3.1.1 コネクションの確立と解放

TP1/NET/X25は,AP間通信をするために,自システムと相手システムとの間に論理的な通信路(コネクション)を確立します。VCでは,属性によってコネクションを分類しています。コネクションには,発呼コネクションと着呼コネクションがあります。コネクションの種類はMCF通信構成定義で指定します。定義の詳細については,「6. システム定義」を参照してください。

コネクションの種類と内容について説明します。

発呼コネクション(MCF通信構成定義 mcftalccn -t intを指定)
自システムから相手システムに対して確立するコネクションです。
MCF通信構成定義(mcftalccn -q)で接続する相手システムを指定し,指定した相手システムとのコネクションを確立します。
着呼コネクション(MCF通信構成定義 mcftalccn -t rspを指定)
相手システムから自システムに対して確立するコネクションです。
MCF通信構成定義(mcftalccn -q)で指定した相手システムからのコネクション確立要求を受信したときだけコネクションを確立します。
<この項の構成>
(1) コネクションの確立
(2) コネクションの解放
(3) コネクションの切断

(1) コネクションの確立

コネクションの確立方法には,自動確立と手動確立があります。

自動確立
OpenTP1開始時および再開始時に自動的にコネクションを確立します。MCF通信構成定義(mcftalccn -i)でautoを指定した場合に確立します。
手動確立
運用コマンド(mcftactcn)で確立します。ただし,発呼コネクションの場合に確立します。着呼コネクションの場合は,mcftactcnコマンドを入力するとエラーとなります。

VCの場合のコネクション確立の流れを次に示します。

(a) 発呼コネクションの確立

発呼コネクションの場合のコネクション確立について,次の図に示します。

図3-1 VCのコネクション確立の流れ(発呼)

[図データ]

  1. OpenTP1システムの開始および再開始,または運用コマンド(mcftactcn)を入力します。
  2. TP1/NET/X25は,相手システムにコネクションの確立要求をします。
  3. 相手システムからコネクションの確立を受け付けたことを通知します。
  4. コネクションが確立されます。
  5. コネクションが確立されると状態通知イベント(COPNEVT)を通知します。MCFアプリケーション定義にCOPNEVTが定義されていない場合は,MHPは起動しません。
(b) 着呼コネクションの確立

着呼コネクションの場合のコネクション確立について,次の図に示します。

図3-2 VCのコネクション確立の流れ(着呼)

[図データ]

  1. OpenTP1システムの開始時および再開始時,定義オブジェクトファイルの内容によって,相手システムからのコネクション確立要求を待ちます。
  2. 相手システムからコネクションの確立要求を受け付けます。
  3. コネクションの確立を受け付けたことを通知します。
  4. コネクションが確立されます。
  5. コネクションが確立されると状態通知イベント(COPNEVT)を通知します。MCFアプリケーション定義にCOPNEVTが定義されていない場合は,MHPは起動しません。
(c) コネクション確立の再試行

コネクション確立を失敗した場合,次の条件を満たしていれば自動的にコネクション確立を再試行します。

(2) コネクションの解放

コネクションの解放方法には,自動解放と手動解放があります。

自動解放
OpenTP1終了時に自動的にコネクションを解放します。
手動解放
運用コマンド(mcftdctcn)を入力してコネクションを解放します。コネクションが解放されると,状態通知イベント(CCLSEVT)を通知します。

コネクションの解放は,コネクションの種類には関係なく,自システムからと相手システムからの解放に分けられます。VCの場合のコネクション解放の流れを次に示します。

(a) 自システムからのコネクションの解放

自システムからのコネクションの解放について,次の図に示します。

図3-3 自システムからのコネクション解放の流れ

[図データ]

  1. OpenTP1システムの終了,または運用コマンド(mcftdctcn)を入力します。
  2. TP1/NET/X25は,相手システムに対してコネクションの解放要求をします。
  3. コネクションが解放されます。
  4. コネクションが解放されると状態通知イベント(CCLSEVT)を通知します。ただし,OpenTP1システム終了時とMCFアプリケーション定義にCCLSEVTが定義されていない場合は,MHPは起動しません。
(b) 相手システムからのコネクションの解放

相手システムからのコネクションの解放について,次の図に示します。

図3-4 相手システムからのコネクション解放の流れ

[図データ]

  1. 相手システムからのコネクション解放要求を受け取ります。
  2. TP1/NET/X25は,通信管理との間でコネクションの解放処理をします。
  3. コネクションが解放されます。
  4. コネクションが解放されると状態通知イベント(CCLSEVT)または障害通知イベント(CERREVT)を通知します。どちらを通知するかは,MCF通信構成定義(mcftalccn -f)のkindオペランドで指定します。

(3) コネクションの切断

回線の障害などでコネクションが切断されます。コネクションが切断されると,CCLSEVTまたはCERREVTを通知します。どちらのイベントを通知するかはMCF通信構成定義(mcftalccn)のkindオペランドで指定します。定義の詳細は「6. システム定義」を参照してください。