インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]
installhdlmユティリティの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。
セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-6 セクション[INSTALLATION_SETTINGS]のキー
キー名※1 | 説明※2 | 定義の要否 | 指定できる長さ (文字) | |
---|---|---|---|---|
新規インストール | アップグレードインストールまたは再インストール | |||
installfile_location | DVD-ROMをマウントしたディレクトリまたはDVD-ROMをコピーしたディレクトリのどちらかの中で,DLManager.bffファイルがあるディレクトリを絶対パス名称で指定します。 デフォルトは「/dev/cd0」です。 | 省略可 | 省略可 | 60 |
logdir | ログ情報のファイルを出力するディレクトリを,絶対パス名称で指定します。 デフォルトは「/var/tmp」です。ログファイルについては,「7.14.4 ログファイルについて」を参照してください。 | 省略可 | 省略可 | 60 |
licensekeyfile※3 | ホストに格納されているライセンスキーファイル名を,絶対パス名称で指定します。指定したファイルはサイレントインストール後に削除されません。 デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。 なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。 | 省略可※4 | 省略可※4 | 60 |
licensekey※3 | ホストに格納されているライセンスキーが記載されたファイルを,絶対パス名称で指定します。指定したファイルはサイレントインストール後に削除されません。 デフォルトは「/var/DLM/dlm.lic_key」です。 なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyキーと設定値を削除してください。 | 省略可※4 | 省略可※4 | 60 |
driver_config | HDLMドライバの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。 y:HDLMドライバを構成します(デフォルト)。 n:HDLMドライバを構成しません。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
restart | インストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。 y:再起動します。 n:再起動しません(デフォルト)。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
セクション[ODM_SETTINGS]
HDLM動作ODM設定ユティリティ(dlmodmset)の動作情報を定義します。このセクションは省略できます。セクション名を省略した場合,またはセクション内のキーを1つも定義しなかった場合は,dlmodmsetユティリティによる設定は行われません。
dlmodmsetユティリティについては,「7.11 dlmodmset HDLM動作ODM設定ユティリティ」を参照してください。
セクション[ODM_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-7 セクション[ODM_SETTINGS]のキー
キー名※1 | 説明※2 | 定義の要否 | 指定できる長さ (文字) | ||
---|---|---|---|---|---|
新規インストール | アップグレードインストールまたは再インストール | ||||
odm_lun_reset | LUN RESETオプションを有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 | |
odm_online_e_io_block | Online(E)状態のパスに対し,I/Oアクセスを抑止する機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 | |
odm_inquiry_log | ログ取得を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 | 省略可 | 省略可 | 3 | |
odm_inquiry_log_size | ログファイルサイズをKBで指定します。 サイズは,「100~9900」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 | |
odm_hdisk_error_check_flag | hdiskを指定する操作に対するエラーチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 | 省略可 | 省略可 | 3 | |
odm_hdlm_pbuf_count | HDLMで同時に発行できるI/Oの数を指定します。 I/Oの数は,「16384~1000000」の値を設定できます。デフォルトは「16384」です。 | 省略可 | 省略可 | 7 | |
odm_hdlm_subclass | HDLMがODMに登録したuniquetypeのSubclass(HDLM Subclass)を設定します。 node:HDLM Subclassにnodeを設定します(デフォルト)。 fcp:HDLM Subclassにfcpまたはscsi を設定します。 | 省略可 | 省略可 | 4 | |
odm_io_statistics | HDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含むかを次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 | |
odm_npiv_option | NPIV オプションを有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 | |
odm_os_error_log | OSエラーログへHDLMのメッセージを出力するかどうかを,次の値で指定します。 on:出力する off:出力しない(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]
HDLMコマンドのsetオペレーションでの動作情報を定義します。このセクションは省略できます。セクション名を省略した場合,またはセクション内のキーを1つも記載しなかった場合は,HDLMコマンドのsetオペレーションによる設定は行われません。
setオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。
表7-8 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー
キー名※1 | 説明※2 | 定義の要否 | 指定できる長さ (文字) | |
---|---|---|---|---|
新規インストール | アップグレードインストールまたは再インストール | |||
load_balance | ロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 | 省略可 | 省略可 | 3 |
load_balance_type | ロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。 rr:ラウンドロビン exrr:拡張ラウンドロビン lio:最少I/O数 exlio:拡張最少I/O数(デフォルト) lbk:最少ブロック数 exlbk:拡張最少ブロック数 | 省略可 | 省略可 | 5 |
load_balance_same_path_use_times | ロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「20」です。 | 省略可 | 省略可 | 6 |
lbex_usetimes_limit | ロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。 回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。 | 省略可 | 省略可 | 6 |
error_log_level | 障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。 レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
error_log_size | 障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。 サイズは,「100~2000000」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。 | 省略可 | 省略可 | 7 |
error_log_number | 障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。 ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。 | 省略可 | 省略可 | 2 |
trace_level | トレースの出力レベルを設定します。 レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。 | 省略可 | 省略可 | 1 |
trace_file_size | トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。 サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。 | 省略可 | 省略可 | 5 |
trace_file_number | トレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。 ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。 | 省略可 | 省略可 | 2 |
path_health_check | パスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効(デフォルト) off:無効 | 省略可 | 省略可 | 3 |
path_health_check_interval | パスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
auto_failback | 障害パスの自動フェイルバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
auto_failback_interval | パスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「60」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
intermittent_error_monitor※3※4 | 間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
intermittent_error_monitor_interval※4 | 間欠障害の監視時間を分単位で指定します。 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「210」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
intermittent_error_monitor_number※4 | 間欠障害と見なす障害の発生回数を指定します。 発生回数は,「1~99」の値を設定できます。デフォルトは「3」です。 | 省略可 | 省略可 | 2 |
reserve_level | ディスクに対するリザーブレベルを設定します。 0:リザーブ無視 2:パーシステントリザーブ(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 1 |
dynamic_io_path_control | ダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効,または無効にするかを次の値で指定します。なお,この機能を設定するとストレージシステム単位またはLU単位の設定はクリアされます。 on:有効 off:無効(デフォルト) | 省略可 | 省略可 | 3 |
dynamic_io_path_control_interval | ダイナミックI/Oパスコントロール機能の,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報を見直すチェック間隔を,分単位で指定します。※5 チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「10」です。 | 省略可 | 省略可 | 4 |
インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。
[INSTALLATION_SETTINGS]
installfile_location=/dev/cd0
logdir=/var/tmp
licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license
licensekey=/var/DLM/dlm.lic_key
driver_config=y
restart=n
[ODM_SETTINGS]
odm_lun_reset=off
odm_online_e_io_block=off
odm_inquiry_log=on
odm_inquiry_log_size=1000
odm_hdisk_error_check_flag=on
odm_hdlm_pbuf_count=16384
odm_hdlm_subclass=node
odm_io_statistics=off
odm_npiv_option=off
odm_os_error_log=off
[ENVIRONMENT_SETTINGS]
load_balance=on
load_balance_type=exlio
load_balance_same_path_use_times=20
lbex_usetimes_limit=100
error_log_level=3
error_log_size=9900
error_log_number=2
trace_level=0
trace_file_size=1000
trace_file_number=4
path_health_check=on
path_health_check_interval=30
auto_failback=off
# auto_failback_interval=60
# intermittent_error_monitor=off
# intermittent_error_monitor_interval=210
# intermittent_error_monitor_number=3
reserve_level=2
dynamic_io_path_control=off
dynamic_io_path_control_interval=10