9.1 障害の種類と対応処理

HSC1手順の場合のTP1/NET/HSC運用中の障害と対応処理について,障害の種類ごとに示します。

<この節の構成>
(1) コネクション障害
(2) 受信スケジュール関係(入力キュー,入力メッセージ編集UOC)の障害
(3) 送信スケジュール関係(出力キュー,出力メッセージ編集UOC)の障害
(4) UAP障害
(5) MCFの障害

(1) コネクション障害

コネクション障害時のTP1/NET/HSCの障害処理については,「9.2 コネクション障害」を参照してください。

表9-1 コネクション障害発生時の処理(HSC1手順)

障害の内容TP1/NET/HSCの処理ユーザの処理
コネクション確立時障害(回復不可能)
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  3. CERREVT(コネクションの確立不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。
コネクション切断障害(回復不可能)
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  3. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(コネクションの切断,コネクション回復不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。
受信バッファオーバフロー
  1. 受信メッセージの破棄,および受信メッセージのオーバフローを通知するメッセージログ(KFCA14300-W)を出力します。
  2. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  3. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(受信バッファオーバフロー)を起動します。
バッファグループ定義を修正してください。
メッセージ送信時障害(回復不可能)
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  3. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(コネクションの切断,コネクション回復不可能)を起動します。
  6. メッセージは出力キューに残し,未送信扱いとします。
障害の要因を取り除いたあと,運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。
メッセージ送信時回線上のHSC手順エラー(回復可能)
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. メッセージの送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  3. 送信を中断したメッセージを取り出し,前の状態に戻します。
  4. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  5. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  6. CERREVT(回線上のHSC手順エラー,回復可能およびリトライ実行中)を起動します。
  7. コネクションの回復動作を通知するメッセージログ(KFCA14501-I)を出力します。
  8. 回復障害時,COPNEVTを起動します。
  9. コネクションの確立を通知するメッセージログ(KFCA14000-I)を出力します。
  10. 論理端末の閉塞解除を通知するメッセージログ(KFCA14003-I)を出力します(論理端末自動起動の場合)。
  11. 相手システムからのメッセージを受信したあとに,メッセージを再送します。
  • 障害が回復する前に,送信要求が発生した場合,運用コマンド(mcftactle)を入力してください(自システム起動によるコネクション再確立の場合)。
  • 障害回復動作を中止する場合,運用コマンド(mcftdctcn)を入力してください。
メッセージ受信時障害(回復不可能)
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. 受信メッセージの破棄,およびコネクションの切断を通知するメッセージログ(KFCA14300-W)を出力します。
  3. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  4. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  5. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  6. CERREVT(コネクションの切断,コネクション回復不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,運用コマンド(mcftactcn)を入力して,再びコネクションを確立します。
メッセージ受信時回線上のHSC手順エラー(回復可能)
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. 受信メッセージの破棄,および回線上のHSC手順エラーを通知するメッセージログ(KFCA14300-W)を出力します。
  3. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(回線上のHSC手順エラー,回復可能およびリトライ実行中)を起動します。
  6. コネクションの回復動作を通知するメッセージログ(KFCA14501-I)を出力します。
  7. 回復障害時,COPNEVTを起動します。
  8. コネクションの確立を通知するメッセージログ(KFCA14000-I)を出力します。
  9. 論理端末の閉塞解除を通知するメッセージログ(KFCA14003-I)を出力します(論理端末自動起動の場合)。
  10. 相手システムからのメッセージを受信します。
  • 障害が回復する前に,送信要求が発生した場合,運用コマンド(mcftactle)を入力してください(自システム起動によるコネクション再確立の場合)。
  • 障害回復動作を中止する場合,運用コマンド(mcftdctcn)を入力してください。

(2) 受信スケジュール関係(入力キュー,入力メッセージ編集UOC)の障害

入力キュー障害時の障害処理については,「9.5 入力キュー障害」を参照してください。

表9-2 受信スケジュール関係の障害発生時の処理(HSC1手順)

障害の内容TP1/NET/HSCの処理ユーザの処理
アプリケーション名未定義ERREVT1を起動します。アプリケーション定義を修正してください。
MCFイベントの名称未定義
  • ERREVTx
  • SxxxEVT
  • CxxxEVT
メッセージ,およびMCFイベントを破棄します。ありません。
  • MHPサービス,サービスグループ閉塞
  • 入力キュー書き込み障害
  1. ERREVT2を起動します。
  2. 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
ありません。
入力メッセージ編集UOCエラーリターン
  1. UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E)を出力します。
  2. アプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
  3. 論理端末を閉塞します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(UOC障害)を起動します。
ありません。
入力メッセージ編集UOCパラメタ不正
  1. UOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。
  2. アプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
  3. 論理端末を閉塞します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(UOC障害)を起動します。
UOCを見直してください。
アプリケーション名形式不正
  1. アプリケーション名の取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
  2. ERREVT1を起動します。
UOCを見直してください。
メッセージ受信(ETB)後のEOT受信受信メッセージの破棄,およびETB受信後のEOT受信を通知するメッセージログ(KFCA14300-W)を出力します。ありません。
受信バッファ不足
  1. 受信バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。
  2. グループバッファ取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA14005-E)を出力します。
  3. 受信メッセージの破棄を通知するメッセージログ(KFCA14300-W)を出力します(ETBブロック受信済みの場合)。
  4. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  5. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  6. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  7. CERREVT(受信バッファ不足)を起動します。
受信バッファの数を見直してください。
入力キュー書き込み後の障害
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  3. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(コネクション障害)を起動します。
障害回復後,相手システムからメッセージが二重に送信される場合があります。
メッセージ通番で二重送信をチェックしてください。

(3) 送信スケジュール関係(出力キュー,出力メッセージ編集UOC)の障害

出力キュー障害時の障害処理については,「9.6 出力キュー障害」を参照してください。

表9-3 送信スケジュール関係の障害発生時の処理(HSC1手順)

障害の内容TP1/NET/HSCの処理ユーザの処理
出力キュー読み込み障害
  1. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  2. CERREVT(出力キュー読み込み障害)を起動します。
  3. 該当するメッセージを消去します。
  4. 論理端末を閉塞します。
  5. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
相手システムに出力キュー障害を通知(send)してください。
出力メッセージ編集UOCエラーリターン
  1. UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E)を出力します。
  2. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  3. CERREVT(UOC障害)を起動します。
  4. 該当するメッセージを消去します。
  5. 論理端末を閉塞します。
  6. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
相手システムに出力キュー障害を通知(send)してください。
出力メッセージ編集UOCパラメタ不正
  1. UOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。
  2. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  3. CERREVT(UOC障害)を起動します。
  4. 該当するメッセージを消去します。
  5. 論理端末を閉塞します。
  6. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
相手システムに出力キュー障害を通知(send)してください。また,UOCを見直してください。
メッセージ消し込み障害
  1. メッセージ送信完了障害を通知するメッセージログ(KFCA10617-E)を出力します。
  2. 処理を続行します。
ありません。
送信バッファオーバフロー
  1. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  2. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  3. 論理端末を閉塞します。
  4. 該当するメッセージを消去します。
  5. CERREVT(受信バッファオーバフロー)を起動します。
バッファグループ定義,またはUAPを修正してください。
送信バッファ不足
  1. ローカルメモリ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。
  2. 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  3. 該当するメッセージを取り出し前の状態に戻します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. 論理端末を閉塞します。
  6. CERREVT(送信バッファ不足)を起動します。
一定時間経過後,運用コマンド(mcftactle)を入力して論理端末の閉塞を解除し,メッセージを再送信してください。また,送信バッファの数を見直してください。
出力キュー消去前の障害
  1. コネクションの障害を通知するメッセージログ(KFCA14500-W)を出力します。
  2. コネクションの解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
  3. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  5. CERREVT(コネクション障害)を起動します。
障害回復後,相手システムへメッセージが二重に送信される場合があります。
メッセージ通番で二重送信をチェックしてください。
送信テキスト形態不正
  1. 送信テキスト形態不正を通知するメッセージログ(KFCA14502-E)を出力します。
  2. 該当するメッセージを消去します。
  3. CERREVT(論理端末レベル障害,送信テキスト形態不正)を起動します。
  4. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
送信テキスト形態の設定を見直してください。
テキスト送信時のEOT受信
  1. 該当するメッセージを取り出し前の状態に戻します。
  2. 例外事項発生を通知するメッセージログ(KFCA14301-W)を出力します。
  3. メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。
  4. CERREVT(論理端末レベル障害,テキスト送信時のEOT受信)を起動します。
  5. 論理端末の閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
一定時間経過後,運用コマンド(mcftactle)を入力して論理端末の閉塞を解除し,メッセージを再送信してください。また,該当するメッセージの内容が不正ならばmcftdlqleコマンドなどでメッセージを削除してください。

(4) UAP障害

表9-4 UAP障害発生時の処理(HSC1手順)

障害の内容TP1/NET/HSCの処理ユーザの処理
セグメント受信前のUAP異常終了ERREVT2を起動します。相手システムにUAPの異常終了を通知(send)してください。また,UAPを見直してください。
セグメント受信後のUAP異常終了ERREVT3を起動します。相手システムにUAPの異常終了を通知(send)してください。また,UAPを見直してください。

(5) MCFの障害

表9-5 MCFの障害発生時の処理(HSC1手順)

障害の内容TP1/NET/HSCの処理ユーザの処理
  • 内部論理矛盾
  • 他PPとのインタフェースエラー
  1. 障害情報の取得を通知するメッセージログ(KFCA10189-E)を出力します。
  2. コネクションの閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
  3. CERREVT(コネクションレベル)を起動します。(コネクション障害の場合)
ありません。