29.3.2 eemcpcn(コネクション定義(TCP/IP))
- 機能
-
TCP/IPプロトコルを使用して通信する場合のコネクションに関する環境を定義します。
- 形式
{{[eemcpcn -c コネクションID [-i auto|manual] [-b "[bretry=yes|no] [bretrycnt=コネクション確立障害時の確立再試行回数] [bretryint=コネクション確立障害時の確立再試行間隔] [concmptim=コネクション確立時の監視時間] [conmsg=yes|no] [sndsynctim=同期一方送信時のメッセージ送信完了待ち時間] [sndtim=非同期一方送信時のメッセージ送信完了待ち時間]"] -y "mode=client|server" [-r "[ipaddr=自システムのホストのIPアドレス] [hostname=自システムのホスト名] [portno=自システムのポート番号]"] [-o "[oipaddr=相手システムのホストのIPアドレス] [ohostname=相手システムのホスト名] [oportno=相手システムのホストのポート番号|free]"] [-k "[nodelay=yes|no] [keepalive=yes|no]"] [-f "[cnrelease=fin|rst] [endrelease=fin|rst]"] [-h "[addrchk=yes|no] [chgconn=replace|keep]"] [-z "blineno=物理回線番号 rlineno=論理回線番号 [cretry=yes|no] [rspmode=auto|manual]"] ]}}
オプション
- -c コネクションID 〜〈1〜8文字の識別子〉
-
OpenTP1システム内で,一意となるコネクションIDを指定します。
- -i auto|manual 〜《manual》
-
オンライン開始時および再開始時のコネクションの確立方法を指定します。
- auto
-
オンライン開始前にコネクションを自動確立します。
- manual
-
eemcpactcnコマンドの実行,またはee_mcp_actcn関数の発行によってコネクションを手動確立します。TP1/FSP(全銀RC)ではmanualを指定してください。
-b
オペランド
- bretry=yes|no 〜《yes》
-
コネクション確立時に障害が発生した場合,コネクションの確立再試行をするかどうかを指定します。
- yes
-
コネクションの確立再試行をします。
- no
-
コネクションの確立再試行をしません。
TP1/FSP(全銀RC)ではyesを指定してください。
- bretrycnt=コネクション確立障害時の確立再試行回数 〜〈符号なし整数〉((0〜65,535))《0》(単位:回)
-
コネクションの確立再試行をする場合の確立再試行回数を指定します。bretryオペランドでnoを指定した場合,このオペランドの指定値は無視されます。
bretryオペランドでyesを指定して,このオペランドに0を指定した場合は,無限にコネクションの確立再試行をします。
- bretryint=コネクション確立障害時の確立再試行間隔 〜〈符号なし整数〉((0〜2,550))《60》(単位:秒)
-
コネクションの確立再試行をする場合の確立再試行間隔を指定します。bretryオペランドでnoを指定した場合,このオペランドの指定値は無視されます。
- concmptim=コネクション確立時の監視時間 〜〈符号なし整数〉((0〜65,535))《0》(単位:秒)
-
コネクション確立時の監視時間を指定します。0を指定した場合は,時間監視をしません。コネクション確立時の監視時間がタイムアウトした場合,コネクション確立を再試行できる場合(bretryオペランドにyesを指定),コネクション確立障害時の確立再試行間隔のあとに,コネクション確立を再試行します。コネクション確立を再試行できない場合(bretryオペランドにnoを指定),MCP後処理トランザクションを起動します。
TP1/FSP(全銀RC)では2を指定してください。
concmptimは全銀RCプロトコル仕様のt1タイマ値に相当します
- conmsg=yes|no 〜《yes》
-
コネクション確立時または解放時に,メッセージログにコネクションの確立または解放のメッセージを出力するかどうかを指定します。
- yes
-
コネクションの確立時または解放時にメッセージを出力します。
- no
-
コネクションの確立時または解放時にメッセージを出力しません。
このオペランドにnoを指定した場合でも,リソース不足などでMCP後処理トランザクションの起動に失敗したときはメッセージを出力します。
TP1/FSP(全銀RC)ではyesを指定してください。
-y
オペランド
- mode=client|server
-
自システムのコネクション確立モードを指定します。
- client
-
クライアントとして,コネクションの確立要求をします。
- server
-
サーバとして,コネクションの確立要求を受けます。
TP1/FSP(全銀RC)ではclientを指定してください。
-r
オペランド
- ipaddr=自システムのホストのIPアドレス 〜(nnn.nnn.nnn.nnn)〈符号なし整数〉((0〜255))
-
自システムのホストのIPアドレスを指定します。TP1/FSP(全銀RC)では規定された加盟金融機関センタ側のIPアドレスを指定してください。
- portno=自システムのポート番号 〜〈符号なし整数〉((1,024〜65,535))
-
メッセージ送受信に使用する,自システムのポート番号を指定します。TP1/FSP(全銀RC)では規定された加盟金融機関センタ側のポート番号を指定してください。
-o
オペランド
- oipaddr=相手システムのホストのIPアドレス 〜(nnn.nnn.nnn.nnn)〈符号なし整数〉((0〜255))
-
相手システムのホストのIPアドレスを指定します。TP1/FSP(全銀RC)では規定された中継コンピュータ側のIPアドレスを指定してください。
- oportno=相手システムのホストのポート番号|free 〜〈符号なし整数〉((1〜65,535))《free》
-
相手システムのホストのポート番号を指定します。TP1/FSP(全銀RC)では規定された中継コンピュータ側のポート番号を指定してください。
- -r,-oオペランドの注意事項
-
TP1/FSP(全銀RC)ではホスト名での指定はしないで必ずIPアドレスを指定してください。また,自システムのポート番号については定義を省略しないで,規定されたポート番号を指定してください。
-k
オペランド
- nodelay=yes|no 〜《no》
-
TCP/IPが提供するソケットオプション「TCP_NODELAY」を使用するかどうかを指定します。
TCP_NODELAYを使用することで,送信済みデータの応答待ちの状態でも,遅延させることなくデータ送信ができるようになりますが,ネットワークの負荷は高くなります。そのため,この機能の必要性を十分に検討した上で使用してください。
- yes
-
TCP_NODELAYを使用します。
- no
-
TCP_NODELAYを使用しません。
- keepalive=yes|no 〜《no》
-
TCP/IPが提供するソケットオプション「SO_KEEPALIVE」を使用するかどうかを指定します。
SO_KEEPALIVEを使用することで,コネクションがメッセージ送受信中でない場合に,相手システムに対して一定間隔でパケットを送信し,その間に応答がなければ障害と見なしてコネクションを切断できます。これをキープアライブといいます。
ただし,キープアライブを行うとネットワークの負荷を高める場合があります。そのため,この機能の必要性を十分に検討した上で使用してください。
- yes
-
キープアライブを使用します。
- no
-
キープアライブを使用しません。
TP1/FSP(全銀RC)ではnoを指定してください。
-f
オペランド
- cnrelease=fin|rst 〜《fin》
-
コネクションの解放形態を指定します。
- fin
-
FINパケットを送信してコネクションを解放します。
- rst
-
RSTパケットを送信してコネクションを強制的に解放します。
TP1/FSP(全銀RC)ではrstを指定してください。
- endrelease=fin|rst 〜《fin》
-
システム終了時のコネクションの解放形態を指定します。
- fin
-
FINパケットを送信してコネクションを解放します。
- rst
-
RSTパケットを送信してコネクションを強制的に解放します。
TP1/FSP(全銀RC)ではrstを指定してください。
-z
オペランド
- blineno=物理回線番号 〜〈符号なし整数〉((1〜99))
-
設定された該当の物理回線番号を指定します。
- rlineno=論理回線番号 〜〈符号なし整数〉((1〜99))
-
設定された該当の論理回線番号を指定します。
- 物理回線番号の設定方法
-
「自IPアドレス(ipaddr)と相手IPアドレス(oipaddr)」の組み合わせが同一のコネクションに対してすべて同一の物理回線番号を設定してください。
- 論理回線番号の設定方法
-
「自IPアドレス(ipaddr)と相手IPアドレス(oipaddr)」の組み合わせが同一のコネクション内で重複しない論理回線番号を設定してください。
- cretry=yes|no 〜《yes》
-
コネクションが解放された時にコネクションを自動で再確立するかどうかを指定します。
- yes
-
コネクションが解放された時にコネクションを自動で再確立します。
- no
-
コネクションが解放された時にコネクションを自動で再確立しません。
このオペランドにyesを指定した場合でも,コネクションの自動再確立を実施しないケースがあります。次の表を参照してください。
表29‒35 コネクション解放理由と自動再確立の有無 項番
kind設定値
reason値
reason値(数値)
意味
自動再確立有無
1
EEMCP_CN_CLOSE
EEMCP_BY_API_F
3
ee_mcp_dctcn関数(EEMCPFRC設定時)によるコネクションの強制解放
ユーザ要因:×
製品要因:−
2
EEMCP_BY_COMMAND_F
4
eemcpdctcnコマンド(-fオプションを指定時)によるコネクションの強制解放
ユーザ要因:×
製品要因:−
3
EEMCP_BY_SYSTEM_F
6
システムによるコネクションの強制解放
ユーザ要因:×
製品要因:○
4
EEMCP_RSN_CNNC
101
コネクション確立不可
×
5
EEMCP_RSN_CNER
102
コネクション解放(相手システムからの解放)
○
6
EEMCP_RSN_CNCL
103
コネクション解放(自システムからの解放)
○
7
EEMCP_RSN_RBOV
104
受信バッファオーバフロー
○
8
EEMCP_RSN_NOBF
105
受信バッファ不足
○
9
EEMCP_RSN_NTTO
106
後続メッセージ受信タイムアウト
○
10
EEMCP_RSN_RPLC
107
コネクションリプレースによる切断
○
11
EEMCP_RSN_INTV
108
タイマ値不正
○
12
EEMCP_RSN_TICD
109
タイマセット指示種別不正
○
13
EEMCP_RSN_SGED
110
セグメント完/未完種別不正
○
14
EEMCP_RSN_NTSZ
111
次メッセージのサイズ不正
○
15
EEMCP_RSN_NTAD
112
次メッセージの先頭アドレス不正
○
16
EEMCP_RSN_NWSZ
113
該当メッセージのサイズ不正
○
17
EEMCP_RSN_NWSS
114
残留該当メッセージのサイズ不正
○
18
UOCからのリターンコード
UOCからのリターンコード
入力セグメント判定UOCエラーリターン
○
eemcpcn定義のコネクション最大数500のうち,-zオプションによって全銀RC用に使用できるコネクション最大数は255になります。
- rspmode=auto|manual 〜《auto》
-
送達管理メッセージをシステムが自動送信するかどうか指定します。
- auto
-
全銀センタから情報メッセージを受信した場合,TP1/FSP(全銀RC)が自動的にACKの送達管理メッセージを送信します。
- manual
-
全銀センタから情報メッセージを受信した場合,ユーザが送達管理メッセージを送信します。送達管理メッセージの送信は送達管理メッセージ送信APIを使用します。