1.1.1 XDBの開発背景

証券取引所やオンライン証券など,金融・証券系の電子商取引が行われるシステムでは,1日に処理するトランザクション量が以前に比べて飛躍的に増加しています。今後も,株取引の小口化やアルゴリズム取引の浸透によって,トランザクション量の増加傾向は続くと予想されています。

そのため,今まで以上に,オンラインシステムで処理するデータを管理するデータベースに対するディスクアクセスをどう減らすかが,チューニングの最重要項目の一つとなっています。しかし,システム内の負荷が高くなる個所では,ディスクアクセスのチューニングだけでは,システムの処理要求を満たせないケースも出てきています。

この要求に応えるために,オンラインシステムで処理するデータをすべてメモリ上に展開し,トランザクションを高速に処理するインメモリデータ処理技術を導入したXDBが開発されました。

XDBでは,64ビットOSの大容量メモリ空間に,アプリケーションがアクセスするすべてのデータを配置することで,ディスクへのアクセスをなくしています。これによって,ディスクアクセスによるボトルネックが解消され,トランザクション処理のパフォーマンスが大きく向上します。

XDBの開発によって,大量のトランザクションを高速に処理するソリューションが実現できるようになります。

参考
インメモリデータ処理技術とは,オンラインシステムやバッチシステムなどで処理するデータを,すべてメモリ上で高速に処理する技術のことです。この技術によって,ハードディスクなど外部記憶装置とのやり取りに掛かる時間を削減できます。