コネクションは,通信相手システムへの論理的な通信路を示します。コネクションを確立・解放することで,相手システムに接続したり,相手システムから切り離したりします。コネクショングループは,同じ目的で使用される幾つかのコネクションをまとめたものです。メッセージを送受信するには,コネクショングループ内のコネクションが一つ以上確立されている必要があります。
コネクションとコネクショングループとの関係は,MCF通信構成定義で指定します。なお,同じコネクショングループに属するコネクションでは,定義の指定値を一致させる必要があるものがあります。詳細は「5. システム定義」を参照してください。
相手システムと通信するには,コネクションを確立する必要があります。コネクショングループ内のコネクションが一つ以上確立されている状態を,そのコネクショングループの確立状態といいます。
コネクションの確立には,次の方法があります。
コネクション確立の流れを次の図に示します。
図2-2 コネクション確立の流れ
コネクション確立時に障害が発生した場合,MCF通信構成定義(mcftalccn -b)で"bretry=yes"を指定,またはそのオペランドを省略しているときは,TP1/NET/NCSBはコネクションの再確立を試みます。MCF通信構成定義(mcftalccn -b)のbretrycntオペランドで指定した回数を繰り返しても確立できなかったときは,メッセージログ(KFCA15603-E)を出力してコネクションの確立処理を終了します。このとき,TP1/NET/NCSBは,MCFアプリケーション定義でCERREVTを定義していると,UAPに対してCERREVTを通知します。
再度コネクションの確立を試みたい場合,メッセージログおよびCERREVTで通知された内容を基に障害の要因を取り除いてから,運用コマンド(mcftactcn)を使用してください。
相手システムとの通信を終了するために,コネクションを解放します。コネクショングループ内のコネクションが一つも確立されていない状態を,そのコネクショングループの解放状態といいます。
コネクションが解放されるときに,受信メッセージが破棄される場合があります。このとき,障害通知イベント(CERREVT)は通知されません。
コネクションの解放には,次の方法があります。
コネクションの解放は,コネクションごとに状態通知イベント(CCLSEVT)で通知されます。コネクショングループに対しては通知されません。したがって,ユーザはコネクショングループ内のそれぞれのコネクションの状態を把握して,コネクショングループが解放状態になったかどうかを判断してください。
コネクション解放の流れを次の図に示します。
図2-3 コネクション解放の流れ
障害によってコネクションに対する回線がすべて使用できなくなったとき,TP1/NET/NCSBは,そのコネクションを切断状態にします。コネクションが切断状態になると,TP1/NET/NCSBは,状態通知イベント(CERREVT)をUAPに通知します。コネクションが切断された場合の対策については,「8. 障害対策」を参照してください。
コネクション切断の流れを次の図に示します。
図2-4 コネクション切断の流れ