mcftalccnコネクション定義の開始

形式

mcftalccn  -c  コネクションID
          -p  tp
          -n  x'自システムのPSAPアドレス'
          -q  x'通信相手システムのPSAPアドレス'
          -g  "sndbuf=メッセージ送信用バッファグループ番号 1
               rcvbuf=メッセージ受信用バッファグループ番号"1
        〔-e  "〔〔msgbuf=メッセージ編集用バッファグループ番号〕12
                   count=メッセージ編集用バッファ数〕"〕12
          -m  "mode=xnfas"1
        〔-i  auto|manual1
          -u  ht
        〔-w  "〔nomltim=プロトコル監視時間〕"〕1
        〔-b  "〔bretryyes|no〕1
               〔bretrycnt=コネクション確立再試行回数〕1
               〔bretryint=コネクション確立再試行間隔〕"〕1
          -t  int|rsp 123
          -z  "〔dtea=x'現用相手DTEアドレス'〕1
                 slot=現用スロット番号 1
               〔altn_dtea=x'交代用相手DTEアドレス'〕1
               〔altn_slot=交代用スロット番号〕"1
        〔-l  0|2|4〕12
        〔-y  int|rsp〕123
          -o x'応用コンテキスト名'1
          -j x'ユーザASE抽象構文名'1
        〔-d "〔controlshared|polarized〕1
              〔handshakeyes|no〕"〕1
        〔-v "〔cnflevt=yes|no〕"〕

注※1
-nオプション(自システムのPSAPアドレス)が同じとき,指定を同じにする必要があります。
注※2
コネクションを複数指定する場合,-nオプション(自システムのPSAPアドレス)と,-qオプション(通信相手システムのPSAPアドレス)の対が同じとき,指定を同じにする必要があります。
注※3
同一のコネクショングループ定義内のコネクションの場合,指定値を同じにする必要があります。

機能

コネクションに関する環境を定義します。

オプション

●-c コネクションID  ~<1~8文字の識別子>

OpenTP1システム内で,一意となるコネクションIDを指定します。

●-p tp

プロトコルの種別を指定します。

tp
OSI TPプロトコル

●-n x'自システムのPSAPアドレス'  ~<1~142けたの16進数字>

自システムのPSAPアドレスを指定します。xは,16進数形式で指定することを意味します。自システムのPSAPアドレスは,他の通信構成定義ファイルで指定する値と重複しないよう指定してください。

PSAPアドレスの形式を次に示します。

[図データ]

注※
NSAPアドレスは,通信相手システムのPSAPアドレスの場合だけ指定します。NSAPアドレスの形式については,次のマニュアルを参照してください。
  • マニュアル「システムセットアップガイド NSAPアドレス概説編」
  • マニュアル「システムセットアップガイド 通信管理編」
  • マニュアル「通信管理 XNF/AS NSAPアドレス概説編」
  • マニュアル「通信管理 XNF/AS 構成定義編」

●-q x'通信相手システムのPSAPアドレス'  ~<1~186けたの16進数字>

通信相手システムのPSAPアドレスを指定します。xは,16進数形式で指定することを意味します。

PSAPアドレスの形式については,-nオプションを参照してください。

●-g

(オペランド)

sndbuf=メッセージ送信用バッファグループ番号  ~<符号なし整数>((1~512))
メッセージ送信用バッファグループ番号を指定します。
mcftbufコマンドの-gオプションのgroupnoオペランドで指定するバッファグループ番号を指定してください。
rcvbuf=メッセージ受信用バッファグループ番号  ~<符号なし整数>((1~512))
メッセージ受信用バッファグループ番号を指定します。
mcftbufコマンドの-gオプションのgroupnoオペランドで指定するバッファグループ番号を指定してください。

●-e

(オペランド)

msgbuf=メッセージ編集用バッファグループ番号  ~<符号なし整数>((1~512))
入力,および出力メッセージ編集UOCを使用する場合に,メッセージ編集用として使用するバッファグループ番号を指定します。このオペランドを省略した場合は,メッセージ編集用バッファは確保されません。
メッセージ編集用バッファグループ番号は,mcftbufコマンドの-gオプションのgroupnoオペランドで指定するバッファグループ番号を指定してください。
count=メッセージ編集用バッファ数  ~<符号なし整数>((1~131070))
入力,および出力メッセージ編集UOC使用時に,メッセージ編集用として使用するバッファの数を指定します。
メッセージ編集用バッファグループ番号(msgbufオペランドで指定)に対応するmcftbufコマンドで指定するバッファ数(-gオプションのcountオペランドおよびextendオペランド)の中から,メッセージ編集用に使用するバッファ数を指定してください。2以上の値を指定しても,入力,および出力メッセージ編集UOCで使用できる編集バッファ数は一つだけです。
また,このcountオペランドで指定するメッセージ編集用バッファ数は,mcftbufコマンドで指定するバッファ数(-gオプションのcountオペランドおよびextendオペランド)の合計値を超える指定はできません。
msgbufオペランドを省略した場合は,このオペランドの指定は無効です。

●-m

(オペランド)

mode=xnfas
使用する通信管理を指定します。
xnfas
XNF/ASを使用します。

●-i auto | manual  ~《manual》

コネクションの確立方法を指定します。

auto
OpenTP1システム開始時および再開始時にコネクションを自動的に確立します。
manual
MCF起動後,運用コマンド(mcftactcn)を入力してコネクションを確立します。

●-u ht

通信相手システムの種別を指定します。

ht
通信相手システムがホストコンピュータであることを示します。

●-w

(オペランド)

nomltim=プロトコル監視時間  ~<符号なし整数>((0,10~65535))《60》(単位:秒)
コネクション確立時の監視時間を指定します。
プロトコル監視時間に0を指定した場合,時間監視はしません。

●-b

(オペランド)

bretry=yes | no  ~《yes》
コネクション確立時に障害が発生した場合,コネクションの確立再試行をするかどうかを指定します。
yes
コネクションの確立再試行をします。
no
コネクションの確立再試行をしません。
bretrycnt=コネクション確立再試行回数  ~<符号なし整数>((0~65535))《0》(単位:回)
コネクション確立時に障害が発生した場合,MCFが行う確立再試行の回数を指定します。
このオペランドを省略した場合,または0を指定した場合は,無限に確立再試行を繰り返します。
bretryオペランドでnoを指定した場合,bretrycntオペランドの指定は無効になります。
通信管理から再試行不可能な障害が通知された場合,または相手システムから確立要求に対する拒否応答を受けた場合は,再試行を中止します。
bretryint=コネクション確立再試行間隔  ~<符号なし整数>((0~2550))《60》(単位:秒)
コネクション確立時に障害が発生した場合,MCFが行う確立再試行の間隔を指定します。0を指定した場合,障害が発生するたびにコネクションの確立再試行をします。
bretryオペランドでnoを指定した場合,bretryintオペランドの指定は無効になります。

●-t int | rsp

コネクションの起動,または受信の種別を指定します。

int
自システムが起動側です。
rsp
自システムが受信側です。

自システムで,一つのPSAPアドレスに複数のコネクションを確立する場合,各コネクションで定義するmcftalccnコマンドの-nオプション(自システムのPSAPアドレス)の指定値を一致させます。また,その場合は,-tオプションの指定値もほかのmcftalccnコマンドと一致させてください。

●-z

(オペランド)

dtea=x'現用相手DTEアドレス'  ~<1~32けたの16進数字>
現用の相手システムのDTEアドレスを指定します。xは,16進数形式で指定することを意味します。
slot=現用スロット番号  ~<符号なし整数>((0~65535))
現用のスロット番号を指定します。
altn_dtea=x'交代用相手DTEアドレス'(n:1~7)  ~〈1~32けたの16進数字〉
経路交代用の通信相手システムのDTEアドレスを指定します。xは,16進数形式で指定することを意味します。
nは交代の順序であり,1から昇順に指定する必要があります。
altn_slot=交代用スロット番号(n:1~7)  ~<符号なし整数>((0~65535))
経路交代用のスロット番号を指定します。
nは交代の順序であり,1から昇順に指定する必要があります。
また,altn_dteaのnとaltn_slotのnは対として同じ値で指定してください。

●-l 0 | 2 | 4  《2》

使用するTLクラスを指定します。

0
TLクラス0を使用します。
2
TLクラス2を使用します。
4
TLクラス4を使用します。

RFC 1006接続(XNF/AS/OSI Extensionを使用)の場合はTLクラス0,WAN接続の場合はTLクラス2,LAN接続の場合はTLクラス4を指定してください。ただし,LAN接続の場合でもTLクラス2を使用する場合があるので,ネットワークの構成に合わせて指定する必要があります。

ただし,TLクラス4は使用できません。

●-y int | rsp

コンテンションの勝者または敗者の種別を指定します。このオプションを省略した場合,mcftalccnコマンドの-tオプションで指定した値が仮定されます。

int
起動側のシステムが勝者となります。
rsp
受信側のシステムが勝者となります。

●-o x'応用コンテキスト名'  ~<1~64けたの16進数字>

応用コンテキスト名を指定します。

●-j x'ユーザASE抽象構文名'  ~<1~64けたの16進数字>

ユーザASE抽象構文名を指定します。

●-d

(オペランド)

controlshared|polarized  ~《shared》
全二重機能半二重機能のどちらを使用するかを指定します。
shared
全二重機能を使用します。
polarized
半二重機能を使用します。
handshake=yes|no  ~《yes》
ハンドシェイクを使用するかどうかを指定します。
yes
ハンドシェイクを使用します。
no
ハンドシェイクを使用しません。

●-v

(オペランド)

cnflevt=yes|no  ~《no》
コネクション起動側でコネクション確立に失敗したときに,状態通知イベント(CERREVT)を通知するかどうかを指定します。
-tオプションにrsp(コネクション受信側)を指定した場合,このオプションの指定は無効です。この場合,コネクション確立時に障害が発生しても,CERREVTは通知しません。
yes
コネクション起動側でのコネクション確立の失敗時に,CERREVTを通知します。
no
コネクション起動側でのコネクション確立の失敗時に,CERREVTを通知しません。

注意事項

-gオプション,および-eオプションで指定するバッファグループ番号は,バッファグループ定義のmcftbufコマンドに対応しています。mcftbufコマンドでは,1コネクション単位に次の表に示す資源が必要です。バッファグループ定義については,マニュアル「OpenTP1 システム定義」を参照してください。

バッファ種別lengthオペランド1countオペランド
sndbuf
  • ダイアログ開始要求時(TP-BEGIN-DIALOGUEreq)
    起動側TPSU名称長2+受信側TPSU名称長+ユーザデータ長 以上
  • ダイアログ開始要求以外
    ユーザデータ長 以上
2以上
rcvbufsndbufと同じ
  • 起動側
    相手システムから連続して送られてくるメッセージ数+1
  • 受信側
    相手システムから連続して送られてくるメッセージ数+2+自システムでの異なるPSAP数
msgbuf最大セグメント長以上1
注※1
APDU連結をする場合,連結するサービスごとに上記の長さを求めます。合計した値を,連結したサービス全体の長さとして指定してください。
注※2
TPSU名称長の最大値は64バイトです。

なお,mcftbufコマンドのlengthオペランドでは,ユーザレベルでの最大セグメント長を指定します。相手システムによっては,相手システムのバッファ資源として,最大セグメント長にプロトコルヘッダ長を加算した長さで定義する場合があるので注意してください。

-zオプションで経路交代の定義をする場合,次のように指定します。

-z  "dtea=x'3456001'
   slot=0
   alt1_dtea=x'3456001'
   alt1_slot=1"

[図データ]

-z  "dtea=x'3456001'
   slot=0
   alt1_dtea=x'3456002'
   alt1_slot=0
   alt2_dtea=x'3456001'
   alt2_slot=1
   alt3_dtea=x'3456002'
   alt3_slot=1"

[図データ]

複数の相手局DTEアドレスを使用する場合,MCF構成定義で指定する通信相手システムのPSAPアドレスで,DTEアドレスの部分にはヌル文字を設定します。

[図データ]

ネットワーク層以下の層で障害が発生しても,経路交代機能を使用すると,1回のコネクション確立要求に対して現用と交代用の合計経路数だけ再試行します。

また,コネクション確立再試行回数を指定しておくと,次に示す回数だけ再試行します。

(現用と交代用の合計経路数)×(コネクション確立再試行回数)