2.11 CL単独起動機能
通常,CLサーバを実現するには,HAモニタ環境を構築し,XTCを配置した実行系1台,待機系2台が必要です。しかし,CL単独起動機能を使用することで,XTCを配置した実行系1台で,TP1キャッシュ機能を実現できます。実行系のHAモニタ環境,およびXTCの待機系は不要になります。
CL単独起動機能を使用しない場合と使用する場合の構成を次の図に示します。
図2-48 CL単独起動機能を使用しない場合と使用する場合の構成
![[図データ]](figure/zu021030.gif)
CL単独起動機能には,次の特徴があります。
- 実行系だけの構成で,XDBのインメモリDBを使用できます。
- CLサーバで待機系との通信が行われないため,CL単独起動機能を使用しない場合と比べて性能が向上します。
ただし,プロセスダウンした場合,永続メッセージ,およびインメモリDBを保証しません。
- 正常終了,計画停止A,および計画停止Bで,キューダンプを出力します。
- <この節の構成>
- (1) CL単独起動機能を使用する場合と使用しない場合の相違点
- (2) CL単独起動機能に関する定義
- (3) CL単独起動機能使用時の注意事項
(1) CL単独起動機能を使用する場合と使用しない場合の相違点
CL単独起動機能を使用する場合,使用しない場合と比べて次の点が異なります。
- HAモニタと連携しません。このため,HAモニタが前提プログラムではありません。
- クラスタ構成による系切り替えをしません。
- プロセスダウンしても待機系でキューダンプを出力しません。
- 待機系でのメッセージの永続化ができません。
- XTCの開始・終了時に,待機系に関連した処理を行いません。XTCの開始・終了時の待機系の処理については,「6.1.2 CLサーバでのXTCの開始」,および「6.2.2 CLサーバでのXTCの終了」を参照してください。
(2) CL単独起動機能に関する定義
CL単独起動機能を使用する場合,次のように定義してください。
- クラスタ連携関連定義のcluster_modeオペランドにYを指定
- UDPグループ情報関連定義のclgrpdef定義コマンドの指定を省略
(3) CL単独起動機能使用時の注意事項
CL単独起動機能を使用する場合,次のことに注意してください。
- eehamlsコマンドを実行した場合,実行系だけが表示されます。
- CL単独起動機能では,HAモニタ構成とCL同期をシミュレートする必要がありません。このため,CLサーバのシミュレート機能は使用できません。