7.2 コマンドの形式
この節では,コマンドの入力形式,使用方法および注意事項について説明します。
- <この節の構成>
- (1) 入力形式
- (2) 入出力
- (3) コマンドの実行可能ファイルに対するアクセス権限
(1) 入力形式
コマンドの入力形式を次に示します。
- コマンド名称〔オプション…〕
(a) コマンド名
コマンド名は,実行するコマンドのファイル名です。
(b) オプション
オプションの入力形式の規則を次に示します。なお,説明文で使用する「$」はシェルのプロンプト,「cmd」はコマンド名を表します。
- オプションの形式
- オプションはマイナス記号で始まる文字列で,次に示すように,引数を取らないか,または1個の引数を取ります。
- 形式1:-オプションフラグ
- 形式2:-オプションフラグ<空白またはタブ>フラグ引数
- (凡例)
- オプションフラグ:1文字の英数字で,英大文字・小文字は区別される
- フラグ引数:オプションフラグに対する引数
- オプションの指定規則
- フラグ引数を取らないオプションフラグは,一つのマイナス記号のあとにまとめて指定できません。
誤った指定例:$ cmd -abc
正しい指定例:$ cmd -a -b -c
- フラグ引数を必要とするオプションフラグのフラグ引数は省略できません。
例えば,オプションフラグ-aがフラグ引数を取る場合,次のように入力すると-bはフラグ引数とみなされます。
- $ cmd -a -b
- オプションフラグとフラグ引数の間には空白またはタブが必要です。
誤った指定例:$ cmd -afile
正しい指定例:$ cmd -a file
- 同じオプションフラグを2回以上指定できません。例えば,「$ cmd -a 1 -a 2」とは入力できません。
- マイナス記号だけのオプションは入力できません。例えば,「$ cmd -」と入力すると「-」はコマンド引数とみなされます。
- 文書空間で使用する文字コード種別がUTF-8の場合に,オプションのフラグ引数としてファイルのパスを指定するとき,パスは印刷可能なASCIIコードで記述します。
(2) 入出力
(a) 入力
入力は,すべてコマンドのオプション,引数の並びです。
(b) 出力
コマンド処理が正常に終了した場合の出力は,すべて標準出力に対して実行します。また,終了コードの一覧を次の表に示します。
表7-5 終了コード一覧
終了コード | 意味 |
---|
0 | 正常終了 |
1 | 警告つき正常終了 |
2 | 引数エラー |
それ以外 | そのほかのエラー |
コマンド処理がエラーになった場合(終了コードが「0」以外)は,メッセージをすべて標準エラー出力に出力します。引数エラーになった場合(終了コードが「2」)は,標準エラー出力にコマンドの使用方法(USAGE)を出力します。出力形式は次のとおりです。
- 出力形式
- Usage:xxxx yyyy
- xxxx:コマンド名称が出力されます。
- yyyy:コマンドの指定形式が表示されます。
- 出力例
- Usage:command -a -b option_arg_1 〔-c〕〔-d option_arg_2〕…
- {-e | -f option_arg_3}
(3) コマンドの実行可能ファイルに対するアクセス権限
コマンドの実行可能ファイルにアクセスしてコマンドを実行できるユーザはシステム管理者だけです。