スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 解説(UNIX(R)用)

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6.6.1 開始モードと終了モード

HiRDBを開始するときには開始モードという概念があり,終了するときには終了モードという概念があります。ここでは,この開始モード及び終了モードについて説明します。HiRDBの開始及び終了方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 開始モード
(2) 終了モード

(1) 開始モード

HiRDBの開始モードを次の表に示します。

表6-7 HiRDBの開始モード

開始
モード
説明 入力するコマンド
システム単位の開始 ユニット単位の開始1 サーバ単位の開始1
正常開始 前回の終了モードが正常終了の場合の開始モードです。このとき,前回稼働時の情報を引き継ぎません。ただし,次に示す情報は引き継ぎます。
  • レプリカRDエリアのレプリカステータス
  • 障害閉塞しているRDエリアの状態
pdstart pdstart -u
pdstart -x
pdstart -s
再開始 前回の終了モードが次に示す場合の開始モードです。このとき,前回稼働時の情報を引き継ぎます。
  • 計画停止
  • 異常終了
  • 強制終了
再開始時に引き継ぐ情報の詳細は,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」の「HiRDBが再開始するときに引き継ぐ情報」を参照してください。
×
強制開始2 HiRDBを再開始できないときに,強制的にHiRDBを開始する場合の開始モードです。このとき,前回稼働時の情報を引き継がないため,HiRDBはデータベースの内容を回復できません。したがって,HiRDB管理者がデータベースの内容を回復してください。 pdstart
 dbdestroy
pdstart -u
 dbdestroy
pdstart -x
 dbdestroy
×

(凡例)
×:この開始方法は実行できません。

注※1
HiRDB/パラレルサーバの場合,ユニット単位又はサーバ単位でも,開始及び終了できます。

注※2
HiRDBを強制開始すると,前回のHiRDB開始後に更新したすべてのRDエリア(システム用RDエリアも含みます)が破壊されます。したがって,強制開始をする場合は,破壊されたRDエリアをデータベース回復ユティリティ(pdrstr)で回復する必要があります。RDエリアを回復しないと,その後のHiRDBの動作を保証できません。このとき,RDエリアはシステムログだけで回復できます。前回のpdstartコマンドが失敗したときに出力されたKFPS01262-Iメッセージを参照し,メッセージに表示されているログ読み込み開始のファイルグループ名及びそれ以降に発生したシステムログをデータベース回復ユティリティ(pdrstr)の入力情報にしてください。

(2) 終了モード

HiRDBの終了モードを次の表に示します。

表6-8 HiRDBの終了モード

終了
モード
説明 入力するコマンド
システム単位の終了 ユニット単位の終了 サーバ単位の終了
正常終了 CONNECT要求を禁止し,すべてのユーザの処理が終了した後にHiRDBを終了します。ユティリティが実行中のため,pdstopコマンドを実行してもHiRDBを終了できない場合は,KFPS05074-Eメッセージが出力されます。ユニットを終了できない場合は,KFPS05070-Eメッセージが出力されます。このとき,pdstopコマンドはリターンコード8で終了します。 pdstop pdstop -u
pdstop -x
pdstop -s
計画停止 トランザクションの受け付けを禁止し,ユティリティを含むすべてのトランザクションが終了した後にHiRDBを終了します。 pdstop -P × ×
強制終了 処理中のトランザクションの完了を待たないで,HiRDBを直ちに終了します。処理中のトランザクションは,再開始時にロールバックの対象となります。 pdstop -f pdstop -f -u
pdstop -f -x
×
異常終了 何らかの異常によってHiRDBが終了する場合の終了モードです。処理中のトランザクションの完了を待たないで,HiRDBは直ちに終了します。処理中のトランザクションは,再開始時にロールバックの対象となります。

(凡例)
−:該当しません。
×:この終了方法は実行できません。

注※
処理中のトランザクションは,再開始時にロールバックの対象となります。ただし,次に示す場合のトランザクションはロールバックの対象となりません。
  • データベース作成ユティリティ(pdloadコマンド)又はデータベース再編成ユティリティ(pdrorgコマンド)をログレスモードで実行している場合
  • ログレスモードでUAPを実行している場合
したがって,HiRDBを再開始した後に,HiRDB管理者がRDエリアをバックアップから回復するか,ユティリティを再実行する必要があります。ログレスモード及びログレスモードで運用しているときのRDエリアの回復方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 システム運用ガイド」を参照してください。