2.5 時間監視機能

TP1/Message Queueは,チャネルに関連する動作を各種タイマによって時間監視します。時間監視をするには,あらかじめ定義で監視タイマ値を指定しておく必要があります。TP1/Message Queueの時間監視の種類,およびそれを指定する定義について,次の表に示します。

すべてのタイマはタイマ定義に指定した基本タイマ(MQT共通定義のmqtttim定義コマンドの-t btimおよびbmtimオペランド指定値)によって,タイマ精度に影響を受けます。例えば,基本タイマが5秒の場合,指定したタイマが最大5秒単位で繰り上げられることがありますので注意してください。

NTPなどで各マシンのシステム時刻を合わせている場合,時刻の補正によって自システムや相手システムで監視時間タイムアウト(KFCA16329-Eメッセージ)になる場合がありますので注意してください。

表2-12 時間監視の種類

時間監視の種類時間監視の範囲タイムアウト時の処理適用範囲指定する定義
送受信監視チャネル確立完了監視TCP/IPコネクション確立時
~開始要求受信時1
TCP/IPコネクション解放レスポンダ側MCAmqttcp -v rtim
mqttcpcr -v rtim
要求応答受信監視開始要求送信時
~開始応答受信時
チャネル終了2コーラ側MCAmqtalccha -v tim1
バッチ内最終セグメント送信時
~送達確認応答受信時
  • 転送キューへのメッセージの戻し
  • チャネル終了2
送信側MCAmqtalccha -v tim2
ハートビートメッセージ要求送信時
~ハートビートメッセージ応答受信時
  • チャネル終了2
Ping要求送信時~Ping応答受信時
  • チャネル終了
送達確認要求送信時~送達確認応答受信時
  • 転送キューへのメッセージの戻し
  • チャネル終了2
継続セグメント受信監視セグメント受信時
~継続セグメント受信時
  • 受信済みセグメント破棄
  • チャネル終了2
受信側MCAmqtalccha -v tim3
継続メッセージ受信監視メッセージの最終セグメント受信時
~継続メッセージ受信時
  • 受信済みメッセージ破棄
  • チャネル終了2
受信側MCAmqtalccha -v mtim
終了処理監視MQTの終了処理開始
~動作中チャネルのメッセージ処理完了
  • メッセージ送受信中断
  • チャネル終了
全チャネルmqttcp -v etim
mqttcpcs -v etim
mqttcpcr -v etim
チャネル要求監視MQT開始
~MQT終了で繰り返し
MQRからのクラスタチャネルの開始または削除連絡確認クラスタプロセスmqttcpcs -v stim
mqttcpcr -v stim
イニシエーションキュー監視MQT開始
~MQT終了で繰り返し
イニシエーションキューへのトリガメッセージ登録を確認し該当するチャネルを開始タイマ方式のイニシエーションキュー監視mqttcp -v itim
転送キュー監視メッセージ未登録検出時
~メッセージ登録の有無確認時
転送キュー監視回数分メッセージ登録を確認しチャネル終了タイマ方式の転送キュー監視をする送信側MCAmqtalccha -v tim4
切断時間間隔バッチ終了時
~次バッチ送信監視時
チャネル終了イベント方式の転送キュー監視をする送信側MCAmqtalccha -v dtim
バッチ終了待ちタイマ
(バッチインターバル)
バッチサイズ内でメッセージ未登録検出時
~メッセージ登録
バッチ終了イベント方式の転送キュー監視をする送信側MCAmqtalccha -v btim
mqtalccha -v bmtim
ハートビート機能バッチ終了時またはハートビートメッセージ要求送信時
~次バッチ要求送信時
  • 受信側MCAはhtim×2の時間経過後チャネル終了2
  • 送信側MCAはハートビートメッセージ要求送信
全チャネルmqtalccha -v htim
注※1
1回目の開始要求受信時にタイマ監視を終了します。そのため,ネゴシエーションが続いている間は,時間監視の対象外です。
注※2
タイムアウトしたチャネルがコーラ側MCAの場合,タイムアウト時のチャネル確立再試行を指定(TCP定義のmqtalccha定義コマンドの-v vretryオペランドにyesを指定)すると,チャネル確立再試行の指定(TCP定義のmqtalccha定義コマンドの-bオプション)に従ってチャネルを再確立できます。

<この節の構成>
2.5.1 送受信監視
2.5.2 終了処理監視
2.5.3 チャネル要求監視
2.5.4 イニシエーションキュー監視
2.5.5 転送キュー監視と切断時間間隔
2.5.6 バッチ終了待ちタイマ(バッチインターバル)
2.5.7 ハートビート機能