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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 システム定義


付録A.1 アプリケーションプログラムに関連するOpenTP1のシステム定義

UAPに関連するOpenTP1のシステム定義について説明します。システム定義は,OpenTP1の基本機能がTP1/Server Baseの場合にだけ必要です。以降の記述は,TP1/Server Baseの場合に該当します。

〈この項の構成〉

(1) UAPに必要な定義

UAPに必要なシステム定義は次のとおりです。

(a) システム共通定義

OpenTP1システム共通の実行環境を決定する定義です。RPCの最大応答待ち時間などを指定します。

(b) ユーザサービス構成定義

OpenTP1システムの開始時に,一緒に開始するUAPを決定する定義です。

(c) ユーザサービス定義

オンラインで起動されたUAPの,実行環境を決定する定義です。UAPごとに作成します。

(d) ユーザサービスデフォルト定義

ユーザサービス定義の項目のうち,省略した項目のデフォルト値を指定する定義です。

(e) MCFアプリケーション定義

メッセージ制御機能(MCF)を使うときに,UAPのアプリケーション名を決定する定義です。ユーザサービス定義で実行環境を設定したUAPを,MCFで認識するために定義します。

UAPに関連するOpenTP1のシステム定義を次の表に示します。

表A‒1 UAPに関連するOpenTP1のシステム定義

区分

システム定義

システム共通定義

ユーザサービス構成定義

ユーザサービス定義

ユーザサービスデフォルト定義

MCFアプリケーション定義

定義を作成する単位

一つのノード単位

サービスグループ単位

一つのノード単位

複数のMCF通信プロセスで一つ,またはMCF通信プロセス単位

使用する時期

SUP,SPP,MHPの起動時

システム正常開始時

SUP,SPP,MHPの起動時

SUP,SPP,MHPの起動時

MHPの起動時

定義の変更方法(set形式の場合

定義を変更して,変更前のノードのOpenTP1を終了させて,新しい定義でノードのOpenTP1を起動します。

定義を変更して変更前の定義のプロセスを終了させて,新しい定義で再びUAPを起動します。

注※

コマンド形式の定義項目は,オンライン中に変更できます。

(2) UAPに関連するOpenTP1のシステム定義のファイル名

OpenTP1のシステム定義ファイルは,$DCCONFPATHの下に作成されます。UAPに関連するOpenTP1のシステム定義のファイル名を次の表に示します。

表A‒2 UAPに関連するOpenTP1のシステム定義のファイル名

UAPに関連するシステム定義

定義ファイル名(完全パス名)

システム共通定義

$DCCONFPATH/betranrc

ユーザサービス構成定義

$DCCONFPATH/usrconf

ユーザサービス定義

$DCCONFPATH/ユーザサービス構成定義で指定するユーザサーバ名または,サーバの開始コマンド(dcsvstart)で指定するユーザサーバ名

ユーザサービスデフォルト定義

$DCCONFPATH/usrrc

MCFアプリケーション定義

$DCCONFPATH/ノード内で一意となる任意の名称

(3) サービス名とアプリケーション名(set service,mcfaalcap)

MHPのサービスは,MCFで受信したメッセージの先頭セグメントの先頭8文字のアプリケーション名を基にスケジュールされます。システム定義では,ユーザサービス定義で指定したMHPのサービスグループ名とサービス名を,MCFアプリケーション定義にも指定して,二つの定義を対応付けます。MCFアプリケーション定義のアプリケーション属性定義のサービスグループ名とサービス名は,ユーザサービス定義で指定されている名称を指定してください。