2.1.5 メッセージの分割と組み立て

論理メッセージは,付けられる情報やデータの内容が,処理層によって異なります。また,ユーザが作成した固有のデータは,データの内容によってテキスト形態が異なります。

<この項の構成>
(1) 論理メッセージの扱い
(2) テキスト形態とUAPでのデータの扱い

(1) 論理メッセージの扱い

TP1/NET/HSCの論理メッセージは,複数のセグメントに分割できます。メッセージ送受信の関数で処理するセグメントの先頭には,MCFで使用するヘッダ領域があります。このヘッダ領域の長さによって,バッファ形式1バッファ形式2があります。通常はバッファ形式1を使用します。

OpenTP1システムのUAPで作成した論理メッセージは,TP1/Message Control,TP1/NET/HSC,通信管理の各処理層を介して相手システムに送信されます。相手システムからのメッセージの受信の場合は逆の順番になります。論理メッセージは,単独セグメントまたは複数セグメントのデータで構成されます。

処理層とデータの関係を,次の図に示します。

図2-2 処理層とデータの関係(HSC1手順)

[図データ]

(2) テキスト形態とUAPでのデータの扱い

TP1/NET/HSCのHSC1手順で扱うテキスト形態と,それぞれについてのUAPでのデータの扱いを説明します。各テキスト形態は,16進数字で表現します。テキスト形態の数値は,次に示すようにメッセージ送信時は送信領域に設定し,メッセージ受信時は受信領域に設定されます。送信領域,受信領域については,「4. メッセージ送受信インタフェース」を参照してください。

また,TP1/NET/HSCを使用するUAPでは,アプリケーション起動をされた場合も同様に,「(a) テキスト形態の種別」に示すテキスト形態が設定されることを前提とします。したがって,TP1/NET/HSCを使用するUAPをアプリケーション起動する場合,テキスト形態を含めた形式でメッセージを編集する必要があります。

(a) テキスト形態の種別

テキスト形態の種別を次の図に示します。

図2-3 テキスト形態の種別(HSC1手順)

[図データ]

UAPおよび通信管理でのデータの扱いをテキスト形態の種別ごとに次の表に示します。

表2-2 UAPおよび通信管理でのデータの扱い(HSC1手順)

項番テキスト形態種別動作種別データの扱い
1.通常テキストUAP送信テキスト形態,ヘッダを作成します。
受信テキスト形態,ヘッダを受け取ります。
通信管理送信STX,ETX(またはETB)を付加します。
受信STX,ETX(またはETB)を削除します。
2.ヘッダ付きテキストUAP送信テキスト形態,ヘッダ,STXおよびデータの作成します。
受信テキスト形態,ヘッダ,STXおよびデータを受け取ります。
通信管理送信SOH,ETX(またはETB)を付加します。
受信SOH,ETX(またはETB)を削除します。
3.透過モードテキストUAP送信テキスト形態,透過データの作成します。
受信テキスト形態,透過データを受け取ります。
通信管理送信DLE,STX,DLEおよびETX(またはETB)を付加します。
受信DLE,STX,DLEおよびETX(またはETB)を削除します。
4.ヘッダ付き透過モードテキストUAP送信テキスト形態,ヘッダ,DLE,STXおよび透過データの作成します。
受信テキスト形態,ヘッダ,DLE,STXおよび透過データを受け取ります。
通信管理送信SOH,DLEおよびETX(またはETB)を付加します。
受信SOH,DLEおよびETX(またはETB)を削除します。
(b) テキスト形態の数値表現と内容

送信するテキスト形態の数値表現と内容を表2-3に,受信するテキスト形態の数値表現と内容を表2-4に示します。

表2-3 送信するテキスト形態の数値表現と内容(HSC1手順)

項番テキスト形態数値表現(16進数字)内容
1.通常テキスト00000002通常のデータ
2.ヘッダ付きテキスト00000001ヘッダ + STX + データ
3.透過モードテキスト00000004透過モードで伝送されるデータ
4.ヘッダ付透過モードテキスト00000003ヘッダ + DLE + STX + 透過データ

表2-4 受信するテキスト形態の数値表現と内容(HSC1手順)

項番テキスト形態数値表現(16進数字)内容
1.通常テキスト00000002通常のデータ
2.ヘッダ付きテキスト00000001ヘッダ + STX + データ
3.透過モードテキスト00000004透過モードで伝送されるデータ
4.ヘッダ付透過モードテキスト00000003ヘッダ + DLE + STX + 透過データ