付録E.3 HiRDBの繰り返し列を使用するためのデータベース移行
VariableArray型のプロパティの要素の格納先を,HiRDBの別表からHiRDBの繰り返し列に移行するための,移行手順およびデータベース移行ツールについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 移行手順
- (2) EDMChangeVarray(HiRDBの繰り返し列対応機能を使用するためのデータベース移行ツール)の文法
- (3) 移行プロパティ定義ファイル
- (4) エラー発生時の対策手順
(1) 移行手順
データベースの移行手順について説明します。
- データベースのバックアップを作成します。
- データベースのエラーによってデータベース移行ツールが異常終了した場合,このバックアップからデータベースを回復します。
- 移行プロパティ定義ファイルを作成します。
- EDMChangeVarrayコマンドを実行します。
(2) EDMChangeVarray(HiRDBの繰り返し列対応機能を使用するためのデータベース移行ツール)の文法
EDMChangeVarrayコマンドの詳細について説明します。
- 機能
- 移行プロパティ定義ファイルに定義したVariableArray型のプロパティの格納先を,HiRDBの別表からHiRDBの繰り返し列に移行します。また,移行プロパティ定義ファイルに定義したVariableArray型のプロパティの最大要素数を取得します。
- 形式
EDMChangeVarray -f 移行プロパティ定義ファイル名
〔-o 最大要素数格納ファイル名〕
- オプション
- -f 移行プロパティ定義ファイル名
- 移行プロパティ定義ファイルを絶対パスで指定します。移行プロパティ定義ファイルについては,「(3) 移行プロパティ定義ファイル」を参照してください。
- -o最大要素数格納ファイル名
- 移行プロパティ定義ファイルに指定したVariableArray型のプロパティの最大要素数を取得するためのオプションです。最大要素数を格納するファイル(最大要素数格納ファイル)を絶対パスで指定します。最大要素数格納ファイルには,-fオプションで指定した移行プロパティ定義ファイルに定義されている,VariableArray型のプロパティの最大要素数が出力されます。なお,このオプションを指定したときは,移行処理は実行されません。
- 最大要素数格納ファイルの出力例を次に示します。
#maxelements file
prop=usrProp_WriterInfo1,maxelements=90
prop=usrProp_WriterInfo2,maxelements=0
(3) 移行プロパティ定義ファイル
移行プロパティ定義ファイルには,移行するVariableArray型のプロパティのプロパティ名および最大要素数を定義します。ここでは,移行プロパティ定義ファイルの記述形式および記述例について説明します。
- 移行プロパティ定義ファイルの記述形式
- 移行プロパティ定義ファイルの記述形式を次に示します。
prop=VariableArray型プロパティ名,maxelements=最大要素数
- prop=VariableArray型プロパティ名
- 移行するVariableArray型のプロパティのプロパティ名(dmaProp_DisplayNameプロパティの値)を指定します。
- maxelements=最大要素数
- 移行するVariableArray型のプロパティの最大要素数(2~30,000の符号なし整数値)を指定します。
- なお,EDMChangeVarrayコマンドで-oオプションを指定すると,-fオプションで指定した移行プロパティ定義ファイルに定義されている,VariableArray型のプロパティの最大要素数を取得できます。この場合,maxelementsは指定を省略できます。
- なお,このファイルで,行頭が「;」(セミコロン)または「#」(シャープ)の行はコメントとして処理されます。また,このファイルを解析して10件のエラーを検出した場合,その時点で解析処理を中止します。
- 移行プロパティ定義ファイルの記述例
- 移行プロパティ定義ファイルの記述例を次に示します。
# Sample file for creating index
prop=usrProp_WriterInfo1,maxelements=100
prop=usrProp_WriterInfo2,maxelements=10
(4) エラー発生時の対策手順
データベースのエラーによってデータベース移行ツールが異常終了した場合,次に示す手順に従って対策を実施してください。
- 移行手順1.で作成したバックアップから,データベースを回復します。
- エラーメッセージを基に,エラーの要因を取り除きます。
- 移行手順3.から再度実行します。