3.7.5 起動順序のシリアル化機能
TP1/EEでは,一つのTP1/EEの初期化トランザクションが終了する前に次のTP1/EEの初期化トランザクションが起動されることがあります。このため,TP1/Server Baseのユーザサービス構成定義のdcsvstart定義コマンドに指定した順序どおりにTP1/EEが起動されないことがあります。そのような場合に起動順序のシリアル化機能を使用すると,指定した順序どおりにTP1/EEを起動できます。
起動順序のシリアル化機能を使用する場合は,プロセス関連定義のinitialize_syncオペランドにYを指定してください。起動順序のシリアル化機能を使用した場合の処理の例を次の図に示します。
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TP1/Server Baseがユーザサービス構成定義のdcsvstart定義コマンドの指定に従って,SPP1を起動します。
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SPP1のプロセス関連定義のinitialize_syncオペランドにYが指定されているため,SPP1の起動が完了したあとにSPP2が起動されます(起動順序のシリアル化)。
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SPP2のプロセス関連定義のinitialize_syncオペランドにNが指定されているため,SPP2の起動が完了する前にSPP3が起動されます。
TP1/EE起動時の処理には,起動順序のシリアル化機能を使用するかどうかによって,処理内容が異なるものがあります。TP1/EE起動時の処理と,起動順序のシリアル化機能の使用有無による処理内容の違いについて,次の表に示します。
表3‒26 起動順序のシリアル化機能の使用有無によるTP1/EE起動時の処理内容の違い
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TP1/EE起動時の処理
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処理内容
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機能を使用しない場合
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機能を使用する場合
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eesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドの終了処理
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eesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドは,初期化処理中に終了します。
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eesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドは,初期化処理の完了後に終了します。ただし,起動順序のシリアル化機能を使用しない場合よりeesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドの処理に掛かる時間が長くなります。
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初期化処理中のeesvstopコマンド実行の受け付け処理
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eesvstopコマンドの実行を受け付けます。ただし,TP1/EEが終了するのは初期化処理の完了後となります。-fオプションを指定したeesvstopコマンドを実行すると,TP1/EEは即座に終了します。
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-fオプションを指定したeesvstopコマンドの実行だけを受け付けます。-fオプションを指定したeesvstopコマンドを実行すると,TP1/EEは即座に終了します。
-fオプションを指定したeesvstopコマンド以外を実行した場合は,コマンドがエラー終了します。
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初期化処理中のdcstopコマンド実行の受け付け処理
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dcstopコマンドの実行を受け付けます。ただし,TP1/EEが終了するのは初期化処理の完了後となります。-fオプションを指定したdcstopコマンドを実行すると,TP1/EEは即座に終了します。
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dcstopコマンドの実行を受け付けません。dcstopコマンドを実行した場合は,コマンドがエラー終了します。-fオプションを指定したdcstopコマンドを実行すると,TP1/EEは即座に終了します。
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初期化トランザクション起動中のプロセスダウン後の処理
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TP1/Server BaseからTP1/EEが再起動されます。TP1/EEは,KFSB65390-Eメッセージを出力したあとに終了します。eesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドを実行すると,コマンドは正常終了します。
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TP1/EEは再起動されません。eesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドを実行すると,コマンドは異常終了します。
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定義チェック中のプロセスダウン後の処理
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TP1/EEは再起動されません。eesvstartコマンドまたはdcsvstartコマンドを実行すると,コマンドは異常終了します。
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