TP1/NET/HSCでは,メッセージの送受信をするために,論理端末タイプとアプリケーションの型を定義します。また,アプリケーションの型によって,UAPでできる機能が違います。ここでは,TP1/NET/HSCのHSC2手順を使用する場合,TP1/NET/HSCで定義する内容について説明します。
- 論理端末の端末タイプ
論理端末は,メッセージの送受信をするためのユーザインタフェースで,利用形態による端末タイプがあります。TP1/NET/HSCでは,相手システムとのメッセージ送受信をサポートするために,any型(任意型論理端末)を端末タイプとします。
論理端末の端末タイプは,MCF通信構成定義(mcftalcle -t)で指定します。
- 論理端末の属性
HSC2手順の場合,メッセージ送受信の形態が非同期モードと同期モードに分かれるため,モードに合わせて論理端末の属性を定義する必要があります。論理端末の属性は,MCF通信構成定義(mcftalcle -b)のattrオペランドで指定します。非同期モードの場合,このオペランドの指定を省略するか,asyncを指定してください。同期モードの場合は,syncを指定してください。
async:論理端末はUAPと結び付くことはなく,非同期に送受信をします。
sync:論理端末はUAPと1対1で結び付き,同期に送受信をします。
同期モードの場合,論理端末とUAPは,相手システムとの回線が接続したときに結び付けられ,回線が切断したときに結び付きが終了します。また同期モードでは,論理端末とUAPの結び付きの単位でメッセージの入力通番(仕掛り通番)を管理します。仕掛り中の論理端末に対して,別のUAPからの回線接続要求があった場合は,出力キューに保留され,論理端末の仕掛り終了後に実行されます。
- アプリケーションの型
アプリケーションは,ユーザが送受信データの中で指定したアプリケーション名をキーとして一つのUAP(MHP)プロセスで実行されます。アプリケーションには,処理形態によって型があります。アプリケーションの型は,MCFアプリケーション定義(mcfaalcap -n)で指定します。TP1/NET/HSCで扱うアプリケーションの型は,非応答型(noans:受信メッセージに対して応答しないMHPの型)だけです。アプリケーションの定義については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。
- アプリケーション名
アプリケーション名は,相手システムとの接続情報を基に,MHPを起動する名称です。
アプリケーション名は,相手システムとの回線接続時に入力メッセージ編集UOCで決定する方法と,システム定義で決定する方法があります。アプリケーション名の決定については,「5.1.3 入力メッセージの編集とアプリケーション名の決定」を参照してください。また,システム定義で決定する場合は,MCF通信構成定義(mcftalcle -v)で指定します。
論理端末の端末タイプ,メッセージの種類,アプリケーションの型,UAPインタフェース,および通信形態の関係を次の表に示します。
表3-1 論理端末の端末タイプ,メッセージの種類,アプリケーションの型,UAPインタフェース,および通信形態の関係(HSC2手順)
論理端末の端末タイプ | メッセージの種類 | アプリケーションの型 | UAPインタフェース | 通信形態 |
---|
any (任意型論理端末) | 一方送信メッセージ | 非応答型 (noans) | send | 分岐送信形態 |
receive | 一方受信形態 |
sendsync | 同期送信形態 |
recvsync | 同期受信形態 |