1.7 ナル値

ここでは,ナル値の扱いについて説明します。

ナル値とは,値がないこと,または値が設定されていないことを示すために使用する特殊な値です。領域に値がないか,または設定されていなければ,ナル値が設定されます。

ディクショナリ表にナル値を持つ列が存在します。

<この節の構成>
(1) 検索結果の列の値の受け取り
(2) 比較
(3) ソート
(4) 重複排除
(5) 集合関数

(1) 検索結果の列の値の受け取り

ナル値の識別には標識変数を使用します。詳細については,「1.6.3 標識変数の値の設定」を参照してください。

(2) 比較

述語に指定した値式や列の値がナル値の場合,その条件で検索した行に対する述語の評価結果は,真でも偽でもなく不定になります。

(3) ソート

昇順の場合はナル値を最後に出力します。降順の場合はナル値を最初に出力します。

(4) 重複排除

ナル値同士は,重複するものとして扱います。

(5) 集合関数

COUNT(*)の場合は,ナル値に関係なく条件を満たすすべての行を計算します。