8.1 障害の種類と対応処理

システム運用中に障害が発生すると,TP1/NET/X25-Extendedは,エラーメッセージを出力したり,MCFイベントを通知したりします。ユーザがMCFイベント処理用MHPを作成してシステム定義で登録しておくと,障害に応じたユーザ任意の回復処理ができます。

TP1/NET/X25-Extended運用中の障害と対応処理について,障害の種類ごとに示します。

<この節の構成>
(1) コネクション障害
(2) コネクショングループ障害
(3) 受信スケジュール関係の障害(入力キュー,入力メッセージ編集UOC)
(4) 送信スケジュール関係の障害(出力キュー,出力メッセージ編集UOC)
(5) UAP障害
(6) MCF障害

(1) コネクション障害

表8-1 コネクション障害と対応処理

障害内容TP1/NET/X25-Extendedの処理ユーザの処理
コネクション確立時回復不可能障害
  1. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  2. コネクション確立失敗を通知するメッセージログ(KFCA16903-E)を出力します。
  3. CERREVT(コネクション確立不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
コネクション確立時回復可能障害
  1. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  2. リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,確立を再試行します。
ありません。
リトライアウトした場合
  1. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  2. コネクション確立失敗を通知するメッセージログ(KFCA16903-E)を出力します。
  3. CERREVT(コネクション確立不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
コネクション切断
  1. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16904-I)を出力します。
  2. CERREVT(コネクション切断),またはCCLSEVTを起動します。
  • mcftactcnコマンドを入力します。
  • 相手からの確立要求を待ちます。
メッセージ送信時障害
(回復不可能)
  1. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  2. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  3. CERREVT(コネクション切断)を起動します。
  4. ほかの正常なコネクションを使用して再送します。正常なコネクションがない場合,メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。
  • mcftactcnコマンドを入力します。
  • 相手からの確立要求を待ちます。
メッセージ送信時リセットパケット受信
  1. リセット受信を通知するメッセージログ(KFCA16916-I)を出力します。
  2. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  3. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  4. CERREVT(リセットパケット受信)を起動します。
  5. ほかの正常なコネクションを使用して再送します。正常なコネクションがない場合,メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。
  • mcftactcnコマンドを入力します。
  • 相手からの確立要求を待ちます。
受信バッファオーバフロー
  1. バッファオーバフローを通知するメッセージログ(KFCA16911-E)を出力します。
  2. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  3. CERREVT(受信バッファオーバフロー)を起動します。
  4. 受信メッセージを破棄します。
システム定義を修正します。
受信バッファ不足
  1. バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA13213-E)を出力します。
  2. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  3. CERREVT(受信バッファ不足)を起動します。
システム定義を修正します。
メッセージ受信時リセットパケット受信
  1. リセット受信を通知するメッセージログ(KFCA16916-I)を出力します。
  2. コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。
  3. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  4. CERREVT(リセットパケット受信)を起動します。
  5. 受信メッセージを破棄します。
  • mcftactcnコマンドを入力します。
  • 相手からの確立要求を待ちます。

(2) コネクショングループ障害

表8-2 コネクショングループ障害と対応処理

障害内容TP1/NET/X25-Extendedの処理ユーザの処理
グループ内のコネクションが一つも使用できない論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA17751-I)を出力します。グループ内のコネクションを再確立します。

(3) 受信スケジュール関係の障害(入力キュー,入力メッセージ編集UOC)

表8-3 受信スケジュール関係の障害と対応処理

障害内容TP1/NET/X25-Extendedの処理ユーザの処理
ユーザアプリケーション名未定義
  1. ERREVT1を起動します。
  2. 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
  3. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  4. CERREVT(コネクション切断)を起動します。
システム定義を修正します。
MCFイベント未定義
  • ERREVT×
  • C×××EVT
メッセージおよびイベントを破棄します。ありません。
MHPサービス,サービスグループ閉塞
  1. サービス閉塞を通知するメッセージログ(KFCA11051-E)を出力します。
  2. ERREVT2を起動します。
  3. 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
  4. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  5. CERREVT(コネクション切断)を起動します。
  • サービス,サービスグループの閉塞解除後,mcftactcnコマンドを入力します。
  • サービス,サービスグループの閉塞解除後,相手からの確立要求を待ちます。
入力キュー書き込み障害
  1. ERREVT2を起動します。
  2. 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
  3. 障害情報取得を通知するメッセージログ(KFCA10189-E)を出力します。
  4. 受信メッセージを破棄します。
  5. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  6. CERREVT(コネクション切断)を起動します。
  • 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
  • 障害の要因を取り除いたあと,相手からの確立要求を待ちます。
入力メッセージ編集UOCエラーリターン,またはパラメタ不正
  1. UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。
  2. CERREVT(UOC障害)を起動します。
  3. 受信メッセージを破棄します。
  4. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
入力メッセージ編集UOCを見直してください。
アプリケーション名形式不正
  1. アプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
  2. ERREVT1を起動します。
  3. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  4. CERREVT(コネクション切断)を起動します。
アプリケーション名取得失敗の要因を取り除いてください。

(4) 送信スケジュール関係の障害(出力キュー,出力メッセージ編集UOC)

表8-4 送信スケジュール関係の障害と対応処理

障害内容TP1/NET/X25-Extendedの処理ユーザの処理
出力キュー読み込み障害
  1. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  2. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  3. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  4. CERREVT(出力キュー読み込み障害)を起動します。
  5. ほかの正常なコネクションを使用して再送します。正常なコネクションがない場合,メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。
  • 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
  • 障害の要因を取り除いたあと,相手からの確立要求を待ちます。
出力メッセージ編集UOCエラーリターン,またはパラメタ不正
  1. UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。
  2. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  3. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  4. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  5. CERREVT(UOC障害)を起動します。
  6. ほかの正常なコネクションを使用して再送します。正常なコネクションがない場合,メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。
出力メッセージ編集UOCを見直してください。
メッセージ消し込み障害
  1. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  2. 処理を続行します。
ありません。
送信バッファ不足
  1. バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。
  2. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  3. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  4. コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。
  5. CERREVT(送信バッファ不足)を起動します。
  6. ほかの正常なコネクションを使用して再送します。正常なコネクションがない場合,メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。
システム定義を修正します。

(5) UAP障害

表8-5 UAP障害と対応処理

障害内容TP1/NET/X25-Extendedの処理ユーザの処理
セグメント受信前のUAP異常終了
  1. ERREVT2を起動します。
UAPを見直してください。
セグメント受信後のUAP異常終了
  1. ERREVT3を起動します。
UAPを見直してください。

(6) MCF障害

表8-6 MCF障害と対応処理

障害内容TP1/NET/X25-Extendedの処理ユーザの処理
  • 内部論理矛盾
  • 他アプリケーションプログラムとのインタフェースエラー
  1. 障害情報取得を通知するメッセージログ(KFCA10189-E)を出力します。
  2. 内部論理矛盾を通知するメッセージログ(KFCA16997-E,KFCA16999-E,KFCA17797-E,またはKFCA17799-E)を出力します。
保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避します。
KFCA16997-EまたはKFCA17797-Eの場合
3. 処理を続行します。
KFCA16999-EまたはKFCA17799-Eの場合
3. MCFを異常終了します。