3.11.3 データベースシステムの設定手順

ここでは,DocumentBrokerでデータベースシステムを使用するための設定手順について説明します。なお,データベースシステムの設定は,システム管理者が実行してください。また,データベースを設定するユーザに対しては,あらかじめCONNECT権限およびスキーマ定義権限を付与しておいてください。

DocumentBrokerで使用できるデータベースはHiRDBです。したがって,ここで説明するデータベースシステムの設定手順は,HiRDBを使用する場合の設定手順です。また,データベースシステムを設定する前に,HiRDBの環境設定とデータベースシステムを設定するために必要なファイルを作成しておいてください。HiRDBの環境設定については「3.10.2 HiRDBの環境設定」を,必要なファイルについては「3.11.2 データベースシステムの設定に必要なファイル」を参照してください。

DocumentBrokerで使用するデータベースシステムの設定手順を次に示します。設定中は,HiRDBを起動させておいてください。HiRDBの起動方法については,マニュアル「HiRDB システム運用ガイド」を参照してください。また,設定手順にある「(2) SGML定義情報を登録します」,「(7) データベース定義文を修正します」および「(9) ユーザ定義識別子ファイルの作成コマンド(EDMCreateIds)を実行します」については,必要に応じて設定してください。

<この項の構成>
(1) スキーマを定義します
(2) SGML定義情報を登録します
(3) メタ情報の初期設定コマンド(EDMInitMeta)を実行します
(4) メタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)を実行します
(5) DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(EDMCrtSql)を実行します
(6) クラス定義情報ファイルの作成コマンド(EDMCrtSimMeta)を実行します
(7) データベース定義文を修正します
(8) データベース定義ユティリティを実行します
(9) ユーザ定義識別子ファイルの作成コマンド(EDMCreateIds)を実行します

(1) スキーマを定義します

スキーマを定義するためには,HiRDBのデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行して,定義系SQLのCREATE SCHEMAを使用します。スキーマを定義する場合は,スキーマ定義権限が必要です。HiRDBのデータベース定義ユティリティについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。CREATE SCHEMAの文法については,マニュアル「HiRDB SQLリファレンス」を参照してください。

(2) SGML定義情報を登録します

XMLのような構造を持った文書を検索する場合,HiRDB Text Search Plug-inで次に示すSGML定義情報を登録する必要があります。

(a) DTDの登録

DocumentBrokerが提供する「EDM_DEFAULT.DTD」というファイルを「EDM_DEFAULT.DTD」という登録名称でDTDとしてレジストリに登録する必要があります。次に示すコマンドをHiRDB管理者が実行します。

phssgmlreg DTD EDM_DEFAULT.DTD /opt/HiEDMS/sample/EDM_DEFAULT.DTD

(b) 正規化パラメタファイルの登録

正規化パラメタファイルとは,XML文書中のタグを制御するパラメタを記述するファイルです。XML文書中のタグの制御が必要な場合または特定文字データ(SDATA)を使用する場合に登録してください。次に示すコマンドをHiRDB管理者が実行します。

phssgmlreg NORparm 登録名称 正規化パラメタファイルのパス名

なお,SGML定義情報の登録の詳細については,マニュアル「HiRDB Text Search Plug-in」を参照してください。

(3) メタ情報の初期設定コマンド(EDMInitMeta)を実行します

メタ情報をデータベースに登録するために,メタ情報の初期設定コマンド(EDMInitMeta)を実行します。メタ情報の初期設定コマンドの使用方法ついては,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。動作環境メタ情報ファイルは,この時点で作成されます。

メタ情報の初期設定コマンドを実行する場合,データベースの表識別子と列名の名称定義の方法を-uオプションで指定します。また,アクセス制御機能を使用する場合は,-Aオプションを指定してください。アクセス制御情報を含んだメタ情報がデータベースに登録されます。詳細については,「3.9.2(1) データベーススキーマの作成」を参照してください。

-fオプションを指定した場合,実行環境識別子に0が割り当てられます。

複数の実行環境から同一の文書空間にアクセスするための実行環境の構築方法については,「3.15 複数の実行環境を構築する場合の設定」を参照してください。

(4) メタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)を実行します

作成した定義情報ファイルを入力ファイルとして,メタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)を実行することで,サブクラスおよびプロパティを追加します。定義情報ファイルについては,「4.7 定義情報ファイル」を参照してください。

メタ情報の追加コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。この時点で,動作環境メタ情報ファイルも更新されます。

(5) DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(EDMCrtSql)を実行します

RDエリア定義情報ファイルを入力ファイルとして,DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(EDMCrtSql)を実行し,データベース定義文を出力します。さらに,ユーザが追加するプロパティにインデクスを定義する場合は,インデクス情報ファイルも入力ファイルとして指定してください。RDエリア定義情報ファイルについては「4.8 RDエリア定義情報ファイル」を,インデクス情報ファイルについては「4.9 インデクス情報ファイル」を参照してください。DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。また,全文検索機能を利用する場合のデータベース定義文の内容については,「3.11.4 全文検索機能を使用する場合に出力されるデータベース定義文」を参照してください。

(6) クラス定義情報ファイルの作成コマンド(EDMCrtSimMeta)を実行します

クラス定義情報ファイルの作成コマンド(EDMCrtSimMeta)を実行して,クラス定義情報ファイルを出力します。次の場合に,クラス定義情報ファイルを作成してください。

このコマンドを実行する場合,メタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)によってサブクラスおよびプロパティの追加を完了させておく必要があります。

クラス定義情報ファイルについては,「4.10 クラス定義情報ファイル」を参照してください。クラス定義情報ファイルの作成コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。

(7) データベース定義文を修正します

出力したデータベース定義文のRDエリア名を,HiRDBのデータベース構成変更ユティリティで追加したRDエリアの名称に変更します。必要に応じてインデクスなどのデータベース属性も追加してください。ただし,RDエリア定義情報ファイルを作成して,DocumentBroker用データベース定義文の作成コマンド(EDMCrtSql),およびメタ情報の追加コマンド(EDMAddMeta)の-rオプションにRDエリア定義情報ファイル名を指定した場合は,RDエリア名の変更は不要です。

全文検索機能を使用する場合に必要なデータベース定義文の変更については,「3.11.4 全文検索機能を使用する場合に出力されるデータベース定義文」を参照してください。

(8) データベース定義ユティリティを実行します

データベース定義文を入力ファイルとして,HiRDBでデータベース定義ユティリティ(pddef)を実行して定義を追加します。HiRDBのデータベース定義ユティリティについては,マニュアル「HiRDB コマンドリファレンス」を参照してください。

(9) ユーザ定義識別子ファイルの作成コマンド(EDMCreateIds)を実行します

DocumentBrokerで提供されているクラスおよびプロパティ以外にユーザクラスおよびユーザプロパティを定義して,ユーザアプリケーションプログラムを開発する場合,ユーザ定義識別子ファイルを作成してください。

ユーザ定義識別子ファイルについては,「4.11 ユーザ定義識別子ファイルおよびユーザ定義識別子変数ファイル」を参照してください。ユーザ定義識別子ファイルの作成コマンドの使用方法については,「7.3 コマンドの文法」を参照してください。