入力メッセージ編集UOCは,受信した論理メッセージをユーザ任意の形式に変換します。また,受信した論理メッセージを基に,ユーザ任意のアプリケーション名を決定できます。
UOCは,MHPを起動するメッセージのセグメントを受信すると起動します。ただし,MCFイベント発生時と,UAPからのアプリケーションプログラム起動時はUOCは起動しません。
ユーザは,MCFメイン関数でUOC関数アドレスを設定します。また,必要に応じてMCF通信構成定義でメッセージ編集用バッファグループ番号(mcftalccn -e msgbuf)を定義します。
受信したメッセージが格納されている受信バッファ,およびMCF通信構成定義で指定した編集バッファを引き渡します。UOCでは,これらのバッファを使用して,入力メッセージの編集ができます。
また,UAPに通知するメッセージのセグメントは,受信バッファまたは編集バッファのどちらかに格納されたものを使用できます。どちらのセグメントを使用するかは,UOCから返されるリターンコードによって選択できます。
論理メッセージの内容を基に,ユーザ任意のアプリケーション名を決定できます。
UOCでアプリケーション名を決定しなかった場合,MCF通信構成定義(mcftalcle -v)で指定したアプリケーション名を採用します。UOCかMCF通信構成定義で,必ずアプリケーション名を決定してください。
アプリケーション名は,'¥0'で終わる1~8バイトの英数字です。決定したアプリケーション名は,アプリケーション名格納領域に設定してください。先頭から9バイト目までに'¥0'がないときは,アプリケーション名を不正とし,不正アプリケーション名検出通知イベント(ERREVT1)をUAPに通知します。
アプリケーション名の決定の処理を次の図に示します。
図4-1 アプリケーション名の決定の処理
UOCからDCMCF_UOC_MSG_NGでリターンした場合,MCFはメッセージログを出力し,障害通知イベント(CERREVT)を通知します。
UOCで障害を検出し,エラー処理UAPを起動したい場合は,ユーザ任意のエラー処理UAPのアプリケーション名を設定します。このとき,MCFにはDCMCF_UOC_MSG_OK,またはDCMCF_UOC_MSG_OK_RCVでリターンします。この場合,MCFは正常なメッセージとして処理するため,受信メッセージの破棄などの障害処理はしません。
UOCで設定した値に不正があった場合,MCFはメッセージログを出力し,障害通知イベント(CERREVT)を通知します。
スタート関数(dc_mcf_svstart)を発行するMCFメイン関数に,作成したUOCの関数アドレスを指定します。入力メッセージの編集UOCの関数アドレスは任意に決められます。UOC関数をコンパイルして生成したUOCオブジェクトファイルを,UOC関数を登録したMCFメイン関数と結合して,TP1/NET/NCSBの実行形式プログラムを生成します。MCFメイン関数の詳細については,「7.2 MCFメイン関数の作成」を参照してください。