2.8.4 アクセス制御機能を使用する場合のデータベース容量の見積もり

アクセス制御機能を使用する場合のデータベース容量の見積もり方法を説明します。なお,アクセス制御を使用しないため,アクセス制御対応のデータベーススキーマを定義しない場合は,この見積もりは不要です。

ここでは,アクセス制御機能を使用する場合のRDエリアの容量を見積もるための目安として,DocumentBrokerのクラス(表)ごとに,各表に定義する列数,各列のデータサイズ,および各表に格納するレコード数の見積もり方法を説明した一覧を示します。アクセス制御機能を使用する場合は,ここで算出した値を,「2.8.2 ユーザ用RDエリアの容量の見積もり」で算出した値に加算して,データベースの容量を見積もってください。

アクセス制御機能が使用するデータベースリソースの所要量を次の表に示します。

表2-14 アクセス制御機能が使用するデータベースリソースの所要量

分類クラス(表名)列数データサイズ(バイト)レコード数見積もり方法備考
アクセス制御対象オブジェクトDocumentBrokerオブジェクトのトップオブジェクトに該当する表724+u+g+17×nすべてのDocumentBrokerオブジェクトのトップオブジェクト数
  • u:ユーザ識別子の最大長※1
  • g:グループ識別子の最大長※1
  • n:DocumentBrokerオブジェクトにバインドしたパブリックACLの平均の個数
ACLedmClass_ACL684+(MAX※2(u,g)+8)×(m+n)すべてのDocumentBrokerオブジェクトのトップオブジェクト数
  • u:ユーザ識別子の最大長※1
  • g:グループ識別子の最大長※1
  • m:DocumentBrokerオブジェクトのローカルACLに設定したACEの平均の個数
  • n:DocumentBrokerオブジェクトのセキュリティACLに設定したACEの平均の個数
パブリックACLedmClass_PublicACL8※388+u+(MAX※2(u,g)+8)×(m+n)※4パブリックACLの個数
  • u:ユーザ識別子の最大長※1
  • g:グループ識別子の最大長※1
  • m:パブリックACLのローカルACLに設定したACEの平均の個数
  • n:パブリックACLのセキュリティACLに設定したACEの平均の個数
バインドedmClass_BindRelationship268すべてのDocumentBrokerオブジェクトのトップオブジェクト数×DocumentBrokerオブジェクトごとのバインドするパブリックACLの平均の個数なし
注※1
ユーザ識別子,グループ識別子の最大長を拡張しない場合,ユーザ識別子,グループ識別子の最大長はそれぞれ254バイトです。
ユーザ識別子の最大長を拡張する場合,ユーザ識別子の最大長は次のどちらかに指定する値です。
  • メタ情報の初期設定コマンド(EDMInitMeta)の-nオプション
  • 文書空間情報ファイルのUserIDMaxLengthエントリ(文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)を使用するとき)
グループ識別子の最大長を拡張する場合,グループ識別子の最大長は次のどちらかに指定する値です。
  • メタ情報の初期設定コマンド(EDMInitMeta)の-gオプション
  • 文書空間情報ファイルのGroupIDMaxLengthエントリ(文書空間の定義コマンド(EDMCDefDocSpace)を使用するとき)
メタ情報の初期設定コマンド(EDMInitMeta)については,「7.3 コマンドの文法」の「EDMInitMeta(メタ情報の初期設定)」を参照してください。文書空間情報ファイルについては,「4.16 文書空間情報ファイル」を参照してください。
注※2
MAXは計算結果の最も大きい値を選ぶことを示しています。例えば,MAX(u,g)でuが254,gが512の場合,MAX(u,g)は512となります。
注※3
パブリックACLにユーザプロパティを追加した場合,追加したプロパティ数を加えて算出してください。
注※4
パブリックACLにユーザプロパティを追加した場合,追加したプロパティのデータサイズを加えて算出してください。

なお,表2-14の「レコード数見積もり方法」に記述されている「すべてのDocumentBrokerオブジェクトのトップオブジェクト数」とは,作成した文書やコンテナなどに含まれるオブジェクトの個数を表します。このオブジェクトを次に示します。