2.8.2 ワーク領域の管理

ワーク領域とは,TP1/EEプロセスで使用するメモリ領域のうち,システムが一時的に使用するセグメントです。一定の領域をワーク領域として管理し,オンライン中に一時的なメモリが必要になった時点で,ワーク領域から必要なサイズのセグメントを切り出して使用します。なお,使用済みとなったセグメントは,次回利用時に備えてワーク領域に返還します。

TP1キャッシュ機能使用時は,TP1/EEが使用するワーク領域に加えて次の表に示すワーク領域を使用します。

表2-24 TP1キャッシュ機能使用時のワーク領域

項番名称用途定義
1XTC用ワーク領域XTCPOOLXTCが利用するワーク領域です。メモリ関連定義
  • memory_xtc_area_sizeオペランド
  • memory_xtc_limit_sizeオペランド
2XDB用ワーク領域XDBPOOLXDBが利用するワーク領域です。メモリ関連定義
  • memory_xdb_area_sizeオペランド
  • memory_xdb_limit_sizeオペランド

ワーク領域は,プロセス初期化時にTP1/EEが一括して確保したメモリ領域内に作成されます。

なお,TP1/EEのワーク領域と異なり,TP1キャッシュ機能使用時のワーク領域は,拡張できるサイズの上限を設定できます。この定義は,メモリ関連定義のmemory_xdb_limit_sizeオペランドおよびmemory_xtc_limit_sizeオペランドで行います。

オンライン中にワーク領域が不足した場合,設定された拡張サイズでワーク領域を拡張(malloc関数の発行)します。一度拡張したワーク領域はオンライン終了まで解放(free関数の発行)しません。