3.6.2 同期モードのEOT交換

非同期モードの場合に回線を維持するためのEOT交換について説明します。

<この項の構成>
(1) EOT交換
(2) EOT交換の抑止

(1) EOT交換

HSC2手順(同期モード)では,回線維持モードになったときにEOT交換をして,相手システムとの回線接続状態を維持します。EOT交換は,相手システムとEOTの送受信をすることで,回線接続状態を確認することです。EOT交換中に送受信メッセージが発生すると,EOT交換を中断し,送信モードまたは受信モードになります。MCF通信構成定義(mcftalccn -f)のeotctrlオペランドでuseを指定するか,またはこのオペランドを省略するとEOT交換をします。MCF通信構成定義については,6章の「TP1/NET/HSC固有のシステム定義の種類-HSC2手順(同期モード)」を参照してください。

同期モードの場合のEOT交換の処理の流れを,メッセージ送信後と受信後に分けて,図3-17および図3-18に示します。

図3-17 同期モードのメッセージ送信後のEOT交換

[図データ]

  1. 自システムのMHPから,関数の終了を示すEOTありのsendsync関数を呼び出します。
  2. TP1/NET/HSCは,相手システムにEOTを送信し,回線維持モードになります。
  3. 相手システムから回線の維持をするEOTを受信します。
  4. TP1/NET/HSCから回線の維持をするEOTを相手システムに送ります。
  5. MCF通信構成定義(mcftalccn -f)のeotexlまたはeotexrオペランドで指定した回数のEOT交換をします。
  6. 指定した回数のEOT交換が終了すると,回線を切断します。

図3-18 同期モードのメッセージ受信後のEOT交換

[図データ]

  1. 相手システムから,送信権放棄のEOTを受信します。TP1/NET/HSCは,回線維持モードになります。
  2. TP1/NET/HSCから回線の維持をするEOTを相手システムに送ります。
  3. 相手システムから回線の維持をするEOTを受信します。
  4. MCF通信構成定義(mcftalccn -f)のeotexlまたはeotexrオペランドで指定した回数のEOT交換をします。
  5. 指定した回数のEOT交換が終了すると,回線を切断します。

(2) EOT交換の抑止

HSC2手順(同期モード)は,MCF通信構成定義(mcftalccn -f)のeotctrlオペランドでnouseを指定すると,EOT交換をしないで,時間監視をして回線を維持します。このとき,MCF通信構成定義(mcftalccn -f)のholdtimeオペランドで指定した時間だけ,相手システムとの回線接続状態を維持します。指定した時間にメッセージの送受信がない場合は,接続中の回線を正常に切断します。また,メッセージ送受信があった場合は,時間監視を中止し,通常のメッセージの送受信をします。MCF通信構成定義については,6章の「TP1/NET/HSC固有のシステム定義の種類-HSC2手順(同期モード)」を参照してください。