ここでは,具体的な例を示して,クラスとプロパティの追加について説明します。
文書を作成,管理するために追加するクラス(dmaClass_DocVersionクラスおよびedmClass_VersionTracedDocVersionクラスのサブクラス)とプロパティについて,例に沿って説明します。
表2-5 文書の詳細情報
文書の種類 | 概要 | 付加情報 | 管理方法 |
---|---|---|---|
問題点管理ドキュメント | 製品の開発時の問題点を管理するための文書 |
| 直接型のコンテインメントを使用して管理する。 |
設計ドキュメント | 製品開発の基となる設計書 |
| 構成管理型のコンテインメントを使用して,複数の設計書の構成を管理する。 |
この2種類の文書を管理するためのクラスを次のように設計します。追加するサブクラスとスーパークラスの対応を次の表に示します。
表2-6 追加するサブクラスとスーパークラスの対応
管理する文書 | 追加するサブクラス | スーパークラス |
---|---|---|
問題点管理ドキュメント | usrClass_ProbInfoDoc | dmaClass_DocVersion |
設計ドキュメント | usrClass_DesignDoc | edmClass_VersionTracedDocVersion |
問題点管理ドキュメントは,直接型のコンテインメントを使用して管理します。したがって,dmaClass_DocVersionクラスのサブクラスとしてusrClass_ProbInfoDocクラスを追加して管理します。
設計ドキュメントは,バージョン付き構成管理コンテナを使用して構成を管理する文書として作成します。したがって,edmClass_VersionTracedDocVersionクラスのサブクラスとしてusrClass_DesignDocクラスを追加して管理します。
次に,文書に対して付加する情報を各クラスのプロパティとして追加します。文書の付加情報とプロパティの対応を次の表に示します。
表2-7 付加情報とプロパティの対応
クラス名 | 付加情報 | プロパティ名 | データ型 |
---|---|---|---|
usrClass_ProbInfoDoc | 問題点分類 | usrProp_Category | String型 |
問題点発生日時 | usrProp_DateOfProb | Integer32型 | |
検討結果 | usrProp_Status | Boolean型 | |
解決日時 | usrProp_DateOfResolve | Integer32型 | |
usrClass_DesignDoc | 文書名 | usrProp_DocName | String型 |
執筆者 | usrProp_DocWriter | String型 | |
特許情報 | usrProp_PatentInfo | String型 | |
執筆日時 | usrProp_DateOfWrite | Integer32型 |
なお,追加するサブクラスは,全文検索機能付き文書クラスとして追加します。したがって,この表に示したプロパティのほかに,全文検索用のプロパティを追加する必要があります。全文検索機能付き文書クラスに追加するプロパティについては,「2.3.4 全文検索機能付き文書クラスの追加」を参照してください。
このように,管理する文書の種類や付加情報などから必要なクラスとプロパティを決定してから,その設計情報を基に必要なクラスおよびプロパティを追加してください。