ここでは,インストール情報設定ファイルの編集方法について説明します。
(1) インストール情報設定ファイルの記述規則
インストール情報設定ファイルを編集する場合の記述規則を次に示します。
(2) インストール情報設定ファイルの定義内容
インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]
installhdlmユティリティの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-11 セクション[INSTALLATION_SETTINGS]のキー
キー名 | 説明 | 定義の要否 | 指定できる長さ (文字) | |
---|---|---|---|---|
新規インストール | アップグレードインストールまたは再インストール | |||
licensekeyfile※1 | ライセンスキーファイルが「*.plk」形式で提供されている場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。 デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。 なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。 | 省略可※2 | 省略可※2 | 1024 |
licensekey※1 | ライセンスキーファイルを次のコマンドで作成した場合,ファイル名を絶対パス名称で指定します。 # echo "ライセンスキー" > "ライセンスキーファイル" デフォルトは「/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key」です。 なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyキーと設定値を削除してください。 | 省略可※2 | 省略可※2 | 1024 |
driver_config | HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。 y:HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行います(デフォルト)。 n:HDLMドライバのロードおよびHDLMデバイスの構成を行いません。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
restart | インストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。 y:再起動します。 n:再起動しません(デフォルト)。 IP-SAN環境にインストールする場合は,「n」を指定してください。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]
HDLMの設定情報を定義します。このセクションは省略できます。このセクションの定義を省略した場合,次のようになります。
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-12 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー
キー名※1 | 説明※2 | 定義の要否 | 指定できる長さ (文字) | |
---|---|---|---|---|
新規インストール | アップグレードインストール または再インストール | |||
load_balance | ロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 | 省略可 | 省略可 | 3 |
load_balance_type | ロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。 rr:ラウンドロビン exrr:拡張ラウンドロビン lio:最少I/O数 exlio:拡張最少I/O数(デフォルト) lbk:最少ブロック数 exlbk:拡張最少ブロック数 | 省略可 | 省略可 | 5 |
load_balance_same_path_use_times | ロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「32」です。 | 省略可 | 省略可 | 6 |
lbex_usetimes_limit | ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。 | 省略可 | 省略可 | 6 |
error_log_level | 障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。 レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
error_log_size | 障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。 サイズは,「100~2000000」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。 | 省略可 | 省略可 | 7 |
error_log_number | 障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。 ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。 | 省略可 | 省略可 | 2 |
trace_level | トレースの出力レベルを設定します。 レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
trace_file_size | トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。 サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。 | 省略可 | 省略可 | 5 |
trace_file_number | トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。 ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。 | 省略可 | 省略可 | 2 |
path_health_check | パスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 | 省略可 | 省略可 | 3 |
path_health_check_interval | パスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
auto_failback | 障害パスの自動フェイルバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
auto_failback_interval | パスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「1」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
intermittent_error_monitor※3 | 間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
intermittent_error_monitor_interval | 間欠障害の監視時間を分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。 デフォルトは「30」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
intermittent_error_monitor_number | 障害の発生回数を指定します。 発生回数は,「1~99」の値を設定できます。 デフォルトは「3」です。 | 省略可 | 省略可 | 2 |
dynamic_io_path_control | ダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効,または無効にするかを次の値で指定します。なお,この機能を設定するとストレージシステム単位またはLU単位の設定はクリアされます。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
dynamic_io_path_control_interval | ダイナミックI/Oパスコントロール機能の,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報の見直しチェック間隔を,分単位で指定します。※4 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「10」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。
[INSTALLATION_SETTINGS]
licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license
licensekey=/etc/opt/DynamicLinkManager/dlm.lic_key
driver_config=y
restart=n
[ENVIRONMENT_SETTINGS]
load_balance=on
load_balance_type=exlio
load_balance_same_path_use_times=32
lbex_usetimes_limit=100
error_log_level=3
error_log_size=9900
error_log_number=2
trace_level=0
trace_file_size=1000
trace_file_number=4
path_health_check=on
path_health_check_interval=30
# auto_failback=off
# auto_failback_interval=1
# intermittent_error_monitor=off
# intermittent_error_monitor_interval=210
# intermittent_error_monitor_number=3
# dynamic_io_path_control=off
# dynamic_io_path_control_interval=10