用語解説

ここでは,マニュアル中で使用している用語を解説します。

(英字)
CHA(Channel Adapter)
ストレージシステムのチャネルを制御するアダプタです。
CLPR(Cache Logical Partition)
Hitachi USPシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Virtual Storage Platformシリーズ,Hitachi AMS2000/AMS/TMS/WMS/SMSシリーズ,HUS100シリーズ,およびHUS VMがサポートするキャッシュの論理的な分割機能です。この機能を使用すると,ストレージシステム内でパリティグループ単位にキャッシュを分割するため,キャッシュ性能がほかのパリティグループの影響を受けません。
Dev(Device)
HDLMが制御,操作する対象で,LUを論理的に分割した単位を指します。Solarisではスライスまたはパーティションに相当します。
Solarisでは,各LUは複数のDevに分けて使用できます。
各Devには「Dev番号」が付けられています。
また,Devにはアクセス方式の異なるブロック型デバイスとキャラクタ型デバイスの2種類があります。
(関連用語:Dev番号)
Dev番号
UNIXでは,一般的にデバイス番号は「メジャー番号+マイナー番号」の値を指しますが,HDLMでは構成表示でのDev番号(DNum欄)となります。
LU内の各Devに,0~7の順に付けられる番号です。Solarisではスライス番号と呼ばれています。HDLMは,DevをLU単位で管理するため,該当するDev番号はありません。
(関連用語:Dev)
FCode
マシンに依存しないインタプリタ言語で書かれているプログラムです。ブートディスクを接続できるHBAには,そのためのFCodeが組み込まれている場合があります。
HBA(Host Bus Adapter)
ホストと外部装置を接続するインタフェースとなるデバイスです。
このマニュアルでは,ホストとストレージ間をSCSIまたはFCで接続するときに,ホストに搭載するインタフェース・カードを指します。
HDLMアラートドライバ
HDLMドライバが検知した障害情報を受け取り,HDLMマネージャに通知するプログラムです。
HDLMドライバ
HDLMの機能の制御,パスの管理,および障害検知をするプログラムです。
HDLMネクサスドライバ
HDLMドライバのインスタンスを管理するプログラムです。HDLMネクサスドライバは,HDLMが管理するsdまたはssdドライバが接続されているHBAのポートごとに,HDLMドライバのインスタンスを管理します。
HDLMマネージャ
障害情報を管理するプログラムです。HDLMアラートドライバから障害情報を受け取って,障害ログを採取します。
LDEV(Logical Device)
LDEVは,ストレージシステムの製品名称,シリアル番号,および内部LUを組み合わせた値で表示されます。HDLMは,この値によってLUを識別しています。
LU(Logical Unit)
論理ユニットです。ストレージシステム側で定義した,論理的なボリュームです。ホストからの入出力対象となります。
(関連用語:ホストLU)
SAN(Storage Area Network)
ホストとストレージシステムを結ぶ高速ネットワークです。LANとは独立していて,データ転送専用に使用されます。SANを使用することで,ストレージシステムへのアクセスを高速化できます。また,大容量のデータが流れてLANの性能が劣化することを防げます。
SCSIデバイス
SCSIディスクのデバイスです。
SLPR(Storage Logical Partition)
Hitachi USPシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,およびVirtual Storage Platformシリーズがサポートするストレージシステムの論理的な分割機能です。この機能を使用すると,ストレージシステム内のリソース(ポート,CLPR,ボリュームなど)を分割するため,それぞれのリソースを独立して管理できます。
(ア行)
エミュレーションタイプ
ホストからアクセスできるLUの種類です。
HDLMのホストはオープン系ホスト(PC,またはUNIX)であるため,HDLMのホストからは,オープン系のエミュレーションタイプを持つLUにだけアクセスできます。
ストレージシステムがサポートするエミュレーションタイプの詳細については,各ストレージシステムの保守マニュアルを参照してください。
オーナコントローラ
SANRISE9500Vシリーズ,またはHitachi AMS/TMS/WMSシリーズを使用している場合,ストレージシステム側でLUのオーナコントローラに設定したコントローラです。
オーナコントローラ以外のコントローラは,ノンオーナコントローラと呼びます。
SANRISE2000シリーズ,SANRISE9900Vシリーズ,Hitachi USPシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Virtual Storage Platformシリーズ,Hitachi AMS2000シリーズ,Hitachi SMSシリーズ,HUS100シリーズ,またはHUS VMを使用している場合には,すべてのコントローラがオーナコントローラになります。
(関連用語:オーナパス,ノンオーナコントローラ)
オーナパス
SANRISE9500Vシリーズ,またはHitachi AMS/TMS/WMSシリーズを使用している場合,ストレージシステム側でLUのオーナコントローラに設定したコントローラを経由するパスです。オーナコントローラ以外のコントローラを経由するパスをノンオーナパスと呼びます。
SANRISE2000シリーズ,SANRISE9900Vシリーズ,Hitachi USPシリーズ,Universal Storage Platform V/VMシリーズ,Virtual Storage Platformシリーズ,Hitachi AMS2000シリーズ,Hitachi SMSシリーズ,HUS100シリーズ,またはHUS VMを使用している場合には,すべてのパスがオーナパスになります。
(関連用語:オーナコントローラ,ノンオーナパス)
注※ ダイナミックI/Oパスコントロール機能を無効にしているときに対象になります。
(カ行)
間欠障害
ケーブルの接触不良などが原因で,断続的に発生する障害です。
クラスタ
同一のOS,またはプラットフォーム(同一のアプリケーションを動作できる環境)を持つ2台以上のホストを接続して,1つのシステムとして扱うシステムです。
(サ行)
自動フェイルバック
一定間隔でパスの状態を確認し,障害が発生したパスの状態が回復したときに,パスの状態を自動的に稼働状態にする機能です。
「Offline(E)」状態,または「Online(E)」状態だったパスが正常に戻った場合,パスの状態を「Online」にします。
自動フェイルバックの対象となるのは,障害が原因で「Offline(E)」状態,または「Online(E)」状態になっているパスです。offlineオペレーションを実行して「Offline(C)」状態になったパスは,自動フェイルバックの対象になりません。offlineオペレーションについては,「6.4 offline パスを閉塞状態にする」を参照してください。
(タ行)
動的再構成
ホストを再起動しないで,構成変更したHDLMデバイスをHDLMに認識させる再構成です。
(ナ行)
ノード
クラスタメンバのサーバです。
ノンオーナコントローラ
オーナコントローラ以外のコントローラです。
ノンオーナコントローラは,SANRISE9500Vシリーズ,またはHitachi AMS/TMS/WMSシリーズを使用している場合にだけあります。
(関連用語:オーナコントローラ,ノンオーナパス)
ノンオーナパス
オーナコントローラ以外のコントローラを経由するパスです。
ノンオーナパスは,SANRISE9500Vシリーズ,またはHitachi AMS/TMS/WMSシリーズを使用している場合にだけあります。
(関連用語:オーナパス,ノンオーナコントローラ)
(ハ行)
パス
ホストからストレージシステムへのアクセス経路です。ホスト側のHBAと,ストレージシステム側のCHAを結ぶケーブルを経由して,ストレージシステム側のLU内の領域にアクセスします。
各パスには「パス管理PATH_ID」が付けられています。
(関連用語:パス管理PATH_ID)
パス管理PATH_ID
HDLMがシステム起動時にパスに付けるIDです。すべてのパスが固有のパス管理PATH_IDを持ちます。
(関連用語:パス)
パスヘルスチェック
一定間隔でパスの状態を確認する機能です。
「Online」状態だったパスに障害が発生した場合,パスの状態を「Offline(E)」にします。パスヘルスチェックの対象となるのは,「Online」状態のパスです。
パス名
次に示す4つの項目をピリオドで区切って表される名前です。
・ホストポート番号(16進数)
・バス番号(16進数)
・ターゲットID(16進数)
・ホストLU番号(16進数)
パス名で物理パスを特定してください。
(関連用語:ホストLU番号)
ブートディスク環境
ブートディスクをホストではなくストレージシステムに置く環境です。
フェイルオーバ
あるパスに障害が発生したときに,ほかの正常なパスに切り替えてシステムの運用を続ける機能です。
フェイルバック
障害が発生していたパスが障害から回復したときに,障害から回復したパスの状態を稼働状態にして,パスを切り替える機能です。
物理デバイスファイル
/devices下のデバイスファイルです。
物理パス
ホストからLUまでのアクセス経路です。物理パスは,パス名で特定してください。
ホスト
サーバ,およびクライアントの総称です。
ホストLU
ホストが認識するLUです。
各ホストLUには「ホストLU番号」が付けられています。
(関連用語:LU,ホストLU番号,ホストデバイス)
ホストLU番号
ホストLUに付けられている番号です。パス名の一部になります。
(関連用語:ホストLU,パス名)
ホストデバイス
ホストLU内の領域です。
(関連用語:ホストLU,ホストデバイス名)
ホストデバイス名
ホストデバイスに付けられている名前です。ホストデバイス名には,HDLMデバイスの論理デバイスファイル名が割り当てられます。「cUtXdY」の形式で,ホストデバイス名が割り当てられます。
cUtXdYの各変数の意味は,次のとおりです。
U:HDLMが予約したコントローラ番号
X:HDLMデバイスに対応するsdまたはssdデバイスのターゲットIDまたはWorld Wide Name
Y:HDLMデバイスに対応するsdまたはssdデバイスのLUN
(関連用語:ホストデバイス)
(ラ行)
リザーブ
あるホストが1つのLUを占有したい場合,そのLUに対して占有を宣言し,ほかのホストからLUにアクセスできないように保護する機能です。リザーブを発行したホストには,そのリザーブを発行したパスにLUへのアクセス許可が与えられるため,複数のパスで同時にLUにアクセスできません。そのため,ロードバランスはできません。
ローカルブートディスク環境
ブートディスクをホストに置く環境です。
ロードバランス
LU内の領域にアクセスするパスが複数ある場合,それらの複数のパスを使用してI/Oを行うことで,パスに掛かる負荷を分散する機能です。
次に示す6つのアルゴリズムがあります。
・ラウンドロビン
・拡張ラウンドロビン
・最少I/O数
・拡張最少I/O数
・最少ブロック数
・拡張最少ブロック数
論理デバイスファイル
/dev/dskおよび/dev/rdsk下にあるデバイスファイルです。
ここでいう「論理デバイス」はLDEVではありません。