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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


3.17.4 リアルタイム統計情報の出力

RTSサービス用の共用メモリに取得したリアルタイム統計情報の出力について説明します。

〈この項の構成〉

(1) リアルタイム統計情報の標準出力への出力

rtslsコマンドを実行すると,RTSサービス用の共用メモリ上に取得したリアルタイム統計情報を標準出力に出力できます。標準出力に出力できるのは,リアルタイム統計情報サービスの管理情報および統計情報です。これらの情報を標準出力に出力することによって,OpenTP1システムの稼働状況をリアルタイムに把握することができます。

(2) リアルタイム統計情報のRTSログファイルへの出力

RTSサービス用の共用メモリに取得したリアルタイム統計情報は,リアルタイム統計情報サービスが作成するRTSログファイルに出力できます。RTSログファイルに出力するには,リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_fileオペランドにYを指定して,リアルタイム統計情報サービスを開始します。

(a) RTSログファイルの作成

リアルタイム統計情報サービスは,リアルタイム統計情報サービスの開始時にRTSログファイルを作成します。

作成するRTSログファイルの数は,リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_file_countオペランドで指定します。

RTSログファイルを格納先と名称は,リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_file_nameオペランドで指定します。作成されるRTSログファイルの名称には,RTSログファイルの世代番号が付加されます。次に示すようにオペランドを指定した場合,リアルタイム統計情報サービスは,/OpenTP1/spool/dcrtsinf直下のディレクトリにrtslog1,rstlog2,rtslog3という名称のRTSログファイルを作成します。

set rts_log_file_count=3
set rts_log_file_name=/OpenTP1/spool/dcrtsinf/rtslog

リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_file_backupオペランドにYを指定するか,またはオペランドの指定を省略した場合,リアルタイム統計情報サービスの開始時にRTSログファイルのバックアップファイルを作成します。上記の定義例のようにオペランドを指定して,/OpenTP1/spool/dcrtsinfの直下のディレクトリにrtslog1,rtslog2,rtslog3という名称のRTSログファイルが作成されている場合,rtslog1.bk,rtslog2.bk,rtslog3.bkという名称のバックアップファイルを作成します。その後,rtslog1,rtslog2,rtslog3という名称のRTSログファイルを作り直します。rts_log_file_backupオペランドにNを指定した場合は,バックアップファイルを作成しません。

RTSログファイルの出力先に,RTSログファイル,またはバックアップファイルと同じ名称のファイルやディレクトリを作成しないでください。同じ名称のファイルを作成した場合は,RTSログファイル,またはバックアップファイルで上書きします。同じ名称のディレクトリを作成した場合は,RTSログファイル,またはバックアップファイルを作成できません。

(b) RTSログファイルへの出力

リアルタイム統計情報サービスは,RTSサービス用の共用メモリに取得した統計情報を,リアルタイム統計情報サービス定義のrts_trcput_intervalオペランドで指定した取得間隔でRTSログファイルに出力します。

RTSログファイルのサイズは,リアルタイム統計情報サービス定義のrts_log_file_sizeオペランドで指定します。RTSログファイルに出力されるリアルタイム統計情報のサイズがrts_log_file_sizeオペランドの指定値を超える場合,出力先は次の世代のRTSログファイルに切り替わります。すべての世代のRTSログファイルを使い切った場合は,最初の世代のRTSログファイルに戻ってリアルタイム統計情報を出力します。

RTSログファイルの出力先の切り替えを次の図に示します。

図3‒54 RTSログファイルの出力先の切り替え

[図データ]

(c) RTSログファイルの障害

リアルタイム統計情報サービスのオンライン中にRTSログファイルのI/O障害が発生した場合,統計情報の出力先のRTSログファイルを,次の世代のRTSログファイルに切り替えて出力処理を続行します。

すべてのRTSログファイルにI/O障害が発生した場合,KFCA32708-Wメッセージを出力してRTSログファイルへのリアルタイム統計情報の出力を停止します。RTSサービス用の共用メモリへの取得は続行します。

(3) リアルタイム統計情報のRTSログファイルの編集出力

rtseditコマンドを実行すると,RTSログファイルに出力した統計情報を,CSV形式で編集出力できます。