HDLMは,SCSIドライバを使用して,ホストとストレージシステムを結ぶ経路を制御します。ホストとストレージシステムは,SANなどを使用してファイバケーブルで接続します。ホスト側のケーブルの接続口はホストバスアダプタ(HBA),ストレージシステム側のケーブルの接続口はチャネルアダプタ(CHA)のポート(P)です。
ストレージシステムには,ホストからの入出力対象になる論理ユニット(LU)があります。LU内の領域をDevと呼びます。ホストとLU内のDevを結ぶ経路をパスと呼びます。
HDLMは,パスにIDを割り当てて管理します。このIDをパス管理PATH_IDと呼びます。また,パスを管理対象物と呼ぶこともあります。AIXがパスに割り当てるIDを,OS管理パスIDと呼びます。OS管理パスIDは,AIXコマンドのlspathを実行して表示できます。また,HDLMでは,HDLMコマンドのviewオペレーションに-luパラメタまたは-drvパラメタを指定して実行すると,パス管理PATH_IDに対応するOS管理パスIDを表示できます。HDLMコマンドのviewオペレーションの詳細については,「6.7 view 情報を表示する」を参照してください。
HDLMのシステム構成を次の図に示します。
図2-1 HDLMのシステム構成
HDLMのシステム構成要素を次の表に示します。
表2-1 HDLMのシステム構成要素
構成要素 | 説明 |
---|---|
HBA | ホストバスアダプタです。ホスト側のケーブルの接続口です。 |
SAN | ホストとストレージシステムがデータ転送に使用する,専用のネットワークです。 |
CHA | チャネルアダプタです。 |
P | CHAのポートです。ストレージシステム側のケーブルの接続口です。 |
LU | 論理ユニット(ストレージシステム側で定義した,論理的なボリューム)です。ホストからの入出力対象となります。 |
Dev | LU内の領域です。 |
パス | ホストとLU内のDevを結ぶ経路です。 |