実行系と待機系の実行環境を同じにしてください。例えば，次に示すことを一致させてください。一致していないと，系が正常に切り替わりません。

• システム定義の内容
• UAPの実行形式プログラム
• トランザクションサービス制御用実行形式プログラム（trnlnkrmコマンドで再作成した場合）
• TP1/EEおよび関連製品のバージョン
• TP1/EE管理者の環境（ユーザID，グループID，環境変数など）
• TP1/EEディレクトリの絶対パス名

TP1/Server Baseのシステムサービス定義を作成するときの注意点を次に示します。

• システムサービス構成定義のha_confオペランドにNを指定し，TP1/Server Baseに対して系切り替え機能を適用しないようにしてください。
  CLサーバでは，TP1/EEプロセスをHAモニタが直接監視します。そのため，TP1/Server BaseをHAモニタの監視対象から外す必要があります。
  
• ユーザサービス定義のholdオペランドにYを指定し，TP1/EEプロセスが異常終了した場合，サービスグループまたはサービスを閉塞するようにしてください。

HAモニタの定義ファイルを作成するときの注意点を次に示します。

• 次に示すオペランドに指定するホスト名を一致させてください。
  
  • UDPグループ情報関連定義のclgrpdef定義コマンドの-nオプションに指定するホスト名
  • HAモニタのenvironment定義文のnameオペランドに指定するホスト名
• 次に示すオペランドに指定するクラスタ識別子を一致させてください。
  
  • UDPグループ情報関連定義のclgrpdef定義コマンドの-cオプションに指定するクラスタ識別子
  • HAモニタのserver定義文のnameオペランドに指定するクラスタ識別子
• TP1/EEプロセスを直接監視するため，HAモニタのserver定義文のserver_typeオペランドにBを指定してください。
• HAモニタのマルチスタンバイ機能を使用するため，HAモニタのfunction定義文のmultistandbyオペランドにuseを指定してください。

HAモニタの定義ファイルの指定例を次に示します。

■実行系の定義例

• OpenTP1およびXTCの定義例
  

  set node_id = ap01 : clgrpdef -p 10001 -m path01 -n ap01:host01,ap02:host02,ap03:host03 -c cl01 [1] [2]

• HAモニタの定義例
  

  environment name host01, ...[1] : function multistandby use, ...[3] : server name cl01, ...[2] alias server01, acttype server, server_type B, ...[4] initial online, ...[5] :

説明

1. 同じホスト名を指定します。
2. 同じクラスタ識別子を指定します。
3. マルチスタンバイ機能を使用するため，useを指定します。
4. TP1/EEプロセスを直接監視するため，Bを指定します。
5. CLサーバの開始時にこのサーバを実行系にするため，onlineを指定します。

■待機系1の定義例

• OpenTP1およびXTCの定義例
  

  set node_id = ap02 : clgrpdef -p 10001 -m path01 -n ap01:host01,ap02:host02,ap03:host03 -c cl01 [1] [2]

• HAモニタの定義例
  

  environment name host02, ...[1] : function multistandby use, ...[3] : server name cl01, ...[2] alias server01, acttype server, server_type B, ...[4] standbypri 1, ...[5] initial standby, ...[6] :

説明

1. 同じホスト名を指定します。
2. 同じクラスタ識別子を指定します。
3. マルチスタンバイ機能を使用するため，useを指定します。
4. TP1/EEプロセスを直接監視するため，Bを指定します。
5. 待機系の優先度を指定します。1を指定しているため，最初の系切り替えが発生した場合，このサーバが実行系になります。
6. CLサーバの開始時にこのサーバを待機系にするため，standbyを指定します。

■待機系2の定義例

• OpenTP1およびXTCの定義例
  

  set node_id = ap03 : clgrpdef -p 10001 -m path01 -n ap01:host01,ap02:host02,ap03:host03 -c cl01 [1] [2]

• HAモニタの定義例
  

  environment name host03, ...[1] : function multistandby use, ...[3] : server name cl01, ...[2] alias server01, acttype server, server_type B, ...[4] standbypri 2, ...[5] initial standby, ...[6] :

説明

1. 同じホスト名を指定します。
2. 同じクラスタ識別子を指定します。
3. マルチスタンバイ機能を使用するため，useを指定します。
4. TP1/EEプロセスを直接監視するため，Bを指定します。
5. 待機系の優先度を指定します。2を指定しているため，最初の系切り替えが発生した場合，このサーバは待機系のままです。
6. CLサーバの開始時にこのサーバを待機系にするため，standbyを指定します。