2.2.4 バージョン付き文書の管理に必要なオブジェクト
ここでは,バージョン付き文書のオブジェクト構成について説明します。
バージョン付き文書は,複数のバージョンを持ち,バージョンを管理する文書です。例えば,新規に作成した文書を編集する場合に,編集前の文書は残しておいて,編集後の文書を最新のバージョンとして管理するような運用が考えらる場合に,バージョン付き文書を使用します。
バージョン付き文書を構成するDMAオブジェクトを次の図に示します。
図2-4 バージョン付き文書を構成するDMAオブジェクト
![[図データ]](figure/zu22040u.gif)
バージョン付き文書の個々のバージョンは,バージョンなし文書に対応しています。
バージョン付き文書を構成するDMAオブジェクトについて説明します。なお,マルチファイル管理機能,リファレンスファイル管理機能またはFile Link連携機能を使用する場合,DMAオブジェクトの構成が一部異なります。
- ConfigurationHistoryオブジェクト
文書の一連のバージョンを統括するオブジェクトです。dmaClass_ConfigurationHistoryクラスまたはそのクラスのサブクラスのオブジェクトです。
- VersionSeriesオブジェクト
バージョンの構成を管理するオブジェクトです。
- VersionDescriptionオブジェクト
VersionSeriesオブジェクトとDocVersionオブジェクトを結び付け,DocVersionオブジェクトがどのバージョンに対応するかを管理するオブジェクトです。
- DocVersionオブジェクトまたはVersionTracedDocVersionオブジェクト
バージョン付き文書でのDocVersionオブジェクトは,文書の特定のバージョンに相当するオブジェクトです。dmaClass_DocVersionクラスまたはそのサブクラス(edmClass_VersionTracedDocVersionクラスを除く)のオブジェクトです。DocVersionオブジェクトで構成されるバージョン付き文書は,構成管理コンテナによる構成管理の対象になりません。
VersionTracedDocVersionオブジェクトは,文書の特定のバージョンに相当するオブジェクトです。dmaClass_DocVersionクラスのサブクラスである,edmClass_VersionTracedDocVersionクラスまたはそのサブクラスのオブジェクトです。VersionTracedDocVersionオブジェクトで構成されるバージョン付き文書は,構成管理コンテナによる構成管理の対象になります。
- Renditionオブジェクト
文書を構成するファイルの形式を管理するオブジェクトです。
- ContentTransferオブジェクト,ContentTransfersオブジェクト,ContentReferenceオブジェクト,またはContentFileLinkオブジェクト
文書の実体であるコンテントデータを管理するオブジェクトです。マルチファイル管理機能,リファレンスファイル管理機能およびFile Link連携機能を使用しない場合,ContentTransferオブジェクトを使用します。マルチファイル管理機能を使用する場合,ContentTransfersオブジェクトを使用します。リファレンスファイル管理機能を使用する場合,ContentReferenceオブジェクトを使用します。File Link連携機能を使用する場合,ContentFileLinkオブジェクトを使用します。
- Reservationオブジェクト
チェックアウトとチェックインをすることで文書をバージョンアップする時点で,文書が予約されていることを示す一時的なDMAオブジェクトです。対象の文書をチェックアウトして予約すると,VersionSeriesオブジェクトにReservationオブジェクトが作成されます。バージョンを確定してチェックインをすると,Reservationオブジェクトは削除されて,VersionDescriptionオブジェクトに置き換えられます。