論理メッセージは,付けられる情報やデータの内容が,処理層によって異なります。また,ユーザが作成した固有のデータは,データの内容によってテキスト形態が異なります。
TP1/NET/HSCの論理メッセージは,複数のセグメントに分割できます。メッセージ送受信の関数で処理するセグメントの先頭には,MCFで使用するヘッダ領域があります。このヘッダ領域の長さによって,バッファ形式1とバッファ形式2があります。通常はバッファ形式1を使用します。
OpenTP1システムのUAPで作成した論理メッセージは,TP1/Message Control,TP1/NET/HSC,通信管理の各処理層を介して相手システムに送信されます。相手システムからのメッセージの受信の場合は逆の順番になります。論理メッセージは,単独セグメントまたは複数セグメントのデータで構成されます。
処理層とデータの関係を,次の図に示します。
図2-2 処理層とデータの関係(HSC1手順)
TP1/NET/HSCのHSC1手順で扱うテキスト形態と,それぞれについてのUAPでのデータの扱いを説明します。各テキスト形態は,16進数字で表現します。テキスト形態の数値は,次に示すようにメッセージ送信時は送信領域に設定し,メッセージ受信時は受信領域に設定されます。送信領域,受信領域については,「4. メッセージ送受信インタフェース」を参照してください。
また,TP1/NET/HSCを使用するUAPでは,アプリケーション起動をされた場合も同様に,「(a) テキスト形態の種別」に示すテキスト形態が設定されることを前提とします。したがって,TP1/NET/HSCを使用するUAPをアプリケーション起動する場合,テキスト形態を含めた形式でメッセージを編集する必要があります。
テキスト形態の種別を次の図に示します。
図2-3 テキスト形態の種別(HSC1手順)
UAPおよび通信管理でのデータの扱いをテキスト形態の種別ごとに次の表に示します。
表2-2 UAPおよび通信管理でのデータの扱い(HSC1手順)
項番 | テキスト形態 | 種別 | 動作種別 | データの扱い |
---|---|---|---|---|
1. | 通常テキスト | UAP | 送信 | テキスト形態,ヘッダを作成します。 |
受信 | テキスト形態,ヘッダを受け取ります。 | |||
通信管理 | 送信 | STX,ETX(またはETB)を付加します。 | ||
受信 | STX,ETX(またはETB)を削除します。 | |||
2. | ヘッダ付きテキスト | UAP | 送信 | テキスト形態,ヘッダ,STXおよびデータの作成します。 |
受信 | テキスト形態,ヘッダ,STXおよびデータを受け取ります。 | |||
通信管理 | 送信 | SOH,ETX(またはETB)を付加します。 | ||
受信 | SOH,ETX(またはETB)を削除します。 | |||
3. | 透過モードテキスト | UAP | 送信 | テキスト形態,透過データの作成します。 |
受信 | テキスト形態,透過データを受け取ります。 | |||
通信管理 | 送信 | DLE,STX,DLEおよびETX(またはETB)を付加します。 | ||
受信 | DLE,STX,DLEおよびETX(またはETB)を削除します。 | |||
4. | ヘッダ付き透過モードテキスト | UAP | 送信 | テキスト形態,ヘッダ,DLE,STXおよび透過データの作成します。 |
受信 | テキスト形態,ヘッダ,DLE,STXおよび透過データを受け取ります。 | |||
通信管理 | 送信 | SOH,DLEおよびETX(またはETB)を付加します。 | ||
受信 | SOH,DLEおよびETX(またはETB)を削除します。 |
送信するテキスト形態の数値表現と内容を表2-3に,受信するテキスト形態の数値表現と内容を表2-4に示します。
表2-3 送信するテキスト形態の数値表現と内容(HSC1手順)
項番 | テキスト形態 | 数値表現(16進数字) | 内容 |
---|---|---|---|
1. | 通常テキスト | 00000002 | 通常のデータ |
2. | ヘッダ付きテキスト | 00000001 | ヘッダ + STX + データ |
3. | 透過モードテキスト | 00000004 | 透過モードで伝送されるデータ |
4. | ヘッダ付透過モードテキスト | 00000003 | ヘッダ + DLE + STX + 透過データ |
表2-4 受信するテキスト形態の数値表現と内容(HSC1手順)
項番 | テキスト形態 | 数値表現(16進数字) | 内容 |
---|---|---|---|
1. | 通常テキスト | 00000002 | 通常のデータ |
2. | ヘッダ付きテキスト | 00000001 | ヘッダ + STX + データ |
3. | 透過モードテキスト | 00000004 | 透過モードで伝送されるデータ |
4. | ヘッダ付透過モードテキスト | 00000003 | ヘッダ + DLE + STX + 透過データ |