7.14.3 インストール情報設定ファイルの定義内容

インストール情報設定ファイルで定義する内容について,次に示します。

セクション[INSTALLATION_SETTINGS]

installhdlmユティリティの動作情報を定義します。このセクション名はインストール情報設定ファイルの先頭行に指定してください。ただし,セクション[INSTALLATION_SETTINGS]の前に空行またはコメント行が存在してもかまいません。

セクション[INSTALLATION_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-6 セクション[INSTALLATION_SETTINGS]のキー

キー名※1説明※2定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストールまたは再インストール
installfile_locationDVD-ROMをマウントしたディレクトリまたはDVD-ROMをコピーしたディレクトリのどちらかの中で,DLManager.bffファイルがあるディレクトリを絶対パス名称で指定します。
デフォルトは「/dev/cd0」です。
省略可省略可60
logdirログ情報のファイルを出力するディレクトリを,絶対パス名称で指定します。
デフォルトは「/var/tmp」です。ログファイルについては,「7.14.4 ログファイルについて」を参照してください。
省略可省略可60
licensekeyfile※3ホストに格納されているライセンスキーファイル名を,絶対パス名称で指定します。指定したファイルはサイレントインストール後に削除されません。
デフォルトは「/var/tmp/hdlm_license」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyfileキーと設定値を削除してください。
省略可※4省略可※460
licensekey※3ホストに格納されているライセンスキーが記載されたファイルを,絶対パス名称で指定します。指定したファイルはサイレントインストール後に削除されません。
デフォルトは「/var/DLM/dlm.lic_key」です。
なお,ライセンスを更新しないでアップグレードインストールまたは再インストールを行う場合は,licensekeyキーと設定値を削除してください。
省略可※4省略可※460
driver_configHDLMドライバの構成を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:HDLMドライバを構成します(デフォルト)。
n:HDLMドライバを構成しません。
省略可省略可1
restartインストール終了後に,ホストの再起動を行うかどうかを,次の値で指定します。
y:再起動します。
n:再起動しません(デフォルト)。
省略可省略可1
(凡例)
省略可:キーと設定値を指定しない場合,デフォルト値が適用されます。
ただし,アップグレードインストールまたは再インストールの場合,licensekeyfileキーとlicensekeyキーは以前のライセンス情報が引き継がれます。
注※1
キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
注※2
定義できる内容以外を指定した場合は,エラーとなります。
注※3
licensekeyキーを指定する場合は,licensekeyfileキーを削除する必要があります。licensekeyfileキーを指定する場合は,licensekeyキーを削除する必要性はありません。
どちらにも値を指定しなかった場合は,次に示すファイルが順に読み込まれます。
  1. ライセンスキーファイル(/var/tmp/hdlm_license)
  2. ライセンスキーが記載されたファイル(/var/DLM/dlm.lic_key)
    なお,新規インストールの場合でこれらのファイルが存在しないときは,サイレントインストールがエラー終了します。
注※4
HDLMを新規インストールする場合,またはライセンスの有効期限が過ぎている状態でアップグレードインストールする場合は,ライセンスキーまたはライセンスキーファイルを用意してください。

セクション[ODM_SETTINGS]

HDLM動作ODM設定ユティリティ(dlmodmset)の動作情報を定義します。このセクションは省略できます。セクション名を省略した場合,またはセクション内のキーを1つも定義しなかった場合は,dlmodmsetユティリティによる設定は行われません。

dlmodmsetユティリティについては,「7.11 dlmodmset HDLM動作ODM設定ユティリティ」を参照してください。

セクション[ODM_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-7 セクション[ODM_SETTINGS]のキー

キー名※1説明※2定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストールまたは再インストール
odm_lun_resetLUN RESETオプションを有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
odm_online_e_io_blockOnline(E)状態のパスに対し,I/Oアクセスを抑止する機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
odm_inquiry_logログ取得を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
odm_inquiry_log_sizeログファイルサイズをKBで指定します。
サイズは,「100~9900」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。
省略可省略可4
odm_hdisk_error_check_flaghdiskを指定する操作に対するエラーチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
odm_hdlm_pbuf_countHDLMで同時に発行できるI/Oの数を指定します。
I/Oの数は,「16384~1000000​」の値を設定できます。デフォルトは「16384」です。
省略可省略可7
odm_hdlm_subclassHDLMがODMに登録したuniquetypeのSubclass(HDLM Subclass)を設定します。
node:HDLM Subclassにnodeを設定します(デフォルト)。
fcp:HDLM Subclassにfcpまたはscsi を設定します。
省略可省略可4
odm_io_statisticsHDLMデバイスを入出力統計情報の出力対象に含むかを次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
odm_npiv_optionNPIV オプションを有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
odm_os_error_logOSエラーログへHDLMのメッセージを出力するかどうかを,次の値で指定します。
on:出力する
off:出力しない(デフォルト)
省略可省略可3
(凡例)
省略可:キーと設定値を指定しない場合,次の値が適用されます。
  • 新規インストールの場合
    デフォルト値が適用されます。
  • アップグレードインストールまたは再インストールの場合
    以前の設定値が引き継がれます。
注※1
キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
注※2
定義できる内容以外を指定した場合は,エラーとなります。
設定する機能の詳細については,「7.11 dlmodmset HDLM動作ODM設定ユティリティ」を参照してください。
注意事項
dlmodmsetユティリティの機能であるunique_id方式の使用可否は設定できません。unique_id方式の使用可否を設定する場合は,HDLMのサイレントインストールが終了したあとに,dlmodmsetユティリティを実行して設定してください。

セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]

HDLMコマンドのsetオペレーションでの動作情報を定義します。このセクションは省略できます。セクション名を省略した場合,またはセクション内のキーを1つも記載しなかった場合は,HDLMコマンドのsetオペレーションによる設定は行われません。

setオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。

セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]で定義するキーの一覧を次の表に示します。

表7-8 セクション[ENVIRONMENT_SETTINGS]のキー

キー名※1説明※2定義の要否指定できる長さ
(文字)
新規インストールアップグレードインストールまたは再インストール
load_balanceロードバランス機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
load_balance_typeロードバランスのアルゴリズムを,次の値で指定します。
rr:ラウンドロビン
exrr:拡張ラウンドロビン
lio:最少I/O数
exlio:拡張最少I/O数(デフォルト)
lbk:最少ブロック数
exlbk:拡張最少ブロック数
省略可省略可5
load_balance_same_path_use_timesロードバランスのアルゴリズムに,ラウンドロビン(rr),最少I/O数(lio),または最少ブロック数(lbk)を適用する場合,I/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「20」です。
省略可省略可6
lbex_usetimes_limitロードバランスのアルゴリズムに,拡張ラウンドロビン(exrr),拡張最少I/O数(exlio),または拡張最少ブロック数(exlbk)を適用する場合,シーケンシャルI/Oに同一のパスを使用する回数を指定します。
回数は,「0~999999」の値を設定できます。デフォルトは「100」です。
省略可省略可6
error_log_level障害ログとして採取する障害情報のレベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「3」です。
省略可省略可1
error_log_size障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~2000000​」の値を設定できます。デフォルトは「9900」です。
省略可省略可7
error_log_number障害ログファイル(dlmmgr[1-16].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~16」の値を設定できます。デフォルトは「2」です。
省略可省略可2
trace_levelトレースの出力レベルを設定します。
レベルは,「0~4」が設定できます。デフォルトは「0」です。
省略可省略可1
trace_file_sizeトレースファイル(hdlmtr[1-64].log)のサイズをKB単位で設定します。
サイズは,「100~16000」の値を設定できます。デフォルトは「1000」です。
省略可省略可5
trace_file_numberトレースファイル(hdlmtr[1-64].log)の数を設定します。
ファイル数は,「2~64」の値を設定できます。デフォルトは「4」です。
省略可省略可2
path_health_checkパスヘルスチェック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効(デフォルト)
off:無効
省略可省略可3
path_health_check_intervalパスヘルスチェックのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「30」です。
省略可省略可4
auto_failback障害パスの自動フェイルバック機能を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
auto_failback_intervalパスの状態確認の終了から,次回のパスの状態確認を開始するまでのチェック間隔を,分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「60」です。
省略可省略可4
intermittent_error_monitor※3※4間欠障害監視を有効,または無効にするかを,次の値で指定します。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
intermittent_error_monitor_interval※4間欠障害の監視時間を分単位で指定します。
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「210」です。
省略可省略可4
intermittent_error_monitor_number※4間欠障害と見なす障害の発生回数を指定します。
発生回数は,「1~99」の値を設定できます。デフォルトは「3」です。
省略可省略可2
reserve_levelディスクに対するリザーブレベルを設定します。
0:リザーブ無視
2:パーシステントリザーブ(デフォルト)
省略可省略可1
dynamic_io_path_controlダイナミックI/Oパスコントロール機能を有効,または無効にするかを次の値で指定します。なお,この機能を設定するとストレージシステム単位またはLU単位の設定はクリアされます。
on:有効
off:無効(デフォルト)
省略可省略可3
dynamic_io_path_control_intervalダイナミックI/Oパスコントロール機能の,ストレージシステム側で行われるコントローラ切り替え情報を見直すチェック間隔を,分単位で指定します。※5
チェック間隔は,「1~1440」の値を設定できます。デフォルトは「10」です。
省略可省略可4
(凡例)
省略可:キーと設定値を指定しない場合,次の値が適用されます。
  • 新規インストールの場合
    デフォルト値が適用されます。
  • アップグレードインストールまたは再インストールの場合
    以前の設定値が引き継がれます。
監査ログの設定は未サポートです。
注※1
キーと設定値は,1行につき1つの情報を記載してください。
注※2
定義できる内容以外を指定した場合は,エラーとなります。
設定する機能の詳細については,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
注※3
次に示す場合だけ,キーを指定できます。
  • 新規インストールの場合
    インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定している。
  • アップグレードインストールまたは再インストールの場合
    インストール情報設定ファイルのauto_failbackキーに「on」を指定しているか,またはインストール前の設定で,自動フェイルバック機能を有効にしている。
注※4
間欠障害監視を有効にする場合は,auto_failbackキー,およびauto_failback_intervalキーのあとに指定してください。
注※5
ダイナミックI/Oパスコントロール機能の有効,または無効に関係なくチェック間隔を設定できます。

インストール情報設定ファイルの編集例を,次に示します。

[INSTALLATION_SETTINGS]
installfile_location=/dev/cd0
logdir=/var/tmp
licensekeyfile=/var/tmp/hdlm_license
licensekey=/var/DLM/dlm.lic_key
driver_config=y
restart=n
[ODM_SETTINGS]
odm_lun_reset=off
odm_online_e_io_block=off
odm_inquiry_log=on
odm_inquiry_log_size=1000
odm_hdisk_error_check_flag=on
odm_hdlm_pbuf_count=16384
odm_hdlm_subclass=node
odm_io_statistics=off
odm_npiv_option=off
odm_os_error_log=off
[ENVIRONMENT_SETTINGS]
load_balance=on
load_balance_type=exlio
load_balance_same_path_use_times=20
lbex_usetimes_limit=100
error_log_level=3
error_log_size=9900
error_log_number=2
trace_level=0
trace_file_size=1000
trace_file_number=4
path_health_check=on
path_health_check_interval=30
auto_failback=off
# auto_failback_interval=60
# intermittent_error_monitor=off
# intermittent_error_monitor_interval=210
# intermittent_error_monitor_number=3
reserve_level=2
dynamic_io_path_control=off
dynamic_io_path_control_interval=10

注意事項
  • インストール情報設定ファイルで,行の先頭に「#」がある場合は,その行をコメント行と見なします。
  • キーを指定しない場合は,キーを定義している行の先頭に「#」を付けてください。