コネクションは,通信相手システムへの論理的な通信路を示します。コネクションを確立・解放することで,相手システムに接続したり,相手システムから切り離したりします。コネクショングループは,同じ目的で使用される幾つかのコネクションをまとめたものです。メッセージを送受信するには,コネクショングループ内のコネクションが一つ以上確立されている必要があります。
コネクションとコネクショングループとの関係は,MCF通信構成定義で指定します。なお,同じコネクショングループに属するコネクションでは,定義の指定値を一致させる必要があるものがあります。詳細は5章の「TP1/NET/X25-Extended固有のシステム定義の種類」を参照してください。
また,コネクションには,次の二つの種類があります。
相手システムと通信するには,コネクションを確立する必要があります。コネクショングループ内のコネクションが一つ以上確立されている状態を,そのコネクショングループの確立状態といいます。
コネクションの確立には,次の方法があります。
発呼コネクションの確立の流れを,図2-2に示します。
図2-2 コネクション確立の流れ(発呼)
通信相手システムからの確立要求に従って,TP1/NET/X25-Extendedがコネクションを確立します。
コネクションが確立されると,状態通知イベント(COPNEVT)がUAPに通知されます。ただし,MCFアプリケーション定義でCOPNEVTを定義した場合だけです。
着呼コネクションの確立の流れを,図2-3に示します。
図2-3 コネクション確立の流れ(着呼)
相手システムとの通信を終了するために,コネクションを解放します。コネクショングループ内のコネクションが一つも確立されていない状態を,そのコネクショングループの解放状態といいます。コネクショングループが解放状態になったときは,それに対する状態通知イベント(CCLSEVT)は通知されません。このため,ユーザがコネクショングループ内のそれぞれのコネクションの状態を把握して,コネクショングループが解放状態になったかどうかを判断してください。
コネクションが解放されるときに,送受信メッセージが破棄される場合があります。このため,UAPは送受信メッセージを管理する必要があります。なお,このとき,障害通知イベント(CERREVT)は通知されません。
コネクションの解放には,次の方法があります。
自システムからのコネクションの解放の流れを,図2-4に示します。
図2-4 自システムからのコネクション解放の流れ
通信相手システムからの解放要求に従って,TP1/NET/X25-Extendedがコネクションを解放します。
コネクションが解放されると,状態通知イベント(CCLSEVT)か障害通知イベント(CERREVT)のどちらかがUAPに通知されます。ただし,MCFアプリケーション定義で該当するイベントを定義した場合だけです。どちらのイベントが通知されるかは,MCF通信構成定義(mcftalccn -f kind)の指定で決まります。
相手システムからのコネクション解放の流れを,図2-5に示します。
図2-5 相手システムからのコネクション解放の流れ
回線障害などによってコネクションが使用できなくなると,TP1/NET/X25-Extendedは,コネクションを切断状態にします。
コネクションが切断されると,障害通知イベント(CERREVT)か状態通知イベント(CCLSEVT)のどちらかがUAPに通知されます。ただし,MCFアプリケーション定義で該当するイベントを定義した場合だけです。どちらのイベントが通知されるかは,MCF通信構成定義(mcftalccn -f kind)の指定で決まります。
コネクションが切断されるときに,送受信メッセージが破棄される場合があります。このため,UAPは送受信メッセージを管理する必要があります。
コネクション切断の流れを,図2-6に示します。
図2-6 コネクション切断の流れ
回線障害などによってコネクションが使用できない場合,次の方法でコネクションを再確立します。
通信相手システムからの確立要求に従って,TP1/NET/X25-Extendedがコネクションを再確立します。