2.9.1 WCF連携機能の機能概要
WCFでは,クライアントとサービスとの間でどのように通信するかをBindingとしてアプリケーション構成ファイルに定義することで,クライアントとサービス間の通信方式を決定します。WCF連携機能では,OpenTP1にサービスを要求できるように,WCFのBindingとしてTP1IntegrationBindingを提供します。
BindingにTP1IntegrationBindingを設定することで,WCFクライアントからOpenTP1上のSPPおよびSPP.NETにサービスを要求できます。ただし,サービスを要求できるSPP.NETは,.NETインタフェース定義を使用していないSPP.NETだけです。
なお,WCF連携機能はWCFクライアントからOpenTP1にサービスを要求するための機能であり,WCFサービスの開発はできません。そのため,WCFを利用する際に必要なサービスコントラクトおよびそのプロキシクラスは,Connector .NETのTP1IntegrationBindingであらかじめ提供しています。
WCF連携機能の概要を次の図に示します。
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(1) 前提条件
(a) 前提ソフトウェア
WCF連携機能を使用する場合,次に示すソフトウェアが必要です。
-
.NET Framework v3.5 Service Pack 1
(2) 使用できるプログラム言語
WCF連携機能を使用してUAPを開発する場合,次のプログラム言語が使用できます。
-
C#
-
Visual Basic
(3) WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能
WCF連携機能を使用してサービスを要求する場合,Connector .NETの機能で使用できる機能と使用できない機能があります。
(a) 使用できるConnector .NETの機能
WCF連携機能を使用する場合,Connector .NETの機能はConnector .NET構成定義に定義することで使用できます。
WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能と構成定義での定義を次の表に示します。
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Connector .NETの機能 |
使用可否 |
構成定義での定義 |
|---|---|---|
|
リモートプロシジャコール(RPC) |
○ |
<client>要素 |
|
トランザクション制御機能(ローカルトランザクション) |
× |
− |
|
トランザクション制御機能(分散トランザクション) |
○ |
<distributedTransaction>要素 |
|
TCP/IP通信機能 |
× |
− |
|
コネクションプーリング機能 |
○ |
<connection>要素 |
|
バッファプーリング機能 |
○ |
|
|
TSP自動生成機能 |
× |
− |
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リソース監視機能 |
○ |
|
|
接続障害軽減機能 |
○ |
<connection>要素のfailureInfoSharing属性およびfailureCheckInterval属性 |
- (凡例)
-
○:使用できます。
×:使用できません。
−:該当しません。
(b) サービスを要求できるサーバUAPの種類
WCF連携機能を使用してサービスを要求できるサーバUAPの種類を次の表に示します。
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サーバUAPの種類 |
使用可否 |
|---|---|
|
SPP |
○ |
|
SPP.NET(.NETインタフェース定義を使用した場合) |
× |
|
SPP.NET(.NETインタフェース定義を使用しない場合) |
○ |
|
MHP |
× |
- (凡例)
-
○:使用できます。
×:使用できません。
(c) サービスを要求する際のRPC形態と種類
WCF連携機能を使用してサービスを要求する際のRPCの形態と種類を次の表に示します。
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分類 |
RPCの形態と種類 |
使用可否 |
|---|---|---|
|
RPCの形態 |
同期応答型RPC |
○※1 |
|
非同期応答型RPC |
× |
|
|
非応答型RPC |
× |
|
|
連鎖RPC |
× |
|
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RPCの種類※2 |
リモートAPI機能を使用したRPC |
○ |
|
ネームサービスを使用したRPC |
○ |
|
|
スケジューラダイレクト機能を使用したRPC |
○ |
- (凡例)
-
○:使用できます。
×:使用できません。
- 注※1
-
プロキシクラスのメソッド(Call)を利用してサービスを要求します。
- 注※2
-
RPCの種類は,Client .NET構成定義に定義することで自由に選択できます。