2.6.1 TP1キャッシュ機能使用時の処理キューの制御方式

TP1/EEでは,処理キューの制御に処理キュー制御用バッファ(PCE)および入力バッファ(IBF)を使用します。TP1キャッシュ機能使用時はそれに加え,入力キュー(ITQ)を使用して処理キューを制御します。

TP1キャッシュ機能を使用する場合とTP1キャッシュ機能を使用しない場合での処理キューの制御方式の違いを,次の表に示します。

表2-18 TP1キャッシュ機能を使用する場合と使用しない場合での処理キューの制御方式の違い

項目制御方式の違い
TP1キャッシュ機能を使用しない場合TP1キャッシュ機能を使用する場合
メッセージの流れメッセージ受信時に入力バッファに格納し,UAP起動時に入力メッセージ引き渡しエリア(IMA)にコピーしてから,入力バッファを解放します。メッセージ受信時に入力バッファに格納し,処理キュー登録時にそのまま入力キューに登録します。
処理キュー制御用バッファおよび入力バッファの解放トランザクション起動時にすべて解放します。トランザクション終了まで保持します。

TP1キャッシュ機能使用時の処理キューの制御方式を,メッセージの受信からUAP起動までの流れを例にして,次の図に示します。

図2-35 処理キューの制御方式

[図データ]

説明
  1. 相手システム(送信元)から受信した入力メッセージを,処理キューへ登録要求します。
  2. 処理キューに登録された入力メッセージおよび処理キュー制御用バッファ情報を,入力キューに書き込みます。優先キューと通常キューのどちらに書き込むかは送信元の指示に従います。優先キューに書き込まれたメッセージは,優先して処理されます。通常キューに書き込まれたメッセージは,優先キューのメッセージをすべて処理したあとで,処理されます。
  3. 入力メッセージの読み出しを処理スレッドで処理させるために,処理スレッドを起動します。
  4. 起動した処理スレッドは,該当するサービスから処理キューの引き出し要求をします。
  5. 入力メッセージ引き渡しエリアにメッセージをコピーします。
  6. UAPを起動して,メッセージを引き渡します。