TP1/NET/User Agentは,通信相手システムとの間で,論理的な通信路(コネクション)を確立してメッセージを送受信します。コネクションは,OSAS/UAプロトコルのアソシエーションに対応します。
OSAS/UAプロトコルでは,データ送受信の多重化はUAで行います。
このため自システムと相手システムの同一PSAPアドレス間では,1本のコネクションしか確立できません。
TP1/NET/User Agentからコネクションを確立します。コネクションの確立方法には,次の二つがあります。
TP1/NET/User Agentからのコネクションの確立について,次の図に示します。
図2-1 TP1/NET/User Agentからのコネクションの確立
コネクション確立時に,自システムと相手システムのUAの数を突き合わせます。UAの数が不一致の場合,一致しないUAを使用不可(閉塞状態)として,一致するUAだけが使用可能となります。
コネクション確立時の,UAの数によるTP1/NET/User Agentの処理を次の表に示します。
表2-2 UAの数によるTP1/NET/User Agentのコネクション確立
項番 | UAの数 | TP1/NET/User Agentの処理 |
---|---|---|
1 | 相手システム<自システム | 不一致となったUAの論理端末を使用不可とし,一致したUAの論理端末を使用可能としてコネクションを確立します。 mfctalccnコマンドに-fオプションを指定した場合は,相手システムの構成に合わせて,自システムを縮退することを通知するメッセージ(KFCA13257-W)が出力されます。 |
2 | 相手システム=自システム | 該当するコネクション下の全論理端末を使用してコネクションを確立します。 |
3 | 相手システム>自システム | コネクションの確立を拒否します。 |
4 | 相手システム=0 | コネクションの確立を拒否します。 |
ただし,MCF通信構成定義で「個別開局」と指定されたUAに関しては,該当するUAに関する論理端末を閉塞扱いとし,運用コマンド(mcftactle)で閉塞を解除するまではメッセージ送受信ができません。また,表2-2の項番1で使用不可となった論理端末については,閉塞を解除できません。
コネクションは,次に示す場合,正常に解放します。
なお,次の場合はコネクションを強制的に解放し,障害通知イベント(CERREVT)を発生させます。
コネクションの正常解放はユーザ間で,データ転送の終了の同期合わせ後に行ってください。
相手システムからのコネクションの正常解放を図2-2に,自システムからのコネクションの解放を図2-3に示します。
コネクションが正常に解放されると,TP1/NET/User Agentは,状態通知イベント(CCLSEVT)を発生させます。
図2-2 相手システムからのコネクションの解放
図2-3 自システムからのコネクションの解放