近年,IT技術の進歩やインターネットの発展に伴い,オンライントランザクション処理システムで処理されるトランザクション量は増加の一途をたどっています。金融・証券系システムでは,オンライントレードの普及とそれに伴う株取引の小口化やアルゴリズム取引※の浸透によって,今後さらに,トランザクション量の大幅な増加が予想されています。
一方,企業ビジネスでは,ミリ秒レベルといわれる超高速な応答性能を持つシステム基盤が求められています。
このような背景から,高信頼性,高可用性に加えて,大量のデータを高速に処理でき,かつ,将来のトランザクション量の増大にも耐えうる,高速トランザクション処理基盤が必要不可欠なものとなってきています。
TP1キャッシュ機能では,オンラインシステムで処理するデータをすべてメモリ上に配置し,データ操作に伴う磁気ディスク装置に対する入出力処理をなくすことによって,これらの要件を満たす高速トランザクション処理基盤を提供します。
TP1キャッシュ機能の概要を次の図に示します。
図1-1 TP1キャッシュ機能の概要
TP1キャッシュ機能を適用すると,例えばトランザクション量が増加しても,インメモリ処理によって高速な応答性能を実現できます。また,アプリケーションサーバとDBサーバ間のアクセスがなくなるため,DBサーバの負荷も軽減されます。TP1キャッシュ機能の適用イメージを次の図に示します。
図1-2 TP1キャッシュ機能の適用イメージ