2.2.6 コンテナの管理に必要なオブジェクト
ここでは,コンテナを利用した文書管理と,バージョンなしコンテナのオブジェクト構成について説明します。なお,構成管理コンテナについては,「2.2.7 構成管理コンテナの管理に必要なオブジェクト」で説明します。
- <この項の構成>
- (1) コンテナによる文書管理
- (2) バージョンなしコンテナを構成するDMAオブジェクト
(1) コンテナによる文書管理
コンテナを利用してオブジェクトを管理することを,コンテインメントといいます。コンテインメントは,次の3種類に区別できます。
- 直接型のコンテインメント
コンテナをフォルダのように利用して文書を管理する方法です。
- 参照型のコンテインメント
コンテナをインデクスのように利用して,コンテナと文書を関連づけて管理するような方法です。
- 構成管理型のコンテインメント
構成管理コンテナを利用してオブジェクトのバージョンを管理する方法です。
ここでは,直接型のコンテインメントと参照型のコンテインメントについて説明します。構成管理型のコンテインメントについては,「2.2.7 構成管理コンテナの管理に必要なオブジェクト」で説明します。
コンテナを利用してオブジェクトを管理する場合は,コンテナの用途によって次に示す点を考慮する必要があります。
- 直接型のコンテインメントの場合
文書の管理体系に沿ったコンテナを設計したり,必要に応じてコンテナの階層構造を設計したりする必要があります。例えば,プロジェクト名をキーにしてコンテナを作成すると,そのプロジェクトに関連する文書をまとめて管理できます。プロジェクト内で作成,管理する文書はさまざまな種類があるので,種類ごとにコンテナの下にコンテナを作成することもできます。また,書籍やマニュアルのように複数の章から構成される文書は章単位で分割して,一つのコンテナでまとめて管理できます。
- 参照型のコンテインメントの場合
管理する文書の内容や種類を考慮した管理体系を設計する必要があります。例えば,書籍を管理するようなシステムを構築する場合を考えます。書籍を分類していくと,実用書,文学作品,哲学,史学,政治学などのように,幾つかのカテゴリによって整理できます。また,その書籍が書かれた時代,地域,著者ごとに分類することもできます。このように管理する文書を分類して,その分類結果に合わせた管理体系をコンテナの階層化によって表現することで,ある特定のカテゴリに属する文書を,内容にかかわらないでまとめて管理できます。このようなコンテナによる分類体系を作成すると,コンテナを閲覧することで,あるカテゴリに関連する文書の集合を参照できます。
(2) バージョンなしコンテナを構成するDMAオブジェクト
バージョンなしコンテナを構成するDMAオブジェクトを次の図に示します。
図2-6 バージョンなしコンテナを構成するDMAオブジェクト
![[図データ]](figure/zu220600.gif)
バージョンなしコンテナを構成するDMAオブジェクトについて説明します。
- Containerオブジェクト
バージョンなしコンテナを表すオブジェクトです。
- DirectContainmentRelationshipオブジェクト
直接型のコンテインメントを表すオブジェクトです。
- ReferentialContainmentRelationshipオブジェクト
参照型のコンテインメントを表すオブジェクトです。