Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Solaris®用)

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4.5.8 ストレージシステム移行時の論理デバイス名の引き継ぎ

この項では,ストレージシステム移行時の論理デバイス名の引き継ぎについて説明します。なお,ボリュームマネージャがSVMまたはVxVMの場合は,ストレージシステム移行時の論理デバイス名を引き継ぐことはできません。

ストレージシステム移行時に論理デバイス名を引き継ぐには次の2とおりの方法があります。

ストレージシステム移行時の論理デバイス名を引き継ぐ手順を次に示します。

  1. 移行後のストレージシステムの設定を行い,移行前のストレージシステムのLUを移行後のストレージシステムのLUへコピーします。
    ストレージシステム移行用情報定義ファイルを使用する場合は,「7.7.3 ストレージシステム移行用情報定義ファイルの定義内容」を参照し,あらかじめ作成しておいてください。
  2. 移行前の環境でdlmsetconfユティリティを実行し,構成定義ファイルを更新します。
  3. ストレージシステム移行用情報定義ファイルの使用有無に応じて,次の内容を確認してください。

    ストレージシステム移行用情報定義ファイルを使用しない場合
    ストレージシステム移行用情報定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/ dlmmiginfo.conf)がないことを確認します。

    ストレージシステム移行用情報定義ファイルを使用する場合
    ストレージシステム移行用情報定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/ dlmmiginfo.conf)が作成されていることを確認します。
  4. 移行前のストレージシステムのLUについて設定を解除します(アンマウント,ボリュームマネージャの設定解除,DBMSなどの各種アプリケーションのディスク設定解除)。
  5. 移行前のストレージシステムのLUについて,ストレージシステム,FC-SW,ホストとストレージシステム間の接続ケーブル,およびHBAドライバの構成を変更し,削除するLUを該当ホストから切り離します。
  6. スイッチなどを設定して,移行後のストレージシステムのLUをOSに認識させます。
    # cfgadm -c configure ap_id
    
    ap_idcfgadm -al コマンドを実行して,表示される構成できるハードウェア情報の一覧で確認してください。
    コマンドの実行例を次に示します。
     
    # cfgadm -al
    Ap_Id              Type         Receptacle      Occupant           Cond
    system:slot0       cpu/mem      connected       configured         ok
    system:slot1       sbus-upa     connected       configured         ok
    
  7. formatコマンドを実行して,新しく認識されたLUが表示されていることを確認してください。また,そのLUにディスクラベルが設定されていることも確認してください。
     # format 
    
    ストレージシステム移行用情報定義ファイルを使用しない場合は,手順9に進んでください。
  8. dlmsetconfユティリティを実行し,ストレージシステム移行用情報定義ファイルの整合性をチェックします。
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -c 
    
    ストレージシステム移行用情報定義ファイルに問題がある場合は,再作成したあと手順9から開始してください。
  9. dlmsetconfユティリティを実行し,構成定義ファイルを更新します。
    # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -t
    
    ストレージシステム移行用情報定義ファイルが存在する場合,ストレージシステム移行用情報定義ファイルに存在しないLUの扱いを問い合わせるメッセージが出力されるので,「y」または「n」で応答します。
    y:ストレージシステム移行用情報定義ファイルに存在しないLUは,移行前後でホストLUNの一致を条件に論理デバイス名を引き継ぐ(ストレージシステム移行用情報定義ファイルなしと同じ条件で論理デバイス名の移行を行う)。
    n:ストレージシステム移行用情報定義ファイルに存在しないLUは,論理デバイス名の引き継ぎはしないで,新しく論理デバイス名を作成する。
  10. 新しく認識されたLUの中にHDLMの管理対象外として設定するLUがある場合は,HDLM ドライバ非構成定義ファイル(/opt/DynamicLinkManager/config/dlmfdrv.unconf)を編集したあとに,dlmsetconfユティリティを-uパラメタで実行して構成定義ファイルを更新します。
     # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmsetconf -u 
    
  11. dlmcfgmgrユティリティを実行し,追加されたLUをHDLMに認識させます。
     # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlmcfgmgr -a 
    
  12. 追加したLUにアクセスするパスの状態を確認します。
     # /opt/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -path 
    
  13. 追加したLUなどに関する上位ソフトウェアの設定を行います。

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