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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 運用と操作


1.3.1 システム定義の作成と確認

スーパユーザがOpenTP1をOSに登録する前に,OpenTP1管理者はOpenTP1のシステム定義を作成します。システム定義を作成したあとでdcdefchkコマンドを実行すると,OpenTP1を起動する前に,システム定義の指定値に誤りがないかどうかをチェックできます。システム定義および定義チェックの詳細については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) dcdefchkコマンドでチェックできる内容

dcdefchkコマンドを実行すると,次に示すチェックが行われます。

(a) システム定義の構文チェック

システム定義の構文チェックでは,次の内容をチェックします。

  • 各オペランドに指定した値が指定できる文字かどうか。

  • 各オペランドに指定した値が最小値,または最大値を超えていないかどうか。

  • 定義コマンドに不正なオプションが指定されていないかどうか。

  • 定義コマンドに指定したコマンド引数,およびフラグ引数が指定できる文字かどうか。

  • 定義コマンドに指定したコマンド引数,およびフラグ引数が最小値,または最大値を超えていないかどうか。

(b) システム定義の論理チェック

システム定義の論理チェックでは,オペランドまたは定義コマンドに指定した値がOpenTP1を運用する上で問題ないかなどをチェックします。主に次の内容をチェックします。

  • 複数のオペランドまたは定義コマンド間にわたる指定内容の相関関係に問題がないかどうか。

  • オペランドまたは定義コマンドに指定した値が推奨値かどうか。

  • オペランドまたは定義コマンドに指定したファイルおよびディレクトリのアクセス権限に問題がないかどうか。

(c) OpenTP1ファイルのチェック

OpenTP1ファイルのチェックでは,システム定義に指定したOpenTP1ファイルが正しいファイルかどうかをチェックします。

(2) dcdefchkコマンドのチェック処理の流れ

dcdefchkコマンドのチェック処理の流れを次に示します。

  1. オペランドの構文チェック

    定義格納ディレクトリ下のシステム定義ファイルに対して,オペランドの構文チェックを行います。チェックの順序は,次のとおりです。

    1. $DCCONFPATH下にあるシステム定義ファイル

    2. $DCUAPCONFPATHが指定されている場合,$DCUAPCONFPATH下にあるユーザサービス定義ファイルまたはユーザサービスデフォルト定義ファイル

  2. KFCA00258-Iメッセージの出力

    1.の構文チェックを行った定義ファイルの一覧をKFCA00258-Iメッセージに出力します。このとき,システムサービス定義としてチェックを行ったファイルだけを出力します。ユーザサービス定義としてチェックを行ったファイルは出力しません。

  3. KFCA00254-Rメッセージの出力

    dcdefchkコマンドに-rオプションが指定されている場合に,1.の構文チェックエラーを検出すると,KFCA00254-Rメッセージを出力します。KFCA00254-Rメッセージは,コマンド処理を続行するか停止するかを選択するためのメッセージです。

  4. システム定義(ユーザサービス定義以外)に指定した定義コマンドの構文チェック(論理チェックを一部含む)

    定義格納ディレクトリ($DCCONFPATH,$DCUAPCONFPATHで示されるディレクトリ)下のシステム定義に対して,定義コマンドの構文チェックを行います(論理チェックを一部含む)。

    なお,この処理以降では,次に示すメッセージ区分を持ったメッセージを出力します。ただし,一部メッセージ区分を持たないメッセージを出力することもあります。

    メッセージ区分

    ERROR:OpenTP1の起動および停止ができない状態,または動作不完全となる問題を検出した場合に出力します。

    WARNG:推奨しない値が指定されていることを検出した場合に出力します。

    CHECK:指定された定義の妥当性について確認を促す場合に出力します。

  5. システム定義(ユーザサービス定義以外)の論理チェック

    定義格納ディレクトリ下のシステム定義に指定されている定義の論理チェックを行います。

  6. ユーザサービス定義に指定した定義コマンドの構文チェック(論理チェックを一部含む)

    定義格納ディレクトリ下のユーザサービス定義に指定されている定義コマンドの構文チェックを行います(論理チェックを一部含む)。

  7. ユーザサービス定義の論理チェック

    定義格納ディレクトリ下のユーザサービス定義に指定されている定義の論理チェックを行います。

チェック処理の流れの順番を次の表に示します。表内の番号は,チェック処理の流れの順番と対応しています。なお,OpenTP1ファイルのチェックは,dcdefchkコマンドのチェック処理の流れの4.および5.で行っています。

表1‒2 dcdefchkコマンドのチェック処理の流れ

チェック種別

オペランド

(set形式)

定義コマンド(コマンド形式)

ユーザサービス定義以外

ユーザサービス定義

構文チェック

1.

4.

6.

論理チェック

5.および7.

4.および5.

6.および7.

(3) 注意事項