2.3.5 クラスおよびプロパティの追加例

ここでは,具体的な例を示して,クラスとプロパティの追加について説明します。

文書を作成,管理するために追加するクラス(dmaClass_DocVersionクラスおよびedmClass_VersionTracedDocVersionクラスのサブクラス)とプロパティについて,例に沿って説明します。

(例)
「問題点管理ドキュメント」と「設計ドキュメント」という2種類の文書を管理するためにクラスを追加します。この例で扱う文書の詳細情報を次の表に示します。

表2-5 文書の詳細情報

文書の種類概要付加情報管理方法
問題点管理ドキュメント製品の開発時の問題点を管理するための文書
  • 問題点分類
  • 問題点発生日時
  • 検討結果
  • 解決日時
  • 対策日
直接型のコンテインメントを使用して管理する。
設計ドキュメント製品開発の基となる設計書
  • 文書名
  • 執筆者
  • 特許情報
  • 執筆日時
構成管理型のコンテインメントを使用して,複数の設計書の構成を管理する。

この2種類の文書を管理するためのクラスを次のように設計します。追加するサブクラスとスーパークラスの対応を次の表に示します。

表2-6 追加するサブクラスとスーパークラスの対応

管理する文書追加するサブクラススーパークラス
問題点管理ドキュメントusrClass_ProbInfoDocdmaClass_DocVersion
設計ドキュメントusrClass_DesignDocedmClass_VersionTracedDocVersion

問題点管理ドキュメントは,直接型のコンテインメントを使用して管理します。したがって,dmaClass_DocVersionクラスのサブクラスとしてusrClass_ProbInfoDocクラスを追加して管理します。

設計ドキュメントは,バージョン付き構成管理コンテナを使用して構成を管理する文書として作成します。したがって,edmClass_VersionTracedDocVersionクラスのサブクラスとしてusrClass_DesignDocクラスを追加して管理します。

次に,文書に対して付加する情報を各クラスのプロパティとして追加します。文書の付加情報とプロパティの対応を次の表に示します。

表2-7 付加情報とプロパティの対応

クラス名付加情報プロパティ名データ型
usrClass_ProbInfoDoc問題点分類usrProp_CategoryString型
問題点発生日時usrProp_DateOfProbInteger32型
検討結果usrProp_StatusBoolean型
解決日時usrProp_DateOfResolveInteger32型
usrClass_DesignDoc文書名usrProp_DocNameString型
執筆者usrProp_DocWriterString型
特許情報usrProp_PatentInfoString型
執筆日時usrProp_DateOfWriteInteger32型

なお,追加するサブクラスは,全文検索機能付き文書クラスとして追加します。したがって,この表に示したプロパティのほかに,全文検索用のプロパティを追加する必要があります。全文検索機能付き文書クラスに追加するプロパティについては,「2.3.4 全文検索機能付き文書クラスの追加」を参照してください。

このように,管理する文書の種類や付加情報などから必要なクラスとプロパティを決定してから,その設計情報を基に必要なクラスおよびプロパティを追加してください。