レンディションのコンテント種別変換機能は,レンディションのコンテントの格納先(コンテント種別)を,最適な格納先へ変換する機能です。
DocumentBrokerでは,文書の実体であるコンテントをデータベースやDocumentBrokerサーバマシンが接続可能なファイルシステムの任意のディレクトリなどに格納して管理できます。これらの格納先で管理されるコンテントを,変化するデータの利用価値に応じて,最適な格納先へ変換できます。
コンテント種別を,シングルファイル文書(データベースに登録されている一つのファイルをコンテントとして持つ文書)から,リファレンスファイル文書(DocumentBrokerサーバマシンから接続可能なファイルシステムの任意のディレクトリに格納されているファイルをコンテントとして持つ文書)に変換したコンテントは,JP1/HiCommand Tiered Storage Managerを利用した最適なストレージへの再配置(マイグレーション)や,磁気テープなどのストレージへのバックアップや移動など,コンテント管理の柔軟な運用を行うことができます。レンディションのコンテント種別変換機能を利用した運用例を次に示します。
図1-8 レンディションのコンテント種別変換機能を利用した運用例
この例では,レンディションのコンテント種別変換機能によって,データベースで管理するコンテントをDocumentBrokerサーバマシンが接続可能なファイルシステムの任意のディレクトリ上に変換して格納しています。
レンディションのコンテント種別変換機能を使用してコンテント種別を変換する例を次の図に示します。
図1-9 レンディションのコンテント種別変換の例
コンテント種別の変換は,文書のマルチレンディション管理機能を使用して,変換後のコンテントをサブレンディションとして追加します。例では,シングルファイル文書のコンテントを,リファレンスファイル文書のコンテントに変換し,レンディションを追加します。これをコンテントの二重化と呼びます。コンテントを二重化する場合,追加するレンディションのレンディションタイプにコメントを付与して格納先を分類します。
なお,コンテントを二重化したあとにレンディションを操作する場合は,マルチレンディション管理機能を使用します。
(1) 変換できるコンテント種別
レンディションのコンテント種別変換機能で変換できるコンテント種別を次の表に示します。
表1-2 レンディションのコンテント種別変換機能で変換できるコンテント種別
変換前のコンテント種別 | 変換後のコンテント種別 |
---|---|
シングルファイル文書 | リファレンスファイル文書 |
リファレンスファイル文書 | シングルファイル文書 |
レンディションのコンテント種別は,レンディションのコンテント種別を表すプロパティを参照することで判別できます。プロパティの詳細については,マニュアル「DocumentBroker Version 3 クラスライブラリ C++ 解説」を参照してください。
(2) 注意事項
コンテント種別を変換して,サブレンディションとして追加するときには,追加するレンディションに対してレンディションコメントを付与します。コンテントの変換前,または変換後のどちらかのレンディションに対してコメントを付与できますが,変換したコンテントであることが明確になるように変換後のコンテントに対して,コンテント種別を表すコメントを付けることをお勧めします。
ただし,DocumentBrokerのユティリティ製品を使用した運用で,変換後のコンテントをマスタレンディションとする場合などでは,変換前のレンディションに対してコメントを付与できます。
レンディションのコンテント種別変換機能を使用する場合に,各DocumentBrokerのユティリティ製品を使用するときの注意事項を次に示します。