9.1 障害の種類と対応処理(PVC)

運用中に障害が発生すると,TP1/NET/X25はシステムを回復します。このとき,システム定義の指定によって,MCFイベント処理用MHPも起動できます。

PVCの場合のTP1/NET/X25運用中の障害と対応処理について,障害の種類ごとに示します。

<この節の構成>
(1) コネクション障害
(2) 受信スケジュール関係の障害(入力キュー,入力メッセージ編集UOC)
(3) 送信スケジュール関係の障害(出力キュー,出力メッセージ編集UOC)
(4) UAP障害
(5) MCF障害

(1) コネクション障害

表9-1 コネクション障害と対応処理(PVC)

障害内容TP1/NET/X25の処理(PVC)ユーザの処理
コネクション確立時障害(回復不可能)(1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。
(2) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(3) CERREVT(コネクション確立不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
コネクション確立時障害(回復可能)(1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。
(2) 回復動作を通知するメッセージログ(KFCA14201-I)を出力します。
(3) リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,確立を再試行します。
ありません。
コネクション切断障害(回復不可能)(1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。
(2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(3) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(4) CERREVT(コネクション切断・回復不可能)を起動します。
障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
コネクション切断障害(回復可能)(1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。
(2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(3) CERREVT(コネクション切断・回復可能)を起動します。
手動起動の場合,(3)のあとでmcftactcnコマンドを入力します。
自動起動の場合
(4) 回復動作を通知するメッセージログ(KFCA14201-I)を出力します。
(5) リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,再確立処理をします。
受信バッファオーバフロー(1) 受信メッセージ破棄,受信バッファオーバフローを通知するメッセージログ(KFCA14203-W)を出力します。
(2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(3) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(4) CERREVT(受信バッファオーバフロー)を起動します。
システム定義を修正します。
プロトコルアドレス不正(1) プロトコルアドレス不正を通知するメッセージログ(KFCA14204-W)を出力します。
(2) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(3) CERREVT(コネクション確立不可能)を起動します。
システム定義を修正します。
受信バッファ不足(1) ローカルメモリ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。
(2) グループバッファ取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA14005-E)を出力し,一定の時間内にほかで使用中のバッファの解放を待ちます。
ありません。
時間内に解放された場合
(3) 処理を続行します。
時間内に解放されなかった場合
(3) 受信メッセージ破棄・受信バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA14203-W)を出力します。
(4) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(5) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(6) CERREVT(受信バッファ不足)を起動します。
システム定義を修正します。
メッセージ送信時障害(回復不可能)(1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。
(2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(3) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(4) CERREVT(コネクション切断)を起動します。
(5) メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。
障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。
リセット受信(1) リセット受信を通知するメッセージログ(KFCA14205-W)を出力します。
(2) 受信中のメッセージを破棄し,送信中のメッセージをリセットします。
メッセージの通番を合わせて再送処理をします。
リセット通知あり指定の場合
(3) UAPを起動します。
リセット通知なし指定の場合
(3)何もしません。
コネクション閉塞指定の場合
(3) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(4) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(5) CERREVT(リセット受信)を起動し,リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,再確立処理をします。

(2) 受信スケジュール関係の障害(入力キュー,入力メッセージ編集UOC)

表9-2 受信スケジュール関係の障害と対応処理(PVC)

障害内容TP1/NET/X25の処理(PVC)ユーザの処理
ユーザアプリケーション名称未定義(1) ERREVT1を起動します。システム定義を修正します。
MCFイベントの名称未定義
  • ERREVT×
  • C×××EVT
(1) メッセージおよびイベントを破棄します。ありません。
MHPサービス,サービスグループ閉塞(1) ERREVT2を起動します。
(2) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
ありません。
入力キュー書き込み障害(1) ERREVT2を起動します。
(2) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
ありません。
入力メッセージ編集UOCエラーリターン,またはパラメタ不正(1) UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。
(2) 論理端末を閉塞します。
(3) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
(4) CERREVT(UOC障害)を起動します。
ありません。
メッセージ送信中の場合
(5) 送信中のメッセージを取り出し前の状態に戻します。
(6) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。
(7) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(5) CERREVT(コネクション強制解放)を起動します。
アプリケーション名称形式不正(1) アプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
(2) ERREVT1を起動します。
ありません。

(3) 送信スケジュール関係の障害(出力キュー,出力メッセージ編集UOC)

表9-3 送信スケジュール関係の障害と対応処理(PVC)

障害内容TP1/NET/X25の処理(PVC)ユーザの処理
出力キュー読み込み障害(1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
(2) CERREVT(出力キュー読み込み障害)を起動します。
(3) 該当するメッセージを消去します。
(4) 論理端末を閉塞します。
(5) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  • コネクションを解放します。
  • 相手システムへ出力キュー障害を通知します(send)。
出力メッセージ編集 UOCエラーリターン,またはパラメタ不正(1) UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。
(2) CERREVT(UOC障害)を起動します。
(3) 該当するメッセージを消去します。
(4) 論理端末を閉塞します。
(5) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
  • コネクションを解放します。
  • 相手システムへ出力キュー障害を通知します(send)。
メッセージ消し込み障害(1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
(2) 処理を続行します。
ありません。
送信バッファオーバフロー(1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
(2) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
(3) 論理端末を閉塞します。
(4) 該当するメッセージを消去します。
(5) CERREVT(送信バッファオーバフロー)を起動します。
  • コネクションを解放します。
  • システム定義,またはUAPを修正します。
送信バッファ不足(1) ローカルメモリ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。
(2) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
(3) 該当するメッセージを取り出し前の状態に戻します。
(4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。
(5) 論理端末を閉塞します。
(6) CERREVT(送信バッファ不足)を起動します。
  • 一定時間経過後, mcftactleコマンドを入力して論理端末の閉塞を解除し,メッセージ再送信します。
  • 送信バッファの面数を見直します。

(4) UAP障害

表9-4 UAP障害と対応処理(PVC)

障害内容TP1/NET/X25の処理(PVC)ユーザの処理
メッセージ受信前のUAP異常終了(1) ERREVT2を起動します。相手システムへUAP異常終了を通知します(send)。
メッセージ受信後の UAP異常終了(1) ERREVT3を起動します。相手システムへUAP異常終了を通知します(send)。

(5) MCF障害

表9-5 MCF障害と対応処理(PVC)

障害内容TP1/NET/X25の処理(PVC)ユーザの処理
内部論理矛盾
他プログラムプロダクトとのインタフェースエラー
(1) 障害情報取得を通知するメッセージログ(KFCA10189-E)を出力します。
(2) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。
(3) コネクション障害の場合,CERREVTを起動します。
ありません。