1.3 XDBの運用サイクル

XDBの開始時にメモリ上にデータベースが作成されます。XDBの稼働中はメモリ上のデータが検索・更新されます。そして,XDBの終了時に,更新されたメモリ上のデータがディスク上のファイルに出力されます。

XDBの開始から終了までの運用の流れを次の図に示します。

図1-2 XDBの開始から終了までの運用の流れ

[図データ]

説明
  1. XDBの開始時,XDBによってディスク上にあるファイル中のデータが,ユーザの定義に従ってメモリ上のデータベースにインポートされます。実行系のデータベースにインポートされたデータは待機系のデータベースにコピーされます。
  2. XDBの稼働中は,メモリ上のデータが検索および更新されます。このとき,ディスクアクセスは発生しません。
  3. XDBの終了時,XDBによって更新されたメモリ上のデータが,ユーザの定義に従ってディスク上のファイルにエクスポートされます。このファイルを次回のXDB開始時に入力できます。
XDBが終了すると,メモリ上のデータベースはなくなり,XDBを開始するとメモリ上にデータベースが作成し直されます。
<この節の構成>
(1) ディスク型DBとの運用の違い
(2) XDBのデータベース管理者が行う主な運用

(1) ディスク型DBとの運用の違い

一般的なディスク型DBとの主な運用の違いを次に示します。

(a) オンライン開始ごとに表やインデクスを定義

XDBを開始するたびに,表やインデクスが定義されたファイルを読み込み,データベースを作成します。開始ごとにデータベースが作成し直されるため,表やインデクスの再編成などのメンテナンスは必要ありません。

(b) オンライン稼働中の定義変更不可

XDBでは,あらかじめ表やインデクスを定義したファイルを使用して,データベースを作成します。そのため,XDBの稼働中に,表またはインデクスの定義を追加,変更,削除できません。

(c) データベースの更新履歴の取得や定期的なバックアップが不要

XDBでは,コミットと同時にメモリ上のデータを確定させます。また,CLサーバの実行系のデータベースの更新内容は,XTCによって逐次,待機系に転送され,待機系でデータベースの追い付き反映処理が行われます(CLサーバの実行系と待機系の間の整合性が保証されます)。

CLサーバの実行系と待機系の間の整合性が保証されることによって,待機系のデータベースがバックアップの位置づけになります。そのため,定期的にバックアップを取得する必要はありません。

また,ロールバック,ロールフォワード時に使用するデータベースの更新履歴(ログ)は取得しません。そのため,ログの管理も不要となります。

(2) XDBのデータベース管理者が行う主な運用

XDBのデータベース管理者が行う主な運用を次に示します。