6.2.2 CLサーバでのXTCの終了

CLサーバの場合の終了方法,終了モード,および終了時のシステムの処理について説明します。なお,XTCを終了すると,その延長でXDBも終了されます。

<この項の構成>
(1) 終了方法
(2) 終了モード
(3) 終了時のシステムの処理

(1) 終了方法

CLサーバの場合,次のどちらかの方法でXTCを終了します。

実行系を終了させることで,すべての待機系を連動して終了させます。

系切り替え中に終了コマンドを実行すると,系切り替え後に終了処理を開始します。ただし,終了モードに強制停止を指定した場合は,系切り替え中であっても終了します。

なお,通信障害などによってTP1/EEが待機系を切り離した場合,HAモニタは切り離しを検知しません。この場合,切り離された待機系を次のどちらかの方法で終了させてください。

切り離されていない待機系だけを終了する場合,系切り替えのタイミングによっては,実行系,およびすべての待機系が終了するおそれがあります。

(2) 終了モード

XTCの終了モードには次の四つがあります。

各終了モードの意味については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。ここでは,TP1キャッシュ機能使用時の処理について説明します。

(a) eesvstopコマンドで終了する場合

終了モードは,eesvstopコマンドのオプションの指定で決定します。ただし,強制停止(eesvstopコマンドに-fオプションを指定)はできません。

(b) dcstopコマンドで終了する場合

終了モードは,dcstopコマンドのオプションの指定で決定します。

強制停止の場合,実行中のサービス要求の完了を待たないで終了します。処理キュー上の受け付け済みのサービス要求はすべて破棄します。また,XDBの内容は永続化されません。

(3) 終了時のシステムの処理

終了時のシステムの処理を次の図に示します。

図6-3 CLサーバでのXTCの終了

[図データ]

実行系の処理の説明
  1. サービスの受け付け禁止
    新たなサービスの受け付けを禁止します。
  2. 終了トランザクション(ME)の起動
    終了トランザクション(ME)を起動します。このとき,実行系での起動であることをユーザに通知するため,トランザクションインタフェース情報の系情報にEERPC_SYSTEM_ONLINE(実行系を意味する値)を設定して起動します。
  3. XDBの終了
    XDBの終了処理を行います。
  4. CLサーバの終了
    HAモニタやCLサーバに関する終了処理を行います。この処理以降は,系切り替えが発生しません。
待機系の処理の説明
  1. 実行系の終了検知
    HAモニタ経由で,実行系が終了したことを検知します。
  2. CLサーバの終了
    HAモニタやCLサーバに関する終了処理を行います。この処理以降は,系切り替えが発生しません。
  3. サービスの受け付け禁止
    新たなサービスの受け付けを禁止します。
  4. プロセス終了監視トランザクション(SE)の起動
    プロセス終了監視トランザクション(SE)を起動します。
  5. 終了トランザクション(ME)の起動
    終了トランザクション(ME)を起動します。このとき,待機系での起動であることをユーザに通知するため,トランザクションインタフェース情報の系情報にEERPC_SYSTEM_STANDBY(待機系を意味する値)を設定して起動します。
  6. XDBの終了
    XDBの終了処理を行います。
    参考
    待機系に対して終了コマンドを実行する場合も,処理の流れは同様です。

XTCの終了時にCLサーバで発生する障害については,「8.1.2 XTCの終了時に発生する障害」を参照してください。