3.9 LU単位リザーブ機能の設定
LU単位リザーブ機能は,リザーブするかどうかをLUごとに設定できる機能です。
LU単位リザーブ機能を使用するには,HTC_ODM 5.0.52.1以降,XP_ODM 5.0.52.1以降,またはHitachi Disk Array Driver for AIX 01-03以降が必要です。
LU単位のリザーブは,次の表に示すHDLMの属性によって設定されます。
表3-18 LU単位リザーブ機能の設定
属性名 | 属性値 | 説明 |
---|
dlmrsvlevel | no_reserve | LUをリザーブしません。 |
system | 上記以外の環境で使用する場合の初期値です。HDLM のリザーブ レベルの設定に従って動作します。 |
次の条件に該当する場合,dlmrsvlevelの属性値を確認してください。dlmrsvlevelがsystemに設定されている場合は,no_reserveに設定する必要があります。
- Oracle RACが使用するディスクにHDLMデバイスを指定したとき
- Hitachi RapidXchange管理の中間ボリュームでデータ交換をする場合,root権限のないユーザで中間ボリュームにアクセスするとき
- root権限のないユーザで,アプリケーションからHDLMデバイスを指定してアクセスするとき
dlmrsvlevelの属性値を設定する手順を次に示します。
- 使用するディスクとして指定しようとしているHDLMデバイスを確認します。
次のコマンドを実行して,表示結果のhdisk名を確認してください。
# /usr/DynamicLinkManager/bin/dlnkmgr view -drv
PathID HDevName Device LDEV
000000 dlmfdrv0 hdisk16 VSP.0053038.000010
000001 dlmfdrv0 hdisk22 VSP.0053038.000010
000002 dlmfdrv1 hdisk17 VSP.0053038.000011
000003 dlmfdrv1 hdisk23 VSP.0053038.000011
000004 dlmfdrv2 hdisk18 VSP.0053038.000012
000005 dlmfdrv2 hdisk24 VSP.0053038.000012
KAPL01001-I HDLM コマンドが正常終了しました。オペレーション名 = view, 終了時刻 = yyyy/mm/dd hh:mm:ss
#
- HDLMデバイスのdlmrsvlevel属性の設定を確認します。
# lsattr -El dlmfdrvn
dlmrsvlevel system N/A 真
以降の手順はdlmrsvlevelがsystemに設定されていた場合に実行してください。
- 属性を変更するHDLMデバイスを指定して直接アクセスしているアプリケーションを,すべて停止します。
- 次のコマンドを実行して,HDLMで使用しているファイルシステムをアンマウントします。
# umount ファイルシステムのマウントポイント
- 次のコマンドを実行して,活動化状態のボリュームグループをすべて表示させます。
# lsvg -o
- 表示されたボリュームグループから,HDLMで使用しているボリュームグループを非活動化します。
# varyoffvg ボリュームグループ名
Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用していない場合は,手順9に進みます。
- Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用している場合は,次のHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行して,物理ボリューム(hdisk)のpreserved_attr属性の値を確認します。
# /opt/hitachi/drivers/hsdrv_lsdkinfo -l hdiskn -a preserved_attr
preserved_attr unuse 保存された属性
下線部のpreserved_attr属性の値がunuseに設定されているか確認してください。属性を変更するHDLMデバイス(dlmfdrvn)に対応するすべての物理ボリューム(hdisk)に対して,このHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行してください。
Hitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドの詳細については,Hitachi Disk Array Driver for AIXのマニュアルを参照してください。
preserved_attr属性の値がunuseに設定されていた場合は,手順9に進んでください。useに設定されていた場合は,手順8に進んでください。
- 次のコマンドを実行して,該当するhdiskのpreserved_attr属性の値をunuseに変更します。
# /opt/hitachi/drivers/hsdrv_chdkinfo -l hdiskn -a preserved_attr=unuse
- chdevコマンドを実行して,dlmrsvlevel属性をno_reserveに設定します。※
# chdev -l dlmfdrvn -a dlmrsvlevel=no_reserve
- 設定がno_reserveに変更されていることを確認します。
# lsattr -El dlmfdrvn
dlmrsvlevel no_reserve N/A 真
Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用していない場合は手順12に進みます。
- Hitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピング機能を使用している場合は,次のHitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドを実行してHitachi Disk Array Driver for AIXのディスクマッピングデータベースを保存します。
# /opt/hitachi/drivers/hsdrv_savedkinfo -a
# bosboot -a
Hitachi Disk Array Driver for AIXのコマンドの詳細については,Hitachi Disk Array Driver for AIXのマニュアルを参照してください。
- 手順6で非活動化したボリュームグループを活動化します。
# varyonvg ボリュームグループ
- 手順4でアンマウントしたファイルシステムをマウントします。
# mount ファイルシステムのマウントポイント
- 注※
- chdevコマンドを使ってHDLMデバイスの属性を変更したときは,lsattrコマンドを実行して,対応する物理ボリューム(hdisk)の属性が変更されたことを確認してください。HDLMデバイスのdlmrsvlevel属性を変更したときは,物理ボリューム(hdisk)のreserve_policy属性が変更されたことを確認してください。属性が変更されていない場合,対応する物理ボリューム(hdisk)の状態をlsdevコマンドで確認してください。パスに障害が発生していると,属性が変更されないで物理ボリューム(hdisk)が定義済みとなります。この場合,次の操作手順によって,再度chdevコマンドで物理ボリュームの属性を変更してください。
- パス障害が発生している場合には,障害を回復させます。
- 対応するHDLMデバイスを定義済み状態にします。
# rmdev -l dlmfdrvn
- 物理ボリューム(hdisk)を使用可能状態にします。
# mkdev -l hdiskn
- HDLMデバイスを使用可能状態にします。
# mkdev -l dlmfdrvn