4.1.1 入力メッセージの編集とアプリケーション名の決定

入力メッセージ編集UOCは,受信したメッセージをユーザ任意の形式に変換します。そして受信した論理メッセージを基に,ユーザは任意のアプリケーション名を決定できます。

UOCは,MHPを起動するメッセージのセグメントを受信すると起動します。ただし,MCFイベント発生時と,UAPからのアプリケーションプログラム起動時はこのUOCは起動しません。

ユーザは,MCFメイン関数でUOC関数アドレスを設定します。また,必要に応じてMCF通信構成定義(mcftalccn -e)で,メッセージ編集用バッファグループ番号を定義します。

<この項の構成>
(1) 入力メッセージの編集
(2) アプリケーション名の決定
(3) UOCエラーリターン処理
(4) UOCパラメタ不正の場合の処理
(5) OpenTP1への組み込み方法

(1) 入力メッセージの編集

受信したメッセージが格納されている受信バッファ,およびMCF通信構成定義で指定した編集バッファを引き渡します。UOCでは,これらのバッファを使用して,メッセージを編集できます。

また,UAPに通知するメッセージのセグメントは,受信バッファ,または編集バッファのどちらかに格納されたものを使用できます。どちらのセグメントを使用するかは,UOCから返されるリターンコードによって選択できます。

各パラメタに設定した値が不正の場合,TP1/NET/X25-ExtendedはMCFイベントを通知してコネクションを解放します。

(2) アプリケーション名の決定

受信したメッセージの内容を基に,そのメッセージを処理するアプリケーションの名称を決定できます。

UOCでアプリケーション名を決定しない場合,MCF通信構成定義(mcftalcle -v)で指定したアプリケーション名が採用されます。ユーザはUOCかMCF通信構成定義のどちらかで,必ずアプリケーション名を決定してください。

アプリケーション名は,'¥0'で終わる1~8バイトの英数字で指定します。決定したアプリケーション名は,アプリケーション名格納領域に設定してください。先頭から9バイト目までに'¥0'がないときは,アプリケーション名の不正となります。このとき,不正アプリケーション名検出通知イベント(ERREVT1)がUAPに通知されます。

アプリケーション名の決定の流れを図4-1に示します。

図4-1 アプリケーション名の決定の流れ

[図データ]

(3) UOCエラーリターン処理

UOCからDCMCF_UOC_MSG_NGでリターンした場合,MCFはメッセージログを出力し,障害通知イベント(CERREVT)を通知します。

UOCで障害を検出し,エラー処理UAPを起動したい場合は,ユーザ任意のエラー処理UAPのアプリケーション名を設定します。このとき,MCFにはDCMCF_UOC_MSG_OK,またはDCMCF_UOC_MSG_OK_RCVでリターンします。この場合,MCFは正常なメッセージとして処理するため,受信メッセージの破棄などの障害処理はしません。

(4) UOCパラメタ不正の場合の処理

UOCで設定した値に不正があった場合,MCFはメッセージログを出力し,障害通知イベント(CERREVT)を通知します。

(5) OpenTP1への組み込み方法

スタート関数(dc_mcf_svstart)を発行するMCFメイン関数に,作成したUOCの関数アドレスを設定します。入力メッセージ編集UOCの関数アドレスは任意に決められます。UOC関数をコンパイルして生成したUOCオブジェクトファイルを,UOC 関数を登録したMCF メイン関数と結合して,TP1/NET/X25-Extendedの実行形式プログラムを生成します。MCFメイン関数の詳細については,「7.2 MCFメイン関数の作成」を参照してください。