7.9.3 インストール情報設定ファイルの定義内容

インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。

セクション[INSTALLATION_SETTINGS]

installhdlmユティリティの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。

セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-4 セクション[INSTALLATION_SETTINGS]のキー

キー名※1説明※2定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストールまたは再インストール
installfile_locationDVD-ROMをマウントしたディレクトリを絶対パス名称で指定します。
デフォルトは「/cdrom/cdrom0」です。
省略可省略可400
logdirログ情報のファイルを出力するディレクトリを,絶対パス名称で指定します。
デフォルトは「/var/tmp」です。ログファイルについては,「7.9.4 ログファイルについて」を参照してください。
省略可省略可400
licensekeyfileホストに格納されているライセンスキーファイル名を,絶対パス名称で指定します。指定したファイルはサイレントインストール後に削除されません。
デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。
省略可※3省略可※3400
driver_configHDLMドライバの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:HDLMドライバを構成します(デフォルト)。
n:HDLMドライバを構成しません。
なお,アップグレードインストールまたは再インストールの場合は,指定値に関係なく実行されません。
省略可省略可1
restartインストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:再起動します。
n:再起動しません(デフォルト)。
Sun Clusterを使用する場合は,「n」を指定してください。
省略可省略可1
(凡例)
省略可:キーと設定値を指定しない場合,デフォルト値が適用されます。
ただし,アップグレードインストールまたは再インストールの場合,licensekeyfileキーは以前のライセンス情報が引き継がれます。
注※1
キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
注※2
定義できる内容以外を指定した場合は,エラーとなります。
注※3
HDLMを新規インストールする場合,またはライセンスの有効期限が過ぎている状態でアップグレードインストールする場合は,ライセンスキーファイルを用意してください。

セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]

HDLMコマンドのsetオペレーションでの動作情報を定義します。このセクションは省略できます。セクション名を省略した場合,またはセクション内のキーを1つも記載しなかった場合は,HDLMコマンドのsetオペレーションによる設定は行われません。

setオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。

セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-5 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー

キー名※1説明※2定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストールまたは再インストール
load_balanceロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
load_balance_typeロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。
rr:ラウンドロビン
exrr:拡張ラウンドロビン
lio:最少I/O数
exlio:拡張最少I/O数(デフォルト)
lbk:最少ブロック数
exlbk:拡張最少ブロック数
省略可省略可5
load_balance_same_path_use_timesロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O 数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/O に同一のパスを使用する回数を指定します。回数は,「0999999」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。省略可省略可6
lbex_usetimes_limitロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。
省略可省略可6
error_log_level障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。
省略可省略可1
error_log_size障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~2000000​」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。
省略可省略可7
error_log_number障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。
省略可省略可2
trace_levelトレースの出力レベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。
省略可省略可1
trace_file_sizeトレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。
省略可省略可5
trace_file_numberトレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。
省略可省略可2
path_health_checkパスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
path_health_check_intervalパスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。
省略可省略可4
auto_failback障害パスの自動フェイルバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
auto_failback_intervalパスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。
省略可省略可4
intermittent_error_monitor※3※4間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
intermittent_error_monitor_interval※4間欠障害の監視時間を分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。
省略可省略可4
intermittent_error_monitor_number※4障害の発生回数を指定します。
発生回数は,「1~99」の値を設定できます。デフォルトは「3」です。
省略可省略可2
dynamic_io_path_controlダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効,または無効にするかを次の値で指定します。なお,この機能を設定するとストレージシステム単位またはLU単位の設定はクリアされます。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
dynamic_io_path_control_interval※5ダイナミックI/Oパスコントロール機能の,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報を見直すチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「11440」の値を設定できます。デフォルトは「10」です。
省略可省略可4
(凡例)
省略可:キーと設定値を指定しない場合,次の値が適用されます。
  • 新規インストールの場合
    デフォルト値が適用されます。
  • アップグレードインストールまたは再インストールの場合
    以前の設定値が引き継がれます。
監査ログの設定は未サポートです。
注※1
キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
注※2
定義できる内容以外を指定した場合は,エラーとなります。
設定する機能の詳細については,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
注※3
次に示す場合だけ,キーを指定できます。
  • 新規インストールの場合
    インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定している。
  • アップグレードインストールまたは再インストールの場合
    インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定しているか,またはインストール前の設定で,自動フェイルバック機能を有効にしている。
注※4
間欠障害監視を有効にする場合は,auto_failbackキー,およびauto_failback_intervalキーのあとに指定してください。
注※5
ダイナミックI/Oパスコントロール機能の有効,または無効に関係なくチェック間隔を設定できます。

インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。

[INSTALLATION_SETTINGS]
installfile_location=/cdrom/cdrom0
logdir=/var/tmp
licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license
driver_config=y
restart=n
[ENVIRONMENT_SETTINGS]
load_balance=on
load_balance_type=exlio
load_balance_same_path_use_times=1
lbex_usetimes_limit=100
error_log_level=3
error_log_size=9900
error_log_number=2
trace_level=0
trace_file_size=1000
trace_file_number=4
path_health_check=on
path_health_check_interval=30
auto_failback=on
auto_failback_interval=1
intermittent_error_monitor=on
intermittent_error_monitor_interval=30
intermittent_error_monitor_number=3
dynamic_io_path_control=off
dynamic_io_path_control_interval=10