11.1 障害の種類と対応処理

TP1/NET/XMAP3は,障害の種類によってそれぞれに対応する処理をします。障害内容によっては,TP1/NET/XMAP3はオペレータインジケータにメッセージを表示します。オペレータインジケータに表示されるメッセージについては,「付録H オペレータインジケータ表示メッセージ一覧」を参照してください。

TP1/NET/XMAP3の障害発生時の処理について,次に示す障害の種類ごとに説明します。

<この節の構成>
(1) コネクション障害
(2) 論理端末障害
(3) メッセージ障害
(4) マッピング障害
(5) プリンタ障害
(6) 入力メッセージ編集UOCの障害
(7) 入力キュー,スケジュールサービス,ネームサービス,RPCの障害
(8) 出力キュー障害
(9) ジャーナル障害
(10) バッファ障害
(11) UAP障害
(12) MCFの障害

(1) コネクション障害

表11-1 コネクション障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
XP/WまたはXMAP3 Server
  • 通信路切断
  • サーバ未登録
  • サーバ利用不可
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. コネクション内の全論理端末を閉塞します。
  3. コネクション定義(mcftalccn)で,再試行を指定すればコネクション確立再試行をします。再試行を指定しなければコネクションを閉塞します。
コネクションが閉塞した場合,運用コマンド(mcftactcn,mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactcn関数,dc_mcf_tactle関数)の発行で,コネクションを確立し,論理端末の閉塞を解除します。
  • 作業領域確保失敗
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. コネクション内の全論理端末を閉塞します。
  3. コネクションを閉塞します。
運用コマンド(mcftactcn,mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactcn関数,dc_mcf_tactle関数)の発行で,コネクションを確立し,論理端末の閉塞を解除します。

(2) 論理端末障害

表11-2 論理端末障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
XP/WまたはXMAP3 Server
  • 作業領域確保失敗
  • 論理端末画面生成数超過
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. VERREVTを起動します。
  3. 論理端末画面を破棄します(画面の場合)。
  4. 論理端末を閉塞します。
運用コマンド(mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactle関数)の発行で,論理端末の閉塞を解除します。

(3) メッセージ障害

表11-3 メッセージ障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
XP/WまたはXMAP3 Server
  • メッセージ不正
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. 送信メッセージを破棄します。応答メッセージの場合は,オペレータインジケータに表示します。
  3. 処理を続行します。
ありません。

(4) マッピング障害

表11-4 マッピング障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • マッピングサービス障害
  • XMAP3マッピング機能の障害
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. メッセージの種別によって次の処理をします。
  • マッピング障害の原因を取り除きます。
  • 保留された送信メッセージが不要な場合は,運用コマンド(mcftdlqle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tdlqle関数)の発行で,出力メッセージを破棄します。
  • 論理端末が閉塞した場合,運用コマンド(mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactle関数)の発行で論理端末の閉塞を解除します。
応答メッセージ
  • 送信メッセージを破棄します。
  • 論理端末を閉塞します。
一方送信メッセージ
  • 送信メッセージを保留します。
  • 論理端末を閉塞します。
問い合わせメッセージ
  • 受信メッセージを破棄します。
  • 論理端末を閉塞します。

(5) プリンタ障害

表11-5 プリンタ障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
(排他時)XP/WまたはXMAP3 Server
  • 準備完OFF
  • 印刷用紙なし
  • 電源OFF
  • ハード障害
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. 送信メッセージを保留します。
  3. 論理端末定義(mcftalcle)で,再試行を指定すればプリンタ排他再試行をします。再試行を指定しなければ論理端末を閉塞します。
  • プリンタ障害の原因を取り除きます。
  • 保留された送信メッセージが不要な場合は,運用コマンド(mcftdlqle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tdlqle関数)の発行で,出力メッセージを破棄します。
  • 論理端末が閉塞した場合,運用コマンド(mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactle関数)の発行で論理端末の閉塞を解除します。
(送信完待ち時)XP/WまたはXMAP3 Server
  • 準備完OFF
  • 印刷用紙なし
  • 電源OFF
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. 障害回復を待ちます。
プリンタ障害の原因を取り除きます。
(送信完待ち時)
  • ハード障害
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. 送信メッセージを保留します。
  3. 論理端末を閉塞します。
  • プリンタ障害の原因を取り除きます。
  • 保留された送信メッセージが不要な場合は,運用コマンド(mcftdlqle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tdlqle関数)の発行で,出力メッセージを破棄します。
  • 運用コマンド(mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactle関数)の発行で論理端末の閉塞を解除します。

(6) 入力メッセージ編集UOCの障害

表11-6 入力メッセージ編集UOCの障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
UOCエラーリターン
  1. UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),およびアプリケーション名取得失敗を通知するメッセージログ(KFCA10610-E)を出力します。
  2. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  3. 受信メッセージを破棄します。
  4. オペレータインジケータを表示します。
  5. 処理を続行します。
ありません。

(7) 入力キュー,スケジュールサービス,ネームサービス,RPCの障害

表11-7 入力キュー,スケジュールサービス,ネームサービス,RPCの障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • アプリケーション閉塞
  • サービス閉塞
  • アプリケーション名不正
  • 入力キュー書き込み障害(メモリ含む)
など
  1. 入力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10604-E)を出力します。
  2. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  3. メッセージの種類によって次の処理をします。
ありません。
画面入力メッセージ
  • ERREVT1またはERREVT2を起動します。
ERREVT1,ERREVT2,ERREVT3,ERREVTA
  • メッセージを破棄します。
VERREVT,VOPNEVT,VCLSEVT
  • イベントを破棄します。

(8) 出力キュー障害

表11-8 出力メッセージ編集UOCを含む出力キュー障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • 出力キュー読み込み障害(メモリ含む)
  • UOCエラーリターン
  1. UOCエラーリターンを通知するメッセージログ(KFCA10611-E),および出力キュー障害を通知するメッセージログ(KFCA10605-E)を出力します。
  2. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  3. メッセージの種類によって次の処理をします。
  • 保留された送信メッセージが不要な場合は,運用コマンド(mcftdlqle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tdlqle関数)の発行で,出力メッセージを破棄します。
  • 論理端末が閉塞した場合,運用コマンド(mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactle関数)の発行で論理端末の閉塞を解除します。
応答メッセージ
  • 送信メッセージを破棄します。
  • オペレータインジケータを表示します。
  • 処理を続行します。
一方送信メッセージ
  • 送信メッセージを保留します。
  • 論理端末を閉塞します。
  • メッセージ送信済み障害
  • メッセージリセット障害
  1. 送信完了処理障害を通知するメッセージログ(KFCA10617-E)を出力します。
  2. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  3. メッセージの種類によって次の処理をします。
  • 保留された送信メッセージが不要な場合は,運用コマンド(mcftdlqle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tdlqle関数)の発行で,出力メッセージを破棄します。
  • 論理端末が閉塞した場合,運用コマンド(mcftactle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tactle関数)の発行で論理端末の閉塞を解除します。
応答メッセージ
  • 送信メッセージを破棄します。
  • オペレータインジケータを表示します。
  • 処理を続行します。
一方送信メッセージ
  • 送信メッセージを保留します。
  • 論理端末を閉塞します。

(9) ジャーナル障害

表11-9 ジャーナル障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • ジャーナル取得障害(aj,ij)
  1. ジャーナル障害を通知するメッセージログ(KFCA10609-E)を出力します。
  2. 処理を続行します。
ありません。

(10) バッファ障害

表11-10 送信バッファ,受信バッファ,または編集バッファ障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • サイズ不足
  • テーブル数不足
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. 送信メッセージの場合はメッセージを保留します。
  3. 論理端末を閉塞します。
保留された送信メッセージが不要な場合は,運用コマンド(mcftdlqle)の入力,またはAPI(dc_mcf_tdlqle関数)の発行で,出力メッセージを破棄します。

(11) UAP障害

表11-11 UAP障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • UAP異常終了
  • rollback発行
など
ERREVT2またはERREVT3を起動します。ありません。

(12) MCFの障害

表11-12 MCFの障害と対応処理

障害内容TP1/NET/XMAP3の処理ユーザの処理
  • 内部論理矛盾
など
  1. 障害発生時の処理に対応したメッセージログを出力します。
  2. メモリダンプを出力します。
  3. 必要に応じ,MCFのプロセスを異常終了します(続行可能な場合は異常終了しません)。
保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避してください。
  • MCFプログラムエラー
  • UOCプログラムエラー
OSによってコアダンプを出力します。保守情報($DCDIR/spoolディレクトリ以下)を退避してください。