分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/TCP/IP編

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MCFトレースファイルの見積もり式

ここでは,トレース情報量の見積もり式,トレース情報が失われる経過時間の見積もり式,および具体的な見積もりの例について説明します。

トレース情報量の見積もり式

1秒当たりに取得するMCFトレースファイルの,トレース情報量の見積もり式を次に示します。

1秒当たりのトレース情報量(単位:バイト)
              = (A×B) + ((C+D)×E) + ((F+D)×G)
注※
MCF通信プロセスが複数存在する場合は,MCF通信プロセス単位で回数を算出してください。

トレース情報が失われる経過時間の見積もり式

MCFトレースファイルから,トレース情報が失われる経過時間の算出式を次に示します。

なお,算出式中の,「1秒当たりのトレース情報量」とは,トレース情報量の見積もり式で算出した値です。

経過時間(秒) = G×H×I/1秒当たりのトレース情報量(単位:バイト)

見積もり式の算出例

ここでは,トレース情報量の見積もり式,およびトレース情報が失われる経過時間の見積もり式の具体的な算出例を示します。

ここでは,次の場合を例に説明します。

  1. 32ビットでの常時接続のサーバ型コネクションで,一方送信メッセージの受信と送信をする場合
  2. 32ビットでのクライアント型コネクションで,メッセージ送受信ごとにコネクションの確立と解放をする場合

例1 常時接続のサーバ型コネクションで,一方送信メッセージの受信と送信をする場合

[図データ]

この例では,次の値が想定されています。

項目 想定値
コネクションの確立と解放時に取得するトレース情報量 6000バイト
1分(60秒)当たりのメッセージの受信から送信までの回数 120回
送受信メッセージ長 1000バイト
メッセージ送信時に取得するトレース情報量 2400バイト
メッセージ受信時に取得するトレース情報量 2500バイト
トレース環境定義(mcfttrc -t)のオペランドの指定値
  • size = 204800
  • bufcnt = 100
  • trccnt = 3
  • msgsize = 128

この例の場合の,計算例を次に示します。

トレース情報量の見積もり
(6000×0) + ((2400+128)×(120/60)) + ((2500+128)×(120/60)) = 10312
1秒当たりのトレース情報量は,10312バイトとなります。
注※
コネクションが常時接続であるため,1秒当たりのコネクション確立および解放の回数は0として計算してください。
トレース情報が失われる経過時間の見積もり
204800×100×3/10312 = 5958.1
トレース情報が失われる経過時間は,5958.1秒(約99分)となります。

例2 クライアント型コネクションで,メッセージ送受信ごとにコネクションの確立と解放をする場合

[図データ]

この例では,次の値が想定されています。

項目 想定値
コネクションの確立と解放時に取得するトレース情報量 8000バイト
1分(60秒)当たりのメッセージの受信から送信までの回数 120回
送受信メッセージ長 1000バイト
メッセージ送信時に取得するトレース情報量 2000バイト
メッセージ受信時に取得するトレース情報量 3500バイト
トレース環境定義(mcfttrc -t)のオペランドの指定値
  • size = 204800
  • bufcnt = 100
  • trccnt = 3
  • msgsize = 128

この例の場合の,計算例を次に示します。

トレース情報量の見積もり
(8000×(120/60)) + ((2000+128)×(120×2/60)) 
               + ((3500+128)×(120×2/60)) = 39024
1秒当たりのトレース情報量は,39024バイトとなります。
トレース情報が失われる経過時間の見積もり
204800×100×3/39024 = 1574.4
トレース情報が失われる経過時間は,1574.4秒(約26分)となります。