DocumentBrokerの特長について説明します。
(1) システムの運用性,信頼性を確保
(a) すべての文書をデータベースシステムで保管
すべての文書および文書に付随する情報を,データベースシステムであるHiRDBに格納します。小規模な基幹文書管理システムはもちろん,大規模,大容量の基幹文書管理システムを運用する上での運用性と,高い信頼性を確保しています。増え続けていくデータ量や業務の規模の拡大に合わせて段階的にシステムを拡張できます。
(b) ファイルシステムとの併用による高い運用性
文書の格納先として,データベースシステムだけでなく,ファイルシステムの任意のディレクトリを使用できます。これによって,文書の格納先を選択したり,文書を格納するディスクを移動したりできるため,柔軟に文書を管理できます。また,文書の格納先としてファイルシステムとデータベースシステムを併用することで,より大容量の文書を長期にわたって管理できるようになります。
(c) きめ細かなアクセス制御を実現
すべての文書に対して,担当業務単位,役割単位,ユーザ単位などに細分化したアクセス権を設定できます。これによって,文書に対する不正なアクセスによる情報の漏えいを防止できます。
(2) 必要な文書をすばやく確実に入手
文書中の単語をキーワードにした高速の全文検索,属性を利用した絞り込み検索はもちろん,XMLの構造を指定した全文検索(構造指定検索),指定した文章と類似する概念を持つ文書の全文検索(概念検索)など,豊富な検索機能を提供しています。したがって,管理している膨大な量の文書の中から目的の文書をすばやく確実に入手できる検索システムを構築できます。
(3) 高度な文書管理を実現するさまざまなフレームワークを提供
複数の文書をフォルダにまとめて格納する従来の文書管理の基本的なフレームワークはもちろん,主に次のような文書管理のフレームワークを提供しています。
これらのフレームワークを,業務の形態や扱う文書の特性に合わせて適用できます。
(4) これまで蓄積されてきた文書をむだなく登録
文書をすばやく入手できる検索システムや文書をわかりやすく整理するフレームワークが準備できても,文書が登録されていなければ,活用できません。DocumentBrokerは,次のようなプログラムを用意して,有用で豊富な情報量を持つ文書管理システムを短期間で構築できるようサポートしています。
(5) さまざまな形式のデータの登録
日常利用しているワードプロセッサや表計算ソフトウェアで作成したデータ,イメージデータ,XML形式など,さまざまな形式のデータを,そのまま文書管理システムに格納して利用できます。同じ内容の文書を幾つかの異なるファイル形式で登録して用途によって使い分けたり,紙の文書をスキャナで読み込んでイメージデータとして登録したり,XML形式の文書の構造を生かして登録・検索したりできます。
(6) オープンな環境でシステムを構築
DocumentBrokerによって業界標準に対応したシステムを構築できます。DocumentBrokerは,DMAに基づいたオブジェクトモデルとAPIを提供しています。DMAは文書管理インターフェースの標準化を図る団体AIIMによって定義される共通インターフェースです。また,DocumentBrokerによって構築した文書管理システムは,CORBA仕様に従ったORBを利用した分散ネットワーク上で運用します。したがって,既存の業務システムと相互連携した付加価値の高いサービスを提供できます。
また,WWW環境に対応して,さらにオープンな文書管理システムも構築できます。
(7) 文書のライフサイクルを管理
文書および文書に関する情報を,業務の流れに対応させて管理できます。
通常,文書は業務の流れに対応して作成,審査,承認,保管され,不要になった時点で破棄されていきます。このような,業務に合わせた文書の状態変化(作成/審査/承認/保管/破棄)を,文書のライフサイクルといいます。