HDLMを適用したバーチャル I/O機能を使う場合の移行ケースによって,クライアント区画でボリュームグループのバックアップおよびリストアが必要になる場合があります。詳細を下記に示します。
表4-1 ボリュームグループバックアップ/リストア要否
HDLMバージョン | バーチャルI/O環境移行ケース | 仮想SCSIディスク認識方式 | ボリュームグループのバックアップ/リストア |
---|---|---|---|
05-41から05-60 | バーチャル I/OサーバにHDLMを適用 | - | 不要 |
非バーチャル I/O環境からHDLMを適用したバーチャル I/O環境※ | - | 必要 | |
HDLMのアンインストール | - | 不要 | |
05-61以降 | バーチャル I/OサーバにHDLMを適用 | PVID方式適用時 | 不要 |
unique_id方式適用時 | 必要 | ||
非バーチャル I/O環境からHDLMを適用したバーチャル I/O環境※ | PVID方式適用時 | 必要 | |
unique_id方式適用時 | 不要 | ||
05-41~05-60からのアップグレード | PVID方式適用時 | 不要 | |
unique_id方式適用時 | 必要 | ||
HDLMのアンインストール | PVID方式適用時 | 不要 | |
unique_id方式適用時 | 必要 | ||
仮想SCSIディスク認識方式の変更 | PVID方式からunique_id方式に変更されたとき | 必要 | |
unique_id方式からPVID方式に変更されたとき |
HDLMは仮想SCSIディスク認識方式として,PVID方式とunique_id方式に対応しています。unique_id方式を使用する場合は,IBMのバーチャルI/Oサーバのドキュメントを参照してください。仮想SCSIディスク認識方式を変更する場合は,クライアント区画でボリュームグループのバックアップ/リストアが必要となります。ボリュームグループのバックアップ/リストアの必要性については,IBMのバーチャルI/Oサーバのドキュメントを参照してください。仮想SCSIディスク認識方式の変更手順については下記を参照してください。
(1) 適用されている仮想SCSIディスク認識方式を確認します。
次のユティリティで表示される,unique_idの値を確認してください。ONの場合はunique_id方式が,OFFの場合はPVID方式が適用されています。
# dlmodmset -o
(2) クライアント区画上のボリュームグループをバックアップします。
# varyonvg ボリュームグループ名
# mount ファイルシステムのマウントポイント
# savevg -i -f デバイス名ボリュームグループ名
# umount ファイルシステムのマウントポイント
# reducevg -df ボリュームグループ名 hdiskn
(3) 変更前の仮想SCSIディスク認識方式で認識しているデバイスを削除します。
# rmdev -dl hdiskn
$ rmdev -dev vtscsin
(4) 仮想SCSIディスク認識方式を変更します。
(5) 変更後の仮想SCSIディスク認識方式でデバイスを作成します。
$ mkvdev -vdev dlmfdrvn -vadapter 仮想SCSIサーバ・アダプタ名
# cfgmgr
(6) クライアント論理区画上でボリュームグループをリストアします。
# restvg -f 物理ボリューム名 hdiskn