4.10.3 クラスタ運用の環境設定
クラスタ運用に対応するためのバッチジョブ実行システムの環境設定について説明する。
- 〈この項の構成〉
(1) 環境設定で設定する項目
環境設定で設定する項目を次に示す。
(a) 共有ディスク上への共有ディレクトリの作成
実行系・待機系の切り替え時に情報を共有するために,次の表に示すディレクトリを共有ディスク上に作成する。
共有ディレクトリの種別 |
作成基準 |
---|---|
カタログドプロシジャ用 |
△ |
一時ファイル用 |
△ |
スプール用 |
○ |
恒久ファイル用 |
△ |
実行ログ用 |
△ |
トレース用 |
△ |
- (凡例)
-
○:共有ディスク上に作成することが必須である。
△:システムの運用方針に従い設定する。
(b) クラスタソフトへの登録
クラスタソフトに登録する機能と各機能で使用するコマンドを次の表に示す。
登録する機能 |
説明 |
使用するコマンド |
---|---|---|
起動 |
スプールジョブ転送デーモンを起動する。 |
bjexpdctl start※1 bjexpdctl -h 論理ホスト名 start※2 |
停止 |
スプールジョブ転送デーモンを停止する。 |
bjexpdctl stop※1 bjexpdctl -h 論理ホスト名 stop※2 |
動作監視 |
スプールジョブ転送デーモンが正常に動作していることを監視する。 |
bjexpdctl status※1 bjexpdctl -h 論理ホスト名 status※2 |
(2) インストール
実行系,待機系それぞれのローカルディスク上にバッチジョブ実行システムをインストールすること。また,共有ディスク上にはバッチジョブ実行システムをインストールしないこと。
(3) セットアップ
バッチジョブ実行システムをクラスタシステムで運用するには,JP1をセットアップしたあとに実行系および待機系のセットアップが必要である。JP1のセットアップについては,JP1のマニュアルを参照すること。
バッチジョブ実行システムのセットアップを次に示す。
(a) バッチジョブ実行システムの設定ファイル
バッチジョブ実行システムをクラスタシステムで動作させるためには,JP1の論理ホストと連携するバッチジョブ実行システムの設定ファイルを実行系・待機系それぞれに作成する必要がある。
クラスタシステムで運用する場合の設定ファイルに記述する内容は,物理ホストの設定ファイル(bjex.conf)に記述する内容と同様である。詳細については,「8. 設定ファイル」を参照すること。
(b) 実行系・待機系のファイル構成
バッチジョブ実行システムは,実行系サーバと待機系サーバで次のファイルを同じ構成にする必要がある。
-
ジョブ定義XMLファイル
-
プロシジャXMLファイル
-
バッチジョブ実行システムの設定ファイル
-
ジョブ定義XML ファイルのEXEC 要素に指定する実行プログラム