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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 使用の手引 Windows(R)編


6.9.1 ユーザによるプロセスサービスおよびWindowsサービスプロセスの監視

次の区間では,UNIX版と同様にOpenTP1監視機能が有効になりません。

また,Windows版のOpenTP1監視機能では,Windowsサービスプロセスの稼働状態を監視しません。そのため,ユーザの運用で次の監視をしてください。

ユーザが,プロセスサービスおよびWindowsサービスプロセスに関する上記の監視をできるよう,Windowsサービスプロセスは,処理経過メッセージをWindowsの[イベントビューア]に出力します。Windowsサービスプロセスが出力する処理経過メッセージを次の表に示します。

表6‒8 Windowsサービスプロセスが出力する処理経過メッセージ

メッセージID

メッセージの意味

出力情報

KFCA26547-I

OpenTP1サービスを開始します。

  • 環境変数DCDIRの設定値

  • OpenTP1サービス名

  • WindowsサービスプロセスのプロセスID

KFCA26548-I

プロセスサービスを開始します。

  • 環境変数DCDIRの設定値

  • OpenTP1サービス名

  • WindowsサービスプロセスのプロセスID

  • 開始したプロセスサービスのプロセスID

KFCA26549-I

プロセスサービスが終了しました。

  • 環境変数DCDIRの設定値

  • OpenTP1サービス名

  • WindowsサービスプロセスのプロセスID

  • 終了したプロセスサービスのプロセスID

KFCA26550-I

OpenTP1サービスを停止しました。

  • 環境変数DCDIRの設定値

  • OpenTP1サービス名

  • WindowsサービスプロセスのプロセスID

この表に示したメッセージの出力契機を図6-9図6-11に示します。

図6‒9 Windowsサービスプロセスが出力する処理経過メッセージの出力契機(OpenTP1開始時)

[図データ]

(説明)
  1. Windowsサービスプロセスは,OpenTP1サービスの開始メッセージ(KFCA26547-I)を出力します。

  2. Windowsサービスプロセスは,プロセスサービスを開始します。

  3. Windowsサービスプロセスは,プロセスサービスの開始メッセージ(KFCA26548-I)を出力します。

  4. プロセスサービスは,その他のシステムサービスを開始します。

図6‒10 Windowsサービスプロセスが出力する処理経過メッセージの出力契機(OpenTP1再開始時)

[図データ]

(説明)
  1. あるシステムサービスがダウンします。

  2. プロセスサービスは,システムサービスのダウンを検知し,ダウンしたシステムサービス以外のシステムサービスを終了します。

  3. プロセスサービスは終了します。

  4. Windowsサービスプロセスは,プロセスサービスの終了を検知し,プロセスサービスの終了メッセージ(KFCA26549-I)を出力します。

    (ここでは,その他のシステムサービスがダウンした例を示していますが,プロセスサービス自体がダウンした場合も同様です。)

  5. Windowsサービスプロセスは,プロセスサービスを再起動します。

  6. Windowsサービスプロセスは,プロセスサービスの開始メッセージ(KFCA26548-I)を出力します。

  7. プロセスサービスは,その他のシステムサービスを開始します。

図6‒11 Windowsサービスプロセスが出力する処理経過メッセージの出力契機(OpenTP1停止時)

[図データ]

(説明)
  1. プロセスサービスは,その他のシステムサービスを終了します。

  2. プロセスサービスは終了します。

  3. Windowsサービスプロセスは,プロセスサービスの終了を検知し,プロセスサービスの終了メッセージ(KFCA26549-I)を出力します。

  4. Windowsサービスプロセスは,OpenTP1サービスの停止メッセージ(KFCA26550-I)を出力し,終了します。

プロセスサービスおよびWindowsサービスプロセスの監視では,Windowsサービスプロセスが出力する処理経過メッセージのほかに,OpenTP1が出力するエラーメッセージも常に監視する必要があります。エラーメッセージが出力された場合,そのつど対処します。

表 6-8のメッセージの監視区間とメッセージ監視の流れを以下の図に示します。

図6‒12 プロセスサービスおよびWindowsサービスプロセスの監視での,メッセージの監視区間とメッセージ監視の流れ

[図データ]

監視方法を次に示します。

〈この項の構成〉

(1) OpenTP1開始時の監視

OpenTP1開始時には,KFCA26548-Iメッセージが出力されることを確認します。

なお,監視は,一定時間が経過した後に開始してください。

注※

KFCA26547-Iメッセージが出力されてからKFCA01809-Iメッセージが出力されるまでの時間です。

この時間は,ユーザ環境ごとに異なるため,各ユーザ環境で実際に計測した時間を目安にしてください。

また,この時間に含まれる,次の時間を考慮して調整してください。

  • ユーザ環境設定コマンド(システム環境定義のuser_commandオペランドで指定します)の実行に掛かる時間

  • OpenTP1を再開始(リラン)する場合,トランザクションの全面回復に掛かる時間

次に示すフローに従って,監視および対処をしてください。

図6‒13 OpenTP1開始時の監視および対処

[図データ]

注※1

KFCAn1n2n3n4n5-Eメッセージ(n1n2n3n4n5:メッセージの通し番号)を指します。

注※2

Windowsの[イベントビューア]に出力されるメッセージを監視してください。

Windowsの[イベントビューア]の参照方法については,「6.6.4 障害発生時の取得情報の参照」を参照してください。

注※3

Windowsサービスプロセスが無応答状態になっていると考えられます。原因究明のため,該当プロセス(dcservice.exe)のダンプファイルを作成して保守員に連絡してください。

問題となっているWindowsサービスプロセスの特定方法は,KFCA26547-Iメッセージが出力されているかどうかで,次のとおり異なります。

KFCA26547-Iメッセージが出力されている場合

KFCA26547-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびWindowsサービスプロセスのプロセスIDを基に,タスクマネージャから特定してください。

KFCA26547-Iメッセージが出力されていない場合

タスクマネージャに表示されているプロセス名とコマンドラインから特定してください。

注※4

KFCA26547-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびWindowsサービスプロセス(dcservice.exe)のプロセスIDを基に,OpenTP1管理者がタスクマネージャなどから強制終了してください。

(2) OpenTP1システムダウン時の再開始(リラン)の監視

OpenTP1オンライン中のKFCA26549-Iメッセージの出力を契機に,OpenTP1の再開始(リラン)の監視を開始します。OpenTP1再開始時には,KFCA26548-Iメッセージが出力されることを確認します。

なお,監視は,一定時間が経過した後に開始してください。

注※

KFCA26549-Iメッセージが出力されてからKFCA01809-Iメッセージが出力されるまでの時間です。この時間は,ユーザ環境ごとに異なるため,各ユーザ環境で実際に計測した時間を目安にしてください。

また,この時間に含まれる,次の時間を考慮して調整してください。

  • ユーザ環境設定コマンド(システム環境定義のuser_commandオペランドで指定します)の実行に掛かる時間

  • トランザクションの全面回復に掛かる時間

次に示すフローに従って,監視および対処をしてください。

図6‒14 OpenTP1システムダウン時の再開始(リラン)の監視および対処

[図データ]

注※1

Windowsの[イベントビューア]に出力されるメッセージを監視してください。

Windowsの[イベントビューア]の参照方法については,「6.6.4 障害発生時の取得情報の参照」を参照してください。

注※2

KFCAn1n2n3n4n5-Eメッセージ(n1n2n3n4n5:メッセージの通し番号)を指します。

注※3

Windowsサービスプロセスが無応答状態になっていると考えられます。原因究明のため,KFCA26549-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびWindowsサービスプロセスのプロセスIDを基に,タスクマネージャから該当プロセス(dcservice.exe)のダンプファイルを作成して保守員に連絡してください。

注※4

KFCA26549-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびWindowsサービスプロセス(dcservice.exe)のプロセスIDを基に,OpenTP1管理者がタスクマネージャなどから強制終了してください。

注※5

プロセスサービスが無応答状態になっていると考えられます。原因究明のため,KFCA26548-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびプロセスサービスのプロセスIDを基に,タスクマネージャから当該プロセス(prcd.exe)のダンプファイルを作成して保守員に連絡してください。

(3) OpenTP1停止時の監視

OpenTP1停止時には,KFCA26550-Iメッセージが出力されることを確認します。

なお,監視は,一定時間が経過した後に開始してください。

注※

KFCA01840-Iメッセージが出力されてからKFCA26550-Iメッセージが出力されるまでの時間です。

この時間は,ユーザ環境ごとに異なるため,各ユーザ環境で実際に計測した時間を目安にしてください。

次に示すフローに従って,監視および対処をしてください。

図6‒15 OpenTP1停止時の監視および対処

[図データ]

注※1

KFCAn1n2n3n4n5-Eメッセージ(n1n2n3n4n5:メッセージの通し番号)を指します。

注※2

Windowsの[イベントビューア]に出力されるメッセージを監視してください。

Windowsの[イベントビューア]の参照方法については,「6.6.4 障害発生時の取得情報の参照」を参照してください。

注※3

システム終了監視時間は,システム環境定義のsystem_terminate_watch_timeオペランドで指定します。また,OpenTP1の強制停止時の動作については,プロセスサービス定義のprc_terminate_forceオペランドを参照してください。その説明文中の既定時間が経過しても,OpenTP1が停止しない,かつKFCA00736-Eメッセージも出力されない場合は,保守員に連絡してください。

注※4

Windowsサービスプロセスが無応答状態になっていると考えられます。原因究明のため,KFCA26549-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびWindowsサービスプロセスのプロセスIDを基に,タスクマネージャから該当プロセス(dcservice.exe)のダンプファイルを作成して保守員に連絡してください。

注※5

KFCA26549-Iメッセージに出力された環境変数DCDIRの設定値,およびWindowsサービスプロセス(dcservice.exe)のプロセスIDを基に,OpenTP1管理者がタスクマネージャなどから強制終了してください。