運用中に障害が発生すると,TP1/NET/X25はシステムを回復します。このとき,システム定義の指定によって,MCFイベント処理用MHPも起動できます。
PVCの場合のTP1/NET/X25運用中の障害と対応処理について,障害の種類ごとに示します。
表9-1 コネクション障害と対応処理(PVC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(PVC) | ユーザの処理 |
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コネクション確立時障害(回復不可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。 (2) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (3) CERREVT(コネクション確立不可能)を起動します。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 |
コネクション確立時障害(回復可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。 (2) 回復動作を通知するメッセージログ(KFCA14201-I)を出力します。 (3) リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,確立を再試行します。 | ありません。 |
コネクション切断障害(回復不可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。 (2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (3) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (4) CERREVT(コネクション切断・回復不可能)を起動します。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 |
コネクション切断障害(回復可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。 (2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (3) CERREVT(コネクション切断・回復可能)を起動します。 | 手動起動の場合,(3)のあとでmcftactcnコマンドを入力します。 |
自動起動の場合 (4) 回復動作を通知するメッセージログ(KFCA14201-I)を出力します。 (5) リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,再確立処理をします。 | ||
受信バッファオーバフロー | (1) 受信メッセージ破棄,受信バッファオーバフローを通知するメッセージログ(KFCA14203-W)を出力します。 (2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (3) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (4) CERREVT(受信バッファオーバフロー)を起動します。 | システム定義を修正します。 |
プロトコルアドレス不正 | (1) プロトコルアドレス不正を通知するメッセージログ(KFCA14204-W)を出力します。 (2) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (3) CERREVT(コネクション確立不可能)を起動します。 | システム定義を修正します。 |
受信バッファ不足 | (1) ローカルメモリ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。 (2) グループバッファ取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA14005-E)を出力し,一定の時間内にほかで使用中のバッファの解放を待ちます。 | ありません。 |
時間内に解放された場合 (3) 処理を続行します。 | ||
時間内に解放されなかった場合 (3) 受信メッセージ破棄・受信バッファ不足を通知するメッセージログ(KFCA14203-W)を出力します。 (4) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (5) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (6) CERREVT(受信バッファ不足)を起動します。 | システム定義を修正します。 | |
メッセージ送信時障害(回復不可能) | (1) コネクション障害を通知するメッセージログ(KFCA14200-W)を出力します。 (2) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (3) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (4) CERREVT(コネクション切断)を起動します。 (5) メッセージは出力キューに残し,再開始時に再送されます。 | 障害の要因を取り除いたあと,mcftactcnコマンドを入力します。 |
リセット受信 | (1) リセット受信を通知するメッセージログ(KFCA14205-W)を出力します。 (2) 受信中のメッセージを破棄し,送信中のメッセージをリセットします。 | メッセージの通番を合わせて再送処理をします。 |
リセット通知あり指定の場合 (3) UAPを起動します。 | ||
リセット通知なし指定の場合 (3)何もしません。 | ||
コネクション閉塞指定の場合 (3) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (4) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (5) CERREVT(リセット受信)を起動し,リトライタイマの指定によって,一定時間経過後,再確立処理をします。 |
表9-2 受信スケジュール関係の障害と対応処理(PVC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(PVC) | ユーザの処理 |
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ユーザアプリケーション名称未定義 | (1) ERREVT1を起動します。 | システム定義を修正します。 |
MCFイベントの名称未定義
| (1) メッセージおよびイベントを破棄します。 | ありません。 |
MHPサービス,サービスグループ閉塞 | (1) ERREVT2を起動します。 (2) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。 | ありません。 |
入力キュー書き込み障害 | (1) ERREVT2を起動します。 (2) 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。 | ありません。 |
入力メッセージ編集UOCエラーリターン,またはパラメタ不正 | (1) UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。 (2) 論理端末を閉塞します。 (3) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。 (4) CERREVT(UOC障害)を起動します。 | ありません。 |
メッセージ送信中の場合 (5) 送信中のメッセージを取り出し前の状態に戻します。 (6) コネクション解放を通知するメッセージログ(KFCA14001-I)を出力します。 (7) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (5) CERREVT(コネクション強制解放)を起動します。 | ||
アプリケーション名称形式不正 | (1) アプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。 (2) ERREVT1を起動します。 | ありません。 |
表9-3 送信スケジュール関係の障害と対応処理(PVC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(PVC) | ユーザの処理 |
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出力キュー読み込み障害 | (1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (2) CERREVT(出力キュー読み込み障害)を起動します。 (3) 該当するメッセージを消去します。 (4) 論理端末を閉塞します。 (5) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。 |
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出力メッセージ編集 UOCエラーリターン,またはパラメタ不正 | (1) UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),またはUOCパラメタ不正を通知するメッセージログ(KFCA10620-E)を出力します。 (2) CERREVT(UOC障害)を起動します。 (3) 該当するメッセージを消去します。 (4) 論理端末を閉塞します。 (5) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。 |
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メッセージ消し込み障害 | (1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (2) 処理を続行します。 | ありません。 |
送信バッファオーバフロー | (1) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (2) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。 (3) 論理端末を閉塞します。 (4) 該当するメッセージを消去します。 (5) CERREVT(送信バッファオーバフロー)を起動します。 |
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送信バッファ不足 | (1) ローカルメモリ不足を通知するメッセージログ(KFCA10618-E)を出力します。 (2) 出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。 (3) 該当するメッセージを取り出し前の状態に戻します。 (4) 論理端末閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14004-I)を出力します。 (5) 論理端末を閉塞します。 (6) CERREVT(送信バッファ不足)を起動します。 |
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表9-4 UAP障害と対応処理(PVC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(PVC) | ユーザの処理 |
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メッセージ受信前のUAP異常終了 | (1) ERREVT2を起動します。 | 相手システムへUAP異常終了を通知します(send)。 |
メッセージ受信後の UAP異常終了 | (1) ERREVT3を起動します。 | 相手システムへUAP異常終了を通知します(send)。 |
表9-5 MCF障害と対応処理(PVC)
障害内容 | TP1/NET/X25の処理(PVC) | ユーザの処理 |
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内部論理矛盾 他プログラムプロダクトとのインタフェースエラー | (1) 障害情報取得を通知するメッセージログ(KFCA10189-E)を出力します。 (2) コネクション閉塞を通知するメッセージログ(KFCA14002-E)を出力します。 (3) コネクション障害の場合,CERREVTを起動します。 | ありません。 |