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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


3.14.1 リソースの扱い

OpenTP1を連続運転できるようにするには,連続運転で使用するリソース量が増加し続けないようにしておく必要があります。OpenTP1では,リソースに関して,次のように制御しています。

通番

ジャーナルブロックなどの通番は,最大値になると0または1に戻してラップアラウンドして使用されるため,連続運転しても問題ありません。

メモリ量

連続運転によって,所要メモリ量が増加し続けることはありません。

ディスク量

ファイルごとのディスク容量の扱いを,次の表に示します。

表3‒31 OpenTP1で使用するディスク量の扱い

ディレクトリ

説 明

/tmp

OpenTP1配下のプロセスの標準出力,標準エラー出力ファイル(betran.log)が格納されます。このファイルは無制限に増加する可能性があるため,マシン起動時に削除される仕掛けを作ったり,betran.logの世代管理をしたりすることをお勧めします(「3.5 標準出力ファイルに関する運用」参照)。

$DCDIR/bin

増加しません。

$DCDIR/lib

増加しません。

$DCDIR/include

増加しません。

$DCDIR/etc

増加しません。

$DCDIR/aplib

増加しません。

$DCDIR/tmp

各プロセスのホームディレクトリになります。プロセスがダウンした場合,ここにコアファイルができ,その後$DCDIR/spool/saveまたはプロセスサービス定義のprc_coresave_pathオペランドで指定したディレクトリに移されます。したがって,一時的に増加しますが元に戻ります。オンラインを再開始するとクリアされます。

$DCDIR/spool/save/*※1

コアファイルが退避されます。コアファイルは3世代以上は作成されないため,一定容量以上にはなりません。

$DCDIR/spool/dclckinf/*

デッドロック情報,タイムアウト情報が格納されます。一定間隔で削除することをお勧めします。※2

$DCDIR/spool/dctrninf/*

トランザクションサービス定義でtrn_tran_recovery_list=Yを指定すると,未決着トランザクション情報が格納されます。※3

$DCDIR/spool/dctrninf/traceにはXAインタフェースのトレースが格納されますが,一定容量でラップアラウンドするため,一定容量以上にはなりません。

$DCDIR/spool/errlog/*

OpenTP1エラーログ情報が格納されます。一定容量でラップアラウンドするため,一定容量以上にはなりません。

$DCDIR/spool/cmdlog/*

OpenTP1のコマンドログが格納されます。一定容量でラップアラウンドするため,一定容量以上にはなりません。

$DCDIR/spool/dcjnlinf/*

ジャーナル不正ブロック情報が格納されます。通常ここにファイルは作成されません。

$DCDIR/spool/dcjnlinf/unload/*

システムジャーナルサービス定義にjnl_auto_unload=Yを指定して,jnl_auto_unload_pathオペランドの指定を省略した場合に,自動アンロード機能が生成したアンロードジャーナルファイルが格納されます。不要になったファイルは一定間隔で削除することをお勧めします。

$DCDIR/spool/dctjlinf/*

$DCDIR/spool/dcsjl/*

ここに作成されるファイルは削除しないでください。

$DCDIR/spool/trnrmcmd/*

trnmkobjコマンドで作成したオブジェクトファイルが格納されます。

$DCDIR/spool/olkfifs/*

$DCDIR/spool/olkrsfs/*

ファイルサイズは一定値であり,ファイル数も定義に比例するため,一定数以上にはなりません。

$DCDIR/spool/dcprfinf/*

ファイルサイズ,ファイル数が一定値であり,かつ,ラップアラウンドするため,一定容量以上にはなりません。

$DCDIR/spool/

dclog1,dclog2などのトレースが格納されます。OpenTP1のトレースはラップアラウンドするので,一定容量以上にはなりません。共用メモリダンプもここに出力されます。サイズは定義に依存するため一定容量になります。

注※1

$DCDIR/spool/save配下のトラブルシュート情報ファイルは,障害調査が不要であればrmコマンドで削除したり,dccspoolコマンドを用いて経過日数指定などで削除したりしてもかまいません。

通常運用の中で,ディスク使用率閾値を設定するなどして,定期的に監視・削除することをお勧めします。

注※2

lck_deadlock_info_remove_levelを指定すると,一定間隔で自動的に削除できます。

注※3

リランごとに情報が蓄積されるので,一定間隔で削除するようにしてください。なお,trn_recovery_list_remove_levelを指定すると,一定間隔で自動的に削除できます。