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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


4.5.8 チェックポイントダンプファイルの二重化

チェックポイントダンプファイルを二重化すると,チェックポイントダンプ取得時にA系,およびB系のファイルに同じダンプ情報を取得します。そのため,OpenTP1全面回復時にA系ファイルからの回復に失敗しても,B系ファイルを使用して回復できるので,チェックポイントダンプファイルの世代戻りを回避できます。

チェックポイントダンプファイルを二重化する場合,片系だけの運転ができる運用(片系運転可)と,片系だけの運転をしない運用(片系運転不可)の二つの運用方法があります。

片系運転可の運用では,二つの物理ファイルのうちのどちらかが,オープン状態であれば,そのファイルグループは使用できます。したがって,チェックポイントダンプの取得時,A系,またはB系のどちらかに障害が発生した場合でも,正常な系へのチェックポイントダンプの取得は続行します。正常な系へのチェックポイントダンプの取得が終わると,そのファイルグループは有効なファイルグループとなります。

片系運転不可の運用では,両方の物理ファイルがオープン状態の場合だけそのファイルグループは使用できます。どちらかの物理ファイルがオープンできない場合,そのファイルグループは予約状態になり,使用できません。ただし,A系からの読み込み時に障害が発生した場合は,B系から読み込みます。読み込み完了後,そのファイルグループは予約状態になります。

片系運転可と片系運転不可の障害時のファイルグループの状態の相違を次の表に示します。

表4‒16 片系運転可と片系運転不可の障害時のファイルグループの状態の相違

障害内容

片系運転可

片系運転不可

全面回復時のオープン障害

片系障害

正常な系がオープンされ処理は続行します。

上書きできる状態の場合,正常な系がオープンされます(上書きできない状態になると,そのファイルグループは予約状態になります)。

上書きできない状態の場合,ファイルグループは予約状態になります。

両系障害

ファイルグループは予約状態になります。

ファイルグループは予約状態になります。

チェックポイントダンプ取得中の障害(書き込み中)

片系障害

正常な系に取得します。

ファイルグループは予約状態になり,ほかのファイルグループに取得します。

両系障害

ファイルグループは予約状態になり,ほかのファイルグループに取得します。

両系障害は起こりません。片系障害発生した時点で,障害を対策してください。

チェックポイントダンプ読み込み中の障害

A系障害

B系から読み込みます。

B系から読み込み,完了後にファイルグループは予約状態になります。ただし,上書きできない状態の場合は,上書きできる状態に遷移するときにそのファイルグループを予約状態にします。

B系障害

ファイルグループは予約状態になり,一つ前の世代から読み込みます。

ファイルグループは予約状態になり,一つ前の世代から読み込みます。

片系運転可,片系運転不可の運用方法では,どちらかの系だけの,オンライン中の割り当て,切り離し,オープン,クローズにも違いがあります。

片系だけのオンライン操作の相違を次の表に示します。

表4‒17 片系だけのオンライン操作の相違

操作内容

片系運転可

片系運転不可

片系だけのオンライン中の割り当て

できます。

できます。

片系だけのオンラインからの切り離し

できます。

ただし,切り離した状態ではそのファイルグループは使用できません。

できます。

ただし,切り離した状態ではそのファイルグループは使用できません。

片系だけのオープン

両系が割り当てられている場合は,できます。

できません。

片系だけのクローズ

上書きできる状態の場合は,できます。

上書きできない状態の場合は,できません。

できません。