3.13.4 ファイル転送機能で使用するコマンド
ここでは,ファイル転送サービスを使用するためのコマンドについて説明します。
- <この項の構成>
- (1) FtpSvSetup(ファイル転送サービスセットアップ)
- (2) FtpSvStart(静的モードのファイル転送サービス開始)
- (3) FtpSvStop(静的モードのファイル転送サービス停止)
(1) FtpSvSetup(ファイル転送サービスセットアップ)
- 機能
- ファイル転送サービスを使用するための環境を作成します。
- コマンドを実行すると,指定した<実行環境ディレクトリパス>下に,図3-12に示すディレクトリ構成で,ファイル転送サービスの実行環境が作成されます。なお,AIXを使用する場合で,TPBroker V3を使用するときは,「/opt/HiEDMS/client/bin」ディレクトリに格納されているFtpSvSetupコマンドを実行してください。AIXを使用する場合で,TPBroker V5を使用するときは,「/opt/HiEDMS/client/bin_tp5」ディレクトリに格納されているFtpSvSetupコマンドを実行してください。Linuxを使用する場合は,「/opt/HiEDMS/client/bin」ディレクトリに格納されているFtpSvSetupコマンドを実行してください。
図3-12 ファイル転送サービスセットアップコマンド(FtpSvSetup)で作成される実行環境のディレクトリ構成
![[図データ]](figure/zu31310u.gif)
- このコマンドの終了後,ファイル転送サービス環境定義ファイル(実行環境ディレクトリ/etc/ftpsv.ini)を設定して,ファイル転送サービスを開始してください。
- なお,このコマンドを1回実行すれば,同じマシンで実行するすべてのクライアントアプリケーションでファイル転送機能が使用できるようになります。
- 形式
- FtpSvSetup 実行環境ディレクトリパス
- コマンド引数
- 実行環境ディレクトリパス
- ファイル転送サービスの実行環境ディレクトリへのパスを,絶対パスで指定します。
- 終了ステータス
- 0:正常終了
- 2:コマンドライン不正
- 3:エラー発生
- 注意事項
- 実行環境ディレクトリパスに,インストールディレクトリ(/opt/HiEDMS)以下のパスを指定することはできません。
- 実行環境ディレクトリとして指定したディレクトリが存在しない場合,または指定したディレクトリに対してコマンドを実行したユーザがアクセス権(読み取り・書き込み・実行(検索))を持っていない場合は,エラーになります。コマンドを実行する前に,指定するディレクトリについて確認してください。
- 実行環境作成時に,同名のファイルまたはディレクトリがすでに存在した場合は,新しくファイルまたはディレクトリは作成しません。
- ファイル転送サービスの実行環境を削除する場合は,OSのコマンドを実行して削除してください。
(2) FtpSvStart(静的モードのファイル転送サービス開始)
- 機能
- 静的モードでファイル転送サービスを開始します。
- 形式
- FtpSvStart 〔-n 起動プロセス数〕
- オプション
- -n 起動プロセス数
- ファイル転送サービスプロセスの起動プロセス数を指定します。指定できる値は,1~20です。ファイル転送サービスプロセスは,1プロセス当たり複数のクライアントに対してサービスを提供できます。ただし,ファイル転送サービスプロセスがダウンした場合,ダウンしたプロセスが割り当てられていたすべてのユーザはファイル転送サービスが受けられなくなります。したがって,メモリの使用効率と障害が発生したときの影響を考慮してファイル転送サービスプロセスの数を決定してください。なお,ファイル転送サービス使用時のメモリ所要量の見積もりについては,「3.13.2(6) ファイル転送サービスのメモリ所要量の見積もり」を参照してください。
- このオプションを省略した場合は,「1」が仮定されます。
- 終了ステータス
- 0:正常終了
- 2:コマンドライン不正
- 3:エラー発生
- 注意事項
- このコマンドを実行できるのは,ファイル転送サービスセットアップコマンド(FtpSvSetup)を実行したユーザだけです。
- このコマンドは,静的モードで開始されたファイル転送サービスを使用するクライアントアプリケーション(環境変数「_HIEDMS_FTPMODE」にSTATICを指定しているクライアントアプリケーション)を実行する前に実行してください。
- 同一のファイル転送サービス実行環境で,すでに静的モードでファイル転送サービスを開始している場合,このコマンドを再度実行することはできません。
(3) FtpSvStop(静的モードのファイル転送サービス停止)
- 機能
- 静的モードで開始されたファイル転送サービスを停止します。
- 形式
- FtpSvStop 〔-l FORCE〕
- オプション
- -l FORCE
- ファイル転送サービスを強制的に停止します。通常の停止処理がエラーになり,ファイル転送サービスが停止できない場合に,このオプションを指定してください。
- 終了ステータス
- 0:正常終了
- 2:コマンドライン不正
- 3:エラー発生
- 注意事項
- このコマンドを実行できるのは,ファイル転送サービスセットアップコマンド(FtpSvSetup)を実行したユーザだけです。
- このコマンドを複数同時に実行すると,タイムアウトが発生する場合があります。
- ファイル転送サービスを停止する前に,ファイル転送サービスを使用するアプリケーションが動作中でないことを確認してください。