3.13.3 ファイル転送機能のためのDocumentBrokerサーバでの環境設定

ここでは,ファイル転送機能を使用するための,DocumentBrokerサーバの環境設定について説明します。

<この項の構成>
(1) 環境変数の設定
(2) ファイル分割転送機能の設定

(1) 環境変数の設定

ファイル転送機能を使用するために,DocumentBrokerサーバ側で次の環境変数を設定します。

_HIEDMS_CON_TIMEOUT
ファイル転送サービスへの接続要求に対して,サービスプロセスで接続を確立するまでの待ち時間を,秒で設定します。設定できる値は,0~2,147,483,647です。「0」を指定した場合,TCP/IPで固有の,サーバへの接続を確立するまでの待ち時間が設定されます。
範囲外の値を指定した場合,または環境変数を設定しない場合,「0」が仮定されます。

(2) ファイル分割転送機能の設定

指定したデータ転送サイズにファイルを分割して転送する,ファイル分割転送機能を使用する場合は,DocumentSpace構成定義ファイルのFtpBufferSizeエントリにデータ転送サイズを指定します。FtpBufferSizeエントリの詳細については,「4.2.2 DocumentSpace構成定義ファイルの記述形式」を参照してください。

ファイル分割転送機能の特長は,この機能を使用しない場合と比べて,DocumentBrokerサーバおよびDocumentBrokerクライアントのメモリ所要量を削減できることです。ファイル分割転送機能を使用しない場合は,転送するファイルの容量の大小に関係なく,1回にファイルサイズ分のデータを転送します。一方,ファイル分割転送機能を使用する場合は,転送するファイルの容量が指定したデータ転送サイズを超えていれば,指定したデータ転送サイズにファイルを分割して転送します。このように,ファイル分割転送機能を使用すると,データ転送サイズよりも容量の大きいファイルは分割して転送するため,この機能を使用しない場合と比べて,ファイル転送時に使用するメモリ容量は少なくなります。ただし,ファイル転送回数の増加によって,処理性能が劣化する可能性があります。

DocumentBrokerサーバおよびDocumentBrokerクライアントのメモリ容量,ならびに処理性能のバランスを考慮して,データ転送サイズを決定してください。なお,ファイル分割転送機能を使用しない場合のクライアントのメモリ所要量については,「3.13.2(6) ファイル転送サービスのメモリ所要量の見積もり」を参照してください。