Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Solaris®用)
- -d 出力先ディレクトリ名
- dlmsetconfユティリティが作成する構成定義ファイルを出力するディレクトリ名を指定します。指定するディレクトリ名は絶対パスで指定してください。マルチバイト文字は指定できません。出力先ディレクトリ名を省略した場合は,/kernel/drvに構成定義ファイルを作成します。出力先ディレクトリを作成してから,ユティリティを実行してください。
- -c
- -tパラメタで使用するストレージシステム移行用情報定義ファイルの整合性をチェックします。ストレージシステム移行用情報定義ファイルを読み込み,既存のdlmfdrv.confと移行後の物理パスリスト(ストレージシステムの情報)をストレージシステム移行用情報定義ファイルと比較し,実行結果をファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.conf_check)に出力します。構成定義ファイルは作成されません。
- -r
- 既存の構成定義ファイルの定義を無効にして,新規に構成定義ファイルとHDLMドライバ非構成定義ファイルを作成する場合に指定します。このパラメタを省略した場合,既存の構成定義ファイルとHDLMドライバ非構成定義ファイルの定義情報を引き継ぎ,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)に対しては構成変更部分の追加,削除を行い,HDLMネクサスドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmndrv.conf)に対しては構成変更部分の追加を行います。
- SDS,またはSVMを使用する場合は,-rパラメタを指定しないでください。HDLMデバイスの構成変更によって,インスタンス番号,つまりHDLMデバイスのマイナー番号が変わると,メタデバイスやボリュームが使用できなくなります。-rパラメタを使用しなければ,既存の構成定義ファイルに定義されているインスタンス番号が維持されるため,ストレージシステムの構成を変更しても,メタデバイスやボリュームを引き続き使用できます。
- 注意事項
- -rパラメタを指定してdlmsetconfユティリティを実行後,再構成オプションを指定してホストを再起動すると,新しい論理デバイスファイルが作成されることがあります。この場合,古い方の論理デバイスファイルを削除してください。
- -u
- HDLM管理対象外にするLUを示すHDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)の内容に従って,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)内の既存エントリ中のHDLM管理対象かどうかを示す属性値だけを更新します。再構成オプションを指定してホストを起動したときに,HDLM管理対象かどうかを示す属性値がシステムに反映されます。
- -uパラメタ指定時には,LUの追加または削除などのシステム構成変更があった場合でも,エントリの追加または削除は行われません。-uパラメタを指定してdlmsetconfユティリティを実行した結果,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)内のHDLM管理対象かどうかを示す属性値に変化がない場合,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)は更新されません。HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)がない場合や,HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)内に無効なエントリがある場合はエラーとなります。
- -t
- 既存のdlmfdrv.confのdevice-nameプロパティ(論理デバイス名)を,移行先のLUのdevice-nameプロパティ(論理デバイス名)に引き継ぐことで,ストレージシステムが移行されてもHDLMの論理デバイス名をそのまま維持できます。
- -tパラメタだけを指定した場合(ストレージシステム移行用情報定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmmiginfo.conf)を使用しない場合)
- 既存のdlmfdrv.confのホストLUNと,移行後のストレージシステムのホストLUNが同じときだけ論理デバイス名を引き継ぎます。ただし,移行前または移行後のストレージシステムでホストLUNが重複している場合は,論理デバイス名引き継ぎ機能は未サポートです。
- -tパラメタを指定し,かつストレージシステム移行用情報定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmmiginfo.conf)を使用した場合
- ストレージシステム移行用情報定義ファイルに記載されている移行前後のストレージシステムおよびLU情報を,既存のdlmfdrv.confおよび移行後のストレージシステムの情報と比較して,一致したLUの論理デバイス名だけを引き継ぎます。
- (例1)パラメタを省略した場合
- /kernel/drvディレクトリ内に,構成定義ファイルを作成します。すでに構成定義ファイルが作成されている場合は定義情報を引き継ぎ,構成変更部分を追加,削除します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf
- (例2)-dパラメタを指定した場合
- /tmpディレクトリ内に,構成定義ファイルを作成します。
# mkdir /tmp/dlmdir # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -d /tmp/dlmdir
- (例3)-rパラメタを指定した場合
- /kernel/drvディレクトリ内に,構成定義ファイルを新規作成します。既存ファイルがあっても定義情報を引き継ぎません。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -r
- (例4)-u パラメタを指定した場合
- HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)の定義内容に従って,HDLM管理対象から外すLUを定義します。
# /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -u
- dlmsetconfユティリティを実行すると,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)にはLU単位でsdまたはssdデバイスが定義されます。
- dlmsetconfユティリティを実行すると,KAPL10242-Iのメッセージが出力されます。KAPL10242-Iのメッセージに対して「y」を入力すると,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)とHDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)とHDLMネクサスドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmndrv.conf)を作成または更新します。「n」を入力すると,これらの定義ファイルの作成または更新を中止します。
- dlmsetconfユティリティを実行したあとで,再構成オプションを指定してホストを再起動すると,HDLMに管理されるsdまたはssdデバイスの論理デバイスファイルが削除されます。
- HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)およびHDLMネクサスドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmndrv.conf)は編集できません。これらの構成定義ファイルを編集した場合,HDLMデバイスの論理デバイスファイルが正しく作成されないことがあります。
- /kernel/drvディレクトリ,または指定したディレクトリにdlmfdrv.confおよびdlmndrv.confという名前のファイルがある場合には,dlmfdrv.conf.bakおよびdlmndrv.conf.bakと名前を変換して1世代前の構成定義ファイルを保存します。さらに,/opt/DynamicLinkManager/configディレクトリまたは指定したディレクトリにdlmfdrv.unconfという名前のファイルがある場合には,既存のdlmfdrv.unconfをdlmfdrv.unconf.bakと名前を変換して一世代まで保存します。
- -dパラメタを指定した場合でも,既存の定義情報は,指定したディレクトリのdlmfdrv.confおよびdlmndrv.confファイルではなく,/kernel/drv/dlmfdrv.confおよび/kernel/drv/dlmndrv.confファイルから読み込みます。
- dlmsetconfユティリティの実行時に,新しく追加されたパスが検知された場合,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)にはパスを追加したLUに,エントリの定義が追加されます。また,削除されたパスがある場合,該当するLUの定義からエントリの定義を削除します。パスが追加された場合でも,削除された場合でも,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)を新規作成しないかぎり,既存のインスタンス番号は引き継がれます。
- dlmsetconfユティリティの実行時に,新しく追加されたHBAにストレージシステムが接続されていることが検知された場合,HDLMネクサスドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmndrv.conf)には追加したHBAのエントリの定義が追加されます。また,日立製ストレージシステムが接続されていたHBAが削除された場合でもそのエントリは引き継がれます。HDLMネクサスドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmndrv.conf)を新規作成しないかぎり,既存のインスタンス番号は引き継がれ,エントリは削除されることはありません。
- 構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.confおよび/kernel/drv/dlmndrv.conf)がない場合は,-rパラメタの指定に関係なく構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.confおよび/kernel/drv/dlmndrv.conf)を新規作成します。
- LUを削除した場合,dlmsetconfユティリティを実行する前に/dev/dsk,または/dev/rdskディレクトリ内にある,削除したLUに対応するHDLMデバイスの論理デバイスファイルを削除してください。削除したLUに対応するHDLMデバイスの論理デバイスファイルを削除しないでdlmsetconfユティリティを実行すると,formatコマンドの実行時,新しく認識したLUが削除したLUのHDLMデバイスの論理デバイスファイル名で表示されることがあります。
- SDSまたはSVMを使用している場合,パスの構成を変更してdlmsetconfユティリティを実行するときは,-rパラメタを指定しないでください。-rパラメタを指定して実行すると,メタデバイスやボリュームが使用できなくなります。
- -uパラメタを指定してdlmsetconfユティリティを実行した場合,HDLM管理対象のデバイスに変更がない場合,HDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)のunconfプロパティの更新はしません。また,更新されたHDLMドライバ構成定義ファイル(/kernel/drv/dlmfdrv.conf)が有効となるのは,再構成オプションを指定してホストを再起動したあとになります。
- HDLM管理対象外のデバイスを管理対象にする場合は,HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)の管理対象にしたいLUの定義のうち,LDEV行をコメントアウト(先頭に「#」を付ける)して,再構成オプションを指定してホストを再起動してください。
- デバイスをHDLMの管理対象外または管理対象とする場合には,HDLMドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)を編集したあと,-uオプションを指定してdlmsetconfユティリティを実行する前に,ホストを再起動しないでください。
- dlmsetconfユティリティを実行して,次のメッセージが出力されたときは,SCSIドライバからデバイスIDが取得できない状態になっています。この場合,ホストの再起動を行ったあと,再度dlmsetconfユティリティを実行してください。
KAPL10237-E The property information (devid) on a device (aa...aa) could not be collected.aa...aa:sdまたはssdデバイス名
SCSIドライバからデバイスIDが取得できない場合,詳細は,My Oracle Support (https://support.oracle.com/)のBug ID 4897065のバグレポートを参照してください。このバグレポートの参照にはMy Oracle Supportのアカウントが必要です。
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