運用中に障害が発生すると,TP1/NET/X25はシステムを回復します。このとき,システム定義の指定によって,MCFイベント処理用MHPも起動できます。
VCの場合のTP1/NET/X25運用中の障害と対応処理について,障害の種類ごとに示します。
表10-1 コネクション障害と対応処理(VC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(VC) | ユーザの処理 |
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コネクション確立時障害(回復不可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (2) コネクション確立失敗を通知するメッセージログ(KFCA16903-E)を出力します。 (3) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 |
着呼側コネクション確立時障害 | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 | 障害の要因を取り除いたあと,相手からの確立要求を待ちます。 |
コネクション確立時障害(回復可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (2) リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,確立を再試行します。 | ありません。 |
リトライアウトした場合 (3) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (4) コネクション確立失敗を通知するメッセージログ(KFCA16903-E)を出力します。 (5) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 | |
コネクション切断 | (1) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16904-I)を出力します。 (2) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (3) CERREVT(コネクション切断・回復不可能),またはCCLSEVTを起動します。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 |
メッセージ送信時障害(回復不可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (2) CERREVT(送信障害)を起動します。 (3) メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。 (4) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 (5) メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 |
メッセージ送信時リセットパケット受信 | (1) リセット受信を通知するメッセージログ(KFCA16916-I)を出力します。 (2) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (3) CERREVT(送信障害)を起動します。 (4) メッセージ送信中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。 (5) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (6) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 (7) メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。 |
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受信バッファオーバフロー | (1) バッファオーバフローを通知するメッセージログ(KFCA16911-E)を出力します。 (2) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (3) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (4) CERREVT(受信バッファオーバフロー)を起動します。 (5) 受信メッセージを破棄します。 | システム定義を修正します。 |
プロトコルアドレス不正 | (1) 下位層障害を通知するメッセージログ(KFCA16913-E)を出力します。 (2) コネクション確立失敗を通知するメッセージログ(KFCA16903-E)を出力します。 (3) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | システム定義を修正します。 |
受信バッファ不足 | (1) バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA13213-E)を出力します。 (2) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (3) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (4) CERREVT(受信バッファ不足)を起動します。 | システム定義を修正します。 |
メッセージ受信時リセットパケット受信 | (1) リセット受信を通知するメッセージログ(KFCA16916-E)を出力します。 (2) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA16902-E)を出力します。 (3) コネクションを解放します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (5) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 (6) 受信メッセージを破棄します。 |
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表10-2 受信スケジュール関係の障害と対応処理(VC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(VC) | ユーザの処理 |
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ユーザアプリケーション名称未定義 | (1) ERREVT1を起動します。 (2) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。 (3) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (5) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | システム定義を修正します。 |
MCFイベントの名称未定義
| (1) メッセージおよびイベントを破棄します。 | ありません。 |
MHPサービス,サービスグループ閉塞 | (1) サービス閉塞を通知するメッセージログ(KFCA11051-E)を出力します。 (2) ERREVT2を起動します。 (3) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (5) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (6) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 |
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入力キュー書き込み障害 | (1) ERREVT2を起動します。 (2) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。 (3) 障害情報取得を通知するメッセージログ(KFCA10189-E)を出力します。 (4) 受信メッセージを破棄します。 (5) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (6) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (7) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 |
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入力メッセージ編集UOCエラー | (1) UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。 (2) CERREVT(UOC障害)を起動します。 (3) 受信メッセージを破棄します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (5) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (6) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | 入力メッセージ編集UOC処理を見直します。 |
アプリケーション名形式不正 | (1) アプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。 (2) ERREVT1を起動します。 (3) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (5) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | システム定義を修正します。 |
表10-3 送信スケジュール関係の障害と対応処理(VC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(VC) | ユーザの処理 |
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出力キュー読み込み障害 | (1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (2) CERREVT(出力キュー読み込み障害)を起動します。 (3) 論理端末を閉塞します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (5) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (6) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 |
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出力メッセージ編集UOCエラー | (1) UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。 (2) 該当するメッセージを消去します。 (3) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (4) 論理端末を閉塞します。 (5) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (6) CERREVT(UOC障害)を起動します。 (7) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (8) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | 出力メッセージ編集UOC処理を見直します。 |
メッセージ消し込み障害 | (1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (2) 処理を続行します。 | ありません。 |
送信バッファ不足 | (1) ローカルメモリ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。 (2) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (3) 該当するメッセージを取り出し前の状態に戻します。 (4) 送信メッセージ中断を通知するメッセージログ(KFCA10608-W)を出力します。 (5) 論理端末を閉塞します。 (6) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA16851-I)を出力します。 (7) CERREVT(送信バッファ不足)を起動します。 (8) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA16901-I)を出力します。 (9) CERREVT(コネクション障害)を起動します。 | 送信バッファ数を見直します。 |
表10-4 UAP障害と対応処理(VC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(VC) | ユーザの処理 |
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メッセージ受信前のUAP異常終了 | (1) ERREVT2を起動します。 | UAPを見直します。 |
メッセージ受信後のUAP異常終了 | (1) ERREVT3を起動します。 | UAPを見直します。 |
表10-5 MCF障害と対応処理(VC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(VC) | ユーザの処理 |
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内部論理矛盾 他アプリケーションプログラムとのインタフェースエラー | (1)<10189-E>(障害情報取得) (2) 内部論理矛盾を通知するメッセージログ(KFCA16897-E,KFCA16899-E,またはKFCA13211-E)を出力します。 | 保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避します。 |
KFCA16897-Eの場合 (3) 処理を続行します。 | ||
KFCA16899-EまたはKFCA13211-Eの場合 (3) MCFを異常終了します。 |