2.9.2 滞留メッセージのキューダンプファイルへの出力

<この項の構成>
(1) キューダンプファイルへの出力タイミング
(2) キューダンプファイルの作成と削除
(3) 出力対象となるメッセージ
(4) キューダンプファイル作成時の障害

(1) キューダンプファイルへの出力タイミング

滞留メッセージは,次のタイミングでキューダンプファイルに出力されます。

 

参考
次の場合,滞留メッセージはキューダンプファイルに出力されません。
  • 出力対象となるメッセージがない場合
  • XTCの終了モードが強制停止またはプロセスダウンの場合
  • 待機系が実行系と連動して終了する場合

(2) キューダンプファイルの作成と削除

キューダンプファイルは,TP1/EEによってTP1/EEプロセス(サービスグループ)ごとに専用のファイルが作成されます。キューダンプファイルの容量見積もりは,「3.2.1 キューダンプファイルの容量見積もり」を参照してください。

(a) XTC終了時

XTC終了時に作成されるキューダンプファイルは,次のディレクトリに格納されます。

$DCDIR/spool/dceeinf/quedump/

ファイル名は次のとおりです。

gg....ggquedump

変数の説明
gg....gg:サービスグループ名(最大31バイト)
quedump:キューダンプファイルを示す文字列(7バイト固定)

なお,古いキューダンプファイルがある場合は新しいファイルに上書きされるため,必要に応じて古いファイルのバックアップを取得してください。

(b) 実行系孤立状態になったとき

実行系孤立状態になったときに作成されるキューダンプファイルは,次のディレクトリに格納されます。

$DCDIR/spool/dceeinf/hamdump/

ファイル名は次のとおりです。

gg....gg_nnnn_rrrrrrrr_cc....cc_xtc

変数の説明
gg....gg:サービスグループ名(最大31バイト)
nnnn:ノード識別子(4バイト)
rrrrrrrr:ランID(8バイト)※1
cc....cc:CL通番(16バイト)※2
xtc:キューダンプファイルを示す文字列(3バイト固定)
注※1
ランIDは,16進数の通算秒です。
注※2
CL通番は,実行系でトランザクションを起動するたびに加算される16進数の通番です。待機系から実行系に切り替わった場合も,プロセスダウン前の実行系のCL通番を引き継ぐため,CLサーバでのトランザクションを一意に決定できます。

実行系孤立状態になったときに作成されるキューダンプファイルは,自動的には削除されません。必要に応じてバックアップを取得するか,または削除してください。

複数のキューダンプファイルから最新のファイルを探すには,サービスグループ名とノード識別子からファイルを絞り込み,その中で「ランID」+「CL通番」が最も大きいファイルを特定します。

(3) 出力対象となるメッセージ

キューダンプファイルに出力される対象となるメッセージを次の表に示します。

表2-27 キューダンプファイルへの出力対象メッセージ

項番システム構成(系)キュー種別メッセージ種別出力対象
1CLサーバ
(実行系)
ITQRPCメッセージ
(非永続)
×
2RPCメッセージ
(永続)
3MCPメッセージ
(非永続)
×
4MCPメッセージ
(永続)
5タイマメッセージ
(非永続)
×
6タイマメッセージ
(永続)※1
×
7MCHメッセージ
(非永続)
×
8MCHメッセージ
(永続)
9OTQMCHメッセージ
(非永続)
×
10MCHメッセージ
(永続)
11CLサーバ
(待機系)
ITQ(仮登録)※2RPCメッセージ
(永続)
12MCPメッセージ
(永続)
13タイマメッセージ
(永続)
×
14MCHメッセージ
(永続)
15OTQMCHメッセージ
(永続)
16HAサーバITQRPCメッセージ×
17MCPメッセージ×
18タイマメッセージ×
19MCHメッセージ×
20OTQMCHメッセージ
(非永続)
×
21MCHメッセージ
(永続)
×
(凡例)
ITQ:入力キューを示します。
OTQ:出力キューを示します。
○:出力対象になります。
×:出力対象になりません。
注※1
タイマトランザクションの起動時刻前で,入力キュー(ITQ)に登録待ちとなっているメッセージを含みます。
注※2
処理キュー仮登録のメッセージに対応するXDBの更新ログ,およびee_mch_cmtsend関数またはee_mch_cmtsend_sync関数による一方送信メッセージを含みます。

(4) キューダンプファイル作成時の障害

キューダンプファイル作成時にファイルのI/Oで障害が発生した場合,エラーメッセージが出力されて,キューダンプファイルの作成は中止されます。また,オンラインは終了処理を中断してコマンド入力待ちとなります。TP1/EE管理者は,障害要因を取り除いたあとにeetrbwtorコマンドで応答してください。eetrbwtorコマンドのオプションによって,キューダンプファイルの作成をリトライするか,キューダンプファイルを作成しないでオンラインを終了するか選択できます。