NSAPアドレスは，国際標準化機構であるISOによって，通信網に依存しないでエンドシステムを一意に識別するネットワークアドレスと定義されています。NSAPアドレスの標準フォーマット（エンコーディング形式）を図1-2に示します。

図1-2　NSAPアドレス標準フォーマット（エンコーディング形式）

エンコーディング形式は，AFIに従ってIDIの形式が決定されます。IDIは，国際番号による規定とローカルによる規定があります。AFIとIDIの関係を表1-1に示します。

表1-1　AFIとIDIの関係

項番	AFI（BCD）	IDI規定	提供先
1	36	ITU-T勧告X.121	公衆パケット交換網
2	37
3	39	ISO規格DCC	データ国コード
4	42	ITU-T勧告E.163	公衆加入電話網
5	43
6	44	ITU-T勧告E.164	公衆ISDN網
7	45
8	48	ローカル規定	システム管理者
9	49	ローカル規定	システム管理者

DSPは，AFIとIDIで識別されるシステム管理者が任意に規定できます。

しかし，システム管理者が個々にDSPを決めていると相互接続性を保証することが困難になります。そこで，日本国内ではINTAPアドレス体系実装規約で各形式を定義しています。DSPの定義にはネットワーク構成に依存するINTAP V1.0形式とネットワーク構成に依存しないINTAP V2.0新形式とがあります。