3.18.3 HDLMのアンインストール
- この項の構成
- (1) ローカルブートディスク環境からアンインストールする場合
- (2) ブートディスク環境からアンインストールする場合
- (3) LDoms環境からのアンインストール
(1) ローカルブートディスク環境からアンインストールする場合
HDLMのアンインストール時にKAPL09019-E,KAPL09020-Eのメッセージが出力された場合は,「3.18.5 Hitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib2)のアンインストール」の手順に従って,HNTRLib2をアンインストールしてください。ただし,KAPL09026-Iのメッセージが出力された場合は,HDLM以外のプログラムがHitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib2)を使用しているので,HDLMだけがアンインストールされます。
- 注意事項
- Solarisに,root権限を持つユーザでログインします。
- 次に示すコマンドを実行して,HDLMをアンインストールします。
- Solaris 8,Solaris 9,またはSolaris 10の場合
# pkgrm DLManager
- Solaris 11の場合
# /opt/DynamicLinkManager/bin/removehdlm
- 次に示すメッセージが表示されるので,「y」を入力します。
次のパッケージは現在インストールされています:
DLManager Dynamic Link Manager
(sparc) xx.x.x.xxxx
このパッケージを削除しますか [y,n,?,q]
- 次に示すメッセージが表示されるので,「y」を入力します。
このパッケージには,パッケージの削除の処理中にスーパーユーザのアクセス権で実行されるスクリプトが含まれています。
このパッケージの削除処理を継続しますか [y,n,?,q]
アンインストールが開始されます。
- 04-00以前のHDLMをアンインストールする場合,手動でHitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib)をアンインストールします。
HDLM以外に,HNTRLibを使用しているプログラムがない場合は,「3.18.6 Hitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib)のアンインストール」の手順に従って,HNTRLibをアンインストールしてください。
- 再構成オプションを指定してホストを再起動します。
- Sun Clusterを使用していない場合
- 次のコマンドのどちらかを実行してください。
- # reboot -- -r
- okプロンプトで,boot -r
- Sun Clusterを使用している場合
- 任意の1台のノードで,次のコマンドを実行してください。
# /usr/cluster/bin/scshutdown -g0 -y
そのあと,すべてのノードで次に示すコマンドを実行してください。
okプロンプトで,boot -r
- 注意事項
- ノードの起動中に次のメッセージがコンソール画面やsyslogに出力されることがあります。
- Could not stat: ../../devices/pseudo/dlmndrv@1/dlmfdrv@0,0:c,raw path not loaded.
- このメッセージは,HDLMをアンインストールしHDLMデバイスを削除したために出力されます。次回のノードの起動時にこのメッセージを出力しないようにするためには,「3.18.4 HDLMをアンインストールしたあとの設定」の「(4) Sun Clusterの設定」に記載されている,手順1から手順4を参照してデバイスID情報を更新してください。詳細は,Sun Clusterのマニュアルを参照してください。
(2) ブートディスク環境からアンインストールする場合
- 「3.8 ブートディスク環境からローカルブートディスク環境への移行」に示す手順に従って,ローカルブートディスク環境に移行します。
- 「(1) ローカルブートディスク環境からアンインストールする場合」に示す手順に従って,HDLMをアンインストールします。
(3) LDoms環境からのアンインストール
ここでは,I/OドメインからHDLMをアンインストールする手順について説明します。
HDLMアンインストール前の構成例を次の図に示します。
図3-34 構成例(アンインストール前)
![[図]](graphics/sj04s500.gif)
- 注※
- 仮想ディスクバックエンドは,仮想ディスクのデータの格納場所です。バックエンドには,ディスク,ディスクスライス,ファイル,またはボリューム(ZFS,SVM,VxVMなど)を使用できます。
制御ドメインは内蔵ディスク上のinstall_diskファイルを仮想ディスクバックエンドとして登録します。I/Oドメインはこのディスクを仮想ディスクとして認識します。この仮想ディスクのデバイス名は「/dev/[r]dsk/c0d0」となります。また,I/Oドメインでは,ストレージシステムのディスクのHDLMデバイスを仮想ディスクバックエンドとして登録します。ゲストドメインはこのディスクを仮想ディスクとして認識します。
この構成例では,「/dev/dsk/c4t50060E8010027A82d0s2」および「/dev/dsk/c4t50060E8010027A82d1s2」がHDLMデバイスです。
LDomsドメインの設定例を次の表に示します。
表3-37 LDomsドメイン設定例
ドメイン名 | ドメインの種類 | ブートデバイス | 仮想ディスクバックエンドのエクスポート |
---|
primary | 制御ドメイン(I/Oドメイン,サービスドメインを含む) | 内蔵ディスク | vol1: /install_disk (I/Oドメインのローカルブートディスク用) |
ldg1 | I/Oドメイン(サービスドメインを含む) | vol1@primary-vds0 | vol1: /dev/dsk/c4t50060E8010027A82d0s2 (ゲストドメインのローカルブートディスク用) vol2: /dev/dsk/c4t50060E8010027A82d1s2 (ゲストドメインのデータディスク用) |
ldg2 | ゲストドメイン | vol1@ldg1-vds0 | - |
HDLMアンインストール前のLDoms環境の構成設定例を次に示します。
![[図]](graphics/sj04s510.gif)
LDomsを導入したホストからHDLMをアンインストールする手順について次に示します。
- 制御ドメインにログインします。
- ldm stopコマンドを実行してゲストドメインを停止します。
ゲストドメイン「ldg2」の停止コマンドの実行例を次に示します。
# ldm stop ldg2
- ldm unbindコマンドを実行してゲストドメインの資源のバインド(接続)を解除します。
ゲストドメイン「ldg2」の,資源のバインド(接続)の解除コマンドの実行例を次に示します。
# ldm unbind ldg2
- ldm rm-vdiskコマンドを実行してゲストドメインから仮想ディスクを削除します。
ゲストドメイン「ldg2」からの仮想ディスク「vdisk1」「vdisk2」削除コマンドの実行例を次に示します。
# ldm rm-vdisk vdisk1 ldg2
# ldm rm-vdisk vdisk2 ldg2
- ldm rm-vdsdevコマンドを実行してHDLMのインストール先のI/Oドメイン上のサービスドメインから仮想ディスクバックエンドのエクスポートを停止します。
サービスドメイン「ldg1」からの仮想ディスクバックエンド「vol1」「vol2」エクスポート停止コマンドの実行例を次に示します。
# ldm rm-vdsdev vol1@ldg1-vds0
# ldm rm-vdsdev vol2@ldg1-vds0
- I/Oドメインにログインします。
- I/OドメインからHDLMのアンインストールを実行します。
HDLMのアンインストール前に,エクスポートしていた仮想ディスクバックエンドによって,次の処理をしてください。
- 物理ディスクおよび物理ディスクスライスの場合
特に前処理はありません。
- UFS,VxFSファイルシステムの場合
ファイルシステムをアンマウントします。
- ZFSファイルシステムの場合
ZFSファイルシステムをエクスポートします。
- VxVMの論理ボリュームの場合
ディスクグループをデポートします。
- SVMの論理ボリュームの場合
ボリュームグループの設定を解除します。
HDLMのアンインストールについては「3.18.3 HDLMのアンインストール」の「(1) ローカルブートディスク環境からアンインストールする場合」で説明しているアンインストール手順に従って操作を進めてください。
HDLMをアンインストールしたあと,仮想ディスクバックエンドにするボリュームグループおよびファイルシステムを回復します。
- 制御ドメインでldm add-vdsdevコマンドを実行して,HDLMのインストール先のI/Oドメイン上サービスドメインから仮想ディスクバックエンドをエクスポートします。
サービスドメイン「ldg1」からの仮想ディスクバックエンド「vol1」「vol2」エクスポートコマンドの実行例を次に示します。
# ldm add-vdsdev /dev/dsk/c2t50060E8010027A82d0s2 vol1@ldg1-vds0※
# ldm add-vdsdev /dev/dsk/c2t50060E8010027A82d1s2 vol2@ldg1-vds0※
- 注※
- 「/dev/dsk/c2t50060E8010027A82d0s2」および「/dev/dsk/c2t50060E8010027A82d1s2」は,移行後のsdまたはssdデバイス名です
- 制御ドメインでldm add-vdiskコマンドを実行して,仮想ディスクバックエンドをゲストドメインに割り当てます。
サービスドメイン「ldg1」からエクスポート済みの仮想ディスクバックエンド「vol1」「vol2」をゲストドメイン「ldg2」へ割り当てるコマンドの実行例を次に示します。
# ldm add-vdisk vdisk1 vol1@ldg1-vds0 ldg2
# ldm add-vdisk vdisk2 vol2@ldg1-vds0 ldg2
- 制御ドメインでldm bindコマンドを実行して,ゲストドメインの資源をバインド(接続)します。
ゲストドメイン「ldg2」の資源をバインド(接続)するコマンドの実行例を次に示します。
# ldm bind ldg2
- 制御ドメインでldm startコマンドを実行して,ゲストドメインを起動します。
ゲストドメイン「ldg2」の起動コマンドの実行例を次に示します。
# ldm start ldg2
HDLMアンインストール後の構成例を次の図に示します。
図3-35 構成例(アンインストール後)
![[図]](graphics/sj04s520.gif)
- 注※
- 仮想ディスクバックエンドは,仮想ディスクのデータの格納場所です。バックエンドには,ディスク,ディスクスライス,ファイル,またはボリューム(ZFS,SVM,VxVMなど)を使用できます。
この構成例では,「/dev/dsk/c2t50060E8010027A82d0s2」および「/dev/dsk/c2t50060E8010027A82d1s2」がsdまたはssdデバイスです。