1.4.1 DocumentBrokerの基本プロセス構成

DocumentBrokerの基本プロセス構成を次の表に示します。

表1-3 DocumentBrokerの基本プロセス構成

プロセス機能概要
起動プロセス(EDMStart)DocumentBrokerサーバを起動する。
停止プロセス(EDMStop)DocumentBrokerサーバを停止する。
サーバ監視プロセス(EDMDaemon)一つのDocumentBrokerシステムを監視する。
サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr)サービスプロセスの動作を監視する。
サービスプロセス(EDMService)クライアントへ文書空間のサービスを供給する。

各プロセスについて説明します。

<この項の構成>
(1) 起動プロセス(EDMStart)
(2) 停止プロセス(EDMStop)
(3) サーバ監視プロセス(EDMDaemon)
(4) サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr)
(5) サービスプロセス(EDMService)

(1) 起動プロセス(EDMStart)

DocumentBrokerサーバを起動するプロセスです。システム管理者がDocumentBrokerサーバを起動した時点で(EDMStartコマンドの実行)生成されます。起動プロセスは,サーバ監視プロセスを起動します。

(2) 停止プロセス(EDMStop)

DocumentBrokerサーバを終了するプロセスです。システム管理者がDocumentBrokerサーバを終了した時点で(EDMStopコマンドの実行)生成されます。停止プロセスは,サーバ監視プロセスに対して終了要求を実行し,終了要求に対するサーバ監視プロセスの応答を確認してから終了します。

(3) サーバ監視プロセス(EDMDaemon)

DocumentBrokerを監視するプロセスです。サービスプロセス監視プロセスの動作状況を監視して,サービスプロセス監視プロセスが終了した場合は,このプロセスが監視しているサービスプロセスをすべて強制終了させてから,サービスプロセス監視プロセスの再起動を実行します。このとき,強制終了したサービスプロセスに接続していたクライアントにはエラーが返却されて,サービスの提供を受けられなくなります。サーバ監視プロセスは,起動プロセスによって生成され,停止プロセスからの終了要求によってサービスプロセス監視プロセスへ停止要求を通知します。

(4) サービスプロセス監視プロセス(EDMSrvMgr)

サービスプロセスを定義されている数だけ生成して,サービスプロセスの状態を管理するプロセスです。サービスプロセスの動作状況も監視して,サービスプロセスが終了した場合は,サービスプロセスを再起動します。サービスプロセス監視プロセスは,サーバ監視プロセスによって生成され,サーバ監視プロセスからの停止要求によってサービスプロセスへ停止要求を通知します。

(5) サービスプロセス(EDMService)

クライアントへ文書空間のサービスを供給するプロセスです。サービスプロセスは,DocumentSpace構成定義ファイルに指定されている数だけサービスプロセス監視プロセスによって生成されます。システム管理者がDocumentBrokerを終了した場合(EDMStopコマンドの実行)は,サービスプロセス監視プロセスからの停止要求によって,すべてのサービスプロセスは終了します。また,障害などによってサービスプロセスが終了した場合は,サービスプロセス監視プロセスによって再起動されます。

サービスプロセスは,1プロセス当たり複数クライアントに対してサービスを供給できます。ただし,サービスプロセスがダウンした場合,ダウンしたプロセスに接続していたクライアントにはエラーが返却されて,接続できなくなります。したがって,クライアントからの再接続が必要となります。

参考 サービスプロセスのリフレッシュ
DocumentBrokerサーバを長時間連続して運転すると,サービスプロセスのサイズが大きくなり,メモリ不足による障害などが起きる可能性があります。このため,DocumentBrokerでは,サービスプロセスをリフレッシュするコマンド(EDMRefresher)やサービスプロセスのメモリサイズを監視してリフレッシュする機能を提供しています。リフレッシュとは,DocumentBrokerサーバを停止することなく,クライアントからの要求に対して文書空間へのサービスを供給しながら,サービスプロセスを順次再起動することです。OSのcronデーモンなどを利用して,EDMRefresherコマンドを定期的に実行したり,DocumentSpace構成定義ファイルにリフレッシュする契機となるサービスプロセスのメモリサイズを指定することで,DocumentBrokerサーバを連続して運転できます。EDMRefresherコマンドの詳細については,「7.3 コマンドの文法」の「EDMRefresher(サービスプロセスのリフレッシュ)」を参照してください。