6.3.1 回線トレースファイルの運用

ここでは,回線トレースファイルの運用で,XTC固有の部分についてだけ説明します。

<この項の構成>
(1) 回線トレース情報の取得量の変更

(1) 回線トレース情報の取得量の変更

送受信データごとに回線トレース情報を取得する場合,I/O処理の増加によって性能が低下したり,重要な回線トレース情報が欠落したりすることがあります。これを防止するために,RPC関連定義のrpc_udp_linetraceオペランドを指定することで,送受信時の回線トレース情報の取得内容を変更できます。

ここでは,rpc_udp_linetraceオペランドの指定値別の取得内容,取得サイズの差異,およびオペランドの指定値の組み合わせについて説明します。

(a) 取得内容

メッセージ送受信が正常終了した場合の取得内容を,rpc_udp_linetraceオペランドの指定値によって変更することができます。オペランドの指定値別に,回線トレース情報の取得内容について説明します。

00000000(デフォルト)
すべての回線トレース情報を,送信側と受信側で取得します。
送受信処理が正常に完了した場合は,最大374バイト取得します。
00000001
W-send機能や再送などによって重複して受信したパケットについて,回線トレース情報を取得しません。
回線トレース情報は,受信側で取得します。
00000002
次のすべての条件を満たす場合に,回線トレース情報を取得しません。
  • myudpsnddef定義コマンドの-kオプションを指定している
  • クラスタ内でのマルチキャストによって自TP1/EEが送信したメッセージを,自TP1/EEで受信した
回線トレース情報は,受信側で取得します。
00000004
メッセージが複数のパケットに分割されている場合,先頭パケットはUDP通信制御ヘッダおよびデータ部分を最大374バイト取得します。残りのパケットはUDP通信制御ヘッダだけを取得します。
回線トレース情報は送信側と受信側の両方で取得します。
00000020
送受信データの先頭にある製品ヘッダを回線トレース情報として送信側と受信側で取得します。
取得する製品ヘッダはメッセージ種別によって異なります。それぞれの場合について,次に示します。
メッセージ種別がACKの場合
UDP通信制御ヘッダだけを取得します。
メッセージ種別がACK以外の場合
UDP通信制御ヘッダおよびデータ部分を最大374バイト取得します。
メッセージ種別がACK以外のメッセージが複数のパケットに分割されている場合
先頭パケットはUDP通信制御ヘッダおよびデータ部分を最大374バイト取得し,残りのパケットはUDP通信制御ヘッダだけを取得します。
(b) 取得サイズの差異

回線トレース情報の取得サイズの差異について,次の図に示します。この例では,UDP通信機能を使用したRPCのメッセージを2回に分けて受信したため,メッセージが二つ(1472バイトと328バイト)に分割されています。

図6-4 回線トレース情報の取得サイズの差異

[図データ]

(c) rpc_udp_linetraceオペランドの指定値の組み合わせ

rpc_udp_linetraceオペランドの指定値は,論理和を使用して複数選択できます。複数選択する場合に可能な組み合わせを次の表に示します。

表6-4 rpc_udp_linetraceオペランドの指定値の組み合わせ

指定値組み合わせる指定値
00000000​00000001​00000002​00000004​00000020​
00000000​
00000001​
00000002​
00000004​
00000020​
(凡例)
◎:組み合わせて指定できます。
○:どれか一つを組み合わせて指定できます。
-:組み合わせて指定できません。