論理端末の閉塞解除と閉塞の処理の流れについて説明します。
TP1/NET/UDPでAP間通信をするためには,論理端末の閉塞を解除する必要があります。論理端末の閉塞を解除すると,自システムのUDPプロトコルに自ポート番号が登録されて,TP1/NET/UDPでAP間通信ができる状態になります。
論理端末の閉塞を解除するには,次の2とおりの方法があります。
OpenTP1の開始時および再開始時に論理端末を自動的に閉塞解除できます。
論理端末を自動的に閉塞解除するには,MCF通信構成定義でmcftalcleコマンドの-iオプションにautoを指定します。このオプションにmanualを指定すると,TP1/NET/UDPの起動後に運用コマンド(mcftactle)を入力して論理端末の閉塞を解除する必要があります。デフォルトはmanualです。
運用コマンド(mcftactle)の入力によって論理端末の閉塞を解除する処理の流れを次の図に示します。
図2-1 運用コマンド(mcftactle)の入力による論理端末の閉塞解除
論理端末の閉塞解除が完了すると,論理端末の閉塞解除を通知するメッセージ(KFCA18900-I)が出力されます。さらに,UAPに対して状態通知イベント(COPNEVT)が通知されます。したがって,COPNEVTの通知を契機に業務を開始するようにUAPを設計してください。
論理端末の閉塞解除の処理中に障害が発生した場合は,論理端末の閉塞解除の失敗を通知するメッセージ(KFCA18903-E)が出力され,UAPに対して障害通知イベント(CERREVT)が通知されます。
TP1NET/UDPは,次に示す場合に論理端末を閉塞します。
論理端末を閉塞すると,自システムのUDPプロトコルから自ポート番号が削除されて,TP1/NET/UDPでAP間通信ができない状態になります。
運用コマンド(mcftdctle)の入力によって論理端末を閉塞する処理の流れを次の図に示します。
図2-2 運用コマンド(mcftdctle)の入力による論理端末の閉塞
論理端末の閉塞が完了すると,論理端末の閉塞を通知するメッセージ(KFCA18901-I)が出力されます。さらに,UAPに対して次に示すイベントが通知されます。
TP1/NET/UDPでは,同一マシン上の複数のMCF通信プロセス間で,同一の自ポート番号を共用できます。共用しているポート番号あてのブロードキャストメッセージおよびマルチキャストメッセージは,複数のMCF通信プロセスで受信できます。
同一の自ポート番号を複数のMCF通信プロセスで共用した構成で,論理端末の閉塞を解除するには,ポート番号を共用するすべてのMCF通信プロセスのMCF通信構成定義で,mcftalcleコマンドの-rオプションのreuseオペランドにyesを指定してください。
これによって,次の図に示すような相互ホットスタンバイ構成での運用ができます。
図2-3 相互ホットスタンバイ構成での運用例