分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/TCP/IP編
運用中に障害が発生すると,TP1/NET/TCP/IPはシステムを回復します。このとき,システム定義の指定によって,MCFイベント処理用MHPも起動できます。
TP1/NET/TCP/IP運用中の障害と対応処理について障害の種類ごとに説明します。
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| コネクション確立時障害(クライアント型) |
|
「10.2.2 KFCA14803-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。 |
| コネクション確立時障害(サーバ型) |
|
「10.2.6 KFCA14834-EまたはKFCA14835-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。 |
| コネクション確立時リトライオーバ(サーバ型) |
|
|
| コネクション切断 |
|
「10.2.1 KFCA14802-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。 |
| メッセージ送信時障害 | (一方送信メッセージの場合)
|
|
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| メッセージ送信完了タイムアウト | (一方送信メッセージの場合)
|
「10.2.3 KFCA14815-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。 |
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
表9-2 受信スケジュール関係の障害と対応処理
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| アプリケーション名未定義 |
|
システム定義を見直してください。 |
MCFイベント名未定義
|
受信メッセージおよびMCFイベントを破棄します。 | ありません。 |
| MHPサービス,サービスグループ閉塞 |
|
MHPサービス,サービスグループ閉塞の要因を取り除いてください。 |
| 入力キュー書き込み障害 |
|
入力キュー書き込み障害の要因を取り除いてください。 |
| 入力メッセージ編集UOCパラメタ不正 | (一方送信メッセージの場合)
|
入力メッセージ編集UOCを見直してください。 |
(問い合わせメッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| 入力メッセージ編集UOCエラーリターン | (一方送信メッセージの場合)
|
入力メッセージ編集UOCを見直してください。 |
(問い合わせメッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| アプリケーション名形式不正 |
|
アプリケーション名取得失敗の要因を取り除いてください。 |
| 次起動アプリケーション型不正(継続問い合わせ応答中に入力メッセージ編集UOCで設定したアプリケーション名がcont型でない) |
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メッセージ入力編集UOCおよびシステム定義を見直してください。 |
| 受信バッファオーバフロー |
|
「10.2.4 KFCA14816-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。 |
| 受信バッファ数不足 |
|
「10.2.7 KFCA14877-Iメッセージが出力された場合」を参照してください。 |
| 入力セグメント判定UOCパラメタ不正 |
|
入力セグメント判定UOC,または相手システムを見直してください。 |
| 入力セグメント判定UOCエラーリターン |
|
入力セグメント判定UOCを見直してください。 |
| 後続セグメント受信監視タイムアウト |
|
システム構成および運用を見直してください。 |
| 問い合わせ応答中の論理端末に対するメッセージの受信 |
|
相手システム,または運用を見直してください。 |
表9-3 送信スケジュール関係の障害と対応処理
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| 出力キュー読み出し障害 | (一方送信メッセージの場合)
|
「10.1.1 取得情報」で示す保守情報を退避してください。 |
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| 出力メッセージ編集UOCエラーリターン | (一方送信メッセージの場合)
|
運用,または出力メッセージ編集UOCを見直してください。 |
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| 出力メッセージ編集UOCパラメタ不正 | (一方送信メッセージの場合)
|
出力メッセージ編集UOCを見直してください。 |
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| メッセージ消し込み障害 |
|
「10.1.1 取得情報」で示す保守情報($DCDIR/spool下)を退避してください。 |
| 送信バッファオーバフロー | (一方送信メッセージの場合)
|
システム定義,またはUAPを見直してください。 |
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
||
| 送信バッファ数不足 | (一方送信メッセージの場合)
|
システム定義を見直してください。 |
(応答メッセージの場合)
|
||
(同期型メッセージの場合)
|
DCCMとのメッセージ送達確認を行う場合,および任意の相手システムとのメッセージ送達確認を行う場合に発生する可能性がある障害に対するTP1/NET/TCP/IPの処理を,以降の表に示します。
表9-4 メッセージ送達確認関係の障害と対応処理(mcftalccn -u delichk=dccm2s,dccm2m,dccm3s,dccm3mの場合)
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| 応答専用データ用送信バッファ数不足 |
|
定義を見直してください。 |
| 不正データ受信(11バイト未満のメッセージ受信,セグメント情報不正) |
|
相手システムを見直してください。 |
| メッセージID不一致 |
|
相手システムを見直してください。 |
| 応答を待ち合わせていないときに,応答専用データを受信 |
|
相手システムを見直してください。 |
| 送受信メッセージ衝突 | (dccm2s,dccm3sの場合)
|
相手システムまたは運用を見直してください。 |
(dccm2mの場合)
|
||
(dccm3mの場合)
|
||
| 応答専用データを待ち合わせたまま,送信完了監視タイムアウト |
|
定義または相手システムを見直してください。 |
| 応答専用データ送信処理中の送信完了監視タイムアウト |
|
定義または相手システムを見直してください。 |
| 応答専用データ送信処理中の一方送信メッセージ受信 |
|
相手システムを見直してください。 |
| 受信メッセージ通知失敗 | 表9-6を参照してください。 | 定義または運用を見直してください。 |
表9-5 メッセージ送達確認関係の障害と対応処理(mcftalccn -u delichk=useの場合)
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| 受信メッセージ判定UOC未登録 |
|
受信メッセージ判定UOCを作成し,登録してください。 |
| 送達確認メッセージ用送信バッファ数不足 |
|
定義を見直してください。 |
| 送達確認メッセージを待ち合わせていないときに,受信メッセージ判定UOCにてメッセージ種別に送達確認メッセージを指定 |
|
相手システムを見直してください。 |
| 送達確認メッセージを待ち合わせたまま,送信完了監視タイムアウト |
|
定義または相手システムを見直してください。 |
| 送達確認メッセージ送信処理中の送達確認メッセージ送信完了監視タイムアウト |
|
定義または相手システムを見直してください。 |
| 送達確認メッセージ送信処理中の一方送信メッセージ受信 |
|
相手システムを見直してください。 |
| 受信メッセージ判定UOCでメッセージ種別に破棄メッセージを指定 |
|
なし。 |
| 受信メッセージ判定UOCでメッセージ種別にコネクション解放を指定 |
|
相手システムを見直してください。 |
| 受信メッセージ判定UOCで送信処理の継続可否に送信停止を指定 |
|
なし。 |
| 受信メッセージ判定UOCエラーリターン |
|
受信メッセージ判定UOCを見直してください。 |
| 受信メッセージ判定UOCパラメタ不正 |
|
受信メッセージ判定UOCを見直してください。 |
| 受信メッセージ通知失敗 | 表9-6を参照してください。 | 定義または運用を見直してください。 |
表9-6 受信メッセージ通知失敗に対するTP1/NET/TCP/IPの処理
| 障害の内容 | ERREVT1 | ERREVT2 | TP1/NET/TCP/IPの処理 |
|---|---|---|---|
| アプリケーション名未定義 | ○ | − |
|
| × | − |
|
|
| 未定義 | − | ||
| スケジュール失敗 | − | ○ |
|
| − | × |
|
|
| − | 未定義 | ||
| 入力メッセージ編集UOCエラーリターン | − | − |
|
| 入力メッセージ編集UOCパラメタ不正 | − | − |
|
表9-7 UAPの障害と対応処理
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| メッセージ受信前のUAP異常終了 | ERREVT2を起動します。 | UAPを見直してください。 |
| メッセージ受信後のUAP異常終了 | ERREVT3を起動します。 |
表9-8 TP1/NET/TCP/IPの障害と対応処理
| 障害の内容 | TP1/NET/TCP/IPの処理 | ユーザの処理 |
|---|---|---|
| 内部論理矛盾,または他プログラムプロダクトとのインタフェースエラー |
|
「10.1.1 取得情報」で示す保守情報($DCDIR/spool下)を退避してください。 |
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