XNF/ASでは，OSI系とHNA系でNSAPアドレスの定義が異なります。OSI系の定義は，INTAPアドレス体系実装規約に従っています。HNA系の定義は，INTAP V1.0形式を採用し，XNF/AS独自の20バイト固定長または22バイト固定長の内部形式で表現します。

XNF/ASでのNSAPアドレス定義の位置づけを図1-5に示します。

図1-5　XNF/ASでのNSAPアドレス定義の位置づけ

説明

XNF/ASの定義方法には，次の三つがあります。

なお，図中の丸付き数字と以下の番号が対応しています。

1. 通信管理では，自局NSAPアドレスを構成定義で指定します。
2. OSI系APでは，相手局NSAPアドレスをエンコーディング形式で指定します。
3. HNA系APでは，相手局NSAPアドレスをXNF/AS独自の内部形式で指定します。

内部形式ではネットワークを基幹ネットワークのBackbone Subnetwork（BBSN）と支線ネットワークのBranch Subnetwork（BRSN）の2階層に分類します。

NSAPアドレスは各エンドシステムが直接接続されているBBSN，または直接接続されているBRSNとそのBRSNが接続しているBBSNとの組み合わせです。

各エンドシステムが複数のネットワークに同時に接続されている場合，そのエンドシステムが複数のNSAPアドレスの候補を持つことになりますが，そのうちの一つをNSAPアドレスと定義します。

20バイト内部形式は，表1-2に示すネットワーク構成を表現できません。そのため，20バイト内部形式を拡張した22バイト内部形式で表現しました。

表1-2　20バイト内部形式で表現できない構成

項番	20バイト内部形式で表現できない構成	内容
1	公衆ISDN網	公衆ISDN網の加入番号が最大15けたです。
2	プライベートドメイン	プライベートドメインの私設網識別子は（1000〜1999）です。
3	マルチアダプタ構成	マルチアダプタ構成で自由に通信アダプタを選択できません。

ネットワーク形態と内部形式の対応例を図1-6に，内部形式の名称とその内容を表1-3に示します。

図1-6　ネットワーク形態と内部形式の対応例

表1-3　内部形式の名称とその内容

項番	名称	長さ（バイト）		内容
		20バイト形式	22バイト形式
1	AFI	1	1	NSAPアドレス形式識別子 BBSN，BRSNがそれぞれ有効かどうかを意味します。
2	BBSNID	2	2	BBSNを識別するためのID
3	BBSNA	6	8	BBSN内のアドレス
4	BRSNID	1	2	BRSNを識別するためのID
5	BRSNA	6	6	BRSN内のアドレス
6	LSS	1	1	LSAPセレクタ ネットワーク層の種別を表します。
7	NSS	1	1	NSAPセレクタ 上位層の種別を表します。
8	ASS	−	1	アダプタスロットセレクタ アダプタが挿入されているスロットの識別を表します。
9	RESERVE	2	−	X'0000'固定

（凡例）

−：該当しません。