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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Connector for .NET Framework 使用の手引


2.9.1 WCF連携機能の機能概要

WCFでは,クライアントとサービスとの間でどのように通信するかをBindingとしてアプリケーション構成ファイルに定義することで,クライアントとサービス間の通信方式を決定します。WCF連携機能では,OpenTP1にサービスを要求できるように,WCFのBindingとしてTP1IntegrationBindingを提供します。

BindingにTP1IntegrationBindingを設定することで,WCFクライアントからOpenTP1上のSPPおよびSPP.NETにサービスを要求できます。ただし,サービスを要求できるSPP.NETは,.NETインタフェース定義を使用していないSPP.NETだけです。

なお,WCF連携機能はWCFクライアントからOpenTP1にサービスを要求するための機能であり,WCFサービスの開発はできません。そのため,WCFを利用する際に必要なサービスコントラクトおよびそのプロキシクラスは,Connector .NETのTP1IntegrationBindingであらかじめ提供しています。

WCF連携機能の概要を次の図に示します。

図2‒39 WCF連携機能の概要

[図データ]

〈この項の構成〉

(1) 前提条件

(a) 前提ソフトウェア

WCF連携機能を使用する場合,次に示すソフトウェアが必要です。

  • .NET Framework v3.5 Service Pack 1

(2) 使用できるプログラム言語

WCF連携機能を使用してUAPを開発する場合,次のプログラム言語が使用できます。

(3) WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能

WCF連携機能を使用してサービスを要求する場合,Connector .NETの機能で使用できる機能と使用できない機能があります。

(a) 使用できるConnector .NETの機能

WCF連携機能を使用する場合,Connector .NETの機能はConnector .NET構成定義に定義することで使用できます。

WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能と構成定義での定義を次の表に示します。

表2‒16 WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能と構成定義での定義

Connector .NETの機能

使用可否

構成定義での定義

リモートプロシジャコール(RPC)

<client>要素

トランザクション制御機能(ローカルトランザクション)

×

トランザクション制御機能(分散トランザクション)

<distributedTransaction>要素

TCP/IP通信機能

×

コネクションプーリング機能

<connection>要素

バッファプーリング機能

  • <buffer>要素

  • <largestBufferPool>要素

  • <bufferPool>要素

TSP自動生成機能

×

リソース監視機能

  • <perfCounter>要素

  • <buffer>要素のthreshold属性

  • <largestBufferPool>のthreshold属性

  • <bufferPool>要素のthreshold属性

接続障害軽減機能

<connection>要素のfailureInfoSharing属性およびfailureCheckInterval属性

(凡例)

○:使用できます。

×:使用できません。

−:該当しません。

(b) サービスを要求できるサーバUAPの種類

WCF連携機能を使用してサービスを要求できるサーバUAPの種類を次の表に示します。

表2‒17 サービスを要求できるサーバUAPの種類

サーバUAPの種類

使用可否

SPP

SPP.NET(.NETインタフェース定義を使用した場合)

×

SPP.NET(.NETインタフェース定義を使用しない場合)

MHP

×

(凡例)

○:使用できます。

×:使用できません。

(c) サービスを要求する際のRPC形態と種類

WCF連携機能を使用してサービスを要求する際のRPCの形態と種類を次の表に示します。

表2‒18 サービスを要求する際のRPCの形態と種類

分類

RPCの形態と種類

使用可否

RPCの形態

同期応答型RPC

※1

非同期応答型RPC

×

非応答型RPC

×

連鎖RPC

×

RPCの種類※2

リモートAPI機能を使用したRPC

ネームサービスを使用したRPC

スケジューラダイレクト機能を使用したRPC

(凡例)

○:使用できます。

×:使用できません。

注※1

プロキシクラスのメソッド(Call)を利用してサービスを要求します。

注※2

RPCの種類は,Client .NET構成定義に定義することで自由に選択できます。