7.11.3 インストール情報設定ファイルの編集方法

ここでは,インストール情報設定ファイルの編集方法について説明します。

この項の構成
(1) インストール情報設定ファイルの記述規則
(2) インストール情報設定ファイルの定義内容

(1) インストール情報設定ファイルの記述規則

インストール情報設定ファイルを編集する場合の記述規則を次に示します。

(2) インストール情報設定ファイルの定義内容

インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。

セクション[INSTALLATION_SETTINGS]

installhdlmユティリティの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。

セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-11 セクション[INSTALLATION_SETTINGS]のキー

キー名説明定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストールまたは再インストール
licensekeyfile※1ライセンスキーファイルが「*.plk」形式で提供されている場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。
デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。
省略可※2省略可※21024
licensekey※1ライセンスキーファイルを次のコマンドで作成した場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。
# echo "ライセンスキー" > "ライセンスキーファイル"
デフォルトは「/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyキーと設定値を削除してください。
省略可※2省略可※21024
driver_configHDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行います(デフォルト)。
n:HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行いません。
省略可省略可1
restartインストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:再起動します。
n:再起動しません(デフォルト)。
IP-SAN環境にインストールする場合は,「n」を指定してください。
省略可省略可1
(凡例)
省略可:キーと設定値を記載しない場合は,デフォルト値を使用します。
ただし,アップグレードインストールまたは再インストールの場合,licensekeyfileキーとlicensekeyキーは以前のライセンス情報が引き継がれます。
注※1
どちらにも値を指定しなかった場合は,次に示すファイルが順に読み込まれます。
  1. ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license
  2. ライセンスキーが記載されたファイル(/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key
なお,新規インストールの場合でこれらのファイルが存在しないときは,KAPL09011-EおよびKAPL09212-Eのメッセージが出力されます。
licensekeyキーまたはlicensekeyfileキーを指定した場合,指定したファイルはinstallhdlmユティリティの実行後に削除されません。どちらにも値を指定しなかった場合,ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license)またはライセンスキーが記載されたファイル(/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key)はinstallhdlmユティリティの実行後に削除されます。
注※2
HDLMを新規インストールする場合,またはライセンスの有効期限が過ぎている状態でアップグレードインストールする場合は,ライセンスキーファイルを用意してください。

セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]

HDLMの設定情報を定義します。このセクションは省略できます。このセクションの定義を省略した場合,次のようになります。

セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-12 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー

キー名※1説明※2定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストール
または再インストール
load_balanceロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
load_balance_typeロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。
rr:ラウンドロビン
exrr:拡張ラウンドロビン
lio:最少I/O数
exlio:拡張最少I/O数(デフォルト)
lbk:最少ブロック数
exlbk:拡張最少ブロック数
省略可省略可5
load_balance_same_path_use_timesロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「32」です。
省略可省略可6
lbex_usetimes_limitロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。
省略可省略可6
error_log_level障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。
省略可省略可1
error_log_size障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~2000000​」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。
省略可省略可7
error_log_number障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。
省略可省略可2
trace_levelトレースの出力レベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。
省略可省略可1
trace_file_sizeトレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。
省略可省略可5
trace_file_numberトレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。
省略可省略可2
path_health_checkパスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
path_health_check_intervalパスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。
省略可省略可4
auto_failback障害パスの自動フェイルバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
auto_failback_intervalパスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。
省略可省略可4
intermittent_error_monitor※3間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
intermittent_error_monitor_interval間欠障害の監視時間を分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。
デフォルトは「30」です。
省略可省略可4
intermittent_error_monitor_number障害の発生回数を指定します。
発生回数は,「1~99」の値を設定できます。
デフォルトは「3」です。
省略可省略可2
dynamic_io_path_controlダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効,または無効にするかを次の値で指定します。なお,この機能を設定するとストレージシステム単位またはLU単位の設定はクリアされます。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
dynamic_io_path_control_intervalダイナミックI/Oパスコントロール機能の,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報の見直しチェック間隔を,分単位で指定します。※4
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「10」です。
省略可省略可4
(凡例)
省略可:キーと設定値を記載しない場合は,デフォルト値を使用します。
注※1
アップグレードインストールまたは再インストールする場合にキーが指定されていないときは,設定値が引き継がれます。
注※2
設定する機能の詳細については,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
注※3
次に示す場合だけ,キーを指定できます。
  • 新規インストールの場合
    インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定している。
  • アップグレードインストールまたは再インストールの場合
    インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定しているか,またはインストール前の設定で,自動フェイルバック機能を有効にしている。
注※4
ダイナミックI/Oパスコントロール機能の有効,または無効に関わらずチェック間隔を設定できます。

インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。

[INSTALLATION_SETTINGS]
licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license
licensekey=/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key
driver_config=y
restart=n

[ENVIRONMENT_SETTINGS]
load_balance=on
load_balance_type=exlio
load_balance_same_path_use_times=32
lbex_usetimes_limit=100
error_log_level=3
error_log_size=9900
error_log_number=2
trace_level=0
trace_file_size=1000
trace_file_number=4
path_health_check=on
path_health_check_interval=30
# auto_failback=off
# auto_failback_interval=1
# intermittent_error_monitor=off
# intermittent_error_monitor_interval=210
# intermittent_error_monitor_number=3
# dynamic_io_path_control=off
# dynamic_io_path_control_interval=10