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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Connector for .NET Framework 使用の手引


2.2.7 分散トランザクションの概要

Connector .NETは,Microsoft Distributed Transaction Coordinator(MSDTC)の分散トランザクションとOpenTP1のトランザクションとの2相コミットによるトランザクション連携を行い,MSDTC連携機能を実現します。MSDTC連携機能を使用すると,MSDTCを利用するほかのリソースとOpenTP1が使用するリソースとの間で分散トランザクション連携ができます。

MSDTC連携機能を使用したアプリケーションでは,.NET Frameworkが提供するSystem.Transactions名前空間内のAPIを使用することで,OpenTP1をリソースマネジャとしてMSDTCの分散トランザクションに参加させることができます。また,アプリケーションやOpenTP1で障害が発生した場合,Connector .NETが提供するトランザクションリカバリサービスがトランザクションを自動的に回復します。これによって,MSDTCの分散トランザクションでOpenTP1とOpenTP1以外のリソースとの整合性を保証します。トランザクションリカバリサービスの詳細については,「2.2.10 分散トランザクションのトランザクションリカバリサービス」を参照してください。

MSDTC連携機能では,OpenTP1が提供するXAリソースサービスを使用します。XAリソースサービスの詳細については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) MSDTC連携機能の概要

MSDTC連携機能の概要を次の図に示します。

図2‒4 MSDTC連携機能の概要

[図データ]

(2) WCF連携機能使用時のMSDTC連携機能の概要

MSDTC連携機能をWCFサービスで使用することで,他システムとのWS-AtomicTransactionによるトランザクション連携もできます。このとき,WCFサービスからOpenTP1へのサービス要求には,WCF連携機能を使用することもできます。WCF連携機能の詳細については「2.9 WCF連携機能」を参照してください。

WCF連携機能使用時のMSDTC連携機能の概要を次の図に示します。

図2‒5 WCF連携機能使用時のMSDTC連携機能の概要

[図データ]

(3) 前提条件

(a) 前提ソフトウェア

MSDTC連携機能を使用する場合,次に示すソフトウェアが必要です。

  • TP1/Client for .NET Framework 07-50以降

  • .NET Framework v3.5 Service Pack 1

また,トランザクション連携をする接続先のOpenTP1は,次のどちらかである必要があります。

  • TP1/Server Base 07-50以降

  • TP1/LiNK 07-51以降

(4) MSDTC連携機能で使用できるRPC

MSDTC連携機能で使用できるRPCを次の表に示します。

表2‒2 MSDTC連携機能で使用できるRPC

分類

RPCの方式

RPCの使用可否

WCF連携機能使用時

WCF連携機能未使用時

RPCの種類

リモートAPI機能を使用したRPC

ネームサービスを使用したRPC

×

×

スケジューラダイレクト機能を使用したRPC

×

×

コネクトモード

オートコネクトモード

非オートコネクトモード

×

×

RPCの形態

同期応答型RPC

非同期応答型RPC

×

×

非応答型RPC

×

連鎖型RPC

×

トランザクションを引き継がないRPC

×

(凡例)

○:使用できます。

×:使用できません。