4.12.2 ファイル転送サービス環境定義ファイルの記述形式

ここでは,ファイル転送サービス環境定義ファイルの記述形式について説明します。

ファイル転送サービス環境定義ファイルは,次に示す二つのセクションと,各セクションに指定するエントリによって構成されます。

セクションとエントリの記述規則を次に示します。

記述形式を次に示します。

[<セクション名>]
<エントリ名>=<値>

なお,同一名のセクションを複数指定した場合,最初に指定したセクションが有効になります。また,指定できないセクションを指定した場合,その指定は無視されます。

各セクション内で同一名のエントリを複数指定した場合,最初に指定したエントリが有効になります。また,各エントリの値として指定できるのは,1,023バイトまでです。

以降,ファイル転送サービス環境定義ファイルを構成する各セクションと,セクションごとに指定するエントリについて説明します。

<この項の構成>
(1) [FtpService]セクション
(2) [FtpProcessXXXX]セクション

(1) [FtpService]セクション

FtpSessionMaxエントリ
同時に割り当て可能なクライアントの数の最大値を,1~1,024の値で指定してください。静的モードの場合は,ファイル転送サービス起動コマンドで起動したすべてのファイル転送サービスプロセスで,同時に割り当て可能なクライアントの最大数を指定してください。動的モードの場合は,一つのファイル転送サービスプロセスで同時に割り当て可能なクライアントの最大数を指定してください。
このエントリを省略した場合,またはエントリに不正な値を指定した場合は,「64」が仮定されます。
なお,クライアントへの割り当ては,クライアントアプリケーションでファイル転送を要求してから,文書空間への接続解除まで有効です。
FtpOrbBoaOptionエントリ
ファイル転送サービス監視プロセスのORBおよびBOAのオプションを指定します。指定を省略した場合,「-OAthreadMax 64 -OAlocalipc 0」が仮定されます。ORBおよびBOAのオプション以外の値を指定した場合,ファイル転送サービス監視プロセスの起動に失敗します。指定できるオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」を参照してください。
なお,このエントリは,TPBroker V3環境の場合に指定するエントリです。TPBroker V5と連携して動作する環境では指定できません。TPBroker V5環境で指定した場合は,指定が無視され省略値も有効になりません。TPBroker V5環境では,VisiBrokerプロパティとしてFtpVBPropertyエントリに指定してください。
FtpVBPropertyエントリ
ファイル転送サービス監視プロセスのVisiBrokerプロパティを指定します。指定を省略した場合,「-Dvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.manager.type=Socket -Dvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.dispatcher.threadMax=64」が仮定されます。VisiBrokerプロパティ以外の値を指定した場合,ファイル転送サービス監視プロセスの起動に失敗します。指定できるプロパティについては,マニュアル「VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。
なお,このエントリは,TPBroker V5環境の場合に指定するエントリです。TPBroker V3と連携して動作する環境では指定できません。TPBroker V3環境で指定した場合は,指定が無視され省略値も有効になりません。TPBroker V3環境では,ORB/BOAオプションとしてFtpOrbBoaOptionエントリに指定してください。
FtpProcessOrbBoaOptionエントリ
すべてのファイル転送サービスプロセスに共通するORBおよびBOAのオプションを指定します。指定を省略した場合,「-OAthreadMax 64 -OAlocalipc 0」が仮定されます。ORBおよびBOAのオプション以外の値を指定した場合,ファイル転送サービスプロセスの起動に失敗します。指定できるオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」を参照してください。
なお,このエントリは,TPBroker V3環境の場合に指定するエントリです。TPBroker V5と連携して動作する環境では指定できません。TPBroker V5環境で指定した場合は,指定が無視され省略値も有効になりません。TPBroker V5環境では,VisiBrokerプロパティとしてFtpProcessVBPropertyエントリに指定してください。
FtpProcessVBPropertyエントリ
すべてのファイル転送サービスプロセスに共通するVisiBrokerプロパティを指定します。指定を省略した場合,「-Dvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.manager.type=Socket -Dvbroker.se.iiop_tp.scm.iiop_tp.dispatcher.threadMax=64」が仮定されます。VisiBrokerプロパティ以外の値を指定した場合,ファイル転送サービスプロセスの起動に失敗します。指定できるプロパティについては,マニュアル「VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。
なお,このエントリは,TPBroker V5環境の場合に指定するエントリです。TPBroker V3と連携して動作する環境では指定できません。TPBroker V3環境で指定した場合は,指定が無視され省略値も有効になりません。TPBroker V3環境では,ORB/BOAオプションとしてFtpProcessOrbBoaOptionエントリに指定してください。

(2) [FtpProcessXXXX]セクション

XXXXは,0001~0020を示します。[FtpProcessXXXX]セクションでは,静的モードで開始される各ファイル転送サービスプロセスに固有の動作を定義します。

ファイル転送サービス開始コマンド(FtpSvStart)の-nオプションに指定した数までのセクションが有効になります。ファイル転送サービスプロセスごとに動作を定義することで,ポート番号を指定してファイル転送サービスプロセスを複数起動できます。例えば,ファイル転送サービス開始コマンドの-nオプションに2を指定した場合,[FtpProcess0001]セクションおよび[FtpProcess0002]セクションの定義内容が有効になります。

[FtpProcessXXXX]セクションでは,次のエントリを指定できます。

OrbBoaOptionエントリ
各ファイル転送サービスプロセスに固有のORBおよびBOAのオプションを指定します。指定を省略した場合に仮定される値はありません。ORBおよびBOAのオプション以外の値を指定した場合,ファイル転送サービスプロセスの起動に失敗します。
[FtpService]セクションのFtpProcessOrbBoaOptionエントリの値と,このエントリの値を連結した値が,ORBおよびBOAのオプションになります。指定できるオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」を参照してください。
なお,このエントリは,TPBroker V3環境の場合に指定するエントリです。TPBroker V5と連携して動作する環境では指定できません。TPBroker V5環境で指定した場合は,指定が無視されます。TPBroker V5環境では,VisiBrokerプロパティとしてVBPropertyエントリに指定してください。
VBPropertyエントリ
各ファイル転送サービスプロセスに固有のVisiBrokerプロパティを指定します。指定を省略した場合に仮定される値はありません。VisiBrokerプロパティ以外の値を指定した場合,ファイル転送サービスプロセスの起動に失敗します。
[FtpService]セクションのFtpProcessVBPropertyエントリの値と,このエントリの値を連結した値が,VisiBrokerプロパティになります。指定できるプロパティについては,マニュアル「VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。
なお,このエントリは,TPBroker V5環境の場合に指定するエントリです。TPBroker V3と連携して動作する環境では指定できません。TPBroker V3環境で指定した場合は,指定が無視されます。TPBroker V3環境では,ORB/BOAオプションとしてOrbBoaOptionエントリに指定してください。