを指定した場合でも,増分領域以外は初期化を行いません。
このため,pdfmkfsコマンドに-iオプションを指定していないHiRDBファイルシステム領域の場合,スパースファイルになります。このことから,HiRDBファイルシステム領域を作成する際は,-iオプションの指定を推奨します。
《ほかのオペランドとの関連》
このオペランドは,次に示すオペランドと関連があります。
  • PDCWAITTIME
  • pd_lck_wait_timeout
  • pd_utl_exec_time

 

123) pd_rdarea_extension_timing = use | nouse
RDエリアの自動増分機能を適用している場合,どのタイミング(契機)でRDエリアを自動増分するかを指定します。
use:RDエリア内の空きセグメント数が1回の自動増分で増分するセグメント数以下になったときに自動増分します。例えば,1回の自動増分セグメント数を50セグメントとしている場合,空きセグメント数が50セグメント以下になったときに自動増分します。
nouse:RDエリア内に空きセグメントがなく,新しいセグメントを確保できないときに自動増分します。
《指定値の目安》
それぞれの指定値のメリットとデメリットを次の表に示します。
項目オペランドの指定値
usenouse
メリット自動増分ができない場合でも,データ追加によるページ不足エラーになるまで,空きセグメント(増分セグメント数分)を利用できます。この間に,RDエリアの状態を解析し,使用状況に応じて再編成やRDエリアの拡張などの対処ができるため,業務への影響を最小限にできます。空きセグメントがなくなってから,自動増分を行うため,HiRDBファイルシステム領域内に複数HiRDBファイルを作成する場合,格納効率が良くなります。
デメリットHiRDBファイルシステム領域内に複数HiRDBファイルを作成する場合,格納効率が悪くなることがあります。自動増分ができない場合,空きセグメントがない状態のため,データ追加によるページ不足エラーで業務が停止するおそれがあります。

注※ 次のような場合,自動増分できません。

  • HiRDBファイルシステム領域内でHiRDBファイルを拡張する方式(pdfmkfs -eコマンド)の場合,HiRDBファイルシステム領域に空きがないとき。
  • HiRDBファイルシステム領域を自動的に拡張する方式(pdfmkfs -aコマンド)の場合,ディスクに空きがない,又はHiRDBファイルの最大サイズ(64GB)に達しているとき。
  • RDエリアがバックアップ閉塞状態のため,自動増分が抑止されるとき。

このオペランドの指定値は,業務への影響を最小限にできるuseをお勧めします。

 

124) pd_rdarea_open_attribute_use = Y | N
RDエリアのオープン契機にDEFER属性又はSCHEDULE属性を使用するかどうかを指定します。
Y:DEFER属性又はSCHEDULE属性を使用します。
N:DEFER属性又はSCHEDULE属性を使用しません。
このオペランドを省略するか,又はNを指定した場合,RDエリアのオープン契機は常にINITIAL属性になります。したがって,次に示すオペランド又はユティリティでRDエリアのオープン契機をDEFER属性又はSCHEDULE属性にしても無効になります。
  • pd_rdarea_open_attributeオペランド
  • データベース初期設定ユティリティ
  • データベース構成変更ユティリティ
《注意事項》
  • Yを指定すると,HiRDBが必要とする共用メモリ量が増加するため,共用メモリが不足してHiRDBを開始できないことがあります。
  • 高速系切り替え機能,1:1スタンバイレス型系切り替え機能,又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を使用する場合はこのオペランドにYが仮定されます。このため,サーバが使用する共用メモリが増加するので共用メモリを見積もり直してください。サーバが使用する共用メモリの見積もり式については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド」を参照してください。

 

125) pd_rdarea_open_attribute = INITIAL | DEFER | SCHEDULE
RDエリアのオープン契機の標準値を指定します。
データベース初期設定ユティリティ又はデータベース構成変更ユティリティでopen attributeの指定がないRDエリアは,このオペランドに指定した属性が仮定されます。ただし,システム用RDエリアは,常にINITIALが仮定されます。
《指定値の目安》
  • 同じHiRDBファイルシステム領域のRDエリアには,同じ属性を指定してください。異なる属性を指定すると,期待どおりの効果が得られない場合があります。
  • 各属性のRDエリアのオープン/クローズ契機,及び長所/短所を次に示します。
    属性初期状態オープン契機クローズ契機長所短所
    INITIALオープン状態
    • HiRDB開始時
    • pdopenコマンド実行時
    pdcloseコマンド実行時初回SQLから高速実行システムの開始に時間が掛かる
    DEFERクローズ状態
    • RDエリアの初回アクセス時
    • pdopenコマンド実行時
    pdcloseコマンド実行時
    • システムの開始が高速
    • 初回アクセス以後は通常SQLも高速
    各RDエリアの初回アクセスに時間が掛かる
    SCHEDULEクローズ状態
    • トランザクション内でのRDエリア初回アクセス時
    • pdopenコマンド実行時
    • トランザクション終了時
    • pdcloseコマンド実行時
    • システムの開始が高速
    • ファイルオープンの集中を回避
    • トランザクションごとにRDエリアの初回アクセスが高負荷となる
    • リアルタイムSANレプリケーションの処理方式がハイブリッド方式の場合,トランザクション終了時に1トラザクション当たり2秒以上のオーバヘッドが掛かる
  • 各属性に適する運用形態を次に示します。
    属性適する運用形態
    INITIALシステム開始時にHiRDBファイルシステム領域をオープンして,RDエリア情報をメモリ上に常駐します。RDエリアの初回アクセス時にも,そのプロセス上でオープンします。ただし,この場合にはRDエリア情報の再作成をしないため,初回SQLから高速な運用ができます。
    システム開始時のRDエリア初期状態はオープン状態であり,以降は障害閉塞への遷移を除いて,運用コマンドの入力がないかぎりRDエリアの状態は遷移しません。
    特殊な運用形態を用いない場合は,この属性を推奨します。
    この属性のとき,クローズ状態のRDエリアに対してはアクセスできません。
    DEFERシステム開始時にHiRDBファイルシステム領域のオープンをしないで,RDエリアに対する初回アクセス時にオープンし,RDエリア情報をメモリ上に常駐します。2回目以降のアクセスでは,HiRDBファイルシステム領域のオープン以降の処理をしないため,高速な運用ができます。
    システム開始時のRDエリア初期状態はクローズ状態であり,各RDエリアに対する初回アクセス時に該当するRDエリアをオープン状態にします。以降は障害閉塞への遷移を除いて,運用コマンドの入力がないかぎりRDエリアの状態は遷移しません。
    多数のHiRDBファイルシステム領域に対するオープンが重なるケースを回避したい場合や,HiRDBの開始時間を短縮したい場合に,この属性を指定します。
    HiRDBを再開始する場合は,回復処理時に回復対象RDエリアをオープンします。
    この属性を指定した場合,クローズ状態のRDエリアに対してもアクセスできます。
    SCHEDULEシステム開始時にHiRDBファイルシステム領域のオープンをしないで,システム開始後,各トランザクション内でのRDエリアに対する初回アクセス時にオープンし,RDエリア情報をメモリ上に常駐します。トランザクションの終了時に,そのトランザクション内でオープンしたHiRDBファイルシステム領域をクローズします。以降もトランザクションが変わるとRDエリアに対する初回アクセス時にオープン以降の処理をするため,トランザクションに掛かる負荷は増加します。
    システム開始時のRDエリアの初期状態はクローズ状態であり,アクセスのあったRDエリアのトランザクション処理中だけオープン状態とします。トランザクション終了時に,トランザクション内でオープン状態としたすべてのRDエリアをクローズ状態にします。
    pdopenコマンドを入力すると,次回閉塞クローズ状態になるまでの間オープン状態を継続できます。そのほかの運用コマンドを用いて,RDエリアのステータスを任意に遷移させることもできます。障害を検知したときは障害閉塞となります。
    多数のHiRDBファイルシステム領域のオープンが重なることを回避したい場合や,システムの開始時間を短縮したい場合に,この属性を指定します。
    HiRDBを再開始する場合は,回復処理時に回復対象RDエリアをオープンして,回復処理の終了後にクローズします。
    この属性を指定した場合,クローズ状態のRDエリアに対してもアクセスできます。
    リアルタイムSANレプリケーションの処理方式がハイブリッド方式の場合,リモートサイトへのデータベースの同期待ち合わせを行います。トランザクション終了時に,アクセスしたRDエリア数×2秒以上のオーバヘッドが掛かることがあります。
《注意事項》
  • 高速系切り替え機能,1:1スタンバイレス型系切り替え機能,又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を使用する場合の注事項を次に示します。
    使用する機能注意事項
    高速系切り替え機能高速系切り替え機能の対象になる待機系ユニットは,待機状態のときにRDエリアをオープンしていません。また,系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,待機系のRDエリアのオープン契機はINITIAL属性になりません。INITIAL属性のRDエリアはDEFER属性になります。
    1:1スタンバイレス型系切り替え機能系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えの発生時に全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,正規BES又は代替部のRDエリアのオープン契機は次に示すようになります。
    • 系切り替えが発生した場合,代替部のRDエリアのオープン契機はSCHEDULE属性になります。
    • 障害が回復して正規BESに系を切り戻した場合,正規BES下のINITIAL又はDEFER属性のRDエリアのオープン契機はDEFER属性になります。SCHEDULE属性のRDエリアはSCHEDULE属性のままです。
    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能系の切り替え時間を最小限に抑えるため,系切り替えによる再開始時には全面回復で必要なRDエリアだけをオープンして,そのほかのRDエリアはオープンしません。したがって,系切り替えが発生した場合,ゲストBES下のINITIAL属性のRDエリアのオープン契機はDEFER属性になります。
  • 高速系切り替え機能,1:1スタンバイレス型系切り替え機能,又は影響分散スタンバイレス型系切り替え機能とRDエリアのオープン契機の関係を次に示します。
    条件pd_rdarea_open_attribute_useの指定値
    NY
    RDエリアのオープン契機
    INITIALDEFERSCHEDULE
    系切り替え機能を使用しない※1INITIALINITIALDEFERSCHEDULE
    スタンバイ型系切り替え機能※1高速系切り替え機能を使用しない
    高速系切り替え機能実行系
    待機系DEFER※2DEFERDEFERSCHEDULE
    1:1スタンバイレス型系切り替え機能※1受け入れ部(代替BESユニットの代替部以外)実行系INITIAL
    ※2※3
    INITIAL
    ※3
    DEFERSCHEDULE
    待機系DEFER※2DEFERDEFERSCHEDULE
    代替部実行系SCHEDULE
    ※2
    SCHEDULESCHEDULESCHEDULE
    待機系
    影響分散スタンバイレス型系切り替え機能※1正常開始又は再開始INITIALINITIALDEFERSCHEDULE
    系切り替えによる再開始DEFER※2DEFERDEFERSCHEDULE
    注※1 システム用RDエリアのオープン契機はINITIALになります。
    注※2 pd_rdarea_open_attribute_useオペランドにYが指定されているとみなします。
    注※3 再開始時はDEFERになります。

 

126) pd_shared_rdarea_use = Y | N
このオペランドはHiRDB/パラレルサーバ限定のオペランドです。
共用RDエリアを使用するかどうかを指定します。
Y:共用RDエリアを使用します。
N:共用RDエリアを使用しません。
《注意事項》
  • 共用RDエリアを定義しているのに,このオペランドを省略した場合(又はこのオペランドにNを指定した場合),HiRDBを正常開始できません。
  • このオペランドにYを指定すると,pd_dbsync_pointオペランドにcommitを指定したときと同じ共用メモリブロックを確保します。

 

127) pd_db_access_error_action = dbhold | unitdown
RDエリアへのアクセス時にファイルアクセスエラーが発生した場合の動作を指定します。
RDエリアにアクセスする際,アクセス対象のRDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域にあるファイルをHiRDB以外のプロセスが占有排他でオープンしていると,ファイルアクセスエラーとなります(エラーコード-1540)。
注※ HiRDBファイルシステム領域のアクセス権限の設定を誤った場合にも返却されます。
dbhold:
ファイルアクセスエラーが発生した場合,アクセス対象のRDエリアを閉塞します。
unitdown:
ファイルアクセスエラーが発生した場合,KFPH23040-Iメッセージを出力して,ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を適用します。ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
《適用基準》
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
HiRDBの稼働中にHiRDB以外のプロセスがRDエリアを構成するHiRDBファイルシステム領域にアクセスする運用を行っていて,そのプロセスがHiRDBファイルシステム領域を占有排他する可能性がある場合に,このオペランドの指定を検討してください。
《指定値の目安》
ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用してRDエリアの閉塞とそれに伴う回復作業を回避したい場合,unitdownを指定してください。
《注意事項》
  • unitdownを指定したときにファイルアクセスエラーが発生すると,次の場合に処理対象のRDエリアが障害閉塞することがあります。
    ・更新前ログ取得モード又はログレスモードでUAPやユティリティを実行している場合
    ・CREATE TABLEのRECOVERYオペランドでNOを指定してログレスモードにしたユーザLOB用RDエリアに対して,UAP又はユティリティを実行している場合
  • unitdownを指定する場合は,データベースの更新ログを取得する運用をしてください。データベースの更新ログを取得しない運用をする場合は,UAP又はユティリティの実行前にバックアップを取得して,RDエリアの障害閉塞を回復できるようにしてください。バックアップの取得については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
  • マスタディレクトリ用RDエリアへのアクセス時にファイルアクセスエラーが発生した場合,このオペランドの指定値に関係なく常にユニットダウンします。ただし,ユニットダウンする際にはKFPH23040-Iメッセージが出力されます。
  • ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーション機能を適用している場合,ログ適用サイト側にログを適用する設定にしていると,unitdownを指定しても無効になります。
  • データベース回復ユティリティ(pdrstr)での回復処理中は,unitdownを指定していてもHiRDBを異常終了しません。この場合は,データベース回復ユティリティ(pdrstr)を再度実行して回復してください。

 

128) pd_db_hold_action = dbhold | unitdown
RDエリアへのアクセス時に物理エラーが発生した場合(KFPH00306-Eメッセージの閉塞理由にi/o error occurred,又はopen error occurredを出力して閉塞するエラーの場合)の動作を指定します。
マスタディレクトリ用RDエリアの場合は物理エラー検知時ユニットダウン機能を使用していなくても,障害閉塞しないでユニットダウンします。物理エラー検知時ユニットダウン機能については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用 ガイド」を参照してください。
dbhold:
物理エラーが発生した場合,アクセス対象のRDエリアを閉塞します。
unitdown:
物理エラーが発生した場合,KFPH23047-Iメッセージを出力して,物理エラー検知時ユニットダウン機能を適用します。
《適用基準》
通常,このオペランドを指定する必要はありません。
RDエリアの数が少なく,RDエリアが一つでも障害閉塞したら業務全体が停止するようなシステムの場合に,このオペランドの指定を検討してください。unitdownを指定する場合は,pd_mode_confオペランドにMANUAL2を指定してください。
《注意事項》
  • RDエリアに対するアクセスで物理エラーが発生し,KFPH00307-Eメッセージを出力してRDエリアがコマンド閉塞した場合は,pd_db_hold_actionオペランドにunitdownを指定していてもユニットダウンしません。
  • unitdownを指定した場合に物理エラーが発生すると,次のケースでは処理対象のRDエリアが障害閉塞することがあります。
    ・更新前ログ取得モード又はログレスモードでUAPやユティリティを実行している
    ・CREATE TABLEのRECOVERYオペランドでNOを指定してログレスモードにしたユーザLOB用RDエリアに対して,UAP又はユティリティを実行している
    物理エラー検知時ユニットダウン機能を使用する場合は,できるだけこれらの運用は避けてください。もし,これらの運用が必要な場合は,RDエリアが閉塞しても最新の状態に回復できるよう,UAP又はユティリティの実行前にバックアップを取得してください。バックアップの取得については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。
  • ログ同期方式のリアルタイムSANレプリケーション機能を適用している場合,ログ適用サイトのHiRDBの開始中は,unitdownを指定しても無効になります。
  • データベース回復ユティリティ(pdrstr)での回復処理中は,unitdownを指定していてもユニットダウンしません。この場合は,データベース回復ユティリティ(pdrstr)を再度実行して回復してください。
《ほかのオペランドとの関連》
このオペランドは次に示すオペランドと関連があります。
  • pd_mode_confオペランド
  • pd_db_io_error_actionオペランド
  • pd_db_access_error_actionオペランド
なお,pd_db_io_error_actionオペランド,pd_db_access_error_actionオペランド,及びpd_db_hold_actionオペランドのうち,複数のオペランドでunitdownを指定した場合は,次の順序でオペランドの指定値が有効になります。
  1. pd_db_io_error_actionオペランド
  2. pd_db_access_error_actionオペランド
  3. pd_db_hold_actionオペランド
そのため,RDエリアの入出力エラー,ファイルアクセスエラー,及び物理エラーのうち複数のエラーが同時に起こった場合,どのエラー要因によってユニットダウンしたのかは,この優先順位を参考に判断してください。また,出力されたメッセージを参照してください。