XTCとXDBはTP1/EE下で動作します。TP1/EEとXTC,XDBの関係を次の図に示します。
図1-5 TP1/EEとXTC,XDBの関係
TP1キャッシュ機能でのXTCとXDBの役割について,次に示します。
XTCは,高速メッセージ処理基盤として,次のような処理を行います。
TP1/EE間でのシステム間通信(RPC)やメッセージの送受信を,UDPプロトコルを使用した独自のインタフェースによって実行できます。これによって,高速にメッセージを送受信することができます。
HAサーバからの処理要求(メッセージ)を,マルチキャストでCLサーバの実行系,待機系それぞれのサーバに同時に送信できます。処理要求をそれぞれのサーバで保証することによって,CLサーバの実行系で障害が発生しても,待機系で処理を継続できます。マルチキャストによるCLサーバの実行系,待機系への同時送信の概要を次の図に示します。
図1-6 マルチキャストによるCLサーバの実行系,待機系への同時送信
データの保全を行うため,CLサーバの実行系のデータを待機系に転送します。その際,データの送信順序を保証することによって,CLサーバの実行系と待機系との間でデータの整合性を保証します。
保全の対象となるデータには,入出力メッセージ,XDBの更新ログ,タイマトランザクションメッセージなどがあります。
CLサーバの実行系と待機系の整合性の保証とデータの保全を次の図に示します。
図1-7 CLサーバの実行系と待機系の整合性の保証とデータの保全
インメモリデータ処理を実現するXDBと連携したトランザクション制御を行うことによって,高速なトランザクション処理を実現します。
XDBは,高速データ処理基盤として次のような処理を行います。
XDBの詳細については,マニュアル「TP1/EE/Extended Data Cache 使用の手引」を参照してください。
インメモリデータ処理では,すべてのデータをメモリ上に展開します。これによって,トランザクション実行時間の大半を占めていたディスクアクセスに掛かる時間が大幅に削減され,トランザクションの処理性能が大きく向上します。
メモリ上へのデータベースの展開は,CLサーバの実行系の正常開始時に自動的に行われます(XDBが行います)。CLサーバの待機系の起動時には,実行系のデータベースの内容がコピーされて展開されます。
XDBの正常終了時には,メモリ上に展開されていたデータベースの内容が指定されたファイルに自動的に取得されます。次回のオンライン起動時には,ここで取得した内容をメモリ上に展開することができます。
CLサーバの実行系と待機系の整合性を保証するため,XDBでは実行系のデータベースの更新内容を,待機系のデータベースに逐次反映します。