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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 クライアント使用の手引 TP1/Client/W,TP1/Client/P編


2.3.13 データ圧縮機能

データ圧縮機能を使用すると,RPCによってネットワーク上に送り出されるユーザデータを圧縮できます。これによってネットワーク上に送り出されるパケット数を削減し,ネットワークの混雑を緩和できます。

データ圧縮機能を使用するかどうかは,クライアント環境定義DCCLTDATACOMPで指定します。

この機能を使用すると,サービス要求データ(CUPから実行するdc_rpc_call_s関数またはdc_rpc_call_to_s関数に設定する入力パラメタ(in)の値)に圧縮効果がある場合,TP1/Clientは圧縮してネットワーク上に送り出します。そのサービス要求データに対し,SPPから返される応答データもTP1/Serverで圧縮されてネットワーク上に送り出されてきます。その応答を受け取ったTP1/Clientは,圧縮データを復元してCUPに渡します。

この機能は,サービス要求先のTP1/Server Baseが03-03以降の場合に使用できます。ただし,サービス要求先のTP1/Server Baseのバージョンによって,次の点が異なります。

TP1/Server Baseが03-05以前の場合

サービス要求データに圧縮効果がないために圧縮されなかったときは,応答データは圧縮効果があっても圧縮されません。

TP1/Server Baseが03-06以降の場合

入力パラメタの値が圧縮されていなかった場合でも,返される応答の値に圧縮効果があれば,応答の値はTP1/Server Baseで圧縮されます。

データ圧縮機能の概要を次の図に示します。

図2‒6 データ圧縮機能の概要

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) データ圧縮機能の効果

データ圧縮機能の効果は,ユーザデータの内容に依存します。ユーザデータ中に連続した同じ文字が多く現れる場合には効果がありますが,ユーザデータの内容によっては,ほとんど効果がない場合もあります。

同じCUPからdc_rpc_call_s関数,またはdc_rpc_call_to_s関数を複数実行する場合は,CUP単位でデータ圧縮機能の効果を検討してください。

また,データ圧縮/復元のためのオーバヘッドが掛かるため,データ圧縮による効果とのバランスを考慮し,事前に性能評価をしてからデータ圧縮機能の使用を検討してください。