1.3.2 データに対する高信頼性の確保

TP1キャッシュ機能では,データに対する高信頼性を確保するため,次のような特長があります。

<この項の構成>
(1) 待機系の複数配置
(2) 待機系への更新内容の逐次反映,および待機系によるデータの保全
(3) 実行系孤立時のデータ保全

(1) 待機系の複数配置

インメモリデータ処理の課題である障害発生時のデータの消失を防ぐため,CLサーバとして複数の待機系を配置します。CLサーバの実行系と待機系が連携して動作することによって,データベースの冗長化を図り,高い信頼性を確保します。

(2) 待機系への更新内容の逐次反映,および待機系によるデータの保全

CLサーバの実行系のデータベースの更新内容(更新ログ)は,XTCによって逐次,待機系に転送されます。待機系では更新ログを基にデータベースの追い付き処理が行われます。

更新ログを転送する際,XTCは転送順序(待機系のデータベースの更新順序)を保証します。これによって,実行系と待機系の間の整合性が保証されます。

CLサーバの実行系と待機系の間の整合性が保証されることによって,待機系がバックアップの位置づけになります(待機系でデータが保全されます)。これによって,実行系で障害が発生しても,メモリ上のデータの消失を防ぐことができます。

(3) 実行系孤立時のデータ保全

障害などによって系切り替えが発生した結果,待機系がなくなり,実行系だけとなった場合(実行系が孤立した場合),XTCはデータの保全を最優先して,メモリ上のダンプ情報をファイルに出力します。