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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


jnlcolc

〈このページの構成〉

名称

ファイル回復用ジャーナルの集積

形式

jnlcolc -k 回復種別 〔-f〕〔-l〕〔-n〕〔-m〕
      〔-i オンラインバックアップ情報名〕〔-c キー〕
      〔ファイル名〔△ファイル名〕…〕

機能

指定したファイルから,DAMファイル,TAMファイル,またはISAMファイルの回復に必要なジャーナルレコードを抽出し,標準出力に出力します。集積結果をリダイレクトしてファイルに出力することもできます。

オプション

●-k 回復種別

回復対象とするファイル種別を指定します。

 d:DAMファイル

 t:TAMファイル

 i:ISAMファイル

●-f

最初のファイルから,ファイルの回復に必要なジャーナルを抽出します。このとき,ジャーナルファイルの先頭ブロック番号が1から昇順に連番であることをチェックします。エラーであれば処理を終了します。

このオプションの指定を省略すると,前回のジャーナルレコード抽出処理からの引き継ぎがあるものとして,引き継ぎファイルの最終ブロック番号+1から昇順に連番であることがチェックされます。エラーであれば処理を終了します。

●-l

最後のファイルから,ファイルの回復処理に必要なジャーナルを抽出します。その後,引き継ぎファイルを削除します。

このオプションを指定してファイル回復用ジャーナルを集積した場合,別オンラインのジャーナル集積時には,必ず-fオプションを指定してください。

このオプションの指定を省略すると,引き継ぎファイルは削除されません。

●-n

トランザクション内の同一論理ファイル,同一相対ブロック番号の更新情報があっても,すべてのFJレコードを出力します(FJの更新前と更新後の情報のチェック,および重複情報の削除はしません)。

このオプションの指定を省略すると,トランザクション内に同一論理ファイル,同一相対ブロック番号の更新情報があった場合,最終の更新情報だけが出力されます。

このオプションは,回復種別がDAMファイルの場合だけ有効です。

●-m

ファイルの回復に必要なジャーナルレコードをファイル上で集積します。

このオプションを指定すると,-nオプションを指定したと見なします。

このオプションの指定を省略すると,メモリ上にバッファが確保されて,ジャーナルレコードが集積されます。

●-i オンラインバックアップ情報名

指定したファイルからファイル回復用ジャーナルの集積開始情報を取得し,開始位置以前のレコードをスキップします。

このオプションの指定は,-kオプションにd,またはt(回復種別にDAMファイル,またはTAMファイル)を指定した場合だけ有効です。

このオプションの指定を省略すると,ファイルの先頭からファイル回復用ジャーナルが集積されます。

●-c キー  〜((001〜999))《001》

引き継ぎファイルの名称の一部を指定します。実際は,OpenTP1が「jnlcolc***」という名称でファイルを作成し,***にはこのオプションで指定した値が設定されて,引き継ぎファイルの名称となります。

コマンド引数

●ファイル名  〜〈パス名〉

ファイルの回復に必要なジャーナルレコードがあるファイルの名称を指定します。マルチノード機能を使用している場合は,jnlsortコマンドでソート,およびマージ(ノードの抽出,ジャーナルサーバランIDの特定)した結果のファイル名を指定してください。

マルチノード機能を使用していない場合は,アンロードジャーナルファイルの名称を指定してください。

複数のファイルを指定するときは,ファイル名とファイル名との間を空白で区切ります。指定できるファイル数は256個までです。

このコマンド引数の指定を省略すると,標準入力と見なされます。

出力メッセージ

メッセージID

内容

出力先

KFCA02600-E

アンロードジャーナルファイルのアクセスでエラーが発生しました

標準エラー出力

KFCA02601-E

アンロードジャーナルファイルが不正です

標準エラー出力

KFCA02602-E

ジャーナルブロックが不正です

標準エラー出力

KFCA02603-E

ジャーナルレコードが不正です

標準エラー出力

KFCA02604-E

メモリが確保できません

標準エラー出力

KFCA02605-E

引き継ぎファイルのアクセスでエラーが発生しました

標準エラー出力

KFCA02606-E

引き継ぎファイルが不正です

標準エラー出力

KFCA02607-E

引き継ぎファイルとアンロードジャーナルファイルの関係が不正です

標準エラー出力

KFCA02621-W

出力するファイル回復対象レコードがありません

標準エラー出力

KFCA02650-I

ヘルプメッセージ

標準出力,標準エラー出力

KFCA02651-E

jnlcolcコマンドのパラメタ不正,または制限値オーバです

標準エラー出力

KFCA02652-E

jnlcolcコマンドのオプションの組み合わせが不当です

標準エラー出力

KFCA02653-E

jnlcolcコマンドのオプションの指定に誤りがあります

標準エラー出力

KFCA02654-E

jnlcolcコマンドのファイル名の指定に誤りがあります

標準エラー出力

KFCA02655-E

jnlcolcコマンドで更新前後情報の不一致を検出しました

標準エラー出力

KFCA02657-E

jnlcolcコマンドの-kオプションの指定がありません

標準エラー出力

KFCA02658-E

jnlcolcコマンドでファイル回復対象レコードが不正です

標準エラー出力

注意事項

使用例

使用例を示します。世代番号は1,2…とします。

アンロードジャーナルファイル:sysjnl001,sysjnl002,…

  1. ファイル分割していないアンロードジャーナルファイルから,DAM FRC用のジャーナルレコードを集積する場合

    jnlcolc -k d -f -l /tp1/jnl/sysjnl001
  2. 三つのファイルに分割しているアンロードジャーナルファイルから,TAM FRC用のジャーナルレコードを1回で集積する場合

    jnlcolc -k t -f -l /tp1/jnl/sysjnl001 /tp1/jnl/sysjnl002/tp1/jnl/sysjnl003
  3. 四つのファイルに分割しているアンロードジャーナルファイルから,DAM FRC用のジャーナルレコードを3回で集積する場合

    〈1回目〉
    jnlcolc -k d -f /tp1/jnl/sysjnl001 /tp1/jnl/sysjnl002
    〈2回目〉
    jnlcolc -k d /tp1/jnl/sysjnl003
    〈3回目〉
    jnlcolc -k d -l /tp1/jnl/sysjnl004