ポートとは,TCP/IPプロトコルを使用してメッセージ送受信をするときに,相手システムと自システムとのサービスの窓口となるものです。ポート番号はシステム内で一意な値にする必要があるため,TP1/NET/TCP/IPが使用するポート番号は重複しないように注意してください。また,ほかのアプリケーションとの重複を避けるため,OSが任意に割り当てるポート番号(動的ポートまたは短命ポートと呼ばれるポート番号)を使用しないでください。
サーバ型コネクションの場合は,一つのポートに一つ以上のコネクションを持つことができます。
コネクションとポートの関係を,サーバ型,およびクライアント型の場合についてそれぞれ次の図に示します。なお,サーバ型とクライアント型のコネクションを混在させて確立することもできます。
図2-1 コネクションとポートの関係(自システムがサーバ型)
図2-2 コネクションとポートの関係(自システムがクライアント型)
相手ポートは,相手システムごとにユニークな番号でも,すべて同じ番号でも問題ありません。
ポート番号の指定誤りなどによって次に示す状態になった場合は,TP1/NET/TCP/IPの起動やコネクション確立ができません。
それぞれのパターンについて,次の図に示します。
図2-3 コネクションとポートの不正なパターン例1
同一の相手ポートと自ポートの中で複数のコネクションは持てません。
図2-4 コネクションとポートの不正なパターン例2
自システム内でプロセス間にわたって同一の自ポート番号は使用できません。
同一ホスト内の他のプロセス(TP1/NET/TCP/IPのMCF通信プロセスを含みます)とコネクションを確立することもできます。この場合,自ポートと相手ポートは異なるポート番号を使用してください。
図2-5 同一ホスト内のコネクションとポートの関係
ポート番号を指定できるシステム定義のオペランドを,次の表に示します。
表2-1 ポート番号を指定できるシステム定義のオペランド
定義名 | 定義 | 指定できる範囲 | デフォルト値 | 対象システムサービス |
---|---|---|---|---|
MCF通信構成定義 | mcftalccn -r portno | 1024~65535 | OSの自動割り当てポートの範囲※ | MCF通信サービス |