4.18.2 クライアントアプリケーション動作定義ファイルの記述形式
ここでは,クライアントアプリケーション動作定義ファイルの記述形式について説明します。
- <この項の構成>
- (1) 記述形式
- (2) [Public]セクション
- (3) [クライアントアプリケーションプロセス名]セクション
(1) 記述形式
クライアントアプリケーション動作定義ファイルは,次に示す二つのセクションと,各セクションに指定するエントリによって構成されています。
- [Public]セクション
- [クライアントアプリケーションプロセス名]セクション
セクションとエントリの記述規則を次に示します。
- 印刷可能なASCIIコードで記述します。
- セクション名は,[ ](角括弧)で囲んで指定します。一つのセクションは,セクション名を指定してから,次のセクションを指定するまで,またはファイルの終端までの範囲です。
- エントリは,「エントリ名=値」の形式で指定します。
- 「;」(セミコロン)で始まる行はコメント行として扱われます。
- 同じセクション名を指定した場合,2番目以降に指定したセクションは無視されます。
- 指定できないセクションを指定した場合,指定したセクションはすべて無視されます。
- セクション内で同一名のエントリを複数指定した場合,最初に指定したエントリが有効になります。
- 指定できないエントリを指定した場合,指定したエントリは無視されます。
- 値は1,023バイト以内で指定します。
- 値が指定されていないエントリ,または空白が指定されているエントリは無視されます。
記述形式を次に示します。
- [<セクション名>]
- <エントリ名>=<値>
以降,クライアントアプリケーション動作定義ファイルを構成する各セクションと,セクションごとに指定するエントリについて説明します。
(2) [Public]セクション
DocumentBroker Development KitまたはDocumentBroker Runtimeをインストールした環境下で動作するすべてのクライアントアプリケーションの動作環境を指定します。
[Public]セクションを構成するエントリは次のとおりです。
- VBPropertyエントリ
- クライアントアプリケーションプロセスのVisiBrokerプロパティを指定します。指定できるプロパティについては,マニュアル「VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。
- TPBroker V3と連携している場合にこのエントリを指定しても無視されます。TPBroker V3と連携している場合は,OrbOptionエントリを指定してください。エントリの指定を省略したときに仮定される値はありません。
- なお,エントリ値に,TPBrokerが不正とみなすVisiBrokerプロパティを指定した場合は,クラスライブラリのメソッドで次のエラーが返却されます。
- major_code=ERR_DMA
- minor_code=DMARC_NETWORK_UNAVAILABLE
- OrbOptionエントリ
- クライアントアプリケーションプロセスのORBオプションを指定します。指定できるオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」を参照してください。
- TPBroker V5と連携している場合にこのエントリを指定しても無視されます。TPBroker V5と連携している場合は,VBPropertyエントリを指定してください。エントリの指定を省略したときに仮定される値はありません。
- なお,エントリ値に,TPBrokerが不正とみなすORBオプションを指定した場合は,クラスライブラリのメソッドで次のエラーが返却されます。
- major_code=ERR_DMA
- minor_code=DMARC_NETWORK_UNAVAILABLE
(3) [クライアントアプリケーションプロセス名]セクション
DocumentBroker Development KitまたはDocumentBroker Runtimeをインストールした環境下で動作するクライアントアプリケーションの動作環境を,クライアントアプリケーション名ごとに指定します。なお,このセクションを指定したプロセス名のクライアントアプリケーションプロセスでは,[Public]セクションに指定したエントリは無効になります。
[クライアントアプリケーションプロセス名]セクションを構成するエントリは次のとおりです。
- VBPropertyエントリ
- クライアントアプリケーションプロセスのVisiBrokerプロパティを指定します。指定できるプロパティについては,マニュアル「VisiBroker Version 5 Borland(R) Enterprise Server VisiBroker(R) プログラマーズリファレンス」を参照してください。
- TPBroker V3と連携している場合にこのエントリを指定しても無視されます。TPBroker V3と連携している場合は,OrbOptionエントリを指定してください。エントリの指定を省略したときに仮定される値はありません。
- なお,エントリ値に,TPBrokerが不正とみなすVisiBrokerプロパティを指定した場合は,クラスライブラリのメソッドで次のエラーが返却されます。
- major_code=ERR_DMA
- minor_code=DMARC_NETWORK_UNAVAILABLE
- OrbOptionエントリ
- クライアントアプリケーションプロセスのORBオプションを指定します。指定できるオプションについては,マニュアル「VisiBroker for C++ プログラマーズガイド」を参照してください。
- TPBroker V5と連携している場合にこのエントリを指定しても無視されます。TPBroker V5と連携している場合は,VBPropertyエントリを指定してください。エントリの指定を省略したときに仮定される値はありません。
- なお,エントリ値に,TPBrokerが不正とみなすORBオプションを指定した場合は,クラスライブラリのメソッドで次のエラーが返却されます。
- major_code=ERR_DMA
- minor_code=DMARC_NETWORK_UNAVAILABLE
このセクションに指定するクライアントアプリケーションプロセス名の記述規則を次に示します。
- プロセス名から拡張子を除いた名称を指定してください。部分的に一致するプロセス名を指定した場合は無効になります。
例えば,プロセス名がProcessA.exeの場合は,ProcessAと指定します。
- 大文字と小文字で区別されます。
- プロセス名にPublicは指定できません。
- プロセス名に ](右角括弧)を含む名称は指定できません。
- プロセス名の前後に空白を含む名称は指定できません。
例えば,プロセス名として「△ProcessA」や,「ProcessA△」(△:空白)を指定できません。