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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 使用の手引 Windows(R)編


2.1 機能の一覧

Windows版OpenTP1は,UNIX版OpenTP1と比べて,使用できるOpenTP1の機能が異なります。Windows版OpenTP1を初めて使用する場合は,ここで示す一覧表でUNIX版OpenTP1との差異があるかどうかを確認してください。

この一覧表の内容を確認した上で,UNIX版OpenTP1と共通の機能,または差異がある機能については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。Windows版OpenTP1固有の機能については,この章の該当個所を参照してください。

一覧表で使用している記号の凡例を次に示します。

(凡例)

◎:UNIX版OpenTP1と同じ機能をサポートしています。

○:Windows版OpenTP1固有の機能です。

△:UNIX版OpenTP1との機能差異やWindows版OpenTP1での制限事項があります。

×:サポートしていません。

−:該当しません。

Windows版OpenTP1とUNIX版OpenTP1の機能の差異を,次に示します。

表2‒1 Windows版OpenTP1とUNIX版OpenTP1の機能の差異

機能名

Windows版OpenTP1でのサポートの有無

UNIX版OpenTP1との差異

統合システム運用管理機能 JP1

JP1製品を利用したシステム運用機能のうち,次の機能はサポートしていません。

  • JP1/NETM/DMによる配布管理・資産管理

  • JP1/BaseのJP1イベントサービス機能へのイベント登録

UAPのテスト,デバッグ機能

×

オンラインテスタ機能/オフラインテスタ機能/MCFオンラインテスタ機能は,サポートしていません。

トランザクション制御

分散トランザクション

グローバルトランザクション

トランザクションのコミットとロールバック

2相コミット

TXインタフェースによるトランザクション制御

XAリソースサービスによるトランザクション制御

クライアント/サーバ形態の通信

OpenTP1のリモートプロシジャコール通信

dc_rpc_call関数のflagsのDCRPC_DOMAINをサポートしていないため,ドメイン修飾をしたサービス要求は,サポートしていません。

サービス情報検索の付加機能

  • グローバル検索機能

  • サービス情報優先度指定機能

OpenTP1のノード管理

  • 起動通知機能

  • ノード監視機能

  • ノード自動追加機能

XATMIインタフェースの通信

×

XATMIインタフェースの通信は,サポートしていません。

TxRPCインタフェースの通信

×

TxRPCインタフェースの通信は,サポートしていません。

メッセージ制御

次の機能はサポートしていません。

  • タイマ起動引き継ぎ決定UOC

  • MCFオンラインテスタ

  • SPPの履歴情報OJ取得要否の指定

  • 入力キューにメモリキュー使用時のMCF開始処理高速化

  • MCFオンラインコマンドサービス

アプリケーションプログラムのスケジュール

SPPのスケジュール

MHPのスケジュール

プロセスの制御

  • マルチサーバ負荷バランス機能

  • スケジュールの優先度

  • 非常駐UAPプロセスのリフレッシュ機能

  • ノード間負荷バランス機能

  • マルチスケジューラ機能

バッファ領域の共用による共用メモリの節約

OpenTP1クライアント機能(TP1/Client)

OSI TPを使ったクライアント/サーバ形態の通信

×

OSI TPを使ったクライアント/サーバ形態の通信では,XATMIインタフェースの関数を使用します。このため,XATMIインタフェースをサポートしていないWindows版OpenTP1では,この機能はサポートしていません。

リモートAPI機能

サービス関数動的ローディング機能

OpenTP1の運用を補助する機能

資源の排他制御

ユーザジャーナルの取得

ジャーナル維持機能

コマンドの仕様が異なります。

メッセージログの操作

logcatコマンドをサポートしているため,標準出力はできます。ただし,syslogへの出力は,サポートしていません。

メッセージログの通知

OpenTP1提供以外のリソースマネジャの制御(TP1/Resource Manager Monitor)

×

リソースマネジャの制御は,サポートしていません。

稼働統計情報

稼働統計情報は,コマンドの仕様が異なります。

また,MCF稼働統計情報に関する機能(稼働統計情報取得機能,稼働統計情報出力機能,および稼働統計情報編集機能)は,サポートしていません(取得そのものを行っていません)。

リアルタイム統計情報サービス

OpenTP1の状態確認機能

シナリオテンプレートを利用したシステムの運用

シナリオテンプレートの利用方法が異なります。

監査ログによるシステムの監視

OpenTP1ファイルシステム

OpenTP1ファイルシステムのアクセス権に関する操作(OpenTP1ファイルの保護)は,サポートしていません。

複数のOpenTP1を使用する場合の機能

系切り替え機能

Windows版OpenTP1では,HAモニタではなくHitachi HA Toolkit Extensionが必要です。Hitachi HA Toolkit Extensionについては,マニュアル「Hitachi HA Toolkit」を参照してください。

また,次の差異があります。

  • システム構成

  • システム環境定義のmode_confオペランドでAUTOしか指定できない

  • dcstartコマンドをサポートしていない

マルチノード機能(TP1/Multi)

×

マルチノード機能は,サポートしていません。

マルチOpenTP1

運用方法(運用コマンド)が異なります。

OpenTP1のプロセス構造

Windows版OpenTP1固有のプロセスがある,プロセスの稼働数が異なるなどの差異があります。詳細については,「付録A OpenTP1のプロセスの一覧」を参照してください。

OpenTP1の監視

運用方法が異なります。

詳細については,「2.4 OpenTP1監視機能」を参照してください。

Windows版OpenTP1固有の機能

標準出力リダイレクト機能

Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.2.1 標準出力リダイレクト機能」を参照してください。

標準出力リダイレクトファイルのコンソール出力機能

Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.2.2 標準出力リダイレクトファイルのコンソール出力機能」を参照してください。

OpenTP1コンソール出力機能

Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.2.3 OpenTP1コンソール出力機能」を参照してください。

特権制御機能

Windows版OpenTP1固有の機能です。詳細については,「2.3 特権制御機能」を参照してください。

UNIX版OpenTP1と共通の機能,または差異がある機能については,この表の機能名を基に,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。